検証 平川市政

 

2022/1/12 水曜日

 

 平賀、尾上、碇ケ関の旧3町村の合併で誕生した平川市は、2026年に合併20年の節目を迎える。任期満了に伴う市長選が16日に告示されるのを前に、長尾忠行市長の2期8年でどのような施策が展開され、財政はどう変化したのか。その歩みを検証する。

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大型の建設事業展開=上

 

今年秋に開庁予定の新本庁舎は建設が進み、特徴的な外観が見えるようになっている

 長尾氏は1期目で策定した第2次長期総合プランに基づき、「平川らしさ」の実現に向けた「子育てしやすさナンバーワン」のまち、住みよさを実感できるまち、「健康長寿県ナンバーワン」のまち、など7項目のまちづくり推進を公約に掲げ再選。公約、プランを基に2期目の市政運営を進めてきた。
 展開した事業はソフト、ハードとも多岐にわたるが、2期目の長尾市政で目立つのが、合併特例債や緊急防災・減災事業債を活用した大型建設事業。防災機能を備えた新体育館「ひらかわドリームアリーナ」が20年3月までに竣工(しゅんこう)、4月に供用開始したことで、市のスポーツで元気なまちづくり、健康長寿のまちづくりに寄与する施設に。新本庁舎も免震装置「オイルダンパー」製造会社による検査データ改ざん問題などで工期が延びたものの、今秋ごろには機能を移転して開庁する予定となっている。このほか、道の駅いかりがせきの改修事業や市内小中学校の改築、大規模改修など、大型の建設事業を展開してきた。
 財政面への影響はどうか。市の「貯金」ともいえる基金残高は合併以降から増加を続け、20年度で約113億円、今年度は約120億円と合併後最高額となる見込み。財政運営計画では、22年度以降も新庁舎の外構工事といった建設事業が続くため、基金は取り崩され、25年度末には約81億7000万円まで減少。実質公債費比率は10・1%となる見込みだが、市財政課によると、同年度前後がピークとの予想のため、以降は基金残高は増加に転じ、比率は下降していくとしている。
 ソフト面に目を向けると、市の定住促進や出生率の向上を目的に、子育て世帯の住宅建設費補助や保育所などの副食費無償化といった取り組みを実施。若者の人材育成として、実際に市に事業を提案する「ユース議会」を結成した。20年度は提案した二つの事業が議会で審議、予算化され、今年度も4案について、実行可能かを担当課で検討している。支援や補助だけでなく、こうした若者層を市政参画の場に取り込むことで、持続可能なまちづくりを図っている。
 進んだ取り組みがある一方、動きが目立たないものも。「新エネルギーで環境にやさしいまち」は、バイオマス発電で一定の成果を見たが、バイオガス発電など、その他発電事業は具体的な動きに乏しい。「新たな食の産業を創出するまち」も、食ラボひらかわを活用した商品開発や「平川サガリ」の普及活動など、生産者や団体での活動は活発だが、ブランド化には息の長い取り組みが必要だろう。
 2期目後半の2年間は新型コロナウイルス対策に悩まされ、インバウンド(訪日外国人旅行者)誘致など、観光面では思うに任せない部分もあった。一方で、困窮する子育て世帯のために小中学校給食費無償化を実現し、さらに来年度の継続を明言するなど、積極的な姿勢が目立つ。
 平賀、尾上、碇ケ関3地区の均衡ある発展、人口減少対策、新型コロナ対策など、市特有の課題から社会的、全国的な問題までを見据えた施策展開が今後の平川市の将来像を決めていくだろう。

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子育て世帯支援柱に=下・完

2022/1/13 木曜日

 

2期8年の市政振り返りと3選への思いについてインタビューに応じる長尾氏

 2014年に初当選し、2期8年の間、平川市政のかじ取りを担ってきた長尾忠行市長は16日告示の市長選への出馬を表明している。これまでの市政運営と3選に向けた思いについて、陸奥新報社の単独インタビューに応じた。
 -これまでの市政を振り返って。
 就任当初から人口減少問題、少子高齢化への対応に努め、市の第2次長期総合プランで示す7つの「平川らしさ」は2期目の公約としても掲げた。「子育てしやすさナンバーワンのまち」については、市への移住者が増えてきており、子育て世帯への住宅支援や中学生までの医療費完全無料化、第2子以降の保育料無料化といった子育て支援もあり、評価していただいた結果と考える。「スポーツで元気なまち」は、新しく「ひらかわドリームアリーナ」が完成し、子ども向けのトップアスリート教室も開催できた。ハードは完成したので、スポーツ振興や健康づくりの取り組みに活用していきたい。
 -ユース議会設立から2年。設立の成果は。
 若い人たちに自分たちの地域に愛着を持ってもらい、市の将来を担う人材の育成につながることを期待して設立した。「自分たちの地域は自分たちでつくる」と、実際に多くの学生や若い社会人らが参加し、自分の子どもが住みたいと思える地域にするにはどうすればいいかを考えてもらっている。今年度もユース議会で市の運営について面白いアイデアをもらった。担当課で検討しながら、活用できる点は活用し、市民の興味を引くことができればと思っている。
 -新本庁舎建設など大型建設事業が続いているが、財政への影響は。
 合併前の施設が老朽化などで建て替えの時期に来ている。新本庁舎の外構工事のほか、市健康センターの長寿命化や学校の改築・改修なども今後計画されており、建設事業は避けて通れないが、建物は古くなるほど維持管理費が高くなる。新庁舎や新体育館建設は、新しくすることで維持管理費が抑えられる利点もある。建物を建てることを批判されることもあるが、ただ基金を使うのではなく、緊急防災・減災事業債や合併特例債などを活用し、建て替えを進めてきた。公共施設も管理計画を立て、財政も見直しながら健全な運営をしているので、市民に負担をかけるようなことはない。
 -平賀、尾上、碇ケ関3地区の今後について。
 平賀地区では、現在ある「ねぷた展示館」について、今は「世界一の扇ねぷた」を見て終わり─で経済活性につながらない状態。駅前周辺に市所有の土地があるので、それらをつなげてねぷた展示館を含めた目玉になるものを作りたいと考えている。ただ、市単独は難しいので民間が入る形での開発などが必要。碇ケ関地区は道の駅いかりがせきを中心ににぎわいを創出しようと現在、国の事業と併せて改修工事を行っている。尾上地区に関しては、尾上庁舎を住民が求める形で利活用できる施設とする。飲食可能な読書スペースや若い親世代が子どもを連れてきて遊ばせることができるエリアなど、要望は聞こえているので、新本庁舎完成後に取り組みたい。
 -3選への思い。
 学校給食費無償化など困窮する子育て世帯への支援、住宅取得支援などは新型コロナウイルス対策と併せて柱の一つになる。就任以来、多くの施策を打ち出してきたが、残された課題はあるので、それらについても、また4年で取り組んでいきたい。

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