新型コロナに 負げらいね!

 

Cafe36(カフェ ミチル)弘前=13・完

2021/1/25 月曜日

 

「体にいい食で、健康について考えるきっかけにしてほしい」と語る樋口店長

 弘前市狼森のリンゴ畑が広がる道沿いに、自然農法にこだわるリンゴ農家が経営する「Cafe36(カフェ ミチル)」がある。健康寿命の延伸やコロナ禍での生活など、これまで以上に健康を意識したライフスタイルが注目される中、無農薬や減農薬の食材を使い、食材そのもののうま味を引き出したこだわりの料理を提供している。店の話題はSNS(インターネット交流サイト)や口コミで広がり、人気を集めている。
 店を切り盛りするのは、同市で自然農法のリンゴ栽培や加工品の製造販売を展開する「みかみファーム」の経営者でカフェオーナーの三上優作さん(39)、沙貴子さん(34)夫妻と、樋口朝美店長(30)の3人。自前のリンゴはもちろんのこと、無農薬や減農薬の野菜などを使い、食材本来の味を大切にしたメニューの提供を目指し、2019年7月にオープンした。
 樋口店長は医療現場でリハビリに関わる仕事をした経験があり「塩分やカロリーを取り過ぎたり、不規則な生活をしたりしている人は病気になった時に回復も遅いように感じていた。病気になる前に健康的な食事や生活習慣への意識を高めてほしい」と強調する。旬の野菜は栄養が豊富で、味が良い。同店では食材そのもののうま味を引き出し、野菜のだしやスパイスの効果を生かしたメニューが中心だ。「忙しい現代はもっと体を気遣う時間があってもいい。(店の料理を食べることで)体と食を考えるきっかけにしてほしい」とする。
 人気メニューはグリーンカレーとマッサマンカレーの「ハーフ&ハーフ」。グリーンカレーは水や小麦粉を使わず、リンゴジュースやニンニク、ホウレンソウをじっくり煮込む。マッサマンカレーはココナッツミルクやリンゴなどを使い、10時間ほどかけて作る。どちらも添加物を使わず、こだわりが詰まったメニューだ。
 カフェの存在はSNSや口コミで広がり、ビーガンやアレルギーを持つ人ら外食しづらい人からの問い合わせもある。リピーターも出始め、お客さんとのやりとりから新メニューが生まれるケースもあるという。
 ただ、20年は新型コロナウイルスが全国で猛威を振るい、5月と10月の2回にわたり10日間の休業を余儀なくされた。
 沙貴子さんは「お客さんが増えてきたかなと思っていた矢先、全国的な自粛ムードで客足にも影響が出てきた。初めてのことばかりでどうしたらいいか考える日々が続いた」と振り返る。
 同店ではテークアウトを充実させ、昨年10月にはスティック型アップルパイ「アップルロット」の販売を始めた。12月後半からは人気メニューであるカレーのレトルトの販売も開始。今年は4日からテークアウトに対応したランチボックス(予約制、店内飲食の場合スープ付き)を限定販売した。
 2月には青森市、その後も八戸市にアップルロットをテークアウトで提供する新店舗を構える予定で、三上オーナーは「コロナ禍であってもお客さんに喜んでもらえるものを提供し、お客さんを増やすことはできるはず。ニーズを見極めていきたい」と前向きだ。
 新型コロナの収束が見通せない状況が続くが、樋口店長は「外に出ることが少なくなると、気持ちまで疲れてくる。こんな時だからこそ、青森のおいしいものを使ったメニューや皆さんに楽しんでもらえるような工夫をして地域を明るく照らせるよう頑張りたい」と挑戦を続ける。
 定休日などの問い合わせは同店(電話0172-78-3193)へ。

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「カフェ&バル 田家」代表・佐藤るり子さん(中泊)=12

2021/1/24 日曜日

 

