冬夏言

 

2018/7/1 日曜日

 

2018年もあっという間に半年が終わってしまい、きょうから7月。年齢を重ねるごとに、月日の経過が本当に早く感じられるようになってきている▼7月に入り、本県にもいよいよ本格的な夏が訪れるとともに、各地では夏祭りの準備が着々と進められている▼津軽地方では本県ねぶた・ねぷたまつりのトップを切ってつがる市ネブタまつりが26日に開幕。8月に入ると1日の弘前ねぷたまつり、2日の青森ねぶた祭、4日の五所川原立佞武多と続いていく▼祭りが近づく足音は、五所川原市でも日に日に大きくなっている。立佞武多の館では新作大型立佞武多の紙張りや色付け作業が急ピッチで進められているほか、夜には各団体が囃子(はやし)を練習している▼昨年に運行20年の節目を迎え、今年10月にはフランスへ出陣する立佞武多。3年前にブラジルのサンパウロカーニバルに出陣した際には地元に大きな驚きを与え、世界にその姿を知らしめた。今回出陣する立佞武多の大きさは中型だが、パリっ子を驚かせるには十分だろう。パリに「ヤッテマレ」が響くのが今から楽しみだ。

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2018/6/30 土曜日

 

「険しき所も登ってほしい」との願いから、両親はわが子を「岳」と名付けた。サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会のピッチに立つ、野辺地町出身の柴崎岳選手である▼その柴崎選手が先発出場した予選リーグ最終戦。ポーランドに0―1とされながら、日本は最終盤、自陣でボールを回し、ポーランドも積極的に攻めることはしなかった。「時間稼ぎ」の展開に会場はブーイングの嵐となった▼そのまま試合に負けても、警告や退場によるフェアプレーポイントで、勝ち点で並ぶセネガルを上回り、決勝トーナメント進出が決まる―。日本は土壇場でその可能性に賭けたのである▼確かにもどかしい展開ではあったが、戦略通り、2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を果たした。大会前の低評価を覆してきた、西野朗監督の勇気ある大胆な采配に感謝する▼これで、決勝トーナメントでも柴崎選手のプレーが見られることになったのだ。予選リーグで「新たな司令塔」と高評価を受けた柴崎選手が、県人の一人として誇らしい。次も「険しき所も登る」チャレンジを見せてほしい。

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2018/6/29 金曜日

 

夏至を過ぎ、そろそろ夏らしさが顔を出し始めてきた。じめっと蒸し暑い日が続き、寝苦しい夜も増えてきたように感じる▼携帯型心拍計製造・販売のポラール・エレクトロ・ジャパン(東京都渋谷区)は、主要28カ国のうち日本人の平均睡眠時間が6時間半で最短という調査結果を発表した。日本人男性は6時間30分、同女性は6時間40分で共に最短で、最長と1時間ほどの差があった▼米国の研究団体が推奨する睡眠時間は7~9時間。日本はそれにはわずかに届いていない状況だ▼筑波大学の研究チームが眠気の仕組みを一部解明し、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。徹夜すると脳内の80種のたんぱく質のリン酸化が進み、眠れば解消されるというメカニズムだという▼リン酸化の進行を遅らせる薬でも開発されれば、寝る間が惜しい時に役立つのでは―と少し期待してしまう。といっても、睡眠は1日の3分の1を占める程、生命維持活動には必要なもの。糖尿病や免疫の低下、アルツハイマーなど多くの病気との関連が指摘されていることからも、やはり寝るのが一番ということのようだ。

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2018/6/28 木曜日

 

強風に荒れた昨日の弘前市。梅雨寒から一転し肌にまとわり付く湿気が蒸し暑い一日だった。通勤時のどんよりした空模様も相まって憂鬱(ゆううつ)になりかけたが、道端のアジサイを見つけると気持ちが軽くなった▼135年前の今ごろ、独哲学者のニーチェは猛烈な勢いで筆を進めていた。6月26日から11日間のうちに第2部が書かれたその本は「ツァラトゥストラかく語りき」として後世に読み継がれる▼キリスト教が支配的な19世紀の欧州で「神の死」を基点に人間の在り方を説いた。だが生前は評価されず、第4部に至っては私家版40部中7部が身内に渡ったのみだった▼本を読み、感じた衝撃を書き伝える。その行いが持つ可能性をルターやムハンマドの偉業を例に「革命」と呼んだのが本県出身の哲学者佐々木中(あたる)さん。佐々木さんは2015年、同著の新訳を手掛けた▼名声を前に精神病院で亡くなった哲人を、佐々木さんは〈負けたのか。そんな訳はない〉と諭す。同著に生のヒントを授かった冬夏言子がその証左だ。同著はアジサイのように、これからも鉛色の空に輝き続けるだろう。

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2018/6/27 水曜日

小惑星探査機「はやぶさ2」が、27日午前中にも小惑星Ryugu(リュウグウ)の上空20キロ地点に到着する。今秋以降、岩石など研究試料の採取をして持ち帰る▼リュウグウは地球に接近する軌道を持つ小惑星の一つ。有機物や水を多く含むC型に分類され、太陽系初期の情報を持っているとされる。炭素と水は、人類を含む地球上の生命体の最も基本的な原材料▼宇宙航空研究開発機構教授として、はやぶさプロジェクトを主導し、小惑星イトカワからのサンプルリターンを成功させたのが、弘前市出身の川口淳一郎さん。その技術と精神を受け継ぐプロジェクトだけに、応援せずにはいられない▼きれいな夜空を見ると、幼少の頃、宇宙に憧れた“天体小僧”だったことを思い出す。風景も人々の心も素朴だった時代…。今、地球では無差別殺人や幼児虐待などが相次ぎ、やり切れない思い▼はやぶさ2は2014年12月の打ち上げから3年半が経過し、地球からの行程約3億キロという“浪漫(ろまん)飛行”の真っただ中。殺伐とした現代社会には、誰もが抱いたことがあるロマンを思い起こすことが必要。

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