冬夏言

 

2022/1/22 土曜日

 

 人類滅亡の午前0時まで、残り100秒―。米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」が示した、世界の終わりまでの猶予時間を象徴的に表す「終末時計」の針の話▼2020年に過去最短の100秒に設定されて以降、2年連続の据え置き。北朝鮮やウクライナ情勢を踏まえ、国際安全保障は不安定で、極めて危険な状況から抜け出せていないと判断した▼同誌は声明で核兵器や気候変動、破壊的なテクノロジー、新型コロナウイルスが引き続き脅威をもたらしているとした。確かに時計の針を戻すような判断材料は、世界的に見当たらない▼逆に、脅威となる要因として、新たに「人類の心のすさみ」を加えるべきではないか。インターネット上は誹謗(ひぼう)中傷の書き込みであふれている▼事実無根のものを含めた情報を、あたかも真実のように流布しプライバシーも平気で踏みにじって、無差別に他人を攻撃する。「人間らしさとは」を再確認しなければならないようだと、この世の終わりもにわかに現実味を帯びてしまう。

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2022/1/21 金曜日

 

 弘前城雪燈籠(どうろう)まつりの中止が20日に決定となった。新型コロナウイルスの感染急拡大を踏まえたもので、祭り史上では初のこと▼制作途中の雪像を解体するのも初めてのことになる。毎年、見事な大雪像を作り上げる陸上自衛隊弘前駐屯地協力隊は今年、函館市の市制施行100周年を記念して旧函館区公会堂の制作に当たっていた▼市外の建造物がモチーフになるのは異例。意匠が細かく、造形の難度は過去最高クラスとなることから、その出来栄えをひそかに期待していた▼しかし型枠内に積まれたままの雪の巨塊は、像に削り出されることなく消えることに。作品が日の目を見ぬまま解体作業に当たる隊員たちの心情を察するといたたまれない▼新型コロナの猛威に、私たちはさまざまなことを諦めてきた。そうして市民にとっての冬の楽しみも一つ奪われてしまった。雪像になるはずだった雪、祭りを望んでいた人の思いが、せめて明るい季節に向かう礎の一部になればと願う。あの時の無念があったから迎えられた、と言える春が来ると信じたい。

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2022/1/20 木曜日

 

 知り合いから毎年頂くカレンダーに、朝夕測定した体重を書き込むのが日課になっている。日によって上がり下がりする数字に一喜一憂するのだが、今冬はもう一つ書き込むメモが増え、そのせいでも一喜一憂する日々が続いている▼メモは「ブル」。夜中に除雪車が来るとそう書き込んでいる。今冬の県内はたびたび大雪と寒波に見舞われ、冬夏言子が住む弘前市でも、当然のごとく、除雪車が回ってきた日が多くなっている▼夜中に何度か起きては除雪車が来たかどうかを窓から確認する。来ていれば、嫌々ながらも早朝の雪片付けを覚悟する。来ていなければ、安心して朝食まで眠るという冬のサイクルだ▼きのうもブルが来た。自宅はわずかな間口なのだが、一人で除雪車が寄せていった雪を片付けるとなると結構な労力と時間がかかる▼今月は「ブル」の書き込みが多い。カレンダーには「ブル」「ブル」と連続したメモが残っている。その割には体重が減らない現実をこれまたカレンダーメモが教えてくれる。きょうは大寒。冬はまだまだ続く。

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2022/1/19 水曜日

 

 一流アスリートの引き際は十人十色である。古くはプロ野球の王貞治選手が40歳で30本塁打を放ちながら「王貞治としての打撃ができなくなった」とバットを置いた▼サッカーJリーグ黎明(れいめい)期のスターである三浦知良選手は引退を断固拒み54歳の今も現役。出場機会を求めJFL(4部リーグに相当)のチームに期限付き移籍し、限界にあらがい挑戦を続ける▼陸上で五輪に4度出場した板柳町出身の福士加代子選手(39)も現役続行にこだわった一人。しかし近年はけがもあってか成績を残せず、先日引退を表明した▼その福士選手が、全国都道府県対抗女子駅伝に本県アンカーとして出場。テレビ観戦したが、全身がばねのような全盛期の躍動感はなかった。それでも沿道の声援に後押しされゴール。「順位を落としたのに、みんな温かい」「最高のレースだった」と喜んでいた▼実況の金哲彦さんが「3人抜かれでもいいんですよ。頑張った」と言っていた。同感だが、あと1レースある。30日の大阪ハーフマラソンで、過去最高の笑顔を見せてほしい。

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2022/1/18 火曜日

 

 弘前保健所管内の新型コロナウイルス感染者が14日以降、連続で50人を超えている。11日からの1週間で累計400人に迫る勢いだ▼年末年始の余韻が残り、全国的に普段会うことがない友人たちとの集まりや会合も多く見られるこの季節。感染が広がった一因には、なかなか会えなかった友人たちとマスクなしで話したり、飲食を共にしたりしたケースもあるのでは▼現在、弘前保健所の負担軽減、業務遂行のため、県や県民局、弘前市の職員が同保健所に派遣されるなど態勢が強化されている。市内の医療現場でも医療従事者が、増加するPCRなどの検査や医療態勢維持のために懸命に働いている▼市は弘前保健所への応援態勢について「必要に応じていつでも増員する準備は整えている」と同時に、市民へは「冷静な対応を」と慎重な行動を呼び掛ける▼今一人ひとりにできることは、自分が住む地域の感染拡大を止めるという意識を持つことではないか。改めて感染予防策の徹底と自らの行動を見極める冷静な対応が求められている。

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