冬夏言

 

2017/10/13 金曜日

 

「インターナショナルライター」「ホームレスライター」。デビュー間もないころから自らをそう呼んできたのは、ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏だ▼日本と英国の2国の間(インター)にいて、祖国(ホーム)を持たない作家。故に、その筆致は国境を越えた多文化的な印象を与え、描き出す普遍的世界が読者を引きつける▼国境を越えた普遍的な世界は、伝統ゲームにも存在する。思考力、集中力、記憶力、忍耐力といった「力」を養うと再注目される囲碁。国際囲碁連盟には75の国と地域が加盟し、世界の推定競技人口は4000万人という▼天才棋士・故呉清源九段は碁の神髄は調和にあると考えた。囲碁は相手の石をすべて取ろうとすると負ける。自分の利益を確保しつつ、相手に譲歩するバランス感覚は、人間関係や仕事、果ては外交にも応用できるだろう▼12日付本紙に掲載された囲碁イベント「ひろさき囲碁感謝祭」の写真には、国籍、性別、年齢の異なる人たちが一斉に盤と向き合う姿があった。他者との調和を大事にする精神を、囲碁から学びたいものである。

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2017/10/12 木曜日

 

民間会社「ブランド総合研究所」が年1回行っている地域ブランド調査の結果が公表された。47都道府県と全国1000市区町村を対象に、魅力度、認知度などをランク付けしており、2006年から行われている▼調査はインターネットで実施。認知、魅力、観光意欲、居住意欲、訪問経験など計78項目の設問を設けており、今年は3万745人から回答を得た▼都道府県の魅力度ランキングは、北海道が1位、京都府が2位で、ともに9年連続。市区町村では京都市が1位(前年2位)、函館市が2位(同1位)で、北海道内では札幌市が3位、小樽市が4位、富良野市が9位に入っている▼本県の順位は昨年と同じ17位。市区町村では県内2市が上位100位以内に入り、十和田市が前年の74位から58位に順位を上げる一方、弘前市は40位から81位にランクダウンした▼順位に一喜一憂することはないが、観光客が訪問先を選ぶ指標の一つにはなる。食、文化、自然など、本県は魅力的な観光素材にあふれている。さらに磨き上げ、これまで以上に国内外に発信してほしい。

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2017/10/11 水曜日

 

衆院選が10日公示された前職3人、新人7人の計10人が本県小選挙区の1~3区に立候補。比例東北ブロックには本県関係で前職、新人の計3人が出馬し、12日間にわたる選挙戦が幕を開けた▼“トリ”は波乱を呼ぶらしい。なぜか「酉(とり)年」は政局が大きく転換する年であることが多く、前回は小泉純一郎首相による郵政解散、前々回は自民党が戦後初の野党となった55年体制の崩壊。今回も衆院解散以降、“酉年の魔力”を感じさせるかのような波乱ぶりだった▼本県では小選挙区が4から3に削減され、新たな枠組みでのスタートを切った。短期決戦となった今回。北朝鮮の挑発が続く中、憲法改正の是非、消費増税など、これからの私たちの生活、将来を左右する大事な選挙となる▼昨年行われた英国のEU離脱を問う国民投票、米大統領選において「フェイクニュース」が注目された▼意図的に改ざんされた写真や虚偽の情報が拡散され、あたかも“真実”であるかのように一瞬で浸透していく現代の恐ろしさ。周囲に流されることなく、自らの目で正しい情報を獲得しなければ。

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2017/10/9 月曜日

 

きょうは体育の日―。1964年に日本で初めて開かれた東京五輪を記念し、開会式のあった10月10日を国民の祝日として祝うようになった。現在はいわゆる「ハッピーマンデー制度」の適用により、10月の第2月曜日に設定されている▼開催まで3年を切った東京五輪の開会式は7月24日。現在大会関係者の間で、この年に限って「体育の日」を10月第2月曜日から開幕日に移す案が浮上しているとか▼この日は、世界各国のVIPが出席し、厳重な警備態勢を敷くほか、一般の交通や物流に大きな影響が出ることを懸念した案だ。開幕日の休日化は、関連法の改正が必要となり、さまざまな案とともに検討が進められるようだ▼2020年の東京五輪では、復活する野球競技が福島県で行われるなど東日本大震災からの復興を後押しし、世界に被災地復活をアピールする機会でもある▼東京五輪・パラリンピックの「成功」はメイン会場のある東京だけではなし得ない。地方からも日本のあらゆる魅力を発信して盛り上げていくことで、56年ぶりの自国開催を成功に導くことができるはずだ。

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2017/10/8 日曜日

 

日本一のリンゴ生産量を誇る本県。出来秋を迎え、津軽地方の園地では収穫を控えるリンゴがたわわに実っている。今は中生種の収穫の真っ盛り。主力品種である晩生種「ふじ」の収穫はあと1カ月ほどで本格化する▼県産リンゴの年間販売額は14年産から3年連続で1000億円を達成している。リンゴ産業の元気が地域の元気を支えていると言っても過言でない▼一方で、地方においては少子高齢化に伴う人口減少が進展し、リンゴ農家の高齢化、担い手不足も深刻化。県が7~8月、農業従事者の労働力不足の実態を把握するために行った調査でも浮き彫りとなった▼調査によると、県内農家が労働力不足を感じる割合は約47%に上った。「足りない」「将来足りなくなる」を合わせた回答者を農作物の品目別(複数回答)でみると、リンゴが53・9%で最も多かった▼リンゴは摘花・摘果、収穫などに人手のかかる作物だ。リンゴ園を見て思う。「いつまでもこの風景が続けばいいな」―。ただ、願うばかりでは何も変えられない。実効性のある対策が一刻も早く求められている。

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