冬夏言

 

2017/5/5 金曜日

 

どこからそんなに湧いて来るのか、と思うぐらいの人である。好天に恵まれているゴールデンウイーク後半、弘前さくらまつりは終盤を迎えても大にぎわい。ソメイヨシノは終わりの時期を迎えたが、園内ではバトンタッチした遅咲きの桜が見頃。八重の桜は花のボリュームもたっぷりで、ソメイヨシノ以外もいいものだ、と思わせてくれる▼ただし、まつりの醍醐味(だいごみ)は桜だけではない。無ければ魅力半減、と言っても過言ではないのが、おおよそ200もあるという出店の数々。定番の焼きそばや焼き鳥、たこ焼きの香りに誘われ、出店の奥で酒とともに味わう―。大人になって良かったなあと、しみじみ思う瞬間だ▼昔から変わらずにあるお化け屋敷やオートバイサーカスも外せない。定番のBGMが会場いっぱいに響いているのを聞くと、今年もまつりに来たと感じるのだ▼その年のはやりもあって面白い。今年は何やら“電球ソーダ”なるものに長蛇の列ができていた▼津軽に生まれて良かったと思えるこの季節。まつり期間は残すところ3日。どうぞ悔いのないように。

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2017/5/4 木曜日

 

ゴールデンウイーク真っただ中―。今年は天候にも恵まれ、県内はどこへ行っても観光客でにぎわっている▼旅行予約サービス「楽天トラベル」の「2017年ゴールデンウイークの国内旅行人気上昇エリアランキング」で1位に輝いたのは本県。エリア別では弘前・黒石エリアと八甲田・奥入瀬・十和田湖周辺が注目されているようだ▼弘前・黒石は桜の満開予想とゴールデンウイークが重なったことが大きく後押しした。特に弘前公園では散った花びらが堀の水面を覆い尽くす花筏(はないかだ)が圧巻で、桜を満開後も長期間堪能できるのが魅力だ。青森―中国間の定期便就航が決定したことなどで話題を集め、外国人観光客も増えているとか▼今年は五所川原市の金木桜まつりも開幕と同時に満開。レトロな車体が魅力の津軽鉄道「走れメロス号」と桜のトンネルが多くの観光客をもてなし、中国語や韓国語を話す旅行者の姿も多く見られた▼さあ、ゴールデンウイークも後半。豊かな自然がもてなす本県の魅力は桜だけではない。桜を見た後は竜飛岬を目指して津軽半島をのんびりドライブするのもお薦めだ。

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2017/5/3 水曜日

 

井上陽水さんの「夢の中へ」にある歌詞〈探しものは何ですか? 見つけにくいものですか?〉がリフレインしている。東京から異動し、引っ越しの荷物を整理したが、どこにも見当たらないのだ▼東京の会合でお会いした田舎館村の方から頂いた、高倉健さんのポストカードのことだ。それは「惜しまれる人」のタイトルで健さんを描いた石のアート作品だった▼帰省の際、会場で実物を目にした感動は今も忘れない。石を使ってここまで見事に情感が出せるとは。まさに芸術だと思った▼その石のアート。健さんに続き制作されたのが石原裕次郎さん。スペース的にもう次はないだろうと思っていたら、今年は健さんの場所に、イギリスのダイアナ元皇太子妃が作られたという▼本紙で知り、すぐさま会場に向かった。健さんがいなくなったショックは大きかったが、ダイアナさんも見事な出来栄えで恐れ入った。やはり「惜しまれる人」である。となれば、どうしても健さんのカードを見つけなければ。歌詞のように〈探すのをやめた時、見つかることもよくある話で〉とは…いかないか。

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2017/5/2 火曜日

 

JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」の運行が始まった。1番列車は東北地方と北海道を周遊する3泊4日のコース。全部屋が抽選となる人気で、最高級の部屋は76倍の高倍率だった▼四季島は居室に掘りごたつが付き、ひのき風呂の浴室を備えるなど、まさに走る高級旅館。料金は1人当たり32万~115万5000円と高額だが、すでに来年3月の運行分まで完売している▼豪華寝台の先駆けとなったJR九州の「ななつ星in九州」は運行開始から3年半が経過したが、乗車チケットの予約倍率は20倍超と人気を維持。九州各地を走る他の観光列車の乗車率が高まるなど波及効果も出ているようだ▼四季島のツアーには本県を巡る行程も組み込まれ、春~夏は五能線を走る「リゾートしらかみ」の貸し切り運行や三内丸山遺跡の見学、冬のツアーでも弘前公園散策、ブナコ制作体験などを行う▼四季島の運行開始によって、本県を含む東北地方と北海道への関心が高まることが予想される。本県の四季折々の魅力、文化を発信し、国内外から観光客を呼び込む好機である。

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2017/5/1 月曜日

 

花見客と道で擦れ違うのは楽しいものだ。家族や友人、恋人と一緒に桜へ向かって歩く人々は、大概笑顔である。花見前線が通り過ぎているさなかの本県は今、幸福度の高い場所があちこちに発生しているのである▼大型連休に突入し、これを利用して桜咲く本県を訪れる人は多い。一方で、「ゴールデンウイークって何」とつぶやきつつ本日も仕事にいそしむ人がいることだろう。ちなみに5月1日は、メーデー。「労働者の祭典」「労働者の日」とされる▼少子化が進む日本国内で指摘される課題の一つが、働き方だ。同調圧力の強い日本では、皆が我慢していることに反対の声は上げにくく、低賃金や長時間労働といった問題はなかなか改善されない。だが生産性の低い働き方がまん延する社会は、安心して子どもを産める社会ではない▼桜の下で笑い合う人々の姿は、人生の幸せな瞬間の集合体だ。時につらいことを我慢しながら働いているのは、幸せな時間のため。このような日のために、われわれは働いているのだ▼休日を取ろう、労働者たち。そして出掛けよう、桜が咲く場所へ。

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