冬夏言

 

2017/2/21 火曜日

 

「高校生からの挨拶(あいさつ)、とてもすがすがしい気持ちになりました。この挨拶を聞いただけでも弘前に来て良かったと思いました。同時にこの様(よう)な礼儀正しい高校生がいる日本に誇りをも感じました」▼先日、東京都新宿区在住の男性から届いたメールでの投稿である。旧交を温めるため来弘し翌朝、ホテルの窓から眺めた岩木山の美しさに誘われ、弘前公園を散策した際の出来事▼雪灯籠作りをしていた弘前南高校生とみられる数人から「おはようございます」と大きな声で挨拶され、感激したという。投稿者は「良い景色を見て回るのもいいですが、人から感じることの方がインパクトがあり心に刻まれます」とも記した▼仏教はカネがなくてもできる「無財の七施」を説く。この中に優しい言葉をかける言辞施(ごんじせ)、ほほ笑みで接する和顔悦色施(わげんえっしょくせ)がある。今回の高校生の行動は、言辞施に当たる善と言えよう▼歴史、自然といった観光資源に恵まれる弘前市。その魅力をブラッシュアップし、訪れる観光客に「また来たい街」を印象付けるため、市民一人ひとりが笑顔で挨拶する運動を推奨したい。

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2017/2/20 月曜日

 

徹底した票読み、買収による浮動票獲得、相手陣営の切り崩し…。際どい駆け引きがあり、どの家も選挙の話で持ち切り。いわゆる「津軽選挙」のことである▼おにぎりの具に札が入っていたり、カーボン紙を持って投票し、領収証代わりに使ったり。政治に関心が高く、政争の激しい津軽地域では、酒のさかなに面白おかしく誇張した、こんな昔話を耳にする▼19日、任期満了に伴うつがる市長選は無投票で現職市長が4選を果たした。70代男性は「今の行政に不満はないが無投票はなんだか寂しい」、40代女性は「選挙はお金が掛かる。旦那が選挙に出るといったら、家計を考えてと全力で止める」、20代男性は「正直、投票に行ったことがなく関心がない」と市民の反応はさまざまだ▼福島弘芳市長は連続無競争だったことに「寂しい気もするが、悪いことではない」と率直な感想を述べた。同市のみならず地方の選挙は近年、無競争が多い傾向だ。無競争では、有権者が政治家を評価する一つの機会が失われる。有権者はこれまで以上に政治の在り方を注視する必要があるだろう。

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2017/2/19 日曜日

 

昨年ブログで話題になり、新語・流行語にも選ばれた言葉「保育園落ちた日本死ね」。身内がこの言葉を叫びそうである▼東京都内での話ではあるが、子どもの保育園入園がかなわなかった。どこかで「やっぱりそうなるのか」という思いもよぎったが、本人は「このままじゃ来年も入れる気がしない」と不安を募らせている。再び働き始められるのは一体いつになるのだろう▼弘前市では、待機児童ゼロを目指し昨秋から進めている解消策により、1月現在では待機児童がゼロになった。一方で、希望する園への入園を待つ「入所保留」の児童は同月現在113人。きょうだいを同じ園に通わせたい、休日保育を望む―など、入園を待つ背景はさまざまで、“ゼロ”の裏にいる存在も忘れてはならない▼安倍晋三首相は17日、衆院予算委員会で2017年度末に待機児童をゼロにする政府目標について、達成は困難との認識を示し「待機児童ゼロ目標を取り下げることはない」とも語った▼はるか昔から言われる「子どもを安心して産み育てられる社会づくり」。まずは受け皿増を望む。

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2017/2/18 土曜日

 

先日、第一生命保険が主催する毎年恒例の「サラリーマン川柳」の入選作品100句が発表された。働く者の立場からユーモアを交えて世相を詠んだ川柳。今回は全国から5万5067点の応募があったという▼入選作品を見てみると、「効率化 提案するため 日々残業」「会議する 準備のために また会議」「残業は するなこれだけ やっておけ」など「働き方改革」が叫ばれる中でも理想とは程遠い職場の現状を詠んだ川柳が目に付く▼さて、厚生労働省が過重労働解消キャンペーンの一環で昨年11月に実施した無料電話相談には前年の488件を大幅に上回る、過去最多の712件の相談が寄せられた▼「長時間労働・過重労働」に関する相談が全体の47・7%となる340件で最も多く、「月の残業が200時間を超えている」と窮状を訴える声もあったようだ▼電通の新入社員の過労自殺問題で、長時間労働の是正など「働き方改革」を求める声は大きくなっている。サラリーマン川柳も「SOS」かもしれない―。過労自殺の悲劇を繰り返すことのない社会の早期実現を望みたい。

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2017/2/17 金曜日

 

古城を雪と光で彩る「弘前城雪燈籠まつり」が12日、4日間の会期を終え閉幕した▼今年は昨年と同じ計23万人が来場。今回、特に注目を集めたのは弘前市を舞台にした人気アニメ「ふらいんぐうぃっち」とのコラボだろう。劇中に「喫茶コンクルシオ」として登場した「藤田記念庭園洋館」が大雪像に初採用され、投影されたプロジェクションマッピングにも、主要キャラクターが登場▼個人的に驚いたのは声優トークショーだ。キャストが「遠くから来た人は?」と問い掛けると、京都府や奈良県といった返答が。アニメ舞台を巡る「『聖地巡礼』をした人は?」の問いにも、多くの手が挙がった▼昨年の弘前さくらまつりや弘前ねぷたまつりともコラボし、地元民に親しまれている「ふらいんぐうぃっち」。これまでも、県内では人気アニメ「文豪ストレイドッグス」とコラボし、津軽鉄道で列車「人間失格号」が運行されるなど、県内外の“ファン”を津軽に出迎えている▼アニメがきっかけで、その土地のリピーターに。鍵を握るのは、地元の真摯(しんし)な“おもてなし”の姿勢だろう。

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