冬夏言

 

2018/1/5 金曜日

 

正月早々、角界に激震である。日本相撲協会にあって改革の旗手と期待された貴乃花親方が、元横綱日馬富士による一連の騒動で理事の職を解かれる事態。相撲協会の理事解任は初めて▼傷害事件で元日馬富士は引退し鳥取簡裁は4日、罰金50万円の略式命令を出した。この騒ぎでは師匠の伊勢ケ浜親方も責任を取って理事を辞任、貴乃花親方と同様に2階級降格の役員待遇委員となる異常事態となった▼確かに貴乃花親方は巡業部長としての職務怠慢、危機管理委の聴取拒否など非難される点は多々ある。ただ、改革を目指すなら沈黙を貫くのではなく、なぜ孤立してもなお堂々と論陣を張らないのか残念至極▼1927年1月5日は、東京の大日本相撲協会と大阪大角力協会が合併、日本相撲協会が発足した日。91年の歴史の中では幾多の不祥事があり、その度に問われた協会の体質▼今回の一件もトカゲのしっぽ切りで終わらせてはならないし守旧派理事の間に「寄らば大樹の陰」の意識が働いていたなら、もってのほか。国技といえども聖域ではなく、むしろ厳しく自らを律す覚悟が不可欠だ。

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2018/1/4 木曜日

 

本県出身の作家・太宰治は、「正月にはきまって『お正月野郎という言葉があるね』と言った」(回想の太宰治/津島美知子)らしい。新年を迎え、ただ無邪気に浮かれる人々を皮肉ったのか▼年が明け、きょうから仕事始めという方も多いだろう。年明けの仕事というのはおっくうな一方、身が引き締まるものである。名残惜しいが、いつまでも「お正月野郎」として過ごすわけにはいかない▼作家・向田邦子はエッセーの中で、下ろしたての何も書き込まれていないカレンダーを掛け替えながら、過ぎゆく日々を豆腐に例えた。「気ばかり焦ってうまくゆかず、さしたることもなく不本意に一日が終った日は、角のグズグズになった、こわれた豆腐を考えてしまう」▼一方で、「小さなことでもいい、ひとつでも心に叶(かな)うことがあった日は、スウッと包丁の入った、角の立った白い塊りを、気持のどこかで見ている」(霊長類ヒト科動物図鑑)▼新年を迎え、これから訪れるであろう何も書き込まれていない白い日々を思いながら、そろそろ「脱・お正月野郎」へと気持ちを切り替えようか。

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2018/1/3 水曜日

 

2018年は世界的なスポーツイベントが続く。韓国で初の冬季大会となる平昌五輪は2月9日に開幕。サッカーのワールドカップ(W杯)は6月14日から約1カ月間、ロシアで熱戦を繰り広げる▼平昌五輪ではフィギュアスケート男子の羽生結弦選手が連覇を狙うが、けがの回復が遅れてぶっつけ本番で大会に臨むことになる。逆境をはねのけて表彰台の真ん中に再び立ってほしい▼前回メダルを逃したスキージャンプ女子の高梨沙羅選手は4年越しの雪辱を期す。今季W杯は4戦未勝利で歴代単独最多の通算54勝目を前に足踏み状態が続くが、4年分の思いを込めた大ジャンプを平昌で見せてくれるはず▼最も金メダルに近いのはスピードスケート女子の小平奈緒選手だろう。今季もW杯で勝利を重ね、1000メートルで世界新記録も出した。高木美帆選手らも好調でメダル量産も期待される▼サッカーW杯で日本は初の8強入りを目指すが、昨年12月の東アジアE―1選手権ではライバル韓国に大敗。本番まで半年しかないが、ハリルホジッチ監督への批判も目立ち、こちらは不安が増すばかりだ。

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2018/1/1 月曜日

 

江戸郊外に造られた“お犬様御殿”には、数十万匹とも言われる野良犬が収容されたという。当時の川柳子は街の様子をこう詠んだ。〈その昔奈良の鹿ほど江戸の犬〉▼徳川綱吉の代に発布された「生類憐れみの令」。綱吉が戌(いぬ)年生まれであるため、中でも犬を愛護するよう生母が進言したという(松田征士著「江戸川柳で愉しむ日本の歴史」)▼今年の干支(えと)・戌(犬)は、1万年前にはすでに人類のパートナーであった。青森市の三内丸山遺跡や七戸町の二ツ森貝塚といった縄文遺跡では、埋葬された犬が見つかっている▼文学や映画の世界の主役にもなり、人を助ける「○○犬」にもなる。猟犬から家族同然の存在へと、人と犬は長い歴史を共に歩んできた。その年月にはとうてい及ばないが、弘前を中心とした地域と共にあったのは本紙だ▼現在の本社社屋落成は50年前。新社屋で当時の北村武四郎社長は本紙を支える地域への責任を改めて誓った。業界に吹く風は年々冷たくなるが、岩木山が望め、弘前公園の目の前にあるここから、ここに住む人々の生活と文化の向上を願う思いは変わらない。

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2017/12/31 日曜日

 

とうとうこの日が来てしまった。もう12月か…と時の流れの速さに驚いていたのもつかの間、今日で2017年が終わりというではないか▼あっという間のこの一年。しかし体感時間の短さとは裏腹に、米国のトランプ大統領就任や将棋の藤井聡太四段の最多連勝記録更新をはじめ、本県関係では中泊町出身の阿武咲関の新小結昇進など、実にさまざまなニュースがあった▼今月中旬に発表された日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」は「北」だった。北朝鮮の弾道ミサイル発射。空気に秋の気配が交じり始めた8月下旬の早朝、聞いたこともないアラームが枕元でけたたましく鳴り響いたことはいまだ鮮明に思い出せるほどの衝撃で、平和という恵まれた環境のもろさを痛感した▼来年の干(え)支(と)は戌(いぬ)。縄文時代から狩猟犬として人間と行動を共にし、現代ではペットとしてだけでなく、盲導犬、災害救助犬など多くの場面で人間を助けてくれる▼来年はどんなニュースが待ち受けているのだろうか。犬にあやかり、本紙が多くの人に親しまれ、また一人ひとりの相棒のような存在になれるよう努めたい。

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