仙台管区気象台は15日、本県を含む東北地方が梅雨入りしたとみられると発表した。本県の梅雨入りは昨年より4日早いという▼梅雨の時期は、じめじめして洗濯物が乾きにくく、カビも生えやすくなるため、嫌う人も多いのではないだろうか▼梅雨と言えば、20年以上前に読んだ漫画を思い起こす。主人公は日本人に最も愛されている絵として、雨に濡れる松林が描かれた水墨画を紹介する。日本人にとって適度の湿度は生きるために欠かせない条件で、だからこそ、この水墨画は心を引きつけるとし、日本人は湿度を他人と共有することで互いに支え合ってきたと説く▼確かに日本人は「向こう三軒両隣」という言葉などがあるように、近所付き合いを大切にしてきた。これが主人公の言う「湿度の共有」なのだろう▼しかし、今はそういったことが希薄になり、人間関係や近所付き合いがどんどんドライになっている気がする。日本人にとって貴重な水資源をもたらしてくれる梅雨が欠かせないように、適度な付き合いは必要ではないか。