今年100年目を迎えた弘前さくらまつりが開幕した。弘前公園にはこの週末、たくさんの市民や観光客が訪れ、桜を愛(め)でたり、“花より団子”を楽しんだりした▼祭りは1918(大正7)年に弘前商業会議所(現・弘前商工会議所)の外郭団体である弘前商工会が「第1回観桜会」を開催したのが始まり。名称は「時局と桜の催し」「弘前の桜」「桜愛護会」「弘前観桜会」と変遷し、61年に「弘前さくらまつり」になった▼祭り初日の22日、本丸で花見を楽しんでいた60代男性3人組に声を掛けた。彼らが小さかった頃は「弘前観桜会」だった。「漢字や言葉の意味も分からずに『かんおうかい』と言っていた」などと祭りの思い出話を聞かせてくれた▼彼らは30年以上前から毎年欠かさずに本丸で花見をしているという。男性の一人は「祭りは市民の楽しみ。残せるまで残してほしい」と話した▼弘前市や近隣市町村に住んでいれば、弘前公園の桜と祭りにまつわるエピソードは一つや二つあるはず。これからも桜が美しく咲き、市民に愛され、親しまれる祭りがずっと続くよう願う。