冬夏言

 

2020/9/6 日曜日

 

私事だが現在、体重の最大値を更新中。膨らむ腹を隠していたが娘には見透かされ、威厳を保つために頼ろうとしたのはゲームだった▼遊びながらやせられると人気のゲーム機。今すぐ欲しいが品薄で店頭には並ばない。一方でネットを見れば中古品でも定価以上の値で取引されている。俗に言う「転売ヤー」の仕業である▼さまざまな人気商品の転売被害は社会問題と言ってもいい。上流で水をせき止め、自分の田にだけ引き入れる浅ましい行為がまかり通っている▼接近中の台風10号により、被害が予想される地域では現在、養生テープが品薄になっているが、これもネット上のフリマアプリなどで値が釣り上げられている。災害時、対岸の火事だと他者を顧みず小金を稼ごうというのか。現代人の精神性がここまで貧しいという事実にぞっとする▼「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」は東日本大震災の折に共感を呼んだ詩人・相田みつを氏の言。本来、足りないことはないのだ。この怒りで体脂肪は燃焼しないのが、余計に腹立たしい。

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2020/9/5 土曜日

 

9月に入り稲穂が日に日に黄金の輝きを増し、暦の上ではとっくに秋だというのに、まだまだ暑い▼3日はフェーン現象の影響で弘前市では9月の観測史上最高の36・7度を記録。今後1週間でも30度を超える日が何日かあるようで、残暑はしばらく続きそうだ▼ある研究では、温暖化で日本ではかんきつ類の生産が徐々に北上すると指摘されている。2060年代には東北地方の平野部でリンゴ栽培が困難になり、暖かくなりすぎて愛媛県ではミカンの生産ができなくなる恐れもあるという。その愛媛県では温暖化を生かした栽培方法として、イタリアが本場とされるブラッドオレンジを生産する農家が増えているという▼温暖化は果物の栽培に大きく影響を及ぼしているようだ。何より一番驚いたのがバナナ。近年、日本でバナナの生産に取り組む人たちが出てきており、秋田県や岩手県などでもハウスで栽培されているという▼研究や推計通り温暖化が進み、本県でもいつか、かんきつ類や南国生まれの果物が栽培される時代が来るのだろうか。

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2020/9/4 金曜日

 

級友らからいじめを受けての自殺、親による乳幼児の虐待死といった報道に触れるたび、強い憤りと「なぜ」というやるせない思いにさいなまれる▼このような“友”や親を持った子どもが、不幸であることは論をまたない。しかし事件にまでは至らなくても、不幸と感じる日本の子どもが想像以上に多いことが、国連児童基金(ユニセフ)の調査で明らかになった▼調査の対象となった先進38カ国中、日本の子どもの幸福度は総合で中位の20位。身体的な健康は1位で経済的な満足度も上位だったが、生活満足度の低さや自殺率の高さから、精神的な幸福度はワースト2位と最低レベル。北欧勢が上位を占めた▼学校での孤立や家庭内不和から、居場所がなくなっている子どもが増えているとの指摘も。偏差値偏重から脱却できない受験競争に起因し、親の価値観を押し付けられることで自己肯定感が低いとしたら、大きな問題だ▼子は親を映す鏡。経済的な豊かさは失っても親が心の余裕をなくする事態だけは避けたい。すべては子どもファーストで。

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2020/9/3 木曜日

 

五所川原市と中泊町を結ぶ津軽鉄道で「鈴虫列車」の運行が始まった。五所川原支社勤務時代は毎年9月1日に取材した秋の風物詩である。構図的に車内での写真撮影が難しく、納得がいかずに何度もシャッターを切った覚えがある▼当時、そのスズムシを頂き、自宅で飼育したことがあった。「リーン、リーン」という音色がいかにも秋らしく、家族は喜んでいたのだが、予期せぬ出来事が起きた▼小学生だった息子の友人が遊びに来たのだが、「虫の音がうるさい」と突然怒りだして帰ってしまったのだ▼スズムシの鳴き声がうるさいとはどういうことなのか。息子は訳が分からず落ち込んでいた。だが翌日以降は何事もなかったように仲良く遊んでいたから、その友人もスズムシが嫌いというわけではなかったらしい。家人は「虫の居所が悪かっただけでしょ」と笑っていた▼そう言えば、取材は何度もしているのに、家族で鈴虫列車に乗ったことがない。あれから二十数年。懐かしいスズムシの音を聞きに今秋は出掛けてみようか。

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2020/9/2 水曜日

 

新型コロナウイルスにより、日常生活が一変して半年が過ぎた。クルーズ船での集団感染が報じられてもまだどこか遠い存在だった新型コロナを身近に感じたのは、3月に入って県内各店舗からマスクやハンドソープが消えた頃▼それから非日常は次々やってきた。スーパーは長蛇の列。外出自粛も余儀なくされ、子どもたちは休校、飲食店などへの休業要請も発令。桜祭りやねぷたなども軒並み中止に追い込まれた▼幾分落ち着きを取り戻したとはいえ、なお渦中にいる。新型コロナ中心の生活を送っていると言っても過言ではない▼「新型コロナで結核の予防がおざなりになっている」と県結核予防婦人会が警鐘を鳴らした。2年前の統計では本県の結核新患は127人、うち22人が亡くなったそう▼「新型コロナが怖い」と通院や予防接種が先送りになっていると聞く。今の情勢に関係なく、新型コロナ以外の病も変わらず猛威を振るっている。新型コロナ対策と両立したそれぞれの病気の対応をどうするか。半年を節目にいま一度考える必要がある。

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