日曜随想

 

「観桜会への想い」ほこりとがやがや

2022/4/24 日曜日

 

 子供の頃のかんごかい(観桜会)は何か恐ろしい所でした。賀田御門跡の坂から四の丸興行地区辺りになると、ぎゅうぎゅうで身動きが取れません。当時の大本営発表によると、1日の入園者数が60万人と新聞に報じられたこともありました。スリだ、喧嘩(けんか)だ、酔っ払いが濠(ほり)に落ちたと聞くと気が気ではありません。
 坂を下ると、最初に目につくのが、見世物小屋の蛇女(へびおんな)のおどろおどろしい看板でした。隣がお化け屋敷で呼び込みの掛け声がまた凄(すさ)まじい。
 亀甲門の方へ向かうと「カッパ天国」のホッとする看板、親に尋ねても子供は入れない所と一言。次は桶仕様のオートバイ、その奥が空中ブランコや猛獣使いのサーカス。入場料が高かったのか、入ったのは一度だけ。臭かった記憶しかありません。
 さて、花見の食べ物と言えば、ガサエビ(シャコ)、ガニ(トゲクリガニ)、台湾バナナでした。衛生上や安全面で甲殻類は締め出されてしまいました。バナナは花見時期だけ食べた記憶があります。
 なぜか大きくなっても卵を産むことがない方のヒヨコ、必ず逃げ出すミドリガメが子供向けに売っていました。
 「年年歳歳(ねんねんさいさい)花相似たり、歳歳年年人同じからず」と言われますが、花も毎年同じではありません。“千住の茂ちゃん”こと石川茂雄弘前大教授に「公園の職員はさくら切るバカうめ切らぬバカ、ということわざを知らないのではないか」と言われた公園管理事務所(現・市公園緑地課)の初代所長、工藤長政さんはテレビ論争の後に引退したとのことですが、結果は明らかです。(津軽衆は寡黙なんです)
 工藤さんの功績は、桜管理に関する弘前方式の礎の確立以外に、公園への車の乗り入れ禁止(あれぇ守られなくなったような)、ぼったくり出店の排除など、公園管理者として桜以外にも尽力されたようです。
 因(ちな)みに、中学校長時代の石川教授には、修学旅行の際、バスガイドの説明に解説とチャチャが多かった記憶があります。
 2011年の大雪で倒木した「二の丸大枝垂れ」の再生で、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも紹介された樹木医・小林勝さんも春で退職されたとのこと。桜も完全復活、技術的な後継者も育っていますが、工藤さんのような剛腕が振るえる環境は整っているでしょうか。
 さて、今年の“かんごかい”は昨年同様、検温、連絡先の記入、リストバンド、一方通行、酒販売なし、飲食は定められた場所、出店は大幅減少、受付は13カ所、うち公園入口9カ所は午前6時30分から午後8時までです。中濠観光舟、西濠ボートは3年ぶりの復活で、さて祭りの雰囲気は? おでん、アイスや花も、ほこりや、がやがやがなくて・・いいか。
(弘前学院大学看護学部教授 三上聖治)

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「継続のヒント」付箋紙を上手に活用しよう

2022/4/17 日曜日

 

 前回は「やる気スイッチ」の話をしました。今回は「継続するためのヒント」について話していきます。春は、やらなければならないことが多すぎて、やる気を維持するのが難しくなることも多いでしょう。「時間が足りない」「仕事が多すぎる」「疲れがたまっている」と言い訳を繰り返しながら、たまっていく仕事に焦りを感じていませんか。ちょっと休憩とスマホを見ていたら、1時間以上経っていて、やることも忘れて自己嫌悪、といったことがないように、継続するためのヒントをご紹介したいと思います。
 やることが多すぎて、仕事がなかなか片付かない方には、頭の中を整理することをお勧めします。頭の中のゴチャゴチャを「見える化」しましょう。まず、気になっていることを、紙に書き出してみます。付箋紙に一つずつ書き出すのがお勧めです。次に、それを片付ける方法や時間をメモしましょう。
・冬物を収納→日曜の午後にやる。
・メールの返信→夜まとめて返す。
・水曜締め切りの原稿→火曜日の夕 方書く。水曜午後見直して送る。
付箋紙なら、優先順にどこかに貼っておいて、終わったら剥がしていきます。付箋紙の数が減ることで、気持ちが軽くなりますよ。
 予定通りに仕事を終えられないと、かえってイライラするという方には、複数のプランを準備することをお勧めします。例えば、冬物の収納なら、(1)日曜の午後やる。(2)連休の初日にやる。(3)ハンガーにかけたまま布をかけ秋まで放置する。というふうに、想定外のことが起きても計画通りにやれるように、プランニングしておくことで、ストレスを少なくできます。
 また、自分が決めたプランの開始日や締め切りを、カレンダーや手帳に書き込んでおくのも効果的です。
 毎日の仕事終わりに、あしたの予定をメモしておくのもいいでしょう。これも「見える化」の一つですが、予定がわかっているだけで、計画的に仕事ができたり、気分がスッキリしたりすることもあります。
 そのほかにも、一日の中で仕事が中断したら、再開した時に最初にやることをメモしておく習慣も、継続の役に立ちます。せっかく気持ちが乗ってきたと思ったら、タイミング悪く上司に声を掛けられてしまったり、家族から別な用事を頼まれてしまったりすることがありますよね。「再開時に○○する」「今すぐ○○する」という簡単なメモがあるだけで、作業が再開しやすくなります。
 義務感で仕事をしていると楽しくないという方には、やっぱりご褒美がお勧めです。「これが終わったら○○できる」「これが終わったら○○を食べよう」と思うだけで、「快追求」の行動スイッチが入り頑張れますね。
(弘前医療福祉大学教授 小玉有子)

