冬夏言

 

2017/9/27 水曜日

 

健康志向の高まりを受け、さまざまな形のウオーキングが人気を集めているようだ。先日、五所川原市金木町では、津軽半島の青森ヒバ林と森林鉄道軌道跡を巡るトレッキングツアーに健康チェックを加えて進化させたヘルスツーリズムが行われた▼コーディネーターによれば、金木町のコースは日本三大美林にも数えられる青森ヒバが広がる自然豊かな空間と、勾配の少ない場所を選んで森林鉄道が敷設されたことで、全国的にもトレッキングにはもってこいの場所だとか▼約10キロのコースは山岳ガイドの解説付きで十分満足できる内容だが、最大の特徴はスタート前に参加者が血圧やロコモチェック、弘前大学の中路重之特任教授による講話で健康への知識と意識を高めるということ▼筆者も取材で同行したが、ツアー全体に安心感があり、参加者がすがすがしい表情を浮かべていたのが印象的だった▼本県の誇れる自然を生かし、健康意識向上のきっかけづくりにつながるツアー。運動と教養の両面から効果が期待できるとあって、旅行者だけでなく地元住民も十分に楽しめるはずだ。

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2017/9/26 火曜日

 

陸奥新報社OBの成田光治さんが、雑誌「津軽学」11号に寄せた論考の中で、1988年の津軽海峡線開通に触れている▼青森駅でのテープカット、連絡船の最終出航などを取材。記念イベント「青函博」の中心・アスパムは「地上15階、高さ76メートルある正三角形の威容は、青函新時代を象徴するようにみえた。」そうだ▼青函博のあの熱気は今も思い出せる。見るものすべてが新鮮で、巨大なドームや会場の人の数に圧倒された。自分は歴史の節目に立ち会っているのだという妙な高揚感もあった▼ただ青函トンネル開通という華々しい出来事の裏には、大工事の犠牲となった人たちがいたのを忘れてはならない。63年前のきょう起きた青函連絡船・洞爺丸の沈没事故もだ。乗客・乗員1155人が亡くなった大惨事の教訓から、海底トンネルの建設が求められた▼自然災害や戦争、事故は語り継がれなければ危機意識の風化を防げない。半島全体が戦火と化した朝鮮戦争。その悲惨さむごさは当然子孫も知るところだろうに。過去を知らなかったかのように暴走を続ける若き独裁者に怒りしかない。

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2017/9/25 月曜日

 

大型の台風18号が18日、本県に最接近した。「りんご台風」と呼ばれる1991年の台風19号と似た進路をたどったため本県リンゴ産業への打撃は避けられない―と心配したが、園地や木で被害にばらつきはあるものの、懸念されたような大きな被害は免れた▼これから中生種のリンゴの収穫が本格化する。主力である晩生種「ふじ」の収穫開始までは1カ月ほどある。台風シーズンはまだ続く。全てのリンゴを無事に収穫するまで生産者が風を警戒する日々は続く▼風と言えば「解散風」が突然吹いた。安倍晋三首相は28日召集の臨時国会冒頭で衆院解散し、総選挙に踏み切る意向を固めたとか―。きょう25日に記者会見を開き、解散を正式に表明する見通しだ▼全国の立候補予定者が総選挙への対応に追われることに。衆院本県4区では現職議員の死去に伴う補欠選挙(10月10日告示、22日投開票)が行われる予定だが、解散となれば総選挙に吸収される▼衆院は「常在戦場」。政党関係者からよく聞く言葉だ。立候補予定者はシーズンなど関係なく、常に“風”を読まないといけないようだ。

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2017/9/24 日曜日

 

秋分の日を経て深まりゆく秋。辺りでは黄金色の稲穂に真っ赤なリンゴと、津軽らしい出来秋の風景がそこかしこに広がる▼先日、初物の「つがる」を頂いた。一口食べた瞬間、なぜだか実家と親の顔が浮かんだ。小さな頃から慣れ親しんだ味。肌寒くなってきた頃に暖かな家で食べていたイメージだろうか。初めての体験に自分でも少し驚いた。一番好きな果物は? と尋ねられ、桃か、いや梨か? なんて最近浮気がちだったが、やはりリンゴこそが体に染みついたふるさとの味▼先日の台風18号は、1991年に津軽一円のリンゴ園に甚大な被害をもたらした台風19号、いわゆる「りんご台風」の進路に酷似。幸いにして懸念されたほどの被害はなかったが、一部園地ではかなりの落果があったという▼りんご台風ではリンゴ農家の小学生らがつづった台風体験が文集「リンゴの涙」としてまとめられ大きな反響を呼んだ。子どもたちのストレートな表現は、リンゴ農家の労苦を余すところなく伝える▼一個のリンゴにかけられた多くの手間暇。ありがたく感じながら、きょうもまた一つ。

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2017/9/23 土曜日

 

「李下(りか)に冠を正さず」「瓜田(かでん)に履(くつ)を納(い)れず」―。誤解を招くような行動はすべきではないという、戒めを込めた故事である▼安倍晋三首相は28日に召集予定の臨時国会冒頭で、衆院解散に踏み切る考えだ。自身3度目の伝家の宝刀を抜くことになる。戦後、3度の解散権を行使するのは吉田茂首相(第2~4次吉田内閣)以来、2人目▼野党はこぞって「大義なき解散」「森友、加計学園問題の疑惑隠し解散」と批判する。確かに大義は薄く、北朝鮮対応による内閣支持率のにわかな回復に加え、前原誠司民進党と小池百合子東京都知事絡み新党の態勢が整う前に、との思惑が見え隠れする▼中学、高校と武道に打ち込んだ友人は言う。「柔道では、技を掛けたように装う掛け逃げ(加計逃げ)には指導が来るんだよ」。いまだ真相の究明には程遠い状況だけに、言い得て妙である▼文化庁の国語に関する世論調査で“誤用”例に挙がった慣用句に当てはめよう。「ぞっとしない(面白くないが本来の意味)」解散で、「足(下)をすくわれ」、党の「存亡の(危)機」に直面することがないように。

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