冬夏言

 

2019/9/11 水曜日

 

最近、どこの市役所でも「衣類回収ボックス」を見掛ける。弘前市では現在、市役所本庁舎だけでなく、イオンタウン弘前樋の口、ユニバース松原店、ヒロロスクエアなど市内10カ所に設置している▼スーツやジャケット、セーター、子ども服だけでなく、帽子やネクタイ、ハンカチ、靴下、和服まで大歓迎。衣類はリサイクル業者に引き渡し、東南アジアなど海外に届けるため、ごみの減量化にもつながるという▼回収量は15年度(5カ所)3万1311キロだったが、16年度(8カ所)4万5584キロ、17年度(10カ所)8万6730キロ、18年度(同)9万8111キロと年々増加傾向だ▼今年10月中には、期間限定で弘前大学と弘前学院大学にも設置予定で、若者の協力だけでなく、リユース、リサイクルへ意識啓発への期待も大きい▼残暑は厳しいが、10月の衣替えに向け、そろそろ秋物の準備時期。クローゼットを見返して、捨てられずにいたスーツやコート、処分に困った子ども服などを見つけたら、今年はごみに出すのではなく、衣類回収ボックスに入れてみてはどうだろう。

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2019/9/10 火曜日

 

「これ読める?」数年前弘前市の街歩きに参加していた高校生にガイドがそう尋ねた。“これ”とは、かだれ横丁前に掲げられた看板の文字。「かでろじゃかだれ!かだれ横丁で語るべし」と書かれた津軽弁100%の文言だ▼ガイドに意図を聞くと「最近の若い子は津軽弁の意味だけでなく、イントネーションも分からない子が増えてきた。この看板をちゃんと読める子はほとんどいない」と返ってきた▼なるほど確かに。取材で子どもたちと話す機会は少なくないが、なまっている子はいても津軽弁を使う子はほぼいない。あと50年もすれば青森も標準語になり、津軽弁は古代語として扱われるのではとさえ思う▼「サントグ持った?」「ケリね!」昔は当たり前に使っていた津軽弁も、最近では全く使わなくなった。津軽弁の薄れは子ども世代以外でも気付かぬうちに徐々にしかし確実に広がっている▼言葉は生き物。生活文化や社会情勢などさまざまなものが影響し、変化していく。意識的に残そうと思わなければ残せないものと理解しているが、それでも故郷の言葉が薄れていくのは寂しい。

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2019/9/8 日曜日

 

「唆る」―。この字を読める子どもたちが増えているらしい。週刊少年ジャンプ(集英社)連載「Dr.STONE」の主人公・石神千空の口癖がそれ。答えは「そそる」▼全人類が石化した地球。現代から3700年を経て復活した科学マニア高校生の千空が、仲間と石器時代レベルから文明を取り戻していく。原始環境から火や電気を生み、果ては抗生物質までも▼机上では記号や数の集合に過ぎない自然科学の論理が、物語とかみ合い明快に示される。千空の目標は世界を救うことだが、行動原理はあくまで自らの好奇心が赴く(唆る)かどうか。同作で興味を持ち科学に入門する子も多いと聞く▼作中で強調されることは、女性理工系研究者のトップランナー玉城絵美氏が弘前市での講演で述べた「明確になった欲望は実現する」に重なる。時間と手間を正しく費やせば必ず求めた物にたどり着く。それは魔法でなく、地道な試行錯誤を積み重ねた結果だと▼講演に耳を傾けたのは科学に興味を持つ地元の女子児童生徒。この地域からも将来の先導者が生まれれば、それこそ「唆る」展開だ。

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2019/9/7 土曜日

 

2013年に行われた東京五輪招致のプレゼンテーションで、滝川クリステル氏は東京五輪に訪れる人々を「おもてなし」精神で迎える―と述べた。それは、見返りを求めない日本のホスピタリティー精神だと▼東京五輪・パラリンピック開催が来年に迫る中、事前合宿地となっている県内自治体では海外選手の強化合宿が実施され、それぞれの「おもてなし」精神が発揮されている▼一方で気になるのが、冷え込む日韓関係だ。東京五輪・パラリンピック競技場に旭日旗の持ち込み禁止を求める韓国側の動きに対し、菅義偉官房長官は5日の会見で「持ち込み禁止は想定していない」と述べた▼理由は「日本国内で広く使用され、掲示そのものが政治的宣伝とはならない」。なお国際サッカー連盟規約だと、サッカースタジアムでの旭日旗は禁止だ。日本の主張はともかく、かつての軍国主義の象徴とみなす韓国や中国に対し「攻撃的、挑発的内容を含んだ横断幕や旗」に該当するからだ▼日本は「おもてなし」精神を置き去りにしていないか。見返りを求めないホスピタリティー精神を望む。

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2019/9/6 金曜日

 

先日、東京支社の同僚が、昔のCM「弘前だの八戸がらも来るんだづぁ~」を引用して別紙面のコラムを書いていた。タレント野津こうへいさんの津軽弁を懐かしく思い出し、同時に、今も東京で堂々と津軽弁を話しているであろう同僚の顔が浮かび、思わず笑ってしまった▼最近同じような津軽弁のせりふを聞いた。ホタテガイ養殖残さを活用した堆肥を無償配布している蓬田村のNPO法人「プロモーションよもぎた」代表坂本重彦さんの言葉だ▼昨年から始めた取り組みだそうだ。坂本さんは「昨年は弘前だの津軽地方がら、遠ぐは八戸、むつがらも来てました」と教えてくれた。今年はきのうから無償配布を始めたが、やはり盛況だったらしい▼ホタテ残さにもみ殻と鶏ふんを混ぜた堆肥は、海のミネラルを豊富に含み、野菜の生育が良くなるとのこと。ホタテ残さの処理は課題だっただけに、その堆肥化は画期的な取り組みと言える▼「この堆肥を使った蓬田のタマネギを食べれば効果が分がります」と坂本さん。つがる市出身の東京の同僚に「つがるがらも来てるんだづぁ~」と教えてやろう。

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