冬夏言

 

2017/6/27 火曜日

 

津軽民舞踊の尾原家流尾原家会といえば、その世界では名の通った存在である。宗家家元は尾原家万次郎女=本名・増田(旧姓棟方)久子さん▼鶴田町出身で、会の創始者は実父の故・尾原家万次郎。月夜には水を張った水田に自らが踊る姿を映し、跳ねが特徴の独特な手踊りを編み出した苦労人だったと聞く▼現在は東京を拠点に活動し全国に弟子を持つ流派で、当然民謡や津軽三味線関係者との付き合いも広い。初代万次郎に厳しい指導を受けた跳ねは健在で、たすきの早掛けは会伝統の技として受け継がれ、見るたびに感心させられる▼昨夏、古里の祭りには津軽三味線界の大御所で、演歌歌手長山洋子さんの師匠でもある澤田勝秋さんを帯同。10代の頃、ともに初代から津軽手踊りを習った間柄である。祭り後の懇親会を含め、惜しげもなく披露する澤田さんの三味線の音色に魂を揺さぶられた▼女性ゆえに生年は明らかにできないが、きょう6月27日は万次郎女の誕生日。長女も跡を継ぐべく稽古に励んでおり、鶴田町には支部結成の動きもある。津軽に生まれた伝統を末永く後世にと願う。

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2017/6/26 月曜日

 

そばをすする時の箸、きせる、戸をたたく音、手紙に杯。珍しいところでそろばん-。落語家が高座で使う扇子は、噺(はなし)に応じて“姿”が変幻自在する。手拭いとともに、豊かな表現を生み出す小道具の一つだ▼扇子は平安時代に宮中で使用した木製の扇「檜扇(ひおうぎ)」が発祥とされる。ステータスを示し、儀式・鑑賞用だったものは、江戸時代には庶民の必需品に。扇風機の普及で生産数は激減するも、古典芸能などで今もなお使われる▼「大志」の2文字が入った扇子を求めて、長蛇の列ができ、インターネットでの販売はわずか数秒で完売した。将棋の藤井聡太四段の公式グッズ第1弾となった揮毫(きごう)扇子である▼「大きな志」を持ち、デビューから堅忍不抜の精神力で強豪を圧倒してきた14歳棋士。連勝記録を更新するたびに、さらなる努力の必要性を口にしてきたのも印象深い。前人未踏の29連勝が懸かる対局がきょう、指される▼対局者の増田康宏四段とはプロ入り後非公式戦で1度対局し勝利している。涼をとるもの扇子の用途の一つ。熱戦必至の10代対決を、扇子片手に観戦するのも一興か。

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2017/6/25 日曜日

 

陸奥新報は25日で紙齢2万5000号を迎えた。1946年(昭和21年)9月1日の創刊以来、紙齢を積み重ねることができたのは、何よりも読者の支えがあったからこそだ▼社内に飾られた創刊号はタブロイド2ページ。そこから多くの苦難を乗り越えながら1号ずつ積み重ねた大きな節目である。関わる人間として紙齢をつなぐことの重みを感じざるを得ない▼紙齢2万号が発行されたのは2003年6月3日。5000の紙齢を数えた14年の月日は、同年秋に入社した冬夏言子の記者人生とほぼ重なる。仕事を通じて郷土を愛する多くの人と出会い、さまざまなことを学ばせてもらった▼この14年で地方の活力が低下したことは否めない。人口減少、経済格差の拡大など、津軽地方を取り巻く環境も依然として厳しく、将来に明るい展望が見いだせずにいるのが現状だ▼本紙はいつの時代も地域とともに歩んできた。郷土の課題をしっかり掘り下げ、読者に伝える使命は今も昔も変わらない。先人から受け継いだ郷土を守り、より良い姿で次世代に伝える一助となるように日々励んでいきたい。

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2017/6/24 土曜日

 

「人生で一番泣いた日です」―。23日、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが自身のブログでつづった短い言葉は、乳がんを公表し闘病中だった愛妻・小林麻央さんの死去に寄せたものだった。34歳の若さだった▼海老蔵さんが昨年6月に乳がんを公表。小林さんは同9月にブログを開設し、家族との触れ合いや病と向き合う姿を伝え続けた。その姿に勇気づけられ、背中を押された人も多いことだろう▼国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」によると、2012年、女性が新たにがん(罹患(りかん)全国推計値)と診断された部位は、多い順に(1)乳房(2)大腸(3)胃(4)肺(5)子宮―だった。決して、人ごとではないのだ▼「息を引き取る瞬間、私を見ていた。愛していると言って、そのひとことを言って、本当にそれで旅立ちました」と会見で語った海老蔵さん。涙で声を震わせ、のどを詰まらせながら、毅然(きぜん)とした態度でカメラに向かった▼7月21日には、35歳の誕生日を迎えるはずだった小林さん。幼子を残していくつらさは如何(いか)ばかりであったろうか。心より、ご冥福をお祈り致します。

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2017/6/23 金曜日

 

県内外で今年もクマの目撃情報が相次いでいる。県内では、弘前市や田子町などで人的被害も発生している▼昔から「津軽半島にはクマがいない」というのが定説だった西北地域でも昨年、五所川原市金木町で足跡を確認。県山岳遭難防止対策協議会五所川原支部は今年度から入山場所にクマ出没への警戒を促す看板を設置、注意を呼び掛けている▼昔から知っている山でも安心はできないのだ。県内ではタケノコ採りが終盤となるが、これからのシーズン、夏山はトレッキングや登山を楽しむ人たちでにぎわい、クマと遭遇する危険性はまだまだ続く▼県は「山に入る際の一つの目安」として、県内のツキノワグマの目撃や人身被害があった場所を、インターネット上に記した「クマ出没状況マップ」を公開している。クマの出没情報を確認でき、危険な入山を防ぐ狙いがある▼入山する際はあらかじめマップで情報を収集する以外にも、複数人行動やラジオなど常に音が出る物を持参するといった基本的装備を忘れないことも大事だ。夏山を楽しく過ごすためにも準備は入念にしたい。

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