’22参院選あおもり 候補者走る

 

2022/6/29 水曜日

 

 参院選本県選挙区(改選数1)には現職、新人の計4人が立候補し、支持拡大に奔走。戦いの軸となる田名部、斉藤両候補の動きを追った。

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立民 田名部匡代氏=上

 

支持者から贈られた“きらめき”の花言葉を持つ紅白のヒペリカムを手に、地元住民らと握手を交わす田名部候補=25日午後1時20分ごろ、弘前市

 「力を与えてください。届かぬ声を届ける力を貸してほしいんです」。中山間地域や家族・小規模経営の支援による食料安全保障の確立や、迅速な物価高対策を主張する立憲民主党現職の田名部匡代候補(53)=社民党推薦=。各地での街頭演説の最後はいつも、マイクを握る手に力を込め聴衆にそう訴える。
 参院選が公示されてまず、県内40市町村での“顔見せ”からスタートした田名部陣営。一刻も早く各地で演説するためにタイトな日程で県内を駆け回っており「猿回しの猿状態」(田名部候補)と汗を拭う。スタッフともども、移動中の車内でコンビニのパンやおにぎりなどで簡単に食事を済ませることも多い。
 自民党新人の斉藤直飛人候補(47)と事実上の一騎打ちとなった本県選挙区。立民党本部も本県を最重要区と位置付け、泉健太代表をはじめ、連日のように応援弁士が来青している。
 本県において、立民の地方議員は自民に比べて圧倒的に少なく、選挙スタッフの人数も十分とは言えない。街頭演説では田名部候補本人が司会から演説まで1人でこなすことも。立民県連の役員が旗持ちを担当することも珍しくなく、まさに全員野球で選挙戦に臨む。
 公示日と翌日は地盤の八戸市を中心に南部地域を回った。行く先々で「お父さんの頃から応援してるよ」と声を掛けられ父・匡省氏の影響力が垣間見える一方、「候補の実力もあってこそ。そうでなければ親子だからといって応援する気にはなれない」(南部町の男性)と田名部候補本人を評価する声も聞かれた。
 津軽地域で「ここにいるのを見られるとまずいから内緒ね」と、田名部候補に駆け寄った女性がいた。この出来事の翌日には演説で「大きな声で応援できないけど陰ながら応援してるとの声を聞く。政治のやるべきことは脅しですか」と怒りをあらわに。「こんな政治は変えなきゃいけない」と語気を強めた。
 街頭演説では“匡代ファン”の姿も。東北町では男性がサインを求めたほか、弘前市では60代女性たち複数人が「匡代、匡代」と声援を送った。
 陣営は、本県唯一の女性国会議員という特徴もPR。青森市内では女性議員らによる女性キャラバンを組み街頭活動も展開。「田名部候補は女性からの票を頂ける候補者。(まだまだ男性政治家が多い中)女性たちが『多様な声を届ける』というのは有権者に浸透するのでは」(升田世喜男県連代表代行)と、女性票の掘り起こしや支持拡大に期待を寄せる。
 報道各社の世論調査で田名部候補先行の見出しが躍ったが、田名部候補は「先行という言葉に乗っからないで。相手は組織で、いつだって期日前投票に大人数を連れていける」と気を緩めることなく、より一層危機感を強める。
 県連選対本部長の田名部定男氏ら陣営の姿勢は選挙前から一貫して変わらない。「現職対新人ではない。巨大な組織との選挙で、匡代はいつでもチャレンジャー」

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自民 斉藤直飛人氏=下・完

2022/6/30 木曜日

 

田名部候補の地盤である衆院本県2区で浸透を図る斉藤候補(左)=25日午後1時20分ごろ、八戸市

 「ふるさとに帰ってくると、皆さんの優しさが心の力になる」。参院選公示日の22日、地元の板柳町役場前に立った自民党新人の斉藤直飛人候補(47)は公示前の活動を振り返り、地元への思いを語った。「小さい頃はなおちゃん、なおちゃんとかわいがってもらって」と地元ならではのエピソードも披露。青空の下、県議選の時から愛用しているピンクのワイシャツ姿で、時折額の汗を拭いながら、聴衆一人ひとりとグータッチを交わした。
 大相撲を引退後、36歳で板柳町議、2年後に県議へと転身。「人づくりは国づくり」を政治姿勢に掲げる。公示日に青森市で第一声を上げた後、衆院本県3区の津軽地域を中心に活動を展開。24日までに3区を構成する14市町村の街頭に立った。鯵ケ沢町と深浦町には知名度の高い前環境相の小泉進次郎氏が応援弁士として駆け付け、大勢の聴衆を集めた。先に3区を選んだ理由は「本人の希望」と自民県連の阿部広悦筆頭副会長は明かす。街頭には滝沢求参院議員が同行し、公務の合間を縫って木村次郎衆院議員も共に立った。24日は新聞各社の世論調査で、事実上の一騎打ちを展開する立憲民主党現職の田名部匡代候補(53)の先行が報じられたが、自民県連の江渡聡徳会長は「想定内」と今後の巻き返しに力を込めた。
 25日からは田名部候補の地盤・八戸市を含む2区へ。「八戸では無名の新人」と清水悦郎県連幹事長が話すように、同市では知名度が課題。2016年参院選では自民候補が約2万5000票差をつけられており、今回は差をいかに抑えるかが大きなカギ。同日の街頭では2区選出の神田潤一衆院議員、林芳正外相らと共に支持を訴えた。
 斉藤候補の街頭演説を聞いた同市の70代男性は「力士時代のことは知っているが、引退してからは顔を見たことがなかった。県議としての活動もまったく知らない」と話す。勤務先の会社が自民支持の30代男性は「候補になってから初めて存在を知った」とし、「田名部匡代さんはこっちでは有名だが、野党の人が国会議員になっても青森県に予算をもってこられない。自民の人数を増やした方がいい」と語った。
 田名部候補と鉢合わせる場面があった26日の館鼻岸壁朝市(八戸市)。身長184センチ、体重約120キロの斉藤候補の体格は人混みの中でもひときわ目立った。「追風海」と大相撲力士時代のしこ名で呼ばれることが多く、握手した市民は「大きいな」とその体を見入っていた。あいさつ回りを一通り終えた後は、朝市で朝食探し。焼き鳥店では「皮、全部」と注文し、豪快に30本を購入。うち3本はその場で食した。その後はパンを買い、大粒の蒸し牡蠣(かき)4個を一気食い。現役時代に鍛えた“大食漢ぶり”をうかがわせた。
 2区での意気込みを尋ねられると「八戸市で勝ちます」と拳を握りながら決意を語った斉藤候補。田名部候補の地盤でも「がっぷり四つ」で挑み、7月10日に白星を目指す。

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