’21衆院選青森 底流

 

2021/11/2 火曜日

 

 今回の衆院選本県3小選挙区は前回選に続き自民が議席を独占し、野党の立民、共産両党は議席を奪うことができなかった。各党がどのように戦ったのかを振り返る。

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自民=上

 

候補の当確が報じられ、喜びに沸く自民陣営。前回選に続き強固な組織力で小選挙区を独占した=31日夜、青森市

 「衆院議員は常在戦場。日ごろいかに選挙区の人たちと密接な関係をつくるかが重要。自民党は県議や市議の人数が多く活動量が違う。地力の差が出た」。自民県連幹部は3小選挙区で大勝した要因は組織力にあると改めて強調した。
 新型コロナウイルスへの対応をめぐる政権への「逆風」や候補者の交代など幾つかの不安要素はあったが、投開票日の10月31日は投票終了の午後8時に候補3人の当選確実が報じられた。野党候補の比例復活も許さぬ完勝だった。
 3区の木村次郎氏は11万8000票余りを獲得し、相手候補に5万票以上の大差をつけて圧勝。14市町村の地区ごとにミニ集会を開くなどし、父守男氏、兄太郎氏から受け継いだ盤石な支援体制で「木村の看板」を守り抜いた。
 ただ、今後は支持基盤の高齢化が懸念される。木村氏は「非常に深刻で重い課題。父、兄の組織に救われてきたという部分が多分にある」と語り、「組織の若返りや若い世代に関心を持ってもらい、組織に巻き込んでいくことがポイントになる。コロナ禍の中、組織の立て直しや強化は課題になるだろう」と述べた。
 1区はコスタリカ方式で県連会長の江渡聡徳氏が同選挙区に初めて出馬した。かねてから有権者の約7割を占める県都・青森市での浸透が焦点とされ、陣営は1区前職の津島淳氏と連携し、組織をフル回転して知名度向上に取り組んだ。
 一部で接戦が報じられた後の22日には情勢を案じた大島理森前衆院議長が、青森市区選出の県議を集め、ハッパを掛けた。「(立憲民主党候補の)比例復活を許すな。復活すれば、今後の国政選挙のマイナス要素になる」「私の遺言だと思って聞いてくれ」。大島氏の指示に従い県議は26、27日、自身の後援会幹部らを出席させた江渡氏の個人演説会を同市内のホテルで開催。2日間で400人以上を招いた。県議の一人は「大島氏の発言で引き締まった」と振り返る。
 2区の神田潤一氏も「大島氏の後援会組織をそっくりそのまま使わせてもらった」(選対幹部)と大島氏から受け継いだ組織力で圧勝した。
 盤石な勝利を収めた自民だが、反省点もある。今回は県連独自のマニフェストを示せず、「解散から公示までの時間が短く作成できなかった。反省したい」と県連幹部は語る。次回もコスタリカ方式を続ける方針だが、いつまで続くかは不透明だ。
 来夏には参院選を控え、立民現職の田名部匡代氏と対峙(たいじ)すれば、厳しい戦いは必至。県連は衆院選への専念を理由に公募開始時期を延期し、いまだ候補を決められずにいる。江渡氏は「コロナ禍の2年間でたまった鬱憤(うっぷん)が与党にぶつけられたのが今回の衆院選。次の参院選は非常に難しい部分が出てくる。党はもっと変わらないといけない」と党改革の必要性を訴えた。

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立民と共産=下・完

2021/11/3 水曜日

 

升田氏の比例復活の希望がついえ、重苦しい空気に包まれた事務所=1日午前2時20分ごろ、青森市

 「惨敗だ」。衆院選投開票日の10月31日から一夜明けた1日、立憲民主党県連の幹部が漏らした。野党共闘が結実せず1、2区で共産党と競合、3区は唯一、自民党と一騎打ちとなったものの、投開票日の午後8時、自民候補3人の当確が早々と報じられた。「勝負の土俵に上がれなかった」(党関係者)。
 接戦が報じられ、注目された1区。立民の升田世喜男氏と共産の斎藤美緒氏の得票数を合算すると、約8万2000票で、当選した自民候補に対する惜敗率は90・8%。仮に野党共闘が実現していたとしても、票を単純には合算できないが、計算上は比例東北で立民が獲得した4議席に食い込めたことになる。
 升田氏の陣営関係者は「野党共闘さえできていたら」と語り、3区の陣営幹部も、県内で野党共闘の枠組みができなかったことで、与野党一騎打ちになった3区でさえも野党勢力の結集が限定的だった-と指摘する。
 確かに野党共闘を実現できなかったことを惜しむ声は少なくない。ただ、立民県連共同代表の田名部匡代参院議員は「まずは自分たちがしっかり力を付けていくことが大事。(野党共闘の在り方は)その先の話であり、政権を任せてもらえる政党としてどう成長していけるかだ」と強調。「共闘ありき」ではなく、地力の向上を課題に挙げる。
 複数の県連関係者は、国政選挙で実動部隊となる市町村議員の不足を敗因の一つに挙げる。その一人は「総合的な力の差が出た」とし、共闘頼りの支持拡大ではなく、県連の組織力アップが優先されるべき-と強調する。
 今回の衆院選は、本県を含めて全国的に立民は票を伸ばせず、2日には枝野幸男代表が責任を取る形で辞意を表明した。田名部共同代表は「(政権を奪取した場合の立民の将来ビジョンが)有権者に見えにくかった」と振り返る。
 来夏の参院選では田名部共同代表が改選を迎える。今回の衆院選で脆弱(ぜいじゃく)さを露呈した県連組織の立て直しはまさに急務だ。危機感を抱く関係者は「組織の再構築を急がなければならない」と気を引き締めた。
 共産党は比例東北で至上命題だった高橋千鶴子氏の議席を死守したものの、小選挙区の本県1、2区では立民候補と競合し、「自民1強」を引き続き許す結果となった。
 野党共闘に対し、党県委員会の畑中孝之委員長はこれまでのように共産が候補者を一方的に下ろす対応は「違う」ときっぱり。「共闘の在り方を考える時期に来ている」と指摘。
 立民の県内3候補は、共産との政策協定や選挙協力を結ばないことを条件に連合青森から推薦を受けており、畑中委員長は「政策を結ばないままの共闘の前進は難しい」と強調する。
 ただ、国会の法案提出を野党間で協力してきた経緯もあり、高橋氏は「かなりの努力が必要になるが、今の立場で相いれなくとも、次につながることもある」と含みを持たせた。

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