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「青森県内宿泊ゼロ」“ねぶた料金”も災いか

2022/4/10 日曜日

 

 この2年余、「コロナ禍」で経済的社会的活動はもちろん、個人的な活動や行動にも有形無形にさまざまな制約が加えられた。特に不特定多数が集まるような催しはほとんどが中止か縮小せざるを得ず、観光にも大きな影響を与えてきた。春になり、感染対策をしっかりと行うことで、各種のイベント・催事も開催されるようになった。青森県観光の目玉でもある「弘前さくらまつり」や「青森ねぶた祭」も開催されることになったのはうれしい限りだ。
 観光産業は、交通、宿泊、飲食、販売などのサービス業だけではなく、食品や土産を提供する1次産業、土産品を加工する2次産業などにも及ぶ「裾野の広い」産業である。生産性は低いものの、一定の雇用吸収力も持っており、青森県にとっては重要な産業だ。特に「青森ねぶた祭」や「弘前さくらまつり」には数百万人の観光客が訪れ、大きな経済効果をもたらしてきた。一方、経済効果を大きくするためには、滞留時間を長くしてもらうこと、特に県内に宿泊してもらうことが重要なのは当然である。
 1カ月ほど前、京都にいる妻宛てに旅行会社から全国の観光旅行メニューが満載された冊子が送られてきた。青森県に関連する旅行もいくつか紹介されていた。しかし、その多くは、青森県内に宿泊しないコース設定となっていた。例えば、「東北四大夏祭り」では、当然ながら「青森ねぶた祭」観覧が組み込まれ、実行委員長の歓迎の言葉も掲載されている。しかし、その晩の宿泊先は観覧後、バスで4時間ほど移動する岩手県内となっている。「みちのく桜名所ゴールデンルート」でも、弘前観光コンベンション協会長の歓迎の辞があり、「弘前さくらまつり」や芦野公園での桜観賞があるが、宿泊はやはり岩手県内である。これらはいずれも青森県「素通り」観光なのだ。
 こうしたコース設定になった理由は不明であるが、一つ、思い当たる節がある。ねぶた祭やさくらまつり期間に一気に値段をつり上げる、いわゆる「ねぶた料金」も災いしているのではなかろうか。「○○料金」は確かに全国的に存在する。しかし、その場合、それに見合ったサービスを提供することで客は納得するものだ。「ねぶた料金」にはそれがないのではなかろうか。大分県の有名旅館は、繁忙期はサービスが行き届かないとして値段を下げるということを聞いたこともある。
 間もなく「弘前さくらまつり」が始まる。某社の「全国『さくら県』イメージランキング」では、青森県は全国3位に入った。多くの人がやってくるのは確実だ。その人たちが桜以外の良さにも触れ、青森県の食材・料理や土産品などを購入してもらうためにも県内に宿泊してもらうことが重要だ。繁忙だけを理由に、料金を桁外れに上げる「ねぶた料金」は、やめにしなければならないのだ。(青森大学名誉教授 末永洋一)

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「アート悶々22」雲と絨毯

2022/4/3 日曜日

 