中泊町にUターンし飲食店「田家」をオープンした佐藤るり子さん。おしゃれな「隠れ家」として評判だ
「田家」の外観

 中泊町中里の住宅地の一角に昨年オープンした「カフェ&バル 田家(でんけ)」。代表の佐藤るり子さん(61)は大学卒業後、都内で40年近く教員生活を送った後に家庭の事情もあってUターンし、第二の人生をスタートした。奥津軽地域では珍しかった落ち着いた雰囲気の「隠れ家」的スポットで、佐藤さんは「この店がコロナに負けないなどというものに当てはまるかどうか」と言うものの、長引く新型コロナウイルス禍で遠出が難しくなった人を含む住民の憩いの場となっている。
 佐藤さんは旧中里町出身で、弘前大学を卒業。都立の養護学校・特別支援学校で長年教壇に立った。その一方、中里の実家では両親が2人で暮らしていたが、2017年に父親が亡くなった。残された母親は大病を患った過去があり、八十路を迎える高齢で一人暮らしをさせるには不安があった。「ヘルパーやデイサービスの利用だけでやり繰りするのは難しくなり、同じように県外にいる妹たちと相談し、母さんの介護のために学校を1年早く辞めて戻ってきた」。
 教諭としては「仕事をやり切り、気持ちの面でけじめをつけてきた」といい、郷里で第二の人生にチャレンジしたいと考え、奥津軽地域におしゃれでアットホームな雰囲気を大切にした飲食店をオープンすることを決心した。ごしょがわら圏域創業相談ルームの助言も受けながら準備を進め、20年1月にプレオープンし、助走期間を経て6月から営業を本格化した。
 カフェ、ランチのほか、週末の夜はバルスタイルでも営業。多彩なピンチョスと全国から取り寄せた美酒で来店者をもてなす。店内にはフクロウの置物、陶芸作品などのほか、ミヒャエル・エンデや村上春樹さんらの著書も何気なく並べられ、文化的な薫りが漂う。来客のおもてなしも大事だが、自身にとって居心地が良い空間づくりに努めたという。
 今月10日にプレオープンから1周年を迎えた。この間、世の中の話題は新型コロナ一色だった。都市部ほどでないにせよ田家も一定の影響は受けており、マスク着用による接客や入店時の手指消毒は欠かせない状況。
 ただ、昨年秋に旧家「宮越家」が初めて一般公開された時は、観覧者が足を延ばしてくれた。コロナ禍で一般的に遠方へ出掛ける機会が乏しくなりがちな中、地元の新スポットである田家に目を向ける動きもあり「おしゃれをした奥さま方が来てくれて、弘前ばかりでなく中里にもこういう雰囲気でゆっくりできる所があったんだと言ってくれたのがうれしい」。
 この1年を振り返り「ここでやっていることがコロナに負けない、といった話になるかどうかは分からないが、来てくれた人といろいろなお話ができ、いろいろな経験もできた。自分としては楽しかった」という佐藤さん。これからも中泊の地で、肩肘張らず、おしゃれなくつろぎの場を提供し続ける。

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津軽三味線奏者・葛西頼之さん(鶴田)=11

2021/1/20 水曜日

 

「新たな生活様式」の下で、伝統の音色を響かせるための方法を模索し続ける葛西さん

 伝統の音色も、デジタル対応の時代-。国内外で精力的に演奏を行っている鶴田町の津軽三味線奏者・葛西頼之(よしゆき)さん(32)は、新型コロナウイルス感染拡大の中、インターネットを活用した「新たな生活様式に合った表現」を試みている。今月下旬に予定する五所川原市などでのライブも、後日、ネット動画サイトで配信する予定だ。「コロナのせいにするのは簡単。でも堂々と胸を張った姿を見せる使命がある」。伝統を受け継ぐ者としてのプライドと強い心で、難局に立ち向かう。
 小学生の時に聞いた津軽三味線に「雷に打たれたような衝撃」を受け、若くして奏者への道を歩み始めた。遊ぶ時間を返上して練習漬けの日々を送り、土日や長期休暇中も師匠の下で修業を行った末、2007年に日本一に輝き、13~15年は世界大会3連覇を果たした。親指の爪に残る、弦を押さえた跡が精進の日々を物語る。海外の人々と演奏でも言葉でも交流できる国際派でもあり、アジア、欧州諸国など年に10カ国ほどを訪れている。
 そんな葛西さんにもコロナの影響が襲い掛かった。スペイン・バルセロナ公演中止を皮切りに海外でのライブはままならなくなり、日本でもコロナが流行してあっという間に国内の公演も営業も延期に。小さな規模も含めれば250カ所以上の舞台が影響を受けた。
 それでも「新しいことに挑戦する時期になった」と気落ちはない。音楽業界全体がオンラインの流れになり、波に乗ろうと考えた。今月22日に青森市、23日に五所川原市でライブを予定しているが、その模様を自分たちで編集し、後日ネット配信する予定。従来は撮影の専門職に一切を任せていたが、奏者ならではの、愛好家のツボを押さえた編集ができる利点があると挑戦に胸を躍らせる。さらに「津軽三味線が好きな方は、高齢で福祉施設などに居ることも多い。外出しにくい中でもみんなで見ることだってできる」とメリットも語る。
 五所川原市の「津軽三味線会館」が冬季休館になるなど、伝統の音色がコロナ禍に奪われる現状は続くものの、新たな技術の活用は、これまで指導してくれた多くの先輩への恩返しになると確信し、夜遅くまで弟子の相沢裕斗さん(25)とウェブ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を介して準備に励む。配信技術を確立すれば、いつか奏者としては第一線を退いても、一生津軽三味線に携われるとの展望もある。
 「『あした食いっぱぐれるかも』との危機をずっと秘めて来たので、今さら一歩もひるまない」と、演奏に全身全霊を傾けた半生を振り返る葛西さん。「何よりも大切なものは心の宝」との決意を胸に、弦を押さえる手に力を込める。

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弘前オペラ=10

2021/1/19 火曜日

 

