冬夏言

 

2012/4/18 水曜日

 

17日付「陸奥文芸・川柳」の1句に思わずはっとさせられた。〈なりふりは気にも留めない樹の叫び 松山芳生〉▼選者の千島鉄男さんはこう解説する。「生きるのが難しい世だから、絶叫のかたちも極限状態になることだってある(略)貧しくも次の節目までは少しずつ年輪を刻むことだ。生きろと叫びながら…」▼4月から公的年金の支給額が減り、健康保険料に介護保険料、電気料金などが引き上げられた。家計には痛い負担だ。また診療報酬と介護報酬が6年ぶりに同時改定。在宅医療の充実と推進に新たな仕組みやサービスがつくられた▼しかし、慢性的な医師、看護師、ヘルパー不足を抱える本県にはそぐわない一面も「効率化」ばかりを求めても、医療と介護の質が上がるのか疑問が残る▼負担を強いられているだけで生活に還元されている実感が湧かない中では、いくら国の財政が危機的状況と叫ばれても説得力はない▼同じ欄からもう1句。〈ため息をおおきくついて立ち上がる 髙瀬霜石〉。なりふりかまわず生き、大きなため息をついている国民は1人や2人ではない。

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2012/4/17 火曜日

 

週末の朝、休みが取れた日には、寝ぼけ眼を無理やり開けて、子どもと一緒に特撮ヒーローやアニメなどのテレビ番組を視聴することが多い。基本的には、子どもの興味に付き合ってあげている立場なのだが、時として親もついついはまって見てしまう▼この手の作品には往年の名作をシリーズ化したものや後継作が多い。特撮については男性俳優の登竜門ともなっている▼2000年にスタートした「平成仮面ライダーシリーズ」では、オダギリジョーさんや佐藤健さんら歴代の主演俳優陣が母親たちを魅了。スターとなる足掛かりとなった▼最近の特撮や低年齢層向けアニメは、健全育成にも配慮して制作されているようで、ショッキングな表現はほとんどない。そして、親は親なりの楽しみ方ができる▼良いことずくめのようだが、一抹の不安も感じる。長寿番組や定番シリーズが増える一方、新規コンテンツの活力が衰えるのではとの懸念だ▼大人となった旧作のファンの取り込みが、商業的成功のためには重要とはいえ、これも少子化に伴う日本の縮退現象の一つと感じてしまう。

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2012/4/16 月曜日

 

弘前さくらまつり開幕まで1週間。ぼんぼりの設置作業も始まり、2600本の桜咲く祭りを思うと、わくわくする時期だ▼毎年、多くの人出でにぎわうさくらまつり。昨年は特別な祭りとなった。東日本大震災を受け全国各地でイベントが中止になる中での開催。決断は開幕1カ月前、震災発生から10日余りのことだった▼まだ世間は自粛ムード。旅行はおろか、歓送迎会シーズンだったが、飲み会や外食も控えるような状況。それでも復興支援を柱に「日本一の桜で元気を」と開催を決めた▼祭りでは、弘前公園の入園料の一部を義援金に充て、被災者を招待するなどした。岩手、宮城県から訪れた被災者は桜を見て「きれいだね」「癒やされる」と笑顔になった▼今年も被災者を招待するという。きっとまた美しい桜から力をもらうことだろう。そしてもちろん、今冬の豪雪に苦労した地元の人にも、やっと来た咲き誇る「春」を存分に楽しんでもらいたい▼弘前市の予想によると、開花は29日と少し待たされそうだが、愛(め)でる人の心にも花を咲かせる弘前の桜。多くの人に見てほしい。

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2012/4/15 日曜日

 

古代中国の杞の国の人が、天が崩れ落ちることを憂えて過ごした故事から、無用の心配や取り越し苦労を「杞(き)憂(ゆう)」と呼ぶようになったとされる▼天候以外で特に空は気にならないが、ミサイルが降ってくるとなれば話は別だ。北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射は失敗したものの、同様の事態が再び起きるとの懸念は残る▼一方で北朝鮮については、食料事情の厳しさが報じられる。「腹が減っては戦ができぬ」と言われるが、空腹どころか飢餓であれば生きることすらままならない▼東北もかつては何度も大飢(き)饉(きん)に襲われ、地獄絵図のような光景が広がったと伝えられる。人が人でいるためには食べることが必要だ▼ただ「食べたい」と切望する暮らしがどのようなものか、想像がつかない。ただ今の北朝鮮には、それに近い状態が起きているのかもしれない▼北朝鮮ではきょうが故金日成主席の生誕100周年。北朝鮮の現状が、100年前の人々が思い描いた未来像と合致しているのか知るすべもないが、さらに同国の100年後はどうなっているだろう。杞憂に終われば良いのだが。

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2012/4/14 土曜日

 

普段は「せこい」と言われがちな金計算だが、北朝鮮による人工衛星こと長距離弾道ミサイル打ち上げに関する報道を見て疑問が湧いた▼報道によると、このミサイル発射に要する費用は日本円で約700億円、北朝鮮国民の食糧約1年分という。さて疑問はこのミサイルに振り回された日本でかかった費用だ▼警戒に当たった人たちの人件費、地対空誘導弾(PAC3)の配備費用などにいくらかかったのだろうか。請求書をたたき付けたい人もいるだろう▼こうした不毛なことに金計算せざるを得ない状況は当然喜ばしくない。もっと楽しいことに対する金計算が望ましい▼本県でいえば、東北新幹線青森延伸による経済効果だ。昨年は東日本大震災の影響で、本来365日動いていた場合の計算ができなかった。開業後2年となる今年12月時点での数字に期待したい▼消費税の増税論議が国会で続く。実現すれば、生活での金計算でため息が出るのは必至だ。そうした中で赤坂議員宿舎値下げの報道。3LDKの広さ。値下げ前でも相場の5分の1だったという。またため息が出そうだ。

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