冬夏言

 

2017/4/23 日曜日

 

23日は書籍とその作者に敬意を表する「世界本の日」。日本では「子ども読書の日」に定められ、全国各地の図書館などで子ども向けのイベントが開かれている▼英国の文豪シェークスピア、小説「ドン・キホーテ」で知られるスペイン人作家セルバンテスの命日に当たり、文学への縁が深い日。スペインでは親しい人に本を贈る風習があるという▼本屋に行くことが楽しみの一つだが、近所の本屋が閉店してからは足を運ぶ機会がめっきり減ってしまった。オンライン書店の台頭で「町の本屋さん」はどんどん姿を消しており、本好きとしては寂しい限りだ▼インターネットで即時に入手できる電子書籍も普及し、情報端末があれば気軽に読書ができるようになった。電子書籍の便利さは魅力だが、本屋の本棚に並んでいるからこそ出会える本もある▼本好きは子どもの時に読んだ絵本がきっかけ。29日から弘前公園内で、お笑い芸人、絵本作家の西野亮さんによる個展「えんとつ町のプペル 光る絵本展」が開かれる。絵本は子どもたちの世界を広げてくれるはず。ぜひ足を運んでみたい。

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2017/4/22 土曜日

 

観桜会として始まり、今年で100年目を迎えた弘前さくらまつりが、きょう22日に幕を開ける。5月7日まで絢爛(けんらん)豪華な“桜物語”を約束しよう▼桜(ソメイヨシノ)前線は18日、弘前公園に到達し外堀だけでなく、園内も開幕から即見頃となる。早咲き対応で花より団子党、「団子より酒」党向けに出店の自主営業も1日前倒しし21日に始まった▼節目に当たり観光人力車や中濠(ぼり)観光舟、さくら桟敷などの新企画、観桜会記念日事業、おもてなしプロジェクトも多彩。圧巻の桜に加え真心の応対、風情面でもグレードアップした祭りが楽しめる▼桜三月 菖蒲(しょうぶ)は五月―。首都圏以西で桜は3月、つまり別れ、旅立ちのイメージ。東京の日本武道館で行われた母校の卒業式。咲き誇る桜に後ろ髪を引かれる思いで、古里への寝台列車に乗り込んだ▼遅れること1カ月、春爛漫(らんまん)の津軽で桜は活力と希望の象徴。雪解けとともに開花を待ちわび、満開が近づけば花散らしの風雨を心配して日々気をもむ。52種類2600本という規模が日本一なら、市民の“桜愛”は世界一。桜の弘前へ「よぐ来たねし」。

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2017/4/21 金曜日

 

十三湖といえばシジミ―。昨年12月、地元の十三漁協が申請していた「十三湖産大和しじみ」が、地域の農林水産物などをブランドとして国が保護する「地理的表示保護制度(GI)」に登録され、注目度はますます高まっている▼十三湖大橋のたもとに、しじみラーメンで有名なドライブイン「和歌山」(1974年開設)がある。十三湖産のシジミを惜しみなく使い、うま味がギュッと詰まったスープに、こだわりの中細縮れ麺がよくなじむ▼自らシジミの競りに参加する2代目若山専太郎さんは「シジミは色、匂い、音で目利きする。厳選したシジミだけを仕入れている」とその味に自信をにじませる▼村おこしのために開発したしじみラーメンは開発から35年がたち、今や多くの人に愛されるご当地グルメに成長。20日、土産品としても発売を開始した▼味がしっかりしていて、だしがよく取れると全国から引き合いが強い十三湖産のシジミ。かつては安値に悩まされ、ブランド確立への道は厳しかったというが、今後は観光やさらなる地域活性化への“けん引役”としての役割に期待したい。

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2017/4/20 木曜日

 

青森市発祥の地とされる善知鳥神社。その向かいのビルに支社が移転したのがおよそ30年前だ。冬夏言子は駆け出しの記者だったが、そこで当時衆議院議員の竹内黎一さんをよくお見掛けした▼通り掛かった竹内さんは神社の前に来ると、必ず、かばんを足元に置き、神社に向かって一礼してから通り過ぎる▼誰が見ているわけでもない。竹内さんは当時旧2区だから青森市は選挙区外。それでも、そうするのが当たり前という自然な所作に、政治家というより竹内さんの人間性を感じたものだった▼本県衆院議員選挙区は旧1区(定数4)、旧2区(定数3)の中選挙区から1~4の小選挙区へと変わり、今度は1減して1~3区と改定する区割り案が示された。県民の声を国政に届ける側の責任は一層その重大性が増す▼竹内さんは小選挙区制となった1996年の衆院選で比例東北に回り落選、政界を引退した。「凛(りん)とした志を持って国政に励んでほしい」。竹内さんが生前、後輩にあてた言葉だ。区割りの見直しに不安があるのは事実。だからこそ、有権者も選良もかみしめたい言葉である。

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2017/4/19 水曜日

 

「山の鳥来てさわぎゐる桜かな」(山口青邨)。満開となった桜の枝で、飛来した山鳥がにぎやかに鳴いている。それを見詰めるのは作者だけなのだろうか。やっと来た春の喜びを感じさせるような一句だ▼桜は日本全国で愛される春の象徴だが、雪国の人間にとって桜の開花は、長い冬の終わりを告げる喜びに満ちた瞬間だ。弘前公園では18日、園内と外堀のソメイヨシノの開花が同時発表された。津軽に春の到来である▼桜が咲けば、あとは今年で100年目となる弘前さくらまつり本番を待つばかり。100年前の弘前公園の写真を見ると、ソメイヨシノの木の幹は今より細い。この桜が丁寧に手入れされ、100年後の今も「圧倒的」と称される花のボリュームを維持している▼市民が守り、伝えてきた桜と祭りの文化。100年という節目を祝い、次の100年へとつなげるためにも、花見に繰り出さねばなるまい▼桜が咲き、これからはいつ満開になり、いつ散るのかと気をもむ日が続くのだが、山鳥のように心を騒がせ、にぎやかに過ごしたい。やっと来た春なのだから。

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