冬夏言

 

2018/5/22 火曜日

スポーツ界で「暴力」「体罰」をめぐる不祥事が絶えない▼アメリカンフットボールの日本大学対関西学院大学の試合で、日大選手が無防備な状態の相手選手に後ろからタックルする反則行為をした。被害選手の父親は「加害者がなぜあそこまで追い込まれたのか。監督の会見で一言いただきたかった」と悪質なプレーを非難した▼大相撲の元横綱日馬富士関による暴力問題では横綱が引退。トップ選手の異例の告発が大きな話題を呼んだ柔道では、全日本女子選手への暴力やパワーハラスメントで監督、コーチが相次いで辞任した▼こうした中、世界選手権代表選考を兼ねた体操NHK杯で内村航平選手が前人未到の大会10連覇を達成した。ミスが許されない重圧の中、逆境をバネに見事逆転。6種目全てで14点以上を挙げる研ぎ澄まされた演技だった▼「きょうは素直に勝ててうれしい全日本選手権で負けたからこそこういう気持ちになれるんだ」と語った内村選手スポーツ競技の価値そのものをゆがめかねない事態が続く中、経験と実力で正面から競技に挑む姿勢は競技を超えて人々の希望に見える

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2018/5/21 月曜日

黒石商業高校の生徒たちが課題研究として、訪日外国人観光客の誘致に取り組んでいる。この課題研究は2016年度から「インバウンドで黒石活性化」をテーマに、各年度ごとに訪日外国人観光客へのPR、旅行プラン開発などに挑戦している▼今年度はタクシーツアーやサイクルツーリズムイベントの企画開発に取り組むという。先日は観光スポットのこみせ通りをこみせ観光ボランティアガイドの案内で見学また弘前大学人文社会学部の森樹男教授を講師に招いた出前講義を受講した▼実際に現場で活躍するガイドや学術的知見を持つ人と交流しながら黒石観光に対する知識を深めることは、多角的に物事を考えるために必要不可欠で、校内だけでは得られない貴重な経験だ▼きょうは二十四節気の一つ「小満」。陽気が盛んとなり、万物の生命が次第に満ちていく頃のことを指すという▼課題研究は見学や講義を経て、これから生徒たちが具体的なツアープランなどの企画に乗り出す。地域の人々から教わった知識という〝陽気〟を積極的に吸収し、課題研究を実りあるものにしてほしい。

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2018/5/20 日曜日

 

旧優生保護法(1948~96年)に基づき当時10代で手術された男女3人が今月、同意のない不妊手術で人権を侵害されたとして国に損害賠償を求め東京、札幌、仙台の各地裁に提訴した▼優生思想の果てにホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の悲劇を生んだナチス・ドイツ。その政権下で成立した「断種法」は旧優生保護法の前身、国民優生法のモデルとなった▼ナチスの差別思想を継ぐ旧優生保護法が戦後の日本で成立し、つい20年前まで残っていたという事実。今年1月には、同様の手術をめぐり国賠訴訟を起こした宮城県の女性に、国は口頭弁論で請求の棄却を求めた。ホロコーストから何を学んだのか▼ヒトラーが自著「わが闘争」の執筆を始めた23年、関東大震災が発生した。震災の混乱に乗じたデマで多くの朝鮮人が殺害された事件へ抗議の意を込め、戯曲「骸骨(がいこつ)の舞跳(ぶちょう)」を書いたのが黒石出身の秋田雨雀だ▼震災直後の北国を舞台に、朝鮮人を探す自警団との戦いを描いた。グローバル化をまい進する現代の日本に、民族主義と差別的言動を糾弾した雨雀の思想はどう響くだろうか。

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2018/5/19 土曜日

「睡眠時間は4時間あればよいほうだった」「明け方に目を覚ますと、書いた紙の中に埋もれて寝ていたなんていうこともありました」▼弘前市の書家吉澤秀香さんが、過去の本紙連載「女一代記」で自身の来し方を語っている。書の道を追い求めながらの教職、家事、子育ての並行。根底には、創作への強い情熱と決して揺らぐことのなかった信念があった▼行間から推測する。紙面に表れない辛苦は相当なものであっただろうとしかし「苦難に耐え忍ぶことで人は強くなり、考えも広がる。それがその人の魅力になってゆくのです」▼この法律の成立も、幾度の挫折にも負けず、辛抱強く訴えてきた人たちがいたからにほかならない。「政治分野における男女共同参画推進法」が成立した国政や地方選挙での候補者の数が、男女均等となることを目指す▼大きな一歩だが、あくまで政党の努力義務である。旧態を墨守した男性中心のままでは、一元的な見方しかできず、世論の声を反映できない。少子化対策を軽視し、官僚や政治家のセクハラ発言を見過ごしている今の国会の姿からも明らかである。

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2018/5/18 金曜日

野球の投手なら、誰でも夢見るパフォーマンスが完全試合。一人の走者も許さず、打者27人をパーフェクトに抑える神業だ▼日本プロ野球で初めて記録したのは、1950年6月の巨人藤本英雄投手。会場は青森市営球場だった。以前、恩師が大切に保管していた当該試合のスコアブックを見せてもらったが、まさに圧巻の内容▼直近の達成者は巨人の槙原寛己投手。1994年5月18日、広島を相手に史上15人目の快投を演じた。以来、ほぼ四半世紀にわたって偉業を達成する選手が出ていないことが、その困難さを物語る▼海を渡って米メジャーリーグでは、ちょうど10年後の2004年、ダイヤモンドバックスの左腕ランディ・ジョンソン投手が、リーグ史上最年長の40歳で成し遂げた。5月18日は完全試合に縁がある日なのか▼その18日、東北大会予選を兼ねた春季県高校野球選手権が八戸市で開幕する。球児の夢舞台甲子園には直結しない大会だが、夏に向けて弱点を洗い出し、強化ポイントを見定める好機。記録は二の次でいいが、チームの目指すところを明確にする目的意識が不可欠。

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