冬夏言

 

2020/6/23 火曜日

 

19日、都道府県境をまたぐ移動の自粛要請が全面解除された。解除後最初の週末は、各地の行楽地に県外からの観光客もみられ、以前のようにとはいかないが、にぎわいを取り戻しつつあるようだ▼移動自粛により大きな打撃を受けたのは、観光関連業界など。解除を待ち望んでいた人は多く、営業本格化に向けさまざまな取り組みを展開しているようだ▼JR弘前駅構内でも、ゴーグルにマスク、手袋を着けた駅員が改札付近や駅構内の手すり、自動販売機などを入念に消毒している。聞けば、少しでも利用者の安心につなげようと、新型コロナウイルス感染拡大防止対策の一環として、5月末から1日2回、毎日欠かさず消毒や換気に取り組んでいるという▼周囲を見れば、マスクの着用や手洗い、消毒液利用など日々の生活習慣は変化してきたように見えるが、さらなる行動変容が求められる▼新型コロナと共生する生活が始まっている。常に感染再拡大への恐れが付きまとうが、移動の自由は経済活動の活発化に欠かせない。新しい生活様式の下、感染防止と経済回復との両立に努めたい。

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2020/6/22 月曜日

 

商店などが建ち並ぶ弘前市浜の町の沿道で、青年が道行く人にコーヒーを振る舞っていた。比較的車通りの多い場所に突然現れたコーヒースタンド。驚きとともに好奇心が湧いた▼立ち寄ったのは、本紙で紹介される前の5月下旬。青年は「ねぷたもイベントも中止になって、この先何を楽しみにすればいいんだろう」と一時落ち込んだが、コーヒーで地域を元気づけようと思い立ったという▼当方も弘前ねぷたまつりのない夏を迎える寂しさに心が沈んだ時期があった。青年の言葉に共感しつつ、自ら楽しみをつくり出そうと行動に移した勇気に力をもらった▼新型コロナウイルス感染対策で求められてきた行動自粛が一段階緩和され、県境をまたぐ移動が解禁された。初の週末となった20日、全国各地の観光地は人出が戻り「やはり旅行はいい」などの声が聞かれた▼だが国内の新たな感染者数は増加しており、世界保健機関(WHO)も「パンデミック(世界的流行)は加速している」と表明。もう少し地元の魅力再発見を楽しむのが安心か。近場の外出でも遠出でも、予防対策の徹底を続けたい。

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2020/6/21 日曜日

 

新型コロナウイルスによる“巣ごもり”で以前より多く映画を見るようになったという人は多い。冬夏言子もその一人で、気になる作品を日々チェック。以前から注目していたのは劇場公開中の「ミッドサマー」。きょうの夏至に掛け、鑑賞しようと思い立つ▼近場で上映館を調べると、シネマヴィレッジ8・イオン柏と青森松竹アムゼが挙がった。コロナ禍による経営不振で、クラウドファンディングによる支援を呼び掛けていた両館だ▼コロナ禍で娯楽のありがたみを心底感じていた一方で、映画館から足が遠のいて久しい。個人経営でダメージが大きいと聞く両館。少しでも支えになればと向かった▼家で見る映画に慣れたせいか、久々のスクリーンはしびれた。一人では味わえない、観賞後の客席の雰囲気も「映画館で見る」という意味合いを感じさせる。劇場の魅力、そして地元に映画館があることのありがたみを改めてかみしめた▼作品自体は強烈で万人には勧めにくいが、夏至当日の鑑賞では最高のカタルシスが味わえよう。皆さまもシアターに繰り出してみてはいかが。

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2020/6/20 土曜日

 

「女子力」という言葉を安易に使うのは、時代遅れかもしれない。世間が呼ぶ「女子力」の大半は「生活力」だ。料理や掃除といった家事をこなせる人に、「女子力が高い」などと言っていないだろうか▼生活力は「女子」に備わる「力」ではない。女性同士で笑い合っているうちはいいが、家事をする男性に「女子力高い」と言う自分になったら要注意。「男子力」「人間力」とは何かを己に問いかけたい▼何かに夢中な女性を「○○女子」とくくる風潮にも、慎重でありたい。男性中心の領域に入った新たな層、あるいは女性コミュニティーとして活性化に貢献する側面を持つ一方「異分子」感が言葉に宿る▼政治、プロスポーツ、学問など各分野で活躍する女性に注目する際の「美しすぎる」という表現も、安易すぎる。本業を正当に評価する社会でありたいと、言いたすぎる。伝わっただろうか。「美しすぎる」の使い方は、珍妙すぎる▼世間のたかが言葉、されど言葉。しかし「世間というのは君じゃないか」。昨日19日は、さまざまな生き方の女性を描いた太宰治の誕生日だった。

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2020/6/19 金曜日

 

なぜ日本ではこんなにも政治が手の届かないところにあるのだろう。いやなぜ、そう感じるのだろう▼近ごろ、日本の芸能人や女子テニスの大坂なおみさんが政治的発言をしたことに対し、批判が上がった。特に日本では政治的発言に拒否反応が強い▼政治は暮らしそのものなのに「色がついている」「偏っている」など言われがち。100人いれば100通りの意見があり、政策によって支持を翻すのも自由だ。それが当たり前な土壌が欲しい▼4年前の夏、選挙権年齢の引き下げを受け、初めて10代の有権者が一票を投じる機会を得た。投票は大事だが、投票したその後はもっと大事だ。諸外国の選挙では若者も含め自らの意見を持って候補者を堂々と、熱狂的に応援していて、うらやましさすら感じる。日本では公選法の煩雑な縛りもあり難しい側面も。これからの若者がもっと自由に政治に参加できるよう、時代に合わせた見直しも必要では▼しかしながら国政ではまた“センセイ”たちによる買収疑惑が。度重なる「政治とカネ」の話に、また政治との心の距離が開きかねない。

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