冬夏言

 

2018/11/14 水曜日

 

全国で唯一の「りんご科」があることで知られる弘前実業高校藤崎校舎。高校再編で来年3月に閉校するが、その略称名「藤校舎(ふじこうしゃ)」がリンゴの品種名「藤巧者(ふじこうしゃ)」として残ることになるらしい▼20年ほど前、同校舎の果樹園で見つかった「ふじ」の枝変わり品種を自身の園地で育成してきたOBが、農水省に品種登録出願しているのだという。学校はなくなるがせめて校名だけは残したい―。その思いがOBと生徒を突き動かしたと言えるだろう▼登録名は生徒たちが話し合って決めた。同校舎は70年の歴史の中で「藤高(ふじこう)」や「藤校舎」と呼ばれてきた。それをもじった「藤巧者」は響きを同じくしただけでなく、漢字の持つ意味から、生徒がさまざまな思いを込めたと推察できる▼この枝変わり品種は通常のふじよりも色づき、蜜入りともに程度が高いのだとか。今のふじよりも赤くて甘い。それが普及すれば、きっと将来の人気品種になるに違いない▼同校舎がある藤崎町はふじ発祥の地だ。地域に愛された学びやはなくなるが、新たな「藤巧者」が「藤校舎」の歴史を後世に伝えていくはずだ。

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2018/11/13 火曜日

 

没後35周年の今年、県内外で関連のイベントが行われている寺山修司。三沢市では今月、代表作「書を捨てよ町へ出よう」の舞台公演があった。上演台本・演出は1985年生まれの劇作家で、劇団「マームとジプシー」主宰の藤田貴大さん▼冬夏言子も観劇。藤田さんは現代演劇を更新するべく自作で試みてきた先鋭的な演出法を、果敢に寺山へぶつけた▼公演の冊子に〈表現という、それ自体が許されない時代が/現在。訪れるかもしれない気配がするのだ〉と記した藤田さん。「書を―」の演題を引き〈表現というものが成立するための、心強い/言葉なのかもしれない〉と結んだ▼本離れが叫ばれて久しい昨今、現代人が捨てるべき「書」とは。スマートフォンやパソコンが手放せない生活から、ふとウィーン生まれの思想家イヴァン・イリイチの言葉が浮かんだ▼80年代、電子機器の普及で人が「管理されることを必要とし、無気力、非政治的になる」と予見したイリイチ。寺山が生きていれば言うだろう。突破口はいつの時代も「町へ出る」一歩の中にこそ見つかるはずだと。

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2018/11/11 日曜日

 

オリックス・リビング(東京)が今月公開した全国の40代以上の男女1238人を対象に行った意識調査によれば、「高齢者」の定義は約7割が70代以上と考え、世界保健機関(WHO)が定義する65歳以上と答えた人はわずか14%にとどまった▼就労意欲についての質問では50代、60代以上は、実質的な定年となる65歳を超えても就労を望み、年齢による線引きにこだわらないという結果だった▼本県では〝短命県返上〟を掲げ、健康寿命延伸への取り組みが広がっている。スーパーでは特保の茶や減塩商品がクローズアップされ、周囲でも健康を意識した食事や運動に前向きに取り組む人が多くなってきた▼健康意識の高まりと同時に元気ではつらつとした日々を長く過ごす人たちが増え、高齢化も着実に進む。介護にまつわる課題も一層多様・複雑化していくことだろう▼きょう11月11日は介護の日。「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」の「いい日、いい日」にかけ、2008年に制定された。自身の健康について考えるように、介護について知るきっかけにしてほしい。

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2018/11/10 土曜日

 

現金を使用せず、クレジットカードや電子マネーなどで支払うキャッシュレス。国はキャッシュレス決済の比率を、現在の約2割から2025年までに4割程度に高める目標を掲げている▼キャッシュレス決済の中で注目されているのが、スマートフォンのアプリを使ったQRコード決済。スマホに決済アプリをダウンロードし、店や客のコードを読み取って利用するもので、大手IT企業や銀行の参入が相次いでいる▼スマホだけで簡単に買い物の支払いができ、飲食店やコンビニエンスストアなど使える店も増えている。利用者にとってはポイント付与や割引などの特典もある▼実際に使ってみると、アプリを起動してコードを読み取ってもらうだけなので、現金払いより煩わしさはない。最近は財布を持たずに近所のコンビニに行くことも増えた▼来年10月の消費増税に向け、国はキャッシュレス決済を行った消費者に2%分をポイントで還元する経済対策を検討している。消費の落ち込みを防ぎ、キャッシュレス決済の普及も進める「一石二鳥」を狙う策。果たして成功するのだろうか。

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2018/11/9 金曜日

 

「そだねー」と聞き、年の瀬が近づき一年を回顧する時期であると実感する。今年の世相を反映した言葉を選ぶ「新語・流行語大賞」の候補30語が発表された▼今年は4年に1度の冬季五輪、サッカーワールドカップ(W杯)が開かれた年。五輪関係では冒頭の候補に加え「もぐもぐタイム」も候補入り。W杯期間中は「(大迫)半端ないって」の言葉が盛り上がりのキーワードとなった▼今年はスポーツの話題に事欠かない。米大リーグでも活躍した大谷翔平選手の「翔タイム」、100回目の夏の甲子園で秋田勢として第1回大会以来の決勝に進出したことによる「金足農旋風」も▼流行語はスポーツに関しても、いいものばかりではない。「悪質タックル」「奈良判定」では、プロではなく学生スポーツに望まぬ形で注目が集まった。当事者の団体の信頼回復には長い時間がかかるだろう▼スポーツとは別に、昨年の年間大賞「忖度(そんたく)」に続き今年は「首相案件」が候補に。ともに森友・加計学園問題に絡む言葉だ。この状況なら、元号が変わる来年の大賞にも何らかの関連用語が候補に入る気がする。

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