地銀再編 青銀、みち銀頭取に聞く

 

2021/6/16 水曜日

 

  経営統合の基本合意締結から1カ月が過ぎ、統合に向けて動き出した2行の頭取に合併に向けた思いなどを聞いた。

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成田晋青森銀行頭取=上

 

「地元経済をレベルアップさせる銀行にしたい」と語る成田頭取

 青森銀行の成田晋頭取は15日、本紙などのインタビューに応じた。みちのく銀行との経営統合や合併で目指す会社像について「地元経済をレベルアップさせる銀行」と語り、経営基盤を強化させて地元産業や事業者を育成し「産業がしっかりと根付き、立派な企業が出てきた-という地域にしたい」と思いを述べた。
 2行が経営統合の基本合意締結を発表したのは5月14日。今月2日には統合準備委員会の初会合が開かれた。公式な場でみち銀の藤澤貴之頭取と顔合わせした成田頭取は「藤澤さんと議論してきたものをオープンな場で議論できるのは、確実な一歩を踏み出せたと(思うと)感慨深い」と所感を述べ、下部組織の専門部会も顔合わせしたことを明かした。
 長年、ライバル関係を続けてきた2行。これまでの競争関係を「マイナスではない」としたが、人口減少を背景に将来的な市場規模の縮小などを考えれば「無理に競争するより、地域のために力を注いだ方が地域のためになるとの既決の流れだったように思う」と基本合意に至った経緯を振り返った。
 経営統合や合併に伴い、企業風土が異なる2行の融和が求められるが、これまで競争関係にあったみち銀にさまざまな印象を持つ行員もおり、人事や社会貢献事業での交流に加え「統合の意義を従業員に伝えていくしかない。従業員の地元が好きな気持ちに訴えていけば浸透していくはず」。
 顧客の7、8割は前向きな反応だが、融資への影響を懸念する声も聞かれる。2行と取引していた企業の取引行が減ることになるため、企業側が新たな取引先を考えるケースが想定され「各企業の判断になるためどうこう言えないが、事業が心配な方の相談に乗っていきたい」と話した。店舗統廃合も持ち株会社設立後の検討になるため「最寄り店が一つになる可能性が高いという話しかできない」と述べるにとどめた。
 24年9月に期限を迎えるみち銀の公的資金返済に関し「単純に自己資本から返済すると、返済分が減って財務の脆弱(ぜいじゃく)性を指摘する人が出てくると思う。2行が一緒になることで生まれるシナジー(相乗効果)を明示することで答えになると思う」と話した。

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藤澤貴之みちのく銀行頭取=下・完

2021/6/18 金曜日

 

経営統合の鍵は「組織融和」と語る藤澤頭取

 みちのく銀行の藤澤貴之頭取は17日、本紙などのインタビューに応じた。青森銀行との経営統合について「組織融和が鍵になる」と指摘。統合後に返済期限を迎える公的資金200億円に関しては「地域の金融仲介機能を高めるために期限近くまで活用する」との方針を示した。返済に当たっては、第6次中期経営計画(2021年4月~24年3月)に掲げる取り組みで原資となる剰余金を積み上げていく方針で「負担を青銀に強いるわけではない」と改めて強調した。
 09年に注入された公的資金は24年9月に返済期限を控える。仮に現在返済すると、財務の健全性を示す自己資本比率は約8%から6%強に下がるものの、国内基準(4%)は上回る。ただ公的資金は円滑な金融仲介機能が目的で「期限があるから早く返すべきものではない。期限近くまで活用するのがベース」との認識を示した。
 一方、統合後に迎える返済時に金融庁の求める水準に達しないと返済が認められない可能性もあるため「その水準に合わせた分母(リスク・アセット)と分子(自己資本)の対策が求められる」と指摘。グループでの自己資本比率になるため、青銀とも対策を検討する。
 21年3月期決算のコア業務純益は、店舗統廃合や業務のデジタル化で生まれた人員を営業部門に配置し、マイナス金利導入後の過去5年間では最高水準となった。第6次中計でさらに取り組みを進め「今回の決算に表れた実績を積み上げられるような筋肉質な銀行をつくる」と力を込め、「返済原資の負担を青銀に強いるわけではない」と改めて強調した。
 基本合意から1カ月が過ぎ、顧客の中には融資に不安を抱く人もいるが「スタンスは変えない」と説明。ポートフォリオや顧客層の違いを強みに、統合後は2行のノウハウや知見を合わせたコンサルティングなどが可能になり「新たな戦略や事業領域を展開して地域の課題を解決し、成長ができる」と期待を寄せた。
 行員は若手を中心に前向きな姿勢が見られるといい、持ち株会社設立後の人事交流はもちろん、階層別や業務別に合同研修を行うことで「コミュニケーションが取れて融和が進むはず」と展望。「地域のための金融グループというビジョンに照らし合わせれば、早いスピードで融和を進めていくことが必要」と話した。

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