冬夏言

 

2012/1/8 日曜日

 

「家でやろう」。東京都内の地下鉄構内を歩くと見掛ける、乗客のマナー違反改善を促すポスターの一言に思わずうなずく▼イヤホンからの音楽の音漏れ、つり革にぶらさがる、座席の必要以上の占有、出口付近を集団客が封鎖状態に―。確かに家でやってほしい▼最近は「ながら歩き」による線路転落防止を呼び掛けるポスターだ。音楽を聴きながら、メールをしながら、ゲームをしながらホームを歩く行為は確かに危険だ▼「ながら歩き」は転落の危険性だけではなく、他の乗客のスムーズな移動も妨げる。とにかく歩みが遅い。時に暴力を伴うトラブルになりかねないだけに注意する人も少ない▼こうしたマナー違反は狭く人口が多い場所ほど際立つものだ。広くて人口が少ない本県はといえば…。交通手段が電車よりは自動車が中心だけに、駐車・駐輪のマナー違反の方が多いような▼マナーを守らないのは「自分さえよければ他はどうでもいい」もしくは「気が付かない」のいずれかに端を発するのだろう。しかし、前者の方が多く感じられるケースがあるのは悲しい限りだ。

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2012/1/7 土曜日

 

昨年は助け合いの年だった。本紙では日ごろから「善意の基金」の欄で福祉や教育へ役立てて―と寄付金を持参した人を紹介しているが、昨年ほど義援金の記事を量産したことはない▼被災地支援の記事もよく書いた。だが中には「ボランティアは黙ってやるもの」と積極的にPRしない人もおり、そういった団体の一つだった弘前商工会議所青年部を昨年末にようやく紙面で紹介できた▼自分たちに何ができるのか話し合ったのは震災から5日後という初動の早さ。5月には被災地支援の事業に限って担当部署が専決できる仕組みに変え、必要経費は地元のイベントなどに出店して自ら稼いだという▼聞けば聞くほど感心しきり。本人たちのやる気はもちろんだが、先輩から受け継いだ気風や彼らの活動に期待し、自由にやらせてくれる周囲の環境もあるのだろう▼被災地支援は一例だが、弘前市では若手世代が地域活性化や青少年育成、行政への提言など多彩な場面で活躍する姿が目立つ▼新年も彼らの活躍を期待している。また若い人が生き生き活動できる弘前であり続けてほしいと思う。

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2012/1/6 金曜日

 

新しい年が始まったばかりというのに、世界の終わりの予言が話題になっている。マヤの予言によると、世界は今年12月で終末を迎えるとされる▼マヤの暦が12月21~23日に区切りを迎えることを根拠に広まったこの終末論。昨年10月28日にも似た内容の終末論があったが、幸いにも不発に終わった▼ただ人々の関心は高く、世界各国のメキシコ大使館には苦情のメールや電話が殺到したという。今年12月の予言については、専門家の間で「単に暦の区切りでしかない」といった反論もある▼一方、メキシコのマヤ文明が栄えた南部各州は、観光客を例年の倍以上の5200万人を呼び込もうと待ち構えている▼夏までにマヤ博物館の完成へ突貫工事を行うなど準備を進めており、「世界の終わりではない。これはまさに希望だ」とマヤブーム到来に期待を膨らませている。迫る世界終末を契機に観光誘客へ希望を見いだすとは、商魂たくましい▼世界の終わりも気の持ちよう。震災、原発事故、欧州危機の深刻化といった激動の年から、希望に満ちた新しい世界の幕開けになるのなら歓迎したい。

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2012/1/5 木曜日

 

今年届いた年賀状には「明けましておめでとう」という、新年のお決まりのあいさつ文がほとんどなかった。目立ったのは新春、迎春、初春、賀春、頌春(しょうしゅん)など「春」だ▼発生から間もなく10カ月となる東日本大震災の被災地や、不自由で寒い仮設住宅などで新年を迎えざるを得なかった被災者、肉親を失った人々への配慮がにじむ▼甚大な被災地の岩手、宮城、福島県の親類、友人、仕事でお世話になっている方からも、元日に10数通の年賀状が届いた。人と人とをつなぐ「絆」という文字も見られた▼津波に襲われた宮城県多賀城市に住み、高台に一時避難した友人は「心配と励ましの言葉をいただき…。徐々にですが復興に向かっています」と近況を伝えてくれた▼仙台市の知人は「家族7人みんな元気です」と報告。河島英五のヒット曲「生きてりゃいいさ」の詩と大震災に思いを巡らし、爽やかに決意を書き添えた友も▼復旧、復興への道のりは長く険しい。被災者が「春」を実感できるのは何年先のことだろう。年が改まっても決して被災地と被災者を忘れないようにしたい。

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2012/1/4 水曜日

 

「今からこんなに雪が積もるとは」「1月も12月みたいに降ると困るね」。弘前市は12月に6年ぶりの大雪となり、年末にはこんな会話をいろんな人と交わした▼弘前公園では、市の古木名木に指定されている「二の丸大枝垂れ」が雪の重みで根元から倒れた。先日園内で大きな木が横たわっているのを見て、改めてショックを受けた▼樹齢約100年、高さ約16メートル。園内最大のシダレザクラで、花の見頃には多くの市民や観光客の目を引きつけた。特にライトアップで浮かび上がる夜桜には独特の存在感があった▼市公園緑地課によると、二の丸大枝垂れは根が病気にかかり、数年前から治療や土壌改良を続けてきたという。今後は根を治療して埋め戻し、支柱を立てて回復に取り組む▼木が倒れる数日前、弘前公園の外堀で桜の除雪作業を見かけた。雪が降りしきる中、職員が枝に積もった雪を丁寧に払うのを見て、桜に関わる人たちの熱意を感じた▼1、2年で元の姿に回復させるのは難しいようだが、あでやかなシダレザクラがまた園内で見られることを心から願っている。

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