冬夏言

 

2019/9/5 木曜日

 

約20年前、旅行先のロンドンの街並みにはストリートアートがあふれていた。思い返せば、後に正体不明の芸術家として広く知られるバンクシーの作風に酷似した絵もあったが、当時撮った写真を紛失し、真偽は闇の中▼そのバンクシー、都内の防潮扉に描かれた絵が本人のものと見なされ、今春の大型連休中に都が公開した。小池百合子知事はツイッターで作品を「贈り物」と表現。公開初日は約50人が並ぶなど、都民に好評だったようだ▼一方、弘前市では先ごろ、公園の壁への落書きが刑事事件に。バンクシーの作品同様グラフィティと呼ばれる類いのもので、多くは公共財へ無許可で描かれるため違法。両者の扱いの差は何だろう▼9月からコンビニで成人誌販売が中止となった。親として安心した半面、撤去を求める女性の声が無視され続けてきた背景から「撤去理由が販売数減少や東京五輪への配慮では論点が違う」とするライター清水麻子さんの指摘に考えさせられた▼権力や消費主義を強烈に風刺するバンクシー。お金や権威に躍らされる日本人を遠巻きに眺め、ほくそ笑んでいそう。

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2019/9/4 水曜日

 

まだ若いと自分では思っていたが、何の根拠もない「若いつもり」にすぎなかったことにショックを受けている▼自覚する唯一の不健康な部位だった腰の痛みが強まり、2カ月ほど前から整形外科のお世話になっている。疾患名は腰部脊柱管狭窄症とすべり症。発症から悪化と若干の改善の繰り返し。「長い付き合い」を決め込んでいた▼しかし先日、テレビの健康番組を見てがく然とした。具体的な部位、症状的にも当欄で表現できる状態にはないが、まさに冬夏言子そのもの。自分が特異なのかと主治医にも説明していなかったため、慌ててインターネットで調べてみた▼どうやら重傷患者特有の症状らしく、根治に向けて手術やむなしと瞬時に腹が据わった。他にも、昨年まで成績優秀だった定期健康診断で複数の“赤点”をもらい、精密検査のさなかにある身▼これまでどれくらい真剣に健康維持に取り組んできたか疑問である。短命県返上へ「元気 長生き青森県」を主導すべき立場なのに情けない。せめてもの意気を示すため、長年できなかった。禁煙に踏み切ったやればできるじゃないか。

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2019/9/3 火曜日

 

消費税率10%への引き上げまで1カ月を切った。増税はやむを得ないとは思うが、今回は軽減税率、キャッシュレス決済によるポイント還元など分かりづらい点が多い。「損をしたくない」というのが、消費者の本音だろう▼ネットニュースで「増税前、増税後に買うべきもの」「5%ポイント還元でお得」などと特集しているが、読んでみても「面倒だなあ」と思うだけ。何も準備しないまま10月1日を迎えることになりそうだ▼駆け込み需要は2014年の前回増税時ほどの盛り上がりはなく、政府が懸念する「反動減」も小さいと予想される。国の対策が奏功しているというより、消費者が「景気が悪い」と思っているからではないか▼「増税前に必要なものを買いそろえたい」とは思うが、その前に「無駄な買い物は控えなければ」という心理が働く。「老後資金2000万円問題」もあり、将来に不安を抱えている人は多いはずだ▼前回の消費増税から5年たったが、収入はほとんど変わっていない。今後も急激に増えることは考えられず、将来のために節約に努めるしかなさそうだ。

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2019/9/2 月曜日

 

痴漢行為は許さない―。印章メーカー「シヤチハタ」(名古屋市)は痴漢抑止などを目指した「迷惑行為防止スタンプ」を開発した▼後を絶たない痴漢行為を安全ピンで撃退することの是非について、インターネット上で論争が起こったことを受け同社が考案した。特殊な「UV発色インキ」を用い、太陽光や照明の下では無色だが、付属するブラックライトを当てると「手のマーク」が浮かび上がる仕掛けだ▼かばんなどに取り付けられるコンパクト仕様で、8月27日から限定500個で販売したところ、わずか30分で完売した▼ネット上では「冤罪の温床になる」「いじめに使われるのでは」―などの懸念の声も聞かれる。同社の公式ツイッターはこうした声に触れながら「本来“使う機会がない”事が望ましい物であり、一番の目的は『違法行為を許さない』という意思表示、抑止力です」との考えを示した▼痴漢行為を受けた約9割もの被害者が泣き寝入りするという現状。不届き者に対し「私は黙っていないぞ」と断固たる意志を突き付ける、その一助になるのでは。

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2019/9/1 日曜日

 

きょうは防災の日。1923年9月1日、10万人を超す死者・行方不明者が出た関東大震災が起きたことにちなんで制定された▼9月に県内外で起きた災害を振り返ると、昨年は6日に北海道で最大震度7の地震が発生した。台風19号の接近で本県のリンゴ農家が壊滅的な打撃を受けたのは1991年9月28日だった▼国内では近年、豪雨による災害が増えている。8月28日には九州北部で猛烈な雨が降り、一時は病院が冠水のため孤立するなど甚大な被害に見舞われた▼本県でも同じ日、強い雨が降った。九州の被害状況をテレビで見て驚きながら「こちらはどれだけ降るのだろう」と不安が募った▼思えば、大洪水発生時の備えについて真剣に考えたことはなかった。県の防災ハンドブックに目を通すと、避難の心得などが分かりやすく書かれており、備えの大切さを改めて感じた▼浸水被害が大きかった佐賀県には、スーパーボランティアの尾畠春夫さん(79)をはじめ多くの人が県内外から駆け付け、家屋の片付けなどに汗を流した。その行動力に脱帽しつつ、自分も何らかの形で被災地を支援したい。

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