冬夏言

 

2017/5/26 金曜日

 

来月からはがきが値上げされると聞き、慌てて筆を執った次第です―。ラジオ番組で紹介された、聴取者からの冗談とも本音ともつかないメッセージに頬が緩んだ。この春定年退職し、番組にはがきを出そうと思っていたが、忙しくなり書きそびれていたという▼郵便料金の値上げは、消費税の導入・増税時を除くと1994年以来23年ぶり。通常はがきは52円から62円となる。年金制度の変更などで人件費が上昇する一方、流通量減少で赤字が拡大したのが理由▼メールなどが普及し、離れている相手と瞬時にやりとりできる昨今。はがきを利用する人が減るのも致し方ないが、アナログ世代の一人としてはがきを応援したい▼植物好きな友人は、野山などで撮った花の写真をはがき大にし、花の名前や撮影場所などを書き添えて送ってくれる。部屋に飾って眺めれば、津軽の自然の豊かさを改めて感じる▼楽しさが詰まった旅先からの絵はがきや絵手紙など、文章が短くても心に残るのがはがきの魅力。筆まめな友人を見習い、まずは値上げ前に“駆け込みはがき”を出してみようか。

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2017/5/25 木曜日

 

「熊除(くまよけ)の鈴打ち鳴らし下校の子」(大島鋸山)。クマが出るかもしれない道で鈴を大きく鳴らし、たくましく歩く子どもの姿が脳裏に浮かぶ。一昔前なら単純にほほ笑ましく感じたかもしれないが、近年は不安を拭えない▼クマはもともと、臆病な動物とされる。このためクマよけの鈴やラジオの音などで人の存在に気付くと、立ち去ることが多い。山中で人が襲われる場合、前触れなく鉢合わせたことでクマが驚き、攻撃に転じるケースが主とみられる▼昨年は秋田県鹿角市で、タケノコ採りがクマに襲われる事件があった。クマも最初は驚いて人を襲ったのかもしれないが、実際に襲ってみれば怖がるほどではない―と気付いたのだろうか▼人は山に入ると、食べ残しを山中に捨てることがある。食べたことのないおいしいものに気付いたクマが、それを求めて人がいる場所へ動くケースも。人がクマを危険にしている可能性もあるのだ▼人がクマと共存するためには、人側が山で守るべきルールがある。子どもたちがクマよけの鈴を鳴らすことで、クマと出合わずに済む環境を残していきたい。

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2017/5/24 水曜日

 

黒石市、平川市の両少年少女発明クラブで今年度の活動がスタートした。黒石では風車、平川では望遠鏡の作製に挑戦。クラブ所属年数の長い“ベテラン”の中学生会員になると基本の工作にアレンジを加えるなど、経験に裏打ちされた創造力に取材中驚かされた▼先日、小中学生向けの科学実験ショー番組に長年出演する「Mr.マサック」こと工藤貴正さんが文部科学大臣表彰の科学技術賞(理解増進部門)を受賞。この番組を見て育った世代としては、何ともうれしく誇らしいニュースだ▼本県では同クラブや工藤さんをはじめ、理系教育強化に向けたさまざまな取り組みがなされている。子どもの頃の経験は進路選択の材料にも武器にもなる。それは理系進学へのかじ切りにも当然当てはまる▼「理科離れ」の言葉を聞くようになって久しい。理系人材の減少は県内だけではなく、全国規模での問題だ▼人口減少や高齢化により理系の面白さの伝え手が減っている現状もある。人材育成に携わる人材の減少にはどう対処するべきなのか。その解決も、理系の普及促進には欠かせない課題だ。

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2017/5/23 火曜日

 

夜への備えとしていた上着は、さすがに着ていられなくなった。先週末、青森市は5月にもかかわらず真夏日。早いと考える人は多いと思うが、職場の暑さ対策は4月から準備しなければならない▼厚生労働省は5~9月に「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を展開。職場での熱中症による死傷者数(休業4日以上)は2010年以降、毎年400人を超えており、同省が重点的な取り組みを進めている▼予防には水分・塩分摂取はもちろん、日常の健康管理や休憩場所の整備なども不可欠。測定器で暑さ指数(WBGT)を随時把握しながら、状況によっては作業時間の短縮が必要だ▼重要なのは熱中症に関する教育。症状の特徴や災害事例、救急措置、緊急連絡網の周知など、対策に理解を深める研修を行い、労使双方で予防に向けた意識を高めたい▼熱中症は12~16年度、5月以前には52件発生。6月は93件発生し、5人が死亡している。熱中症はこれから本格化する。キャンペーンで呼び掛ける準備期間は過ぎており、対策が遅れている事業所はすぐに着手してほしい。

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2017/5/22 月曜日

 

農林水産省が16日に発表した2016年産リンゴの調査によると、実際に果実を収穫できる園地面積を示す「結果樹面積」の本県分は前年産より100ヘクタール減り1万9900ヘクタールとなった。2万ヘクタールを割り込むのは1973年産の調査開始以来初めてという▼関係者に話を聞くと、農家の高齢化による離農と担い手不足の影響が強いようだ。どの産業にも共通して言えることだが、人口減少社会において労働力不足は深刻である▼農水省の発表では、16年産県産リンゴの収穫量は前年産を2万2200トン下回る44万7800トン。県りんご協会は今年からの3年計画の運動方針に「生産量50万トン実現」を打ち出す。また、県は25年産目標に「生産量47万トン」を掲げている▼結果樹面積が減少していく中、いかに収穫量を確保するか。県りんご協会や県は、わい性台に改植するなど「園地の若返り」を進め、生産性を高める必要がある―と指摘する▼さらに省力化・低コスト化栽培技術の普及促進や意欲のある生産者への園地集約を図り、いつまでも活力ある産地に―。日本一のリンゴ産地の底力が試される。

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