冬夏言

 

2019/8/4 日曜日

 

1日に弘前ねぷたまつり、2日に青森ねぶた祭が開幕し、夏祭り一色となっている県内。きょう4日は、もう一つの津軽三大火祭り「五所川原立佞武多」が初日を迎える▼今年の新作大型立佞武多「かぐや」は、令和最初にちなんで、日本最初の物語である竹取物語が題材で、月へ帰るかぐや姫の美しくもはかなげな表情が印象的。「かぐやが立佞武多の新しい物語を紡ぎ、五所川原が光輝いてくれれば」と思いを込めている制作者の齊藤忠大さん。初日にどんな輝きを見せてくれるか楽しみだ▼初日と言えば、3日に行われた第101回全国高校野球選手権大会の組み合わせ抽選で、本県代表の光星が何と初日の開幕試合を引き当てた▼対戦相手は誉(愛知)。光星は3年前の第98回大会2回戦で愛知代表の東邦と戦い、最大7点のリードを逆転されサヨナラ負けした悔しい記憶がある▼日程が合えば誉の応援に東邦のブラスバンドが駆け付けるという。実際に試合をする相手は違えどリベンジにはもってこいだ。光星には開幕戦を制して勢いに乗り、悲願の頂点となって1等星の輝きを放ってほしい。

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2019/8/3 土曜日

 

数年前のことだったかと思う。休日に青森市の三内丸山遺跡を訪れた。意外にも、さほど見学者がおらず、とても静かな時間が流れていた。広大な遺跡に歩みを進めると、入り口近くのベンチで知人が本を読んでいた▼よほどその本に夢中になっていたのだろう。冬夏言子が傍らを通っても目線を上げない。こういう場合は声を掛けないのが礼儀かなと、黙って通り過ぎたのだったが、なぜここで読書かと疑問に感じたことを思い出す▼三内丸山遺跡をはじめとする「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、世界文化遺産の国内推薦候補に事実上決まった。ユネスコの諮問機関イコモスの現地調査を経て2021年の登録を目指す▼縄文遺跡群はどちらかというと地味な存在だ。なにせ、国内では初めてという地下にある遺産。三内丸山遺跡も6本柱建物がそびえ立ち、観光客の興味を引くが、「主役」はやはり地下にある▼最近は三内丸山遺跡を歩き、あれこれ想像するのが楽しくて仕方ない。読書に夢中に見えたかの知人も、実は一人ひそかに時空を旅していたのではないか。そうならば優雅な趣味である。

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2019/8/2 金曜日

 

自身の原風景に故郷の祭りが刻まれているという人は、恵まれているように思う。津軽に生まれ育った人も同様だ。夏祭り時期に津軽の人々が口にする「じゃわめく」感覚は、その原風景から立ち上ってくるのではないだろうか▼昔のねぷたの見送り絵は今より一段とあでやかだったり恐ろしげだったりしたと聞くが、幼い頃、夜の沿道で家族と一緒に見るねぷたは、どのような気持ちとともに記憶されているだろう。胸が「じゃわめく」体験だったのではないか▼県内のねぷた・ねぶた祭りはつがる市ネブタまつり、黒石ねぷた祭りに続き、1日に弘前ねぷたまつりが開幕。2日は青森ねぶた祭、4日は五所川原立佞武多と続いていく▼毎年出陣するねぷた・ねぶたの現物がすべて後世に伝わることはないが、人々の記憶の中に消えることなく残り、「じゃわめく」熱を育んでいく。祭りは地域のDNAのようだ▼今夜も各地で運行されるねぷた・ねぶたの勇姿は、どのような形で子どもたちの脳裏に焼き付くのだろうか。人々の胸を「じゃわめかせる」津軽の夏が、今年もやってきた。

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2019/8/1 木曜日

 

夕暮れ時、どこからともなく聞こえてくる囃子(はやし)の音。ねぷた小屋には煌々(こうこう)と明かりがともり、出陣の時を今か今かと待っている▼津軽の地に生まれた者はねぷたとともに生きる。幼い頃は親に手を引かれ、もう少しするとロープにつかまって「ヤーヤドー」と声を張り上げるようになり、そのうちに小太鼓に鉦(かね)、笛と一通りを経験する▼小さい頃、町会のねぷたで小太鼓を担当したことがあった。斜め掛けした小太鼓はずっしりと肩に食い込み、長距離の練り歩きはなかなかの苦行であった。それでも友達と参加する楽しさ、終わった後の開放感、お待ちかねのアイスの冷たさなど、すべてひっくるめて楽しかったと、今でもありありと思い出される▼とある保育関係者は、地元の伝統文化のものであり、制作や運行などさまざまな場面があるねぷたは最高の教材だと言っていた▼各地から大勢の観光客が来場する弘前の一大イベントではあるが、これまでもこれからも、まずは市民が自分たちのために運行し楽しめるイベントであり続けてほしいと願う。弘前ねぷたまつりがきょう、開幕する。

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2019/7/31 水曜日

 

空はどんより、湿度はむしむしと高い日が続く。暦の上ではとっくに夏だが、本県はまだ梅雨明けしていない。それでも、紙面を彩るねぷた・ねぶたの話題を見るたびに「夏が来た」と感じるのは、この県に生まれたからこその感覚だろう▼黒石市ではきのう、黒石ねぷた祭りが開幕した。黒石の祭りは観光化されていない市民主体のイベント。町会や子ども会が作った伝統的なねぷたが、藩政時代の情緒漂うこみせ通りを舞台に練り歩くさまは、この地域でしか味わえない良さだ▼百聞は一見にしかず。子どもの頃から観光客が大勢集まるような祭りしか行っていなかったが、ここ数年は取材を通じて黒石の祭りに触れる機会が増え、その魅力を知った▼県内の同じ祭りでも、それぞれの地域で培われた文化があり、魅力がある。黒石市ではこれから日本三大流し踊りの一つ「黒石よされ」をはじめ、大川原の火流し、ふるさと元気まつりなど、夏祭り・行事が目白押しだ▼「百聞は―」はもっともだが、地域の魅力を読者に感じてもらい、興味を持ってもらえる新聞になるよう努めたい。

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