冬夏言

 

2018/5/26 土曜日

1993年5月に華々しく開幕したJリーグ(日本プロサッカーリーグ)は25周年の節目を迎えた▼当時は〝サッカーの神さま〟元ブラジル代表のジーコや、元西ドイツ代表のリトバルスキーら大物外国人が多くのクラブに在籍。彼らはプレー面での貢献はもちろん、日本人選手にプロとしての心構えを伝えた▼近年、Jクラブへの大物外国人の移籍は減ったが、J1の神戸は先日、スペイン1部リーグのバルセロナから同国代表のアンドレス・イニエスタの加入を発表した。2010年のワールドカップ(W杯)でスペイン代表の初優勝に貢献し、6月開幕のW杯ロシア大会の代表にも選出された超が付く大物だ▼Jリーグ誕生から5年後の1998年、日本代表はW杯に初出場した。日本サッカーの発展があったのは、Jリーグ草創期に複数の大物外国人がいたことと無関係ではないだろう▼世界の頂点を知るイニエスタの加入により、神戸やJリーグは脚光を浴びることに。宣伝効果にとどまらず、過去の大物外国人がそうだったように、日本サッカーのさらなるレベルアップに貢献するはず。

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2018/5/25 金曜日

 

「便利なようで不便なものであり(中略)長生きしたいという人類の意思を無視して大量殺人兵器を作ったり、お互いに生きたいのに殺しあいをさせたりするのもこの妖怪である」。妖怪を描き続けた漫画家水木しげるさんは、「国家」をそう風刺した▼戦争で過酷な体験をした水木さんの実感がにじむ言葉だが、国家に限らず個人の信念や尊厳が組織の前にねじ曲げられることは、往々にして起きる▼アメリカンフットボールの危険な反則行為をめぐり、日本大学の選手は当時の監督らの指示があったと説明。日大側は指示を否定したが、競技から離れる覚悟で会見した選手の言葉の重みに比べ、疑問は拭いきれない▼個人では難しいことを、力を合わせることでなし得るのが組織の強みだが、組織のため個人の思いが踏みにじられるのは本末転倒だ。個人の思いが後回しになりやすいからこそ、組織は正しくあろうとする姿勢が求められる▼水木さんは国家について次のように記した。「一人一人の国民は人間なんだが、その集合体はもう妖怪なんだな」。組織に属する一人として胸に刻みたい。

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2018/5/24 木曜日

なぜエベレストに登るのかと尋ねられた登山家が「そこにそれ(エベレスト)があるからだ」と答えたのは有名な話だ。では、ジョギングやマラソンが趣味の人に、なぜ走るのですかと聞いたら何と答えるだろうか▼健康管理やダイエットのためという方もいるだろうし、単に走るのが好きという人もいるだろう。しかし、友人を救うためにということはほとんどないはずだ▼その牧人は暴君の王に信じる心を持ってもらおうと、親友を人質として差し出し、故郷の村へ走って戻り妹の結婚式を見届けると、再び王のいる城へ走りだした▼氾濫して橋が壊れた川も愛と誠の力で泳ぎ、一度諦めかけた時にはわき水を飲んで気力を取り戻し「走れ!メロス」と鼓舞して時間ぎりぎりで城に到着し、約束を果たした▼27日に五所川原市で開かれる走れメロスマラソンでは、今年からベストコスチューム賞を設け、メロスの格好で走ったランナーを審査して表彰するという。走る理由は違っても、メロスの格好をしなくても、メロスたち出場者はそれぞれの目標・約束を果たそうと走るに違いない。

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2018/5/23 水曜日

2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック国内外から多くの人が東京に集う、国家を挙げたビッグイベント。当然、大会を成功させるためには、多くの国民の支援が必要だ▼大会組織委員会は今年3月、大会ボランティア8万人を募集するに当たり、募集要項案を発表した。その条件というのが(1)活動時間は1日原則約8時間(2)活動日数は計10日以上(3)交通・宿泊は各自が手配し、費用は自己負担(4)事前に行う研修への参加必須―といった内容▼また、積極的に募集する人として「オリンピック・パラリンピック競技に関する基本的な知識がある方」「英語やその他言語のスキルを活(い)かしたい方」などを挙げている▼ネット上では「こんな条件で誰がやるんだ」「現実を見ろ」「参加しようと思っていたけど、やめた」といった批判の声が▼ボランティアの精神は素晴らしいし、決して批判されるものではない。だが、特に遠方からボランティアに参加したいと考える人にとっては、負担が大き過ぎるように感じる。組織委は〝やりがい〟を強調するが、果たして共感を得られるだろうか。

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2018/5/22 火曜日

スポーツ界で「暴力」「体罰」をめぐる不祥事が絶えない▼アメリカンフットボールの日本大学対関西学院大学の試合で、日大選手が無防備な状態の相手選手に後ろからタックルする反則行為をした。被害選手の父親は「加害者がなぜあそこまで追い込まれたのか。監督の会見で一言いただきたかった」と悪質なプレーを非難した▼大相撲の元横綱日馬富士関による暴力問題では横綱が引退。トップ選手の異例の告発が大きな話題を呼んだ柔道では、全日本女子選手への暴力やパワーハラスメントで監督、コーチが相次いで辞任した▼こうした中、世界選手権代表選考を兼ねた体操NHK杯で内村航平選手が前人未到の大会10連覇を達成した。ミスが許されない重圧の中、逆境をバネに見事逆転。6種目全てで14点以上を挙げる研ぎ澄まされた演技だった▼「きょうは素直に勝ててうれしい全日本選手権で負けたからこそこういう気持ちになれるんだ」と語った内村選手スポーツ競技の価値そのものをゆがめかねない事態が続く中、経験と実力で正面から競技に挑む姿勢は競技を超えて人々の希望に見える

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