冬夏言

 

2017/8/11 金曜日

 

8月1日に開幕した弘前ねぷたまつりは7日までの期間中、163万人の人出を記録し、熱く短い津軽の夏が終わった▼連日、最高気温を更新していた7月の暑さがうそのように8月は涼しい。暦の上で8月7日は「立秋」。秋の気配が漂い始める頃とされる。目まぐるしく変化する季節に付いていくのがやっとのきょうこの頃▼休む間もなく、迫り来るお盆。弘前市内では10日、花を片手に墓参りに向かう人の姿がちらほら。11日は祝日「山の日」に当たり、12、13日の土日を合わせて3連休。帰省客で延びる高速道路の渋滞。レジャー施設もにぎわいそうだ▼先日、買い物の際に見慣れないものが目に入った。お年玉ならぬ「お盆玉」。新たに広がりつつある風習に、かわいい孫へと張り切る祖父母がいる一方、少なくない出費に頭を抱える人も多いだろう▼11日からは弘前公園本丸で石垣の構造や昔の石の積み上げなどを学べる石積み、石づり体験や石垣解体現場を歩く回廊体験などが行われる。せっかくのお盆時期。レジャーもいいが、昔の石垣普請を学ぶ絶好の機会となるはずだ。

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2017/8/10 木曜日

 

東京支社勤務の頃、知り合いに「青森はねぶたが終わると秋風が吹くんですよ」と言っても、「またまたぁ、冗談でしょ」と信じてもらえなかった▼青森で迎えた今夏は青森ねぶた、弘前ねぷたをじっくりと観賞できた。弘前ねぷたは駅前運行最終日に満を持して出掛けた。個人的には見送りの情趣が好きで、過ぎゆく夏を惜しむように、過ぎゆくねぷたを楽しんだ▼翌日の「なぬか日」、弘前でお世話になった人の訃報が届いた。ずっと元気でいるものとばかり思っていたので、にわかには信じられない知らせだった▼弘前ねぷたというより、自衛隊ねぷたが好きな人だった。「ねぷた見るなら自衛隊。若者の剣舞がいいのよ」。うれしそうに話していた笑顔が思い出される▼弔問で手を合わせ、長い間連絡もせずにいた不義理をわびた。化粧を施した顔は、生前同様気品があり、ねぷたの見送りのようにきれいだった。とても70歳には見えなかった。退職時に「同僚と一緒にご飯食べにおいで。必ずよ」と言われた。それが最後に聞いた言葉だったか。今年もやはり秋風を感じたなぬか日だった。

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2017/8/9 水曜日

 

「すべては3枚の写真を見た時から始まった」という五所川原立佞武多。運行20年を迎えた節目の祭りも8日、盛況のまま幕を下ろした▼有志たちは1996年写真と明治・大正時代とみられる台座の設計図を手掛かりに岩木川河川敷で、巨大ネプタ「武者」を手掛け復活させた。その立役者の一人が初代制作者で現在福岡県を拠点にランタンアーティストとして活躍する三上真輝さんだ▼当時の作業場は雨漏りするような環境だったが、有志たちは仕事が終わると「どうしたらあんな巨大なねぷたができるだろう」と100日間無我夢中で制作し、あの天を突く圧倒的な迫力の山車が生まれた▼20年以上が経過し、大型の山車を見学できる立佞武多の館には、子どもたちの姿が絶えず、中には「いつかは大型を」と制作を夢見る子どももいる▼8日、数年ぶりに祭りを訪れたという三上さんを見つけた。威勢のいい囃子(はやし)や太鼓の音が響き渡る中「子どもたちが祭りに増えたなそんな時はやって良かったと思える」と目を細め「参加する人たちが楽しみ、盛り上がることが一番」と語る姿が印象に残る。

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2017/8/8 火曜日

 

「絶対王者」。その名を欲しいままにした人類最速の男が負けた。陸上男子のウサイン・ボルトは、最後の大会と決めていた世界選手権の100メートル決勝で3位に終わった。「もう去る時だと自分の肉体が言っている」▼スポーツの花形でもある男子短距離の100、200メートルの世界記録保持者であり、五輪で8個、世界選手権で11個もの金メダルを手にしたボルト。大きなストライドから繰り出される走りや、そのキャラクターも含めて人々を熱狂させ、ゴール後のおなじみのポーズも世界中の誰もが知るところとなった▼わずか10秒のレースのためにすべてをささげるアスリート。ボルトもまた、王者としてのプレッシャーと戦いながら世界新をたたき出して以降の10年間を駆け抜けてきたのだろう。残すは世界選手権でのリレーの予定。ラストランを目に焼き付けたい▼日本短距離界でもどんどん新星が現れている。サニブラウン選手をはじめ、個人で世界と戦える選手が出始めている▼ボルトがつくった時代の終わりは新しい時代の始まりでもある。次はどんなスターが生まれるだろうか。

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2017/8/7 月曜日

 

弘前ねぷたまつりで、子どもたちの元気な「ヤーヤドー」を聞くと、かわいらしさに口元がほころんでしまう。一方で、大人たちの迫力ある掛け声には「じゃわめぐ」ものがある。あえて字にすると「ィヤアア、ヤッ、ドウウ」が近いだろうか▼7日は弘前ねぷたまつりの最終日となる、なぬかび。普段は静かな夜の街で、子どもも大人も一緒になって盛り上がる特別な期間がそろそろ終わりを告げる▼今年の8月7日は、暦の上では秋に入る「立秋」に当たる。ここ数日、昼は厳しい暑さを感じても、日が暮れると半袖姿では少々肌寒さを感じる時もあった。津軽ではねぷたが終わると秋、という言葉をかみしめる▼「ねぷた今遠景と過ぎ消される町」(楠本憲吉)。にぎやかな囃子(はやし)とともに火扇が次第に小さくなっていき、ねぷたの去ってしまった街並みが、灯を消したように暗くなる様子が目に浮かぶ▼祭りが終わると寂しく感じるのはいつものことだが、そんな年月を積み重ね、子どもたちのかわいい「ヤーヤドー」が成長し、祭りを引っ張るすごみのある声になる日を待ちたいものだ。

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