冬夏言

 

2017/2/14 火曜日

 

高倉健さんが主演した映画「八甲田山」が封切られたのは1977年6月。冬夏言子はまだ高校生だった。教育機関の推薦する映画だったからだろう。手元には割引券が何枚もあり、劇場で3回も見てしまった唯一無二の映画である▼ただ思うのは封切りが春で良かったということだ。厳寒の八甲田での雪中行軍遭難を描いた映画である。これが冬の封切りだったら、おそらく3回も劇場に足は運ばなかったろう▼季節感のずれがなせる「妙」とでもいうのだろうか。先日も東京の個展で、季節感のずれによる何とも言えない感覚を味わった▼青森市出身の洋画家林ひろ美さんの個展である。会場を訪れたのは今冬何度目かになる、東京に雪が降った日だった。そこで林さんがテーマの一つにしている青森ねぶたの絵画を鑑賞した。エネルギッシュなねぶたを暖色系でメルヘンチックに描いており、心がほっと和んだのである▼映画「八甲田山」では、猛吹雪で遭難寸前になった高倉さんが夏のねぶた、ねぷたを思い浮かべる場面がある。真冬と真夏、現実と夢を見事に描いた名シーンである。

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2017/2/12 日曜日

 

11日は建国記念の日だった。神武天皇の即位日で、戦前まで「紀元節」と呼ばれた祝祭日だった。神話を根拠とする点に国民の意見は割れ、今年も例によって右派の祝賀行事、左派の反対集会がそれぞれ行われた▼約半世紀前、国が1万人に行った調査では、2月11日を推す人が5割弱、憲法記念日の5月3日を支持する人が約1割。十七条憲法発布の日、サンフランシスコ講和条約発行日が良いという人も少数いたそう▼当時の国会でも与野党が対立したものの「建国記念」と「日」の間に「の」を入れるとした与党の提案に最大野党が妥協。1967年から適用された▼世界を見てみると、神話教育に熱を入れている韓国では伝説上の人物・檀君の即位日を公休日としているが、こうした国は少数派だ。大多数は宗主国からの独立日が記念日。列強がアジア、アフリカ、中南米で幅を利かせていた事実の裏返しだ▼日本の2・11をめぐる対立は、先の大戦で敗れた後の占領期を例外として、独立を維持できた地ゆえの現象ともいえる。先人たちの労苦と島国という地勢に感謝すべきだろう。

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2017/2/11 土曜日

 

1日平均約3700人という北海道新幹線・新函館北斗―新青森間の1月利用者数のことである。各月の1日平均利用者数を比べると開業以来最低となったが、意外に多いとの印象を受けた▼1月は新幹線に限らず、交通機関にとって旅行需要が少ない閑散期。それでも新幹線開業前の在来線と比較すると、前年より25・6%増えた▼JR北海道は、冬季需要掘り起こしに力を入れる考えという。それならば、インターネット予約以外でも割安な切符を販売してほしい。在来線に比べ、新幹線の料金は割高だ。インターネットを使いこなせない人も利用しやすいサービスを導入すれば、利用者増につながるのではないか▼一方、今別町の奥津軽いまべつ駅と中泊町の津軽中里駅を結ぶ路線バスの利用者数は、1月末時点で1便当たり0・89人にとどまり、当初目標の4人を下回っている▼公共交通を利用する旅は、ドライバーが車の運転から解放され、車窓からの景色を楽しめるのがいい。冬の奥津軽はストーブ列車も運行されている。バスのPRや地域の魅力発信に力を入れ、観光客を増やしたい。

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2017/2/10 金曜日

 

冬の風物詩「弘前城雪燈籠まつり」が12日までの日程で弘前公園を会場に開幕した。メインの大雪像のほか、市内の学校、事業所などが制作した雪燈籠や雪像がさまざまな表情を見せ、訪れる人を出迎えている▼祭りは今年で41回目。国登録有形文化財・藤田記念庭園洋館の大雪像は陸上自衛隊弘前駐屯地協力隊が取り組み、荒れた天候が続いた中での作業は大変だったに違いない。毎年のことながら感謝である▼彩りを添える大小219基の雪燈籠、雪だるま、中雪像、ミニ雪像は市民がそれぞれの団体で協力しながら作ったもの。市民参加型の祭りとしての盛り上げに一役買っている▼雪を楽しむ祭りだが、雪燈籠をさらに増やしてもらおうと、市は去る4日と5日に初のワークショップを開いた。参加した親子らは「難しかったけど楽しかった」と話し、今後につながる企画として来年以降も続けてほしいものだ▼大雪に見舞われている今冬の弘前地方だが、息抜きの一つとして祭りに出掛けてみてはどうだろうか。雪燈籠まつりが終われば、待ち遠しい春の足音がもうすぐ聞こえてくるはず。

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2017/2/9 木曜日

 

「青森の宝」とも称されるハードロックバンド「人間椅子」のライブアルバムが今月リリースされた。その名も「威風堂々~人間椅子ライブ!!」。題名通り、重厚なサウンドと独自の世界観で聴く者を圧倒する▼人間椅子は弘前市出身の和嶋慎治さん(ギター)、鈴木研一さん(ベース)、東京都出身のナカジマノブさん(ドラム)の3人で構成。演奏は王道のハードロックながら、衣装や歌詞を含め「和」のテイストも濃厚だ。そして「津軽」のテイストも▼鈴木さんは毎年弘前ねぷたまつりの時期になると、好きな絵師のねぷたを見るために帰省するのだとか。そういったことに思いをはせつつ人間椅子の「ねぷたのもんどりこ」を聴くと、ひと味違った感慨がある▼一般にロックは若者の音楽と見られがちだが、人間椅子はキャリアを重ねて円熟味を増し、演奏と歌声にすごみをにじませる。昔と比べ、「ますます格好良くなる」とファンに評されているのも特徴の一つだろう▼3月19日には「青森Quarter」でのライブも控える人間椅子。威風堂々たる彼らを津軽の熱気で歓迎したい。

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