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| 昨年は244万人の観光客が訪れ、新幹線効果でさらなる増加が見込まれる弘前さくらまつり |
弘前市の観光施策「弘前感交劇場」は2007年にスタートし、市民の参画を呼び掛けながら、地域に埋もれた魅力の発掘と磨き上げに取り組んできた。その成果として、弘前公園の桜やねぷたなど四大祭りに頼らないまち歩きの観光コースが形になり始めている。ただ、感交劇場の理念が一般市民にどれだけ浸透しているのかは未知数。東北新幹線全線開業まで9カ月。「劇場の幕開け」は、刻一刻と近づく。
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「市民の意識がまだまだ。新幹線で、黙っていても観光客が多くなるという声が聞こえる」
弘前市観光物産課の佐藤耕一課長は、市民の意識醸成を課題に挙げる。目指すのは地域が持つ魅力に対する市民の“気付き”。「魅力を知っていれば誰かに教えたくなる。市民が気軽に観光客に声を掛け、街の魅力を紹介してほしい」と期待を込める
新幹線をどれだけ市民が意識しているか、物差しで測るのは難しい。しかし、持続する観光と地域経済の振興に全市的な意識の一体感は不可欠。市などは市民を対象にまち歩きツアーを行い、地域の魅力再発見の機会提供に努めている。
さらに四大祭りに依存した観光から脱却することは、長年にわたって指摘されてきた難題だ。08年県観光統計によると、弘前市の観光客入り込み数推計は715万9000人。青森、八戸市より100万人以上多く、県内随一の観光都市を裏
付ける。一方で宿泊客は49万3000人にとどまり、祭り時期に集中した通過型観光地となっているのが実情だ。
近年、JR駅前など県外資本のホテルが相次いで進出し宿泊施設の充実は図られたが、地元ホテルを含む客室の合計は2000室余り。さくらまつり時期に毎年200万人を上回る観光客が訪れても、容量には限界がある。
通過型では経済効果として表れにくく、リピーター増への対策と、通年で宿泊を伴う観光コースの創出が求められている。
その観光コースを模索しているのが、感交劇場の実務者会議「やわらかネット」だ。異業種の市民らが「ない物ねだり」ではなく「ある物生かし」の視点で、地域の魅力をつないだ観光コースづくりに知恵を絞っている。
「民間の動きを行政が応援しなければならない。次のステップにつなげることが、われわれの仕事」と佐藤課長。劇場開演の準備は整いつつある。
全線開業後の11年には弘前城築城400年祭を控える。小説「津軽百年食堂」の映画化も予定されるなど情報発信の好機が目白押しで、旅行者への備えは十分でなければならない。まさに「全線開業はゴールでなく始まり」(佐藤課長)だ。
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東北新幹線全線開業でさらなる観光客の入り込みが期待される弘前市。開業を見据え、官民一体となった新
たな取り組みも始まっている。いかに効果を享受するのか、同市内での動きと課題を探る。
(東北新幹線全線開業取材班)


