第48回定期公演「ラ・ボエーム」の一場面=2019年10月
「若い人たちにも気軽にオペラを楽しんでほしい」と話す上原さん

 合唱や舞台美術など、出演から裏方まで一般市民の手で上演される「市民オペラ」。昨年創立50周年を迎えた弘前オペラ(須郷祐一会長)もその一つだ。新型コロナウイルスの感染拡大により節目の年の公演は中止となったが、今年10月に予定している次回公演「魔笛」へ向けて着々と準備を進めている。音楽部長を務める上原浩一さんは「先のことを思い悩んでいても仕方がない。今やれることを一生懸命やって前に進んでいく」と力強く語る。
 弘前オペラは1970年9月に「弘前オペラ研究会」として発足。弘前市民会館改修工事により別会場で「ガラコンサート」を行った2013年以外は、1971年の第1回公演「ドン・ジョヴァンニ」から年1回のオペラ公演を欠かしたことはなかった。昨年は創立50周年を記念し、華やかなオペレッタ「こうもり」を上演する予定だったが、練習の過程で「3密(密集、密接、密閉)」が避けられないことや、演出家の平尾力哉さんを東京から招くことが難しいことから公演を見合わせた。
 今年10月の公演「魔笛」は、「密」を避けるべく演奏会形式で行うという。練習は個人や少人数で行い、歌唱用のマスク着用を試すなど、感染防止対策に気を配りながら公演を実現しようと工夫している。また、公演の機会が限られる中で「なるべく多くの人に歌ってもらいたい」と一つの役に2、3人のキャストを割り当てることや、プロジェクションマッピングを用いた演出など、多くの人に楽しんでもらえる舞台にしようと、さまざまな構想を練っている。
 昨年披露する予定だった「こうもり」も、来年以降の上演を視野に入れて企画を進めている。上原さんは「『桜ミク』の出演や大阪の服飾専門学校とコラボした衣装など、いろいろと計画している」と明かし、「ある意味、時間的な猶予ができた。当初よりもっと良い舞台をつくることができるかもしれない」と、コロナ禍にあっても前向きな姿勢を忘れない。

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黒石「こみせの宿 ホテル逢春」=9

2021/1/13 水曜日

 

昨年6月にオープンした「こみせの宿 ホテル逢春」。黒石市中心部にはなかった待望の宿泊施設として多くの利用客が訪れている

 黒石市横町に昨年6月オープンした複合宿泊施設「こみせの宿 ホテル逢春(ほうしゅん)」。新型コロナウイルス感染拡大の真っただ中でのグランドオープンに関係者は当初、不安を抱えていたが、これまで市中心部になかった待望の宿泊施設ということもあり、観光やビジネスのほか、宿泊以外でも会議などで地元住民をはじめ、さまざまな客層が利用している。ホテルを経営する「逢春」の福原真一代表取締役は「黒石の中心部に新たな人の流れをつくっていきたい」と力を込める。
 ホテルは市の中心市街地活性化計画として、同市横町の旧七兵衛サマ薬局跡地に整備。外観は近隣のこみせ通りに合わせたデザインで、1階は最大120人収容可能なバンケットホールのほか、喫茶や物産スペース、2階には和・洋合わせて15の客室(合計32人宿泊可能)と会議室兼食堂を設けた。
 当初は大型連休ごろのオープンを予定していたが、新型コロナの影響で1カ月ほど延期となり、予約キャンセルを強いられた。それでもオープン以降はビジネス客の宿泊をはじめ、地元の団体やサークルが会議や集会など宿泊以外で利用。現在、週末はほぼ満室状態という。
 福原代表取締役は「(コロナ禍という)底の状態でのオープンだったが、徐々にお客さまが足を運ぶようになってきた。地元の方が会議室や集会の後に宴会場としてホールを使ったり、1カ月連泊したりした方もいた。宿泊はビジネスや観光以外では冠婚葬祭の『葬』での利用が多い。通夜の日に宿泊し、翌日の葬儀に出て戻るというような感じ」と話す。
 逢春は宿泊客に市内中心部に滞在する時間を増やし、さらなる人の流れを生み出そうと、ホテル隣に居酒屋など飲食店が複数入る施設を建設。2月末にオープン予定で、そのうちの1軒「居酒屋逢春」がプレオープンとしてホテル1階のバンケットホールでメニューを提供している。
 「半年間でだいたいの利用客層が分かった。今この状況で最大限できることをして利用客をつかめば、コロナ収束後にはもっと利用客が増えていく」と福原代表取締役。「そのためにはお客さまの要望にできる限り対応し、変化していかないといけない。飲食店が入る施設もその一つだし、今後はテレワークなどに対応するため24時間使えるようにするといったことも検討したい。コロナだからといって下を向いてばかりではいけない。ここを拠点に商店街とも連動していろいろな取り組みを行い、市中心部にお金を落としてもらえるようにしていきたい」と熱く語る。

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