冬夏言

 

2017/5/12 金曜日

 

総務省が発表した15歳未満の子どもの推計人口(4月1日現在)で、本県は前年度比6000人減の14万5000人。人口に占める割合は11・2%で下から2番目の低さだった▼黒石商業高校生は先日、インバウンドモニターツアーを実施。生徒が全行程でガイドを担当し、観光名所巡りや文化体験で留学生たちに黒石の魅力をPRした▼人口約2600人の小値賀島(長崎県)は民泊や古民家再生などで、独自のブランド化確立に成功。2007年に392人だった年間旅行取扱人数が15年には20倍に増え、10年間で300人以上のUIターン者が生まれたというのだから驚きだ▼進学や就職で子どもたちが県外に出るのが珍しくないこの時代。雇用環境面も厳しく一人ひとりの人生を思えばここに残ってくれと無責任には言えない▼子どもたちがツアーの運営側として関わることは、観光客を呼び寄せる話題になるだけでなく、子どたちが地元の魅力を再発見することにもつながる。故郷への愛着心がこの活動を通して育まれ、地元に住み、地元を元気にしたいと心に抱く人材の育成になればと願う。

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2017/5/11 木曜日

 

弘前公園三の丸に詩碑がある「胸にひそむ火の叫びを雪降らさう」と彫られているそれは、詩人福士幸次郎の「鵠(くぐい)」(白鳥の古称)の一節である▼「口語自由詩の先駆者」と言われる幸次郎。中央詩壇での地位を確固たるものにしたのは、萩原朔太郎が次のように評価してからである。「(幸次郎の詩集)『太陽の子』の暗示なしに、僕の『月に吠える』は無かつた」▼きょうは「朔太郎忌」。「口語自由詩の完成者」は1942年5月11日に没した。その朔太郎に師事し、津軽地方の文化発展に尽くしたのは小社OBの船水清氏だ。詩人、俳人でもあり、多くの文化人を発掘して育てた▼小紙連載後刊行した名著「ここに人ありき」は、「埋もれたままになっている(郷土の)先覚者たちの業績を、もう一度掘り起こし、記録にとどめておくことが必要」と筆を執った▼きょう報じたこぎん雑誌も同様の思いで創刊された。「記憶」は時に忘却の彼方に流されるが、「記録」は何代後も残り得る。足で得た情報を残した昭和の大先輩。残そうと情熱をかける平成の女性たち。地方文化開発を掲げる社是を見詰め直した。

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2017/5/9 火曜日

 

「武富士に放火 5人焼死」「追う炎 窓から『助けて』」。2001年5月9日付の本紙1面、社会面の鬼気迫る見出しだ▼前日8日、弘前さくらまつりも終わり、静寂を取り戻した古都で起きた類を見ない凶行「武富士弘前支店強盗放火・殺人事件」。取材の陣頭指揮を執る立場にあった者として、16年が経過したとはいえ生涯忘れることができない日▼容疑者の特定は難航し取材も困難を極めたが、発生から300日目の02年3月4日、逮捕に至った。警察の威信を懸けた執念の捜査が実った▼実行犯は一、二審、上告審まで一貫して殺意を否認。しかし支店の構造上、逃げ場がないことを認識しての犯行は「未必の殺意」が認定された。死刑判決が覆ることはなく、14年8月に執行された。「罪を憎んで人を憎まず」とは言うが、借金苦からの短絡的な犯行に同情の余地はない▼犠牲者5人の十七回忌に当たる8日、事件発生時刻に合わせて久々に現場に出向いたが、関係者が花を手向けるなどの姿は見られなかった。遺族にとっては、忌まわしい場所でしかないことが痛いほど分かった。合掌。

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2017/5/7 日曜日

 

3日以上の連休をもらうと、よく県外に旅行に出掛ける。近年の行き先は南東北の温泉街が多く、雰囲気を楽しみながら温泉に漬かるのだ。週末の近場のものを含め、趣味は温泉巡り▼宮城県や山形県に向かうときの移動は車。旅館やホテルへの到着時間を遅めに伝え、道中では観光名所のほか、カーナビ上の表示や看板で案内される施設にも立ち寄る。先にゴールだけを決めておき、興味次第で行き先が変わる気ままな旅だ▼今回のゴールデンウイークは県内で過ごしている。行き先は弘前市や青森市の桜祭り、八戸市の朝市といった観光地。広大な津軽平野や遠くに見える岩木山、西海岸の絶景など、道中のドライブも満喫している▼もちろん車には風呂道具を常備。食事や観光の前後には道中の小さい温泉に立ち寄る。浴槽や泉質、待合室の雰囲気など、味わい深いものばかりだった。家に戻り友人とお酒を楽しむと、日々の疲れと心が癒やされる▼津軽にも知らない温泉はまだまだある。きょうはゴールデンウイーク最終日。道中で出合える温泉を楽しみに、車でどこに向かおうか。

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2017/5/6 土曜日

 

ゴールデンウイーク後半。100年目の「弘前さくらまつり」開催中の弘前公園では、外堀、園内とも葉桜になり、いよいよ津軽の春の主役が、桜の花からリンゴの花に移る時期を迎える▼きょうから、弘前市清水富田の市りんご公園では「弘前りんご花まつり」が始まる。14日までの会期中、さまざまなイベントが企画されているようだ▼同市内で比較的リンゴの生育が早いとされる乳井地区の園地では、今月初めごろから「王林」の花がほころび始めた。市りんご公園でも、1日にわい化の「彩香」の花が咲いたという▼県産業技術センターりんご研究所(黒石市)は4日、所内にある「王林」の開花を平年より2日早く確認した。主力品種である「ふじ」は、きょう6日にも咲き始める見込み▼さて「弘前りんご花まつり」の会場では今晩、シードルをはじめとしたリンゴ酒が楽しめる「シードルナイト」が予定されている。白いリンゴの花を愛(め)でながら、リンゴ酒を飲み、ほんのり顔を赤くする。津軽の春の最高な楽しみ方ではないだろうか。皆さんも市りんご公園に出掛けてみては。

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