冬夏言

 

2018/7/17 火曜日

 

2016年から滝までの入山ルートを登山上級者向けとし、入り込み数が減少していた西目屋村の暗門の滝。村などの関係機関が今年から方針を転換し、沢に橋を渡すなど以前より入山しやすくした▼滝につながる旧歩道では、15年に落石によるとみられる事故が発生した。このため観光客らの安全性を重視し16年から規制を設けた経緯があるが、見事な景観が遠い存在になったことを残念に思っていた▼今回の方針転換に当たり、村は暗門周辺の危険箇所を調べるなど安心安全を第一とし、入山の際は通行届の提出やヘルメット、長靴の着用を勧めている。滝開きから3週間ほどたったが、幸いけが人はいないようだ▼一方鯵ケ沢町の「くろくまの滝」に向かう町道赤石渓流線は通行止めが続いている。土砂崩落を受け迂回(うかい)路を建設中で来夏の完成を目指す。滝に至る遊歩道も損壊が確認され、開通時期は未定だ▼くろくまの滝は「日本の滝百選」に選ばれ、落差85メートルと迫力満点。遊歩道の整備は安全性や町の財政問題もあり簡単にはいかないだろうが、雄大な自然を体感できる日が再び訪れてほしい。

∆ページの先頭へ

2018/7/16 月曜日

 

本紙で14日付から企画「創生への道 第4部農業」の掲載が始まった。企画では7回にわたり、リンゴやコメを中心とした生産現場の現状と抱える課題、立ち向かう関係者の姿を取り上げる▼少子高齢化の進展により、担い手不足や補助労働力不足が深刻化していると言われて久しい。人手不足は農業に限ったことではなく、他産業との人材確保競争は一層激しさを増している▼14日付の第1回は担い手・後継者不足をテーマとし、今年の春から後継者不在の園地を借り受けた「弘前シードル工房kimori」を運営する百姓堂本舗の取り組みを紹介した▼同社の高橋哲史代表取締役は「今まではリンゴ農家に生まれた人たちでリレーしてきたものが、もう成り立たなくなってきている」と後継者不足の厳しい現状を指摘。非農家出身者をリンゴ作りに取り込む必要性を訴える▼同社が借り受けた弘前市船沢地区で目指すのは「新たな人(非農家出身者)にリンゴ作りに入ってもらい、担い手として育てる」こと。まだ始まったばかりの取り組みが、大きく実を結び、県内に波及するか注目したい。

∆ページの先頭へ

2018/7/15 日曜日

 

「将来は世界で活躍するだけでなく、目標とされる選手になりたい」。10年前、本紙の特集取材でそう語ってくれた高校1年生のサッカー選手が夢をかなえ、日本の司令塔となって輝いた▼サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、本県出身者として初めて出場した柴崎岳選手(野辺地町出身、青森山田高出)。中盤で試合をコントロールし、卓越したパスセンスでゴールをアシストするなど決勝トーナメント進出に大きく貢献した▼今大会、平均年齢の高さや直前での監督交代劇などから予選敗退が濃厚ではないか―とささやかれていた日本代表だが、下馬評を覆す活躍を見せた。その中心となったのは彼といっても過言ではないだろう▼柴崎選手の活躍は県民にも大きな感動を与えた。13日には故郷で結果報告が行われ、大勢の町民やファンらが駆け付けて活躍をたたえた▼「一年一年、一試合一試合に向き合っていきたい」と新たな決意を示した柴崎選手。4年後、W杯の舞台となるカタールの地でも、日の丸を背負ってピッチに立ち、今大会以上に輝いてくれることを期待したい。

∆ページの先頭へ

2018/7/14 土曜日

 

「店の中に変なメモが置かれてたんだが」「近くで怪しい人の集まりがある」1990年代、会社に読者から情報提供の電話がよく鳴った。メモは酔った客が書いた走り書きに見えたし〝怪しい集会〟は地域の庚申(こうしん)講のような集まりだった。それでも連絡した読者は真剣だったし、こちらもある種の緊張感を持って取材に当たった▼得体の知れない悪意に社会全体がおびえ、疑心暗鬼になっている事件現場から遠く離れていてもそんな社会の混乱を肌で感じた▼地下鉄サリン事件などを引き起こしたオウム真理教。一連の事件で死刑が確定した元代表松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚と元幹部死刑囚6人の刑が執行された。犯罪史上類を見ない凶悪事件が一つの区切りを迎えている▼さまざまな媒体が、なぜオウム真理教が暴走したのかを報じた。だが大量の報道、多くの時間を重ねた裁判、そのいずれをもってしても事件の核心というものに触れた実感に乏しい▼松本元死刑囚は事件の核心について、ほとんど何も語らないまま刑が執行された。平成の事件は平成のうちに。そんな言葉がむなしく聞こえる。

∆ページの先頭へ

2018/7/13 金曜日

 

災害発生時、何よりも気になるのが身内や知人らが無事かどうかということ。特に通信網が打撃を受けるような大規模災害時には、安否情報を確認するのも一苦労するだろう▼西日本豪雨で被害を受けた岡山県は11日、県内の安否不明者の氏名を公表した。情報提供を広く求め、捜索活動に役立てるためだ。公表後には、倉敷市真備町地区で行方が分からなかった複数人の生存が確認された▼例えば一人暮らしの人が災害が発生する前に旅行へ出発。旅行することを誰にも告げないまま、自宅を含む地域一帯が被害を受けた後、そこには“行方を誰も知らない不明者”が生まれてしまう。2014年の広島土砂災害で広島市が不明者の氏名を公表し、効果的な不明者捜索につながった▼公表されれば、情報は集まるが、一方で望まぬ注目も避けられないこととなる。これまで愛媛県は「個人情報保護」などを理由に氏名を明らかにしていない▼氏名公表については明確な基準がなく、各自治体に判断が委ねられている。だが、近年頻発する災害を考え、事前にガイドラインを定めておく必要があると強く感じる。

∆ページの先頭へ

Page: 1 2 3 4 5 6 ... 111

当サイトでは一部、Adobe Flash・PDFファイルを使用しております。閲覧にはAdobe Flash Player・Adobe Acrobat Readerが必要です。最新のプラグインはアドビ社のサイトより無料でダウンロード可能です。

  • Adobe Flash Player ダウンロードセンター
  • Adobe - Adobe Reader ダウンロード