冬夏言

 

2017/12/6 水曜日

 

神戸港のメリケンパーク(神戸市)に飾られた高さ約30メートルの「世界一のクリスマスツリー」が、賛否両論を巻き起こしている。話題性で成功したといえるが、周囲の受け止めは複雑なようだ▼企画したのは世界中で植物を探すプラントハンター西畠清順さん。西畠さんはこのツリーをめぐり、議論が巻き起こることを望んでいたという。クリスマスツリーに用いられた木はアスナロ。本県でヒバと呼ばれる▼約30メートルにも育った大木を切り出したことへの非難も。これに対し西畠さんは、荒廃した森林が世界各地に出現していることを指摘。犬や猫を「かわいい」というのに、殺処分がゼロにならないことにもつながるような議論だ▼ただ、阪神淡路大震災への鎮魂をイベントテーマの一つに掲げたことで、多くの被災者が複雑な思いを抱いたことがSNS上で分かる▼イベントのために切り出された命震災時目の前の命を助けられなかったことに今も傷つく被災者。昨今はいかに目立つイベントを企画するかが重視されがちだが、人の心を打つイベントとは何か考え直す必要性もあるのではないか

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2017/12/5 火曜日

 

わが国の動乱の幕末期を語る上で、白虎隊に属した悲運の少年20人の存在があったことを知らない人は、決して多くはないだろう▼舞台は陸奥会津藩。第9代で、実質的に最後の藩主となった松平容保(かたもり)が没したのは、1893(明治26)年12月5日。京都守護職にあり鳥羽伏見の戦いで降伏、後に奥羽越列藩同盟の中心的な役割を担いながら会津戦争にも敗れた。57年の生涯だった▼会津藩は1668(寛文8)年、藩祖保科正之が徳川家への忠義を尽くす藩の方針を示すべく、家訓15カ条と什(じゅう)の掟(おきて)を作った。掟には「年長者の言うことに背いてはなりませぬ」「卑怯(ひきょう)な振る舞いをしてはなりませぬ」「弱い者をいじめてはなりませぬ」などがある▼横綱日馬富士による飲酒の上での暴力事件、引退で大揺れの大相撲。過去にも一般人からみれば常識を疑う不祥事が相次ぎ、批判の矢面に立たされ続けてきただけに、会津藩の教えを協会の掟として引用してほしいぐらいだ▼会津藩士の子弟は6歳になれば什の掟を習い始め、毎日最後にはこう復唱して締めたそうだ。「ならぬものはならぬものです」

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2017/12/4 月曜日

 

来年6~7月に開かれるサッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会の組み合わせが決まった。6大会連続6度目の出場となる日本は、ポーランド、セネガル、コロンビアと対戦する▼初戦の相手コロンビアとは前回大会でもグループリーグで対戦し1―4で完敗。日本にとってはリベンジの機会となる。過去5大会で南米のチームには未勝利であり、ジンクスを打ち破ってもらいたい▼日本が入ったグループは優勝経験のある大国は不在でいわゆる「死の組」は免れた。国際連盟(FIFA)ランキングで日本よりも上位の国ばかりだが、2大会ぶりの1次リーグ突破は十分可能だ▼日本代表の強化には国内クラブの成長が欠かせない。近年、Jリーグ勢が好成績を残せていなかったアジアチャンピオンズリーグで、浦和が10年ぶりに優勝。6日開幕のクラブW杯での躍進も期待される▼25シーズン目を終えたJ1は、川崎が最終節で奇跡の逆転優勝。クラブ創設21年目で初めてタイトルを手にした。四半世紀の歴史で日本サッカーは確実に成長した。そのことをロシアで証明してほしい。

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2017/12/3 日曜日

 

天皇陛下の退位をめぐり、陛下は2019年4月30日に退位され、皇太子さまが同5月1日に即位されることが決まった。退位に伴い、大きく変わるものがある。「元号」だ▼昭和天皇が1989年1月7日に崩御され、内閣官房長官・小渕恵三氏(当時)が同日、記者会見。「新しい元号は『平成』であります」と述べ、「平成」の色紙を掲げるシーンは記憶に残っている▼昨年8月、天皇陛下は「象徴としてのお務め」についてのお気持ちをビデオメッセージで発表。高齢に伴う「身体の衰え」を考慮された上で「これまでのように、全身全霊をもって務めを果たしていくことが難しくなるのではないかと案じている」との自身の思いを明かされた▼2014年9月、天皇、皇后両陛下が24年ぶりにそろって来県された。田舎館村の取材で立ち合った際、車の窓を開けて民衆に向け、手を振られる両陛下のお姿を拝見した▼天皇陛下の退位(譲位)は、江戸後期の光格天皇以来、約200年ぶり。一国民として“その日”まで両陛下が心安らかに、ご健康で過ごされることを願っている。

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2017/12/2 土曜日

 

東京鏡ケ丘同窓会は首都圏に住む旧制弘中・弘高卒業生の集まり。年1回、会報「TOKYOかわらばん」を発行している。友人から「今年の会報にお前が載っているぞ」と言われたものだから、東京の後輩を通じて事務局から送ってもらった▼見て驚いた。のほほんとした自分の写真にではない。いつもと違う異例の紙面構成にである。そこには今年4月に71歳で亡くなった笠井哲哉さんの執筆記事が、特集のように紹介されていた。東京青森県人会会報「東京と青森」からの転載という▼笠井さんは旧満州生まれ。弘前高校から京都大法学部に進み、旧郵政省に勤務。昨年、瑞宝小綬章を受章している。津軽の歴史に詳しく、首都圏に残る津軽の歴史散策案内人という存在だった▼東京在職中、何度か誘われた「歩(あさ)ぐ会」にはついぞ参加できなかった不肖の後輩ではあるが、同窓会、県人会では湯島、浅草と、夜遅くまで付き合っていただいた▼「幽冥境を異にしても、彼岸でライフワークの津軽史の研究に勤(いそ)しんでいることと思います」。かわらばん編集部は笠井さんのページをそう結んだ。

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