未来へ 弘前工業高校110周年

 

2020/10/29 木曜日

 

  弘前工業高校は今年、110周年を迎えた。「学と術(わざ)とにあけくれて」。同校校歌の一節を体現すべく、これまで2万8000人を超える卒業生が学業と部活動に励み、地域を支える“人財”として社会へと巣立っている。同校の歩みを3回にわたり紹介する。 

 

 

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学び=上

 

有志で製作した自動体温測定装置は、顔認証バージョンへ向け改良を行っている

 1910年、県内初の工業高校として弘前工業高校は誕生した。当時、地域産業の発展を担う優れた人材育成を求める機運は各地で高まっており、青森市との誘致合戦を経て待望の設置が決まった。
 創設当初は建築、木工、漆工の3科でスタート。その後、時代の求めに応じて学科は変遷し、現在は7科で生徒が学ぶ。同校が目指すは「ものづくりのプロフェッショナル」(丸谷浩基校長)。各科では3年間を通し、みっちりと専門技術を身に付けることができる。
 新型コロナウイルスの猛威に見舞われた今年、情報技術科2年の生徒有志9人が、実習などで培ったプログラミングの技術を生かして自動体温測定装置を製作した。体温計を使った実測値と比較しながら改良を重ね、指紋認証による個人判別とサーモセンサーで体温を測定・記録できるものを開発し、2学期にクラスで試用を始めた。
 成田伊吹さん(17)は「力試しで何か作ってみたいと思っていた。思ったものが形になったものを見たときは感慨深かった」と笑顔。船水瑞月さん(17)も「正確な値を得るための試行錯誤は大変だったが、仲間で協力し、やっとできたときは感動した」と話す。現在、さらなる精度向上と、手を触れる必要のない顔認証型への改良へ向け新バージョンを開発中。「もっといいものを作りたい」。創立以来、連綿と受け継がれてきたものづくりへの意欲は尽きない。

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スポーツ=中

2020/10/30 金曜日

 

全国大会出場へ向け練習に汗を流す小田桐さん

 学問も武道も、極めれば同じところへ行きつくという「文武一道」。弘前工業高校はその長い歴史において、学業はもちろん、スポーツ強豪校としても名をはせてきた。
 運動部は柔道、剣道、庭球の3部でスタートし、戦後創設され全国優勝を重ねたボクシング部、また春高バレー・インターハイ・国体で3冠に輝いたこともあるバレーボール部、これまで春夏5回の甲子園出場経験を持つ硬式野球部、またオリンピック選手を輩出してきたスキー部など、目覚ましい活躍を見せてきた。
 今年の県高校総体代替大会でも、複数の競技で上位入賞を果たした。
 このうち、今年同大会を制したのがボウリング部だ。2002年に愛好会として発足し、05年に部に昇格した同校としては歴史の浅い部活だが、現在は1、2年生総勢15人が在籍し、日々切磋琢磨(せっさたくま)している。今年の県高校総体代替大会では見事、個人戦、2人チーム戦で1位を獲得した。
 この大会で2冠を獲得したのが電子科2年小田桐虎尉さん(17)。中学生で出合ったボウリングに魅力を感じ、高校から本格的に競技を始めた。1年次には大会での入賞はなかったが、この1年でめきめきと実力を伸ばし、この夏見事頂点に立った。「この1年で集中力は増した気がする」と小田桐さんは振り返る。
 活動の基本は、週3回、活動拠点のアサヒボウルでの投げ込み。現在は、年明け1月にある、自身としては初の全国大会へ向けて練習に励んでおり「周りの空気にのまれないようにして、集中して投げていきたい」と意気込んでいる。

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地域と歩む=下・完

2020/11/2 月曜日

 

学校を挙げてのボランティア「お城隊」は今年、県のふるさとあおもり景観賞の地域づくり活動部門最優秀賞に選ばれた

 今から10年前、弘前工業高校100周年の節目に誕生したのが、弘前公園の清掃など行う「お城隊」。同校は弘前公園に隣接し、園内は生徒が通学や実習でも使う身近な場所であることや、当時弘前城築城400年祭を控えていたこともあり、全校生徒と教職員による学校を挙げてのボランティアとして結成された。活動はその後も継続して後輩へと受け継がれ、今年で10年目を迎えた。
 もとは測量実習で弘前公園を使っている土木科が、そのお礼として学期ごとのごみ拾いや、園内の除雪などの奉仕活動を長年にわたって行っていたが、その活動の幅を広げる形で結成された。
 今でも毎年、弘前さくらまつりなどの時期に合わせて全校一斉によるごみ拾いを行っており、中心となっている生徒会によると、一見きれいに見える園内も、1度の活動で10袋以上のごみが集まるという。
 その長年にわたる活動と功績が評価され、お城隊は今年、優れた景観づくりに貢献した活動などを県が表彰する「ふるさとあおもり景観賞」の地域づくり活動部門で最優秀賞に選ばれた。
 同校生徒会副会長の3年藤田優里さん(18)は「うれしいこと。10年続いてきた伝統をこれからも守ってほしい気持ちがある」と願い、生徒会役員の2年棟方七海さん(17)は「先輩方の思いを受け継いで、自分たちでより良い活動にしていければ」と話す。
 生徒会としてはいずれ、近隣の高校とも協力し、弘前城を盛り上げていけるようなボランティアができたら-と思い描いている。

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