冬夏言

 

2017/7/4 火曜日

 

高校の同窓会に久しぶりに出席した。50歳あたりまで、自分たちの席は「常に末席」という印象があったが、今回はちょうど真ん中あたり。同級生と「ようやくここまできたね」と苦笑いしながら懇親を深めた▼60歳まであと数年。同窓会ではそれでようやく真ん中というポジション。「自分たちが最前列まで行くのはいつになることやら」。これも同級生と苦笑しながらの会話である▼最前列にいた先輩方は自由闊達(かったつ)な面々。緊張しながらあいさつに伺ったが、先輩たちのテーブルは畏れ多いというか、居心地が悪いというか、話も早々に自席に戻るという不肖の後輩ぶりを露呈▼同窓会は卒業年次が全てと言っても過言ではない。自席に戻り歓談していると後輩たちが回ってきた。「先生」だろうが、誰だろうが、今度はこちらが先輩。つい年上目線で応対してしまい、不肖の先輩であったか―と反省した次第▼舞台は2次会へ。ところがそこには最前列の先輩たちが先乗りしていた。「2次会は俺たちが主役」というもくろみは見事に外れたが、「縦の糸」が絡み合う時間は心地良かった。

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2017/7/3 月曜日

 

朝から気温が上がり、早起きするのがさほど苦にならない季節となった。弘前市内で朝市が始まったとの新聞記事が目に留まり、旬の食材を求めて早朝、会場に向かった▼朝市の開始時間より10分ほど遅れて到着すると、会場は多くの人でにぎわっていた。新鮮な野菜や山菜、果物のほか海産物なども並ぶ。野菜を育てた生産者から調理法を教えてもらい、対面販売ならではの良さを感じた▼地場野菜が豊富なこの時期は、無人販売所を巡るのも楽しい。主に郊外で見掛けるが、中心街の裏通りでも発見。スーパーでは手に入らない野菜があったり、2種類の野菜を少量ずつ一つの袋に詰めたりと、販売所によって工夫も見られる▼販売所は無人のためお金を入れる箱や瓶があり、値段の分だけ払う仕組みだ。だが世の中は正直者だけではなく、お金を入れずに品物を持ち去る不心得者もいると聞く▼ある販売所には「毎朝手を掛けた野菜です」と書かれた紙が張ってあった。買う人の良心を信じ、取れたての野菜を手頃な値段で売ってくれる生産者の気持ちを踏みにじるようなことは慎みたい。

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2017/7/2 日曜日

 

街のあちらこちらに続々とねぷた小屋が立ち、そこかしこから囃子(はやし)の音が聞こえるようになった。8月1日の弘前ねぷたまつり開幕まで1カ月を切り、人々も街も、本番に向けて段々とエンジンがかかり始めている▼地元町内会で出すねぷた運行に参加したのは小学生まで。その後は部活で忙しくなり進学で県外に出たのも重なって、沿道から眺める専門になってしまった▼取材をしていてうらやましく感じるのは、地域の人々のつながりや連帯感。資金集めから人集め、ねぷた制作、練習、本番と、力を合わせないとできないことばかり。集い、一緒に汗をかいて全力でまつりを楽しむ様子は、この街で暮らすモチベーション、そして喜びになるのだろうなと、なかなか飛び込む勇気の湧かない根無し草は羨望(せんぼう)のまなざしで見ている▼ねぷた参加団体の中には自由参加が可能なところも見掛ける。思い切って一歩踏み出して参加してみるのもいいかしれない▼まつりには今年、80台が出陣予定。5日の駅前運行では最大55団体もの参加が見込まれる。今年の夏も熱い1週間となりそうだ。

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2017/7/1 土曜日

 

五所川原市や鯵ケ沢町には「鰊御殿(にしんごてん)」の名が残る。日本海沿岸で盛んだったニシン漁で、財を成した網元たちの屋敷のことだ。春になると産卵のため押し寄せたというニシンの漁場は、やがて北海道へ移り、漁獲量は激減していった▼ニシン激減の要因は複数挙げられているが、乱獲も大きな理由だったはずだ。そして今、ニホンウナギの絶滅が危惧されている。養殖の場合も採取した稚魚を育てており、自然界の資源に頼るしかないのが現状だ▼きょうから7月。暑くなると、夏バテ防止に食べたくなるのがウナギ。このまま食べ続けていいのかと迷う人もいるだろうが、食べられなくなる前に思い切り、という御仁もいるかもしれない▼消費者が食べ控えれば解決するという単純な図式ではないが、かば焼きがスーパーやコンビニでも購入できる存在ではなくなることを、われわれはそろそろ覚悟すべきではないか▼土用の丑(うし)の日に、ウナギを食べられずとも、せめて専門店が姿を消さずに済む在り方を望む。「昔は、うなぎ屋があったんだって」。鰊御殿のような存在にならないように。

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2017/6/30 金曜日

 

世界最大規模の原生的なブナ林が広がる世界自然遺産・白神山地。その玄関口である西目屋村は暗門の滝やマザーツリーなど有数の観光スポットを抱えている▼その一つで、かねて樹勢の衰えに心配の声が上がっていたマザーツリーについて、樹勢回復に向けた調査が28日に行われた。ボランティア団体「津軽人文・自然科学研究会」が、県樹木医会の協力を得て実施。調査の結果、空洞化は認められなかったようで、ひとまずほっとした▼近くまでバスで行け、手軽に観光できるマザーツリーは毎年ツアー客らでにぎわう。しかし今回の結果で、木にとっては根を張り巡らしている土を踏み固められ、樹勢低下につながっていた事実が突き付けられた▼世界自然遺産。その一言が人々の関心を集め、県内外から多くの観光客を呼び寄せる。それは地域活性化に一役買うものの、遺産登録が本来持つ「後世へ残す」の意味合いとは相反する部分があるのは事実▼詳細な調査結果は、7月に村内で発表される。今回の調査が、観光と環境保全との共生の道を探るきっかけとなることを願う。

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