冬夏言

 

2017/8/22 火曜日

 

残暑厳しいお盆、位牌(いはい)所。「チーン」とおりんを鳴らし、仏花を供える。だが、ろうそくの火や線香の香りはそこにはない▼10年ほど前、寺の改修に伴い、定番のろうそくや線香は姿を消した。当初は戸惑ったものだが、今ではすっかり慣れたもの▼今月16日、山梨県笛吹市で行われた送り盆の行事「甲斐いちのみや大文字焼き」では火の代わりに「大」の形に並べたLEDが点灯された。火をともす足場が不安定なため、安全性を考慮し、今年からLEDに切り替えたのだという▼「送り火をLEDに代用するなんて」と批判の声もあるだろう。だが、現場は山の急斜面。万が一にも山火事とならないようにと山の草刈りに始まり、薪(まき)の運搬に設営、点火に消火と、これまで続けてきた関係者の苦労は生半(なまなか)なものではなかっただろう▼13日、母と共に墓参りに赴いた。位牌所で目を閉じ、合掌。時代の流れとともに簡素になった作法だが、祖先への供養と感謝が込められた祈りの本質が変わるわけではない。かつてのような線香の代わりに、少しだけ開け放たれた窓から、過ぎゆく夏が香った気がした。

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2017/8/21 月曜日

 

「ねぷたが終われば夏も終わり」。青森では熱気とともにエネルギーを爆発させるねぷた・ねぶた祭りのシーズンが終わると、夏が終わると言われているが、今年は特に肌寒い日が続いているようだ▼8月だというのに、街では長袖姿の人を多く見掛けるほか、ニュースを見ればプールに子どもたちの姿が少ないことや、秋の収穫に向け農作物の心配をする農家の姿が映る▼確かに、八戸では8月に入り、30度以上となった日はなく、25度を超えたのもわずか3日のみだとか。津軽でも30度以上は2日のみで、実際にクーラーのお世話になる日はほとんどなかったように感じる▼一方で津軽地方では、宵宮や各地の祭りがまだまだ続く。つがる市では25日から3日間の日程で馬市まつりが開催され、歴史あるイベントが目白押し。よさこいや上原げんと杯、パレードに加え、最終日の夜には新田開発に尽くした馬の霊を昇天させる新田火まつりと花火の共演も見どころの一つだ▼今年は上着や膝掛けを持ち、体調を崩さないように気を付けながら、残りわずかな夏のひとときを存分に楽しみたい。

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2017/8/20 日曜日

 

連日、球児の汗と涙が列島を沸かせている「夏の甲子園」。一方、ここ弘前市も別の熱き甲子園の舞台となる▼きょう20日は、全国各地の高校生がしのぎを削る「ファッション甲子園」こと全国高校ファッションデザイン選手権大会の最終審査会。17回目となる今大会には40都道府県の126校1605チームから3009点ものデザイン画の応募があり、1次審査を経て24都道府県の35チームのみが最終審査会の切符を手にした▼本県からは、グランプリを2度獲得している常連校・弘前実業高校や、昨大会初出場で準グランプリに輝いた柴田女子高校など6校から7チームが出場。夏休み返上で朝から晩まで針を動かし、自らの持てるすべてを表現した服の完成に向けて汗を流している▼特に、本県高校生にとっては幼い頃から夢見る大舞台。「小学生の頃にテレビで見て憧れた」「これで進路を決めた」など、大きな影響を与えている▼当日はファッションショー形式で行い、出場チームがその感性と輝きを爆発させる。もう一つの熱き甲子園の舞台をぜひ目にしてほしい。

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2017/8/19 土曜日

 

「よく頑張った」。第99回全国高校野球選手権大会を戦い終えた、青森山田高校の球児たちに県民が掛ける言葉は、これに尽きるだろう。県内出身の選手も活躍し、テレビの前で一喜一憂しながら試合を見守った県民も多かった▼本県代表の青森山田が18日、ベスト8進出を懸けて戦ったのは、西東京代表の東海大菅生。試合序盤で大きくリードを許したものの諦めず、好機を生かそうと懸命だった青森山田のナイン。惜しい瞬間もあったが、本人たちが一番悔しかったはずだ▼近年、野球をする子どもたちが減ってきたと言われる。少子化の影響に加え、サッカーなどほかのスポーツを選ぶ子どもが増えた。プロ野球のテレビ中継も、昔に比べると少なくなった▼それでも、甲子園という憧れの舞台に立ち、全力で試合に臨む高校球児たちの姿を、野球好きの小中学生たちがテレビにくぎ付けになって見詰め、夢を引き継いでいる▼あの場所に立つために、彼らは今までどれほど頑張ってきたのだろう。それを思うだけで、大人たちはつい、胸が熱くなるのだ。今年の夏もありがとう。

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2017/8/18 金曜日

 

先日、弘前市が開いた「ひろさき農政会議」で興味深い報告があった。リンゴ生産量日本一とされる同市の基幹的農業従事者は他自治体より平均年齢、年齢構成のいずれも若いという。一方で70~80歳の農業従事者の割合が低く、市側は「(農業従事者が)単純に若いのではなく、早期にリタイアしている」との見立てを示す▼早期リタイアの原因はいろいろと考えられるだろうが、一つに健康面の問題が挙げられる。心身ともに健康でなければ長生きしても働けない。やはり「健康第一」である▼農林水産省が今年5月に発表した、2016年産リンゴの本県の結果樹面積は前年産より100ヘクタール減の1万9900ヘクタールと、1973年産の調査開始以来初めて2万ヘクタールを割り込んだ▼リンゴ生産現場では高齢化や後継者不足のほかに、農作業を手伝う補助労働力が足りない状況に陥っている。今後も日本一のリンゴ産地を維持していくためには、熟練の技術を持つ高齢者の活躍が不可欠と言える▼生産者が健康で長きにわたり働けるよう、健康面の対策を早急に講じる必要があるだろう。

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