冬夏言

 

2017/4/20 木曜日

 

青森市発祥の地とされる善知鳥神社。その向かいのビルに支社が移転したのがおよそ30年前だ。冬夏言子は駆け出しの記者だったが、そこで当時衆議院議員の竹内黎一さんをよくお見掛けした▼通り掛かった竹内さんは神社の前に来ると、必ず、かばんを足元に置き、神社に向かって一礼してから通り過ぎる▼誰が見ているわけでもない。竹内さんは当時旧2区だから青森市は選挙区外。それでも、そうするのが当たり前という自然な所作に、政治家というより竹内さんの人間性を感じたものだった▼本県衆院議員選挙区は旧1区(定数4)、旧2区(定数3)の中選挙区から1~4の小選挙区へと変わり、今度は1減して1~3区と改定する区割り案が示された。県民の声を国政に届ける側の責任は一層その重大性が増す▼竹内さんは小選挙区制となった1996年の衆院選で比例東北に回り落選、政界を引退した。「凛(りん)とした志を持って国政に励んでほしい」。竹内さんが生前、後輩にあてた言葉だ。区割りの見直しに不安があるのは事実。だからこそ、有権者も選良もかみしめたい言葉である。

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2017/4/19 水曜日

 

「山の鳥来てさわぎゐる桜かな」(山口青邨)。満開となった桜の枝で、飛来した山鳥がにぎやかに鳴いている。それを見詰めるのは作者だけなのだろうか。やっと来た春の喜びを感じさせるような一句だ▼桜は日本全国で愛される春の象徴だが、雪国の人間にとって桜の開花は、長い冬の終わりを告げる喜びに満ちた瞬間だ。弘前公園では18日、園内と外堀のソメイヨシノの開花が同時発表された。津軽に春の到来である▼桜が咲けば、あとは今年で100年目となる弘前さくらまつり本番を待つばかり。100年前の弘前公園の写真を見ると、ソメイヨシノの木の幹は今より細い。この桜が丁寧に手入れされ、100年後の今も「圧倒的」と称される花のボリュームを維持している▼市民が守り、伝えてきた桜と祭りの文化。100年という節目を祝い、次の100年へとつなげるためにも、花見に繰り出さねばなるまい▼桜が咲き、これからはいつ満開になり、いつ散るのかと気をもむ日が続くのだが、山鳥のように心を騒がせ、にぎやかに過ごしたい。やっと来た春なのだから。

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2017/4/18 火曜日

 

熊本地震発生から1年が経過した。建物倒壊などの多くの被害を引き起こし、震災関連死がいまだ増え続けるなど、その爪痕は深い▼震度7の地震が2回も発生した異例の大災害であり、東日本大震災後、大きな災害が立て続く中にあって多くの人が肌で感じたであろう、あすはわが身・わが地域にも起こり得るという危機感▼3月に弘前市で開かれた、弘前大学ボランティアセンター主催の活動報告会では、熊本地震で自主的に校舎を開放し避難所を開設した熊本学園大学の職員による講演が行われ、市民が耳を傾けた▼同避難所では障害者や高齢者などの災害弱者も広く受け入れ、まさに“バリアフリー”の施設として運営され、「管理しない、配慮する」を原則とした避難所として機能。実際の混乱の中では、マニュアルは役に立ちにくく、細かなルールで縛ることで逆に利用しにくくなる側面も紹介された▼「天災は忘れた頃にやってくる」。到底忘れることなどできない震災だが、時の経過とともに備えの意識が薄まるのもまた現実。教訓から学び、万一に生かす必要がある。

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2017/4/17 月曜日

 

春の日差しが心地よい4月。一方で気温の変化が大きく、体調を崩しやすい時期でもある。健康を保つにはバランスの取れた食事が欠かせないが、1人暮らしの友人は「仕事で疲れた後、料理をする気になれない」とこぼす▼そんな折、料理研究家・土井善晴さんの「食事は一汁一菜でよい」という提案を目にして、思わず膝を打った。ご飯を中心にして、みそ汁を具だくさんにすれば十分。一汁三菜にこだわる必要はないという▼1人暮らしをしていた頃、食材を無駄にしないために具だくさんのみそ汁をよく作った。野菜に卵などを加えれば栄養のバランスが取れ、料理の品数も洗い物も少なくて済む▼土井さんが作ったみそ汁は、トマトやブロッコリーとベーコンを組み合わせたり、バターやオリーブ油を加えたりと多彩。さまざまな食材が使えることに驚いた▼みそやみそ汁は体にいいと聞くが、昔の人も実感していたらしい。「医者に金を払うよりも、みそ屋に払え」「みそ汁は朝の毒消し」といったことわざがある。少しの時間で得られる健康の源を、日々の生活に取り入れてみては。

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2017/4/16 日曜日

 

弘前さくらまつり開幕まで、1週間を切った。毎年、祭りが近づくと街中はどこかざわめきが増し、華やいだ空気に包まれていく▼今の時期、市民や観光客の一番の関心事といえば肝心の桜(ソメイヨシノ)がいつ咲くのかということだろう▼弘前公園の桜の開花基準は同園北の郭にある基準木だ。1947(昭和22)年から統計を開始し、歴代1位の早咲きが90(平成2)年の4月13日開花、1位の遅咲きが65(昭和40)年、84(昭和59)年の5月6日開花だった▼本紙の当時の記事からは、関係者の苦境がにじむ。84年5月1日付紙面は「桜が満開にならない限り、目標の二百万人にはほど遠い」「出店の売り上げも、昨年に比べて八割減」と伝え、宿泊も「花がないため、予約のキャンセルが相次ぎ―」と、歴代1位の遅咲きによる大打撃を報じている▼今年は21日開花、27日満開の予想だ。祭りには弘前の人口を上回る花見客が詰め掛け、街中には地図を手に迷う人の姿も。一声「どうしました」と声掛けする心配りこそ、“日本一の桜”にふさわしいおもてなしとなるはずだ。

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