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新型コロナウイルスの感染拡大で、疫病退散に御利益があると信じられた妖怪「アマビエ」に注目が集まるが、津軽地方にも災いを払うとされる存在がいる。それは「鬼」。
とりわけ、神社の鳥居に鎮座する「鳥居の鬼コ」は津軽独特のもので、県中南地域県民局が推進する観光ブランド「古津軽(こつがる)」で取り上げられている。
地元住民らに親しまれ、大切にされている中南地域の「鳥居の鬼コ」を5回にわたって紹介する。
2020/6/3 水曜日
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新型コロナウイルスの感染拡大で、疫病退散に御利益があると信じられた妖怪「アマビエ」に注目が集まるが、津軽地方にも災いを払うとされる存在がいる。それは「鬼」。
とりわけ、神社の鳥居に鎮座する「鳥居の鬼コ」は津軽独特のもので、県中南地域県民局が推進する観光ブランド「古津軽(こつがる)」で取り上げられている。
地元住民らに親しまれ、大切にされている中南地域の「鳥居の鬼コ」を5回にわたって紹介する。
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最初に紹介するのは撫牛子八幡宮の鬼コ。県内に約40体ある鬼コの中でも、初めて作られたと言われている。
棟方志功は「自分の顔と似ている!」と、お気に入りだったそう。志功が制作したことで有名な市民会館の緞帳(どんちょう)が初披露される時にも、この鬼コを見ていて遅れたとか。
緑色の体に鋭い牙。一見怖そうに見えるが、地域に悪霊が入らないよう、子どもたちを見守っている優しい鬼コ。
総代の櫻庭俊一さんは「たまに鬼コを見て拝んでもらえるとうれしい」と語る。
住所は、弘前市撫牛子1の3の1。
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熊野宮の鬼コは全身が赤く、こわもてのマッチョ。でも鳥居にちょこんとしゃがむ姿はかわいらしい。
鬼コは大正時代からあるが、現在の鬼コは50年以上前に作られた2代目。先代の鬼コよりも大きいそう。種市町会の佐藤豊会長によると「前は鳥居ではなく、拝殿の裏にある『奥の院』にあった」とのことだが、いつ鳥居の上に移されたのかは不明。
佐藤会長と総代の小山内勝幸さんは「鬼コにコロナを退治してもらって、宵宮などをいつも通り行えるようになれば」と願った。
住所は、弘前市種市熊谷4
2020/6/4 木曜日
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三社神社の鬼コは、数ある鬼コの中でも珍しい青鬼。それも、ここまで真っ青なのはこの神社の鬼コだけ。鮮やかな水色の体に、赤い眉毛とふんどし、白い歯がとてもきれい。
約10年に一度、鳥居と一緒に塗り直して鮮やかな色を保っているのだそう。
総代代表の樋口嘉清さんは「多くの人に見に来てもらえるように、これから鬼コたちのキーホルダーなどを企画してみようかな」と語った。
鬼コキーホルダー、鬼コスタンプラリーなどが作られる日も近いかもしれない。
住所は、平川市日沼高田161―4
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「いー!」と立派な歯を見せているのは日吉(ひえ)神社の鬼コ。赤い体に太い眉毛。目は上を向いていておどけた顔をしている。
約50年前までは鳥居の上にいたが、いつの間にか拝殿の中に眠っていた。
地域の人たちの中で「鬼コがいなくなった!」と話題になり、4年ほど前に、拝殿の正面に引っ越したのだそう。
地域の人たちと協力して神社をきれいに保っているという、総代の三浦栄作さんは「鬼コも外に出てきてさっぱりしてると思う。たくさん会いに来て」と笑う。
住所は、弘前市三和上池神53。