 昨年の暮れ、弘前市街地を会場に「弘前アーツポリネーション」が開催され、私も作品を展示させていただいた。「アーティストの眼差しとこの地の歴史、文化、産業、風土を掛け合わせながら津軽という惑星を複眼的に捉える」(パンフレットより)というコンセプトの下、14組の表現者が青森銀行記念館、ギャラリーまんなか、石場旅館などの会場で作品の展示やワークショップを行った。市街地を巡りながらアートに触れることで「津軽・弘前という土地を再発見…新たな気づきや明日につながるエネルギーを…心に実らせる」(パンフレットより)ということを目的とした企画であった。
 主催するHIROSAKI―AIRはこの展覧会を「津軽・弘前という土地を再発見する市民参加型の地方展覧会」であるとうたっている。観光客など外の人を呼び込むためのアートイベントではなく、地域の市民に向けて開かれた展覧会であるという趣旨である。これは地方でのアートイベントの本来あるべき姿を体現しているように思う。アートはそれに触れる人のためにあるのだから。
 展覧会のビジュアルデザインはアートディレクターの窪田新氏によるものであった。ロゴのデザインをはじめポスターなどの印刷物、鑑賞パスの役割を果たす缶バッジやトートバッグなどどれも格好よく、展覧会のトータルイメージを打ち出すものとなった。窪田氏は良い仕事をされたと思う。
 私自身、会場を巡るのは新鮮で楽しい経験であった。初めて通った道もあった。松ノ木荘はその存在を初めて知った。弘前には良い風情がまだまだ残っていると感じ入った。石場旅館の中にも初めて入ったが、そこで観た立原真理子氏の作品は印象に残った。SKyスカイの佐竹真紀子氏の展示も良かった。詳しくはヒロサキアーツポリネーションで検索していただきたい。
 私が展示したのは土手町にある旧一戸時計店で、出品したのは「雲と絨毯」という作品であった。八畳間の和室に、広さ四畳半の毛足の長い絨毯(じゅうたん)を模した石膏(せっこう)の彫刻(中心部の半畳分ほどが雲の形になっている)を設置した。
 本作では畳の上に絨毯を敷く(絨毯の形をした彫刻を置く)ことで「レトロモダン弘前」というニュアンスを表現しようと試みた。また絨毯を雲に見立てることで鑑賞者の意識を天空へと誘うようなインスタレーションを目指した。
 弘前を象徴する重要な建物の一つである旧一戸時計店には、重層的な文化を持つ弘前の街をつくり上げてきた人々の営み、その気配が感じられる。その気配と、現れては絶えず変化し消えていく雲のイメージは、どこか重なるように思えてならない。
(弘前大学教育学部教授 塚本悦雄)

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「津軽フリーパス」子どもたちの旅にも最適

2022/3/27 日曜日

 

 「青春18きっぷ」をご存じだろうか。春や夏など学生の休みの時期にJR全線の普通・快速列車が数日間乗り放題になるもので、今年で発売から40年になるという。私は中学に上がった頃、この切符を親にねだり、幾度か友人たちと旅をした。当時はこれで青函連絡船にも乗れたので、函館を深夜にたって青森駅に着き、県内を列車で巡った。大きな時刻表と小さなカメラを手に、ひたすら鉄道に乗ることを楽しむ、ちょっと背伸びをした経験だった。
 普通列車が減り、路線の民営化などで利用の制約が増えたことから、18きっぷを使った昔のような旅は簡単にはいかなくなった。それでも鉄道ファンや、若き日に利用した中高年に今でも人気があるそうだ。
 現在は、私鉄やバスの利用もできるフリー切符が各地で花盛りだ。中でも「津軽フリーパス」は奥羽線や五能線の一部、弘南鉄道、津軽鉄道、弘南バスの主要路線が2日間乗り放題になるもので実に使い勝手が良い。とにかく一般の旅行者目線で作られており、付属するガイドブックの出来映えにも目を見張る。普通に観光地を巡る旅程でも、弘前でランチにフランス料理を食べられるぐらいの運賃が節約できる。ルートを工夫していろいろな路線を乗りまくるという楽しみ方もある。地元の人たちなら、自家用車を置いて「飲み鉄」を楽しむのもよかろう。
 われわれの世代が「青春18きっぷ」で旅したように、子どもに旅をさせるならば、この切符が最適だ。
 鉄道や路線バスの旅は、送迎されて遊びに行くのと比べ緊張感がまるで違う体験だ。初めての土地ではいろいろと迷いも生まれる。どこの駅でもコンビニなどはそう簡単に見つからない。時には遅れや運休など思いもよらぬトラブルもあろう。旅先で困ったことがあれば見知らぬ大人を頼らざるを得ない。それがまたよい。一方で津軽鉄道では、他社ではお目にかかれぬほど、スタッフが親身にお世話してくれることだろう。人が支える観光というものに触れる良い機会にもなる。昔と違って連絡はいつどこにいても取れるし、この利用範囲ならば、いざというときの移動の代替手段はいくらでもある。2日間有効なので、日帰りして翌日にまた別のルートをたどるのもよいだろう。こうしてみると、初めての旅の体験に踏み出すよう、あつらえた切符にも思えるほどだ。コロナ禍の今だからこそ、子どもたちに小さな旅を体験してほしいと思う。
 さて、北海道新幹線の開業から昨日で丸6年となった。津軽フリーパスを無駄なく使うなら、旅の終わりは中央弘前駅から大鰐へ。夕暮れの鉄路を行く列車の音に耳をそばだてて露天風呂に浸かり、その日のうちに函館に戻る。これが最近見つけた大人の私の楽しみである。
(オフィス「オリゾンテ」代表 田村昌弘)

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