冬夏言

 

2017/10/2 月曜日

 

クラフトを通じてふるさとを活気づけたい―。そんな思いから始まった野外イベント「クラフト小(こ)径(みち)」が、1日まで2日間にわたり板柳町の中央アップルモールで行われた▼初日は時折雨に見舞われたが、会場には多くの来場者が訪れていた。手仕事の魅力あふれる作品に、思わず「きれい」「すてき」と声を上げて見入った。木箱などを作るワークショップも人気を集めた▼実行委員長の陶芸家安田修平さん=鯵ケ沢町在住=は板柳町出身。アップルモールから見たリンゴと岩木山の眺めに魅せられ、この場所で秋に開催することを決めたという。色づいたリンゴと豊かな自然、水路のある風景に心が和む▼クラフト市の魅力は、作家と来場者の距離が近いこと。作家に自分の欲しい物のイメージを伝えると、次回作ってきてくれる人もいるそうだ▼手入れの方法などを作家から直接聞くことができ、物を大切に使おうという気持ちになる。自分でも何か作ってみようかと刺激を受ける。ちょっとおしゃれして出掛けたくなる。そんな心が豊かになるイベントを、来年以降もぜひ続けてほしい。

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2017/10/1 日曜日

 

仕事中や車での移動中はコーヒーを愛飲。忙しい時でも香りに癒やされる。10月1日は全日本コーヒー協会が定める「コーヒーの日」▼近年は多くのコンビニが“カフェ化”し、自然と缶コーヒーからコンビニのコーヒーに移行。豆の種類や入れ方、味の違いを理解できる舌ではなく、十分満足している。喫茶店で飲めば、雰囲気と相まって心が静まる▼「昔は弘前にいっぱいあったんだ」「デートといえば喫茶店」と先輩方。学生時代は既に喫茶店文化が衰退しつつあったが、若いなりに行きつけはあった。注文するのはコーヒー単品ではなく、決まってナポリタンなどとのランチセットだったが、残念ながら数年前に閉店した▼弘前市ではコーヒーの長い歴史をアピールしようと、各店で「藩士の珈琲」を提供。青森市でも消費量全国1位を目指すコーヒーフェスティバルが7日に開かれる。本県のコーヒー文化が高まり、地域の活性化にもつながればと期待している▼日曜日だが、きょうも仕事。喫茶店で過ごす時間はなさそうだが、コーヒーを飲む間くらいはゆっくりさせていただく。

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2017/9/30 土曜日

 

出来秋を喜ぶ記事が連日、本紙を飾っている。稲刈月の異名を持つ9月はきょうが最後。二十四節気をさらに三つに分けた七十二候で今は「蟄虫戸(ちっちゅうと)を坏(ふさ)ぐ」時。虫たちが冬ごもりを始めると言われる▼手元の歳時記をめくると、秋はさすがに虫の季語が多い。美しい鳴き声を響かせるコオロギやスズムシは言わずもがな。意外なところではミミズやミノムシ。「蚯蚓(みみず)鳴く」「蓑虫(みのむし)鳴く」とある▼どちらも鳴かないことが明らかになっても、俳句の世界では鳴くものとされ、鳴き声が叙情を誘い、あまたの秀句が芭蕉の時代から詠まれてきた▼ミノムシの別称の一つが「父乞虫(ちちこうむし)」。枕草子には父が恋しいとはかなく鳴くのが「あはれ」とある。子どもが父親との時間を持ちたくても、多くは長時間労働だ。子育て・家事は主に母親が担い、女性の社会進出を阻み、出産をためらわせる▼少子化と高齢者人口の激増は、社会崩壊につながる。本県も数十万規模での人口減少が言われている。日本の未来に危機感を持つ政治家はいかほどか。別の問題とすり替え、見て見ぬふりをしているのは許されない。

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2017/9/29 金曜日

 

衆院は28日召集の臨時国会冒頭で解散され、与野党は事実上の選挙戦に突入した。政権選択選挙とされる衆院選。安倍晋三首相が再登板してからの政権運営に対する審判の場だ▼安倍首相は25日の会見で、少子高齢化や北朝鮮への対応を問う衆院解散を「国難突破解散」と銘打った。少子高齢化は日本が直面する最大の課題だが、「国難」という言葉は違和感を覚える▼「国論を二分する大改革」という表現も。安全保障法制や環太平洋連携協定(TPP)など、これまでも国論が二分した政治課題はあったはずだが、国民の信を問わずに数の力で押し切ったのは誰だっただろう▼第2次安倍内閣発足から5年近く。暮らしぶりが良くなったという感じは一切しない。2014年の前回衆院選、昨年の参院選で「道半ば」だったアベノミクスだが、ゴールはあるのだろうか▼安倍首相は看板政策に「人づくり革命」を掲げ、幼児・高等教育の無償化を柱に据えた。教育無償化に反対する人は少ないだろうが、財政健全化を先延ばししたつけを将来世代が払わされるなら、たまったものではない。

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2017/9/28 木曜日

 

「サイギ、サイギ」―。霊峰岩木山に五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願する津軽最大の秋祭り「お山参詣」が先日、行われた。台風18号が迫る中、関係者はさぞかし気をもんだのではないか▼風に揺れる黄金の稲穂、赤く色づくリンゴがそろった秋晴れの宵山(19日)。白装束に身を包んだ一般向け体験ツアーの一行は御幣や供え物を天高く掲げ、登山囃子(ばやし)や掛け声を響かせながら、岩木山を目指した▼道中では濃厚な甘みが特徴の特産・嶽きみを使ったソフトクリームやロールケーキ、カットリンゴなどが振る舞われ、参加者を癒やした▼今年はとある転換点でもあった。毎年、お山参詣に学校行事として参加していた岩木高校が今年4月に閉校となり、参加者の減少が危ぶまれていた。だが、統合先の弘前中央高校が他校に呼び掛けた結果、弘前東高校、柏木農業高校、尾上総合高校の有志生徒が応え、4校合わせて63人が参加。若者が隊列に加わり、伝統が受け継がれた▼台風シーズンはいまだ過ぎ去ってはいない。どうかこのまま、出来秋をお守りください―と、岩木山に願った秋の日だった。

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