冬夏言

 

2019/11/20 水曜日

 

インフルエンザ予防のための第一歩は、インフルエンザワクチンの接種だ。ほかにも外出から戻ったら手を洗うことや、マスク着用も予防対策として浸透している。さらにここ最近は、口腔(こうくう)ケアも予防法の一つとして注目されている▼専門家によれば、口腔ケアで口の中の菌を減らすことが、免疫力が弱まっている高齢者には特に、インフルエンザ重症化を防ぐ効果があるのだとか▼実際、歯科衛生士による口腔ケアを受けた人のインフルエンザ発症率が、本人や介護者だけから口腔ケアを受けた人の10分の1になったとの報告もある。ただ歯を磨くだけでなく、歯間ブラシなどによる歯垢(しこう)除去、舌のクリーニング、マウスウオッシュなどで適切な口腔ケアを行うことが大切だ▼インフルエンザは12月から3月ごろに流行すると言われているが、今年は沖縄県で8月14日に注意報、9月11日に警報が発令された。全国的に流行が早く、本県でもその兆しがじわりと迫ってきた▼備えあれば憂いなし。今冬は従来の予防法に加えて、適切な歯磨きや口腔ケアにも努めて、これからの流行期に備えたい。

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2019/11/19 火曜日

 

16日、合成麻薬MDMAを所持したとして、ドラマや映画で活躍する女優の沢尻エリカ容疑者が麻薬取締法違反容疑で逮捕された。ヒロイン役の一人として、先日映画館で拝見したばかり▼ミュージシャン、俳優、スポーツ選手など、近年は違法薬物による有名人の逮捕が後を絶たない。多くは常習性を指摘されており、芸能界の薬物汚染が進んでいるのだろうか▼6日には覚せい剤を所持したとして、元タレントの田代まさし容疑者が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕された。これまでも薬物関係で幾度となく逮捕されており、当初は「またか」とあきれた▼しかし、その思いはすぐに消え、薬物への恐ろしさが勝るように。田代容疑者は近年、「弱音」を交えながら薬物依存の恐ろしさを伝えていた。他者の更生支援に力を尽くし、時折メディアに露出するようになっていただけに、薬物と決別することの難しさを実感した▼一度の使用で悪循環から抜け出せなくなる可能性がある。魔の手はどこから迫ってくるか分からないが、誘惑に負けてはならない。薬物に手を出さないという強い意志が大事だ。

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2019/11/18 月曜日

 

コンビニエンスストアと言えば年中無休、24時間営業。そんな既存のビジネス形態が変わりつつある。大手が次々と時短容認にかじを切り、業界全体に働き方改革の追い風が吹いている▼以前よく利用したコンビニは、いつ行ってもオーナーが接客していた。「この人いつ休んでるのかな」と疑問に思ったが、コンビニの人手不足問題の姿そのものだったのだろう▼コンビニから話は変わるが、友人知人から、毎日休憩する暇もなく仕事中に気絶した、連絡なく上司にシフトを変えられ遅刻扱いにされた―という話を聞いたことがある。いわゆる“ブラック”な会社を転々とし、やっと“普通の”会社に勤め始めた友人は、待遇の違いに仕事中、泣きそうになったと目を潤ませながら教えてくれた▼若者の離職率がよくニュースになるが、果たして若者だけの問題か。体と心をぼろぼろにしながら、不調を薬でごまかしながら、それでも働けと言う方が酷では▼離職率の増加は、「根性」だけで片付けようとする旧態依然の体質にも原因がある。コンビニの変革が各業界に良い影響を与えてくれるのを望むばかりだ。

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2019/11/17 日曜日

 

スイスの首都ベルンで1405年、大火があった。街の復興に協力したフリブール州には、お礼にベルンで市場を開く権利が与えられた。同州がタマネギの産地だったことから、毎年11月のタマネギ市が恒例行事として根付いた▼などと付け焼き刃で書いてしまったのには理由がある。新米農業記者として、ふと農産物の輸入量が気になった。農水省の統計を見てびっくり。突出して多いのが約30万トンのタマネギ。海外の生産事情を探るうちに知った逸話▼タマネギはほんの一例。今や日本の食卓は輸入食材抜きで成り立たない。2018年度の食料自給率(カロリーベース)が過去最低の37%まで落ち込んだ背景には、輸入農産物の増加や生産基盤の弱体化がある▼農政の中長期の指針となる食料・農業・農村基本計画の見直しが行われている。国の姿勢から自給率向上への本気度は感じられず、取材で接した農家には「農業は見捨てられている」と嘆く人も▼ベルンの大火では旧市街が堅固に再建された。日本の農業も再興できるか。権力の私物化がまかり通る政権下では何とも心もとない。

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2019/11/16 土曜日

 

中学の時、いじめられていた。学生帽を廃屋の屋根に投げ込まれ、怒り…いや、どちらかと言えば、自分を消したいくらいの惨めさに押しつぶされそうになりながら家に戻り漠然と思った「傷つけてやりたい」金属バットカッターナイフ使い方次第で人を傷つけることができるものたち▼どうやって思いとどまることができたのか。30年以上も前の記憶。肝心なところが思い出せない。思い出せたら、加害少年に何か伝えることができるだろうか▼「殺してみたかった誰でもよかった」。八戸市の男子中学生が女子児童の首を切りつけ、殺人未遂で逮捕された。少年の供述は衝撃的だ。何が彼を突き動かしたのだろう。被害者の受けた恐怖や痛みはいかばかりか。少年は、どのように罪と向き合うのか。全てがやりきれない▼思春期の自分の心は常に揺れていた。大きく心が振れた時、思いも寄らない行動に出る危うさが、自分にも、恐らく他の人にもあるのだと思う▼その時に踏みとどまることができる何か。家族、社会、友人。誰でも、何でもいい。気付き、気付かされるものが何かあれば…。

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