冬夏言

 

2018/7/6 金曜日

 

「あの時、○○だったよね」「えっ、そうだったっけ」。記憶というのは不思議なものだ。同じ時間を過ごした人たちと昔のことを語り合うと、すっかり頭から抜けていて驚くことがある▼先日、学生時代に同じ下宿だった友人が弘前市を訪れ、数十年ぶりに再会した。思い出話に花を咲かせた中で、印象に残ったのがリンゴの話。拙宅から下宿先に本県産のリンゴが届き、みんなで食べたところ「すごくおいしかった」という▼記憶をたどったが、なぜか全く覚えていなかった。当時はリンゴをさほど好んで食べていなかったということか。もし今ならリンゴ好きと郷土愛が相まって「おいしいでしょう」を連発しそうだ▼そのリンゴだが、今年は津軽地方の広域で黒星病が確認され、農家を悩ませている。従来の薬剤では治療効果がなく、被害の拡大を防ぐには、感染した実や葉を摘み取る作業が不可欠だそうだ▼新たな薬剤の販売が待たれるが、国への登録が必要ですぐにとはいかないようだ。良品生産に向け農家が意欲を持ち続けられるよう、関係機関は支援策を手厚くしてほしい。

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2018/7/5 木曜日

 

弘前ねぷたまつりの開幕まで1カ月を切った。弘前市内のねぷた小屋では制作作業が着々と進んでおり、囃子(はやし)の練習も聞こえるようになってきた。笛や太鼓の音を耳にするだけで、胸が高鳴る人も多いだろう▼今年の祭りには78団体が出陣。11年ぶりに80団体を下回ったが、観光客らが自由参加できる団体は昨年の3倍となる24団体に増加した。市民と観光客が一体となった盛り上がりも期待される▼昨年、6年ぶりにねぷたの取材に参加したが、1団体当たりの人数の少なさに寂しさを覚えた。特に子どもの姿がまばらで、人口減少の厳しさを実感した▼ねぷたは町会単位で団体を組織して参加するのが一般的で、地域コミュニティーを維持する上で重要な役割を果たしている。町会以外の団体も含め、それぞれに連綿と受け継がれた歴史があるはずだ▼四大祭りの中でも、ねぷたは市民が参加して楽しむという点で他の祭りと少し違う。市民が楽しんでいる様子を見てもらうだけでなく、観光客にも体験できる機会を提供し、交流人口の拡大、地域の活性化につながることを期待したい。

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2018/7/4 水曜日

 

本当に惜しかった―。サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本は3日未明、決勝トーナメント1回戦でベルギーと対戦し、2―3で逆転負けを喫した▼日本は前半、優勝候補に挙げられるベルギーに押し込まれたが、スコアレスで折り返すと、後半3分、柴崎岳選手(野辺地町出身)のスルーパスから原口元気選手が先制点を挙げた▼同7分には乾貴士選手が見事なミドルシュートをネットに突き刺し、リードを2点に。「歴史が動くか」。6度目のW杯にして初の8強入りへ期待は高まったが、やはりベルギーは強かった▼日本は2点差を追い付かれると、延長戦がちらつく中、後半ロスタイムに速攻を受けて失点。「サムライブルー」のロシアでの挑戦は幕切れを迎えた。うなだれる日本のイレブン。冬夏言子もテレビの前でがっくりと首を垂れた▼大会2カ月前の監督交代などもあり、日本の下馬評は高かったとは言えない。逆境を乗り越え、16強入りしたことは称賛に値する。8強の壁は破れなかったが、この敗戦を糧に4年後こそは―。でも、本当に悔しい。

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2018/7/3 火曜日

 

どこでも気軽に買えるようで、実はどこにでもあるわけではない。それがさっぱりした口当たりが特徴の、津軽のアイスである。かつて弘前市内に多くの店が存在したが、今は数軒が残るのみとなった▼昔は農作業繁忙期、農家の人たちがジャーにアイスを詰めて買う姿がよく見られたという。今も学校の運動会や文化祭の差し入れに使われるなど、地元のアイスは文化の一つとして根付いている▼弘前公園では、青い屋台のアイス売りが風物詩だ。ちなみに園内数カ所にいる屋台アイスは、それぞれ味の異なるアイスを使用。他県には色や味の異なるアイスを重ねる屋台アイスがあるが、弘前の売り子は頑固に「これ」と決めた一本で勝負しているという▼爽やかに甘く、「冷菓」という言葉がぴったりなアイスは地元民のいわば「ソウルスイーツ」だが、関係者からは「これからの時代はジェラートかな」と寂しそうな声を聞いたことがある▼「まちのアイス」という文化を関係者が守っているのならば、これを支えるのは文化都市弘前の市民の役目。夏にふさわしい津軽のアイスを、今年もどうぞ。

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2018/7/2 月曜日

 

通学中の高校生たちがバスや電車で席を譲ろうとしたが、強い口調で断られたという。世界中から多くの人たちが訪れる東京オリンピック、パラリンピックを2020年に控え、各地の取り組みに影響を受け、「マナー向上を」と声を掛けたようだ▼これを聞き、ユニバーサルマナー検定のことを思い出した。多様な立場の人の特徴や心理を理解し、コミュニケーションの取り方などを学ぶ民間の検定だ。企業や団体、学校単位での受験も広がっている▼年を重ねていく心身の変化や障害を持つ人の苦労はその身にならないと分からない。検定により幅広い世代が配慮の仕方を覚えれば、より暮らしやすい地域になるはずだ▼高校生の時、バスで高齢の方に席を譲ろうと声を掛けた。こちらのどぎまぎした態度を見たその人は、下車まで1分弱だったにも関わらず席にそっと座わり「有り難う」とほほ笑んでくれた▼声を掛けられる側の受け入れる歩み寄りも時には必要かもしれない。「何かお手伝いしましょうか」と声を掛けた若い世代の一歩。2年後には当たり前のマナーになっていることを願っている。

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