冬夏言

 

2017/3/25 土曜日

 

体重計には乗らないことにしている。恐ろしいからである。痩せたら乗ろうかとは思っているのだが▼日本一の短命県、青森県。生活習慣が悪い、健診を受けない、病院に行くのが遅い―。短命の理由ははっきりしているという。「健診に行って悪いところが見つかるのも怖い」。そう言う人もいる▼弘前大学と、弘前市の企業マルマンコンピュータサービスが、健康アプリ「健康物語」を共同開発した。自分の体の状態を一括管理できる優れものだ。体重や歩数、睡眠時間、血圧などを毎日入力するだけ。アプリのダウンロードまでは勇気がいるが、まずは手軽な方法で自分の健康がどうなっているのか知ってみるのも良いのではないか▼本県の特徴は働き盛りの死亡率の高さ。酒、たばこをこよなく愛し、塩辛いものが大好きなハードワーカーの父も40代にがんで死亡。まさに“典型”であった▼「短く太く」と思っているお父さん方、働き盛りの家族の死は、残された家族の生活にも少なからず影響を与える。自分の健康を守ることは、家族を守ること。いま一度考えたい。

∆ページの先頭へ

2017/3/24 金曜日

 

日差しに春を感じる日が続き、雪解けが進んだと思ったらまた雪。暑さ寒さも彼岸までと言うが、23日の彼岸明けの朝は冬に引き戻されたような気分だった▼三寒四温は今の時期に耳にする言葉だ。春が少しずつ近づく様子がよく表れていると思うが、もともとは中国東北部や北朝鮮で使われ、本来は冬の季語として2月中に使うのが正しいという。でも、つい使いたくなる▼本紙にフクジュソウが咲き、青森市では積雪ゼロになったなどと記事が載り、多少寒くても春が近づいていると感じる。東京では21日、桜(ソメイヨシノ)が全国で最も早く開花したと報道され、1週間から10日で満開になるという▼民間気象情報会社ウェザーマップによると、九州や四国から関東の太平洋側では今月末までに開花するところが多い見込み。弘前市が17日に発表した弘前公園の第1回開花予想では、園内の開花は平年並みの4月23日。1カ月後には開花しているはずだ▼春の楽しみは桜ばかりではない。あと1週間ほどで新年度。新1年生や新社会人がまぶしい新しい季節をわくわくしながら待ちたい。

∆ページの先頭へ

2017/3/23 木曜日

 

東京の吉祥寺という街に憧れていた。中学生の頃、はまっていたテレビドラマ「俺たちの旅」の影響だ。東京勤務中に一度は訪れてみようと思っていたのだが、実現しないまま、異動の内示が出た▼転勤する前に―と慌てて訪れた吉祥寺。駅前から人の流れに付いていくと着いたのは井の頭公園。「俺たちの旅」で中村雅俊さんが演じたカースケらがよく行くおなじみの場所だ▼家族連れやカップルでにぎわう公園を散策していると、どこからかアナウンスが聞こえてきた。とある大学のアカペラサークルの発表会。プログラムにお気に入りの歌があり、時間もあったものだからステージの最前列に陣取った▼メンバーが入れ代わりながら次々と無伴奏で合唱、重唱を披露。お世辞にもうまいとは言えない内容だったが一生懸命さは伝わった▼当の学生たちは納得できたのだろうか。ドラマではカースケたちが現実社会にもがき苦しみながら成長していく。この学生たちも同じく、今はもがき苦しんでいるのかもしれない。エールをこめて〈♪それじゃまたなぁ〉と口ずさみ、公園を後にした。

∆ページの先頭へ

2017/3/22 水曜日

 

育ち盛りの園児にスプーン1杯分に満たないおかずしか与えていなかった兵庫県姫路市の認定こども園。定員超過の園児を受け入れ、保育士数を水増しするなど、ずさんな運営実態にはあきれるしかない▼この園では定員分の給食を1・5倍の人数で分け合い、残った給食を冷凍保存して後日園児に与えていたという。室内では暖房も使われず、劣悪な環境とは知らずに預けていた保護者の怒りは計り知れない▼園長は「困っている保護者を助けたかった」と説明しているようだが、何よりも優先しなければならないのは園児たちの生命、健康を守ることのはずだ。保育士が足りない状況で事故が起こった場合は命にも関わる▼保育士に無休労働、罰金を科していたことも明らかになった。定員外受け入れは「保護者からの要望」ではなく、運営費の不正受給が目的だったのではないかと思ってしまう▼園の認定取り消しは当然だが、現在通っている園児たちが他に利用できる施設はあるのだろうか。背景に待機児童問題があることも確かで、子どもを安心して育てられる環境整備は急務だ。

∆ページの先頭へ

2017/3/21 火曜日

 

「鳥瞰(ちょうかん)図」という、地図作製の技法がある。大空を飛ぶ鳥が、上空から眼下を見下ろすかのごとく建物や地形を描く。広範囲の紹介に向いているため、大型工事の完成予想図でしばしば使われている▼今や航空写真や衛星写真が存在するが、ヒトが地上からの目線しか持ち得なかった時代、万人の想像力を大いに刺激するものだった▼戦前、盛んに描かれていた観光案内用の鳥瞰図は色彩感覚も優れ芸術的。弘前市のものもあるので、一度はご覧あれ▼この鳥の目、世の中の事物に対する視座としても重要だ。トランプ米大統領と「ポスト真実」の話題にせよ「豊洲」や「森友」をめぐる問題にせよ、政治家、官僚、一部の報道者までもが独自の主張を展開。地上戦では真偽の確認は難しいだろう▼インターネットの発達でネット動画、SNS、ブログなどが台頭し情報源は多様化。情報量も確かに増えた。ただし、受け手はこれらを取捨選択できる。能動的判断の結果、えり好みに走りたくなるのが人間の常だ。膨大な情報を適切に整理し判断する上でも、鳥の目を大切にしたい。

∆ページの先頭へ

Page: 1 2 3 4 5 ... 372

当サイトでは一部、Adobe Flash・PDFファイルを使用しております。閲覧にはAdobe Flash Player・Adobe Acrobat Readerが必要です。最新のプラグインはアドビ社のサイトより無料でダウンロード可能です。

  • Adobe Flash Player ダウンロードセンター
  • Adobe - Adobe Reader ダウンロード