地域と共に FMアップルウェーブ20周年

 

2020/3/5 木曜日

 

  「地域の活性化」「市民情報の共有化」「地域の防災」の三つの理念を持って放送するFMアップルウェーブが開局から20年の節目を迎えた。関係者3人にこれまでの歩みを振り返ってもらい、今後の展望などを語ってもらった。

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代表取締役社長の清藤さん=上

 

「これからも弘前のためにしっかりやっていきたい」と語る清藤さん

 4日で開局20周年となった弘前市のFMアップルウェーブ。開局当初から代表取締役社長を務める清藤哲夫さん(弘前商工会議所会頭)は「地域のために何をすべきかを常に考えて取り組んできた」と語る。
 「コミュニティーラジオ局は、地元の街を良くするための街づくり会社」が持論。「放送も結局は地域への思いがなければ駄目だ」と力説する。
 開局以降、さまざまな出来事があったが、最も記憶に残る一つは2011年3月11日の東日本大震災だ。発生後に市民から「油(ガソリンなど)、おにぎり、水、電池、ろうそくなどがどこで手に入る」といった情報が多数寄せられ、懸命に市民に伝えた。
 当時を振り返りながら「災害はないことに越したことはないが、震災でコミュニティーラジオの重要性を改めて感じた」と語り、市民との絆も深くなったと考えている。
 放送を続けるにつれて、提供する情報や市民のニーズも多様化。火災の発生、側溝や流雪溝があふれたといったことを発信しているほか、飼っていたインコが逃げたので捜してほしいといった要望などもある。
 清藤さんは「サイレンが鳴ると市民はラジオをつけて聞くようになっているようだ。身近な情報を日常的に聞く経験を重ねることで、ラジオへのニーズがますます高まってきているのではないか」とし、ラジオが電気、水道、ガスなどと並ぶ重要な生活インフラとなっていることを強調する。
 清藤さんによると、国もコミュニティーラジオが地域で重要な役割を果たすとの認識を強めており、昨今は環境に影響を及ぼしている過剰包装をやめるよう呼び掛けてほしい―などの要請を受けることが増えている。
 「開局当初と比べると、われわれを取り巻く環境は大きく変化してきている」と清藤さん。「これからも弘前のためにしっかりやっていきたい」と気持ちを新たにしている。

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パーソナリティーの丹代さん=中

2020/3/6 金曜日

 

「放送を聞いてくれた人たちからの反応が原動力になっている」と語る丹代さん

 弘前市のFMアップルウェーブで開局当初からパーソナリティーを務める丹代香子さんは「20年間で大変だったことはもちろんあるけれど、振り返ってみれば『楽しかったな、うれしかったな』ということだけが印象深く残っている」と語る。
 黒石市出身。初めは事務職で試験を受けたが、才能を見いだされパーソナリティーとして入社した。開局前は生放送と録音番組の準備が同時進行で「朝から夜中まで会社にいるほどの忙しさ」だった。「素人だったのでどういったコンテンツを入れれば良いかなどもスタッフと考えて作っていた」と、手探り状態でひた走ったという。
 今でこそおなじみの「丸魚のお魚情報」や「弘果の野菜・果物情報」は、開局前に先方から「まず市場を見て勉強してもらわないと情報発信はできない」と諭され、1週間ほど毎朝市場に足を運んで協力を取り付けたコーナーだ。朝夕に流れる「北星交通道路情報」、朝昼の「今日の給食」など地元に特化したものも同様に直接足を運んで協力を仰いだ。「いろんな人にお願いして、いろんな人に良くしてもらって、結果20年たっても続いているコーナーがある。地域の方々の協力がなければできなかった」と感謝は尽きない。
 2011年3月11日の東日本大震災では、スタジオ入りした午後から翌朝まで放送を続けた。「人の声を聞くことで安心してもらいたいという気持ちがあった」と丹代さん。後にリスナーから「あのとき声が聞こえていて良かった」「ラジオ聞いていました」といった反応が寄せられ「誰かのためになっていたんだと思うと、つらかったこともうれしかったことに上書きされた」と顔をほころばせる。
 「弘前に住む人にとって必要な存在であり続けたい」と丹代さん。20年で広がった“アップルウェーブの輪”をさらに拡大するべく「陸奥新報紙面をご覧になっている皆さんからもメッセージやリクエストを頂ければ」と呼び掛けた。

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CAST副理事長の前田さん=下・完

2020/3/7 土曜日

 

「一人ひとりが主役の番組を作り続けたい」と話す前田さん

 弘前市のFMアップルウェーブ開局当初から「夜はきままに!」や「りんご王国こうぎょくカレッジ」など名物番組を作り続けるNPO法人コミュニティネットワークCAST。創設メンバーで副理事長の前田周一さんは「いろいろな人が番組作りに関わって、楽しく放送してくれるのが一番」と語る。
 CASTのCはCASTLE(城)、AはAPPLE(リンゴ)、SはSAKURA(桜)、TはTOWN(街)を示し、参加者が自由に配役(キャスト)を決め、主役になることができるという理念にも掛かっている。その通り、今までさまざまな市民が参加してきた。
 「歳も違えば、考えの違う人もいる。本音で話してもらうことがCASTらしさにつながる」。番組作りに携わるのは世代や職業もさまざまの市民たち。プロデューサーやディレクター、パーソナリティーなど八面六臂(ろっぴ)の活躍の前田さんも、小学校の教諭として働きながら大好きな番組作りに関わり続ける。「大変だけど楽しい。やって良かった」と感慨深げだ。
 ラジオが好きな人が集まるからこそ、番組への思い入れも強い。「若い頃にラジオをやっていた人が30、40歳になって仕事や子育てが一段落して、ふらっと来てラジオの番組作りに参加する。忘れられない番組作りが、やりがいにつながっていく」と話すように、CASTは多様な弘前市民の居場所になっている。
 開局当時から続く長寿番組も、常に内容を見直したり、新しいスタッフが入ったりと、地域の「今」を伝えることに余念がない。「コミュニティーFMは地域のより身近な今の情報を発信していくべきだ。番組を通じて地域の活性化につなげたい」と前田さん。「やりたいと思ったらチャレンジしてもらうのが一番。気楽に来てもらえれば」と“キャスト”への参加を呼び掛けている。
 問い合わせは(電話0172―38―4040)へ。

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