ぶらり津軽の温泉巡り

 

関の庄温泉(平川)=27

2020/4/22 水曜日

 

青森ヒバを使った大浴場は外に張り出し、内風呂でありながら露天風呂気分を味わえる
御仮屋御殿をモデルにした「関の庄温泉」外観

 弘前藩の表玄関として人々が行き交った平川市碇ケ関地区はかつて、温泉施設が集中していた保養地で、江戸時代には弘前藩主の湯治場の一つとして利用されていた。国道7号沿いに建つ「道の駅いかりがせき津軽『関の庄』」は、参勤交代時に藩主が一泊する御仮屋御殿をモデルに、2005年にオープンした。源泉掛け流しの温泉「関の庄温泉」があり、地元住民のみならず旅の疲れを癒やす場として観光客らにも親しまれている。
 低張性弱アルカリ性の単純温泉で、源泉の温度が低いため加温をしているが、源泉掛け流しの温泉で、常に湯や湯船は清潔に保たれている。青森ヒバをぜいたくに使った大浴場は出窓状に張り出した形になっており、内風呂でありながら露天風呂気分を堪能できる造りとなっている。
 貸し切り風呂「殿様風呂」も大浴場と同じく青森ヒバが使われ、洗い場も湯船も広々としており、ヒバの心地よい香りを楽しみながらゆったりとした時間を過ごすことができる。休憩スペースは小上がりの畳敷きとなっており、道の駅いかりがせきのレストランが営業中の場合は昼食を取ることもできる。
 旅行客や観光客ら、手ぶらで来た人たちも楽しめるよう、貸し出しのバスタオルとシャンプー、リンス、ソープのセットを準備しており、気軽に入ることができる。外には、4月下旬~10月中旬のみ入ることができる足湯もあり、長旅や運転の疲れを取るにはもってこいだ。

 ▽メモ 住所は平川市碇ケ関碇石13の1。東北自動車道碇ケ関インターチェンジから車で5分。入浴料は大人(中学生以上)400円、小学生100円、小学生未満は無料。貸し切り風呂は1時間1500円。
 通常の営業時間は午前9時から午後8時までだが、現在、新型コロナウイルス感染症対策のため変更しており、訪れる場合は事前にホームページや電話で確認を。電話0172―46―9355。

 

関の庄温泉主任大坊弘樹さん

 青森ヒバの香りと、肌がつるつるになるのが特徴の温泉で、身も心もリラックスできます。道の駅にあり、JRや高速道路のインターチェンジも近くにあるので、旅行客が疲れを癒やしによく来られます。
 JAF会員などの割引サービスや毎月1日限り、その月に利用可能な無料入浴券プレゼントもあります。手ぶらでも楽しめる入浴セットもあるので、ぜひ一度立ち寄ってみてください。

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古くから生活の身近に=番外編

2020/4/17 金曜日

 

 

 

鎌田祥史氏

プロフィル
 弘前市岩木地区地域おこし協力隊、温泉ソムリエ、温泉入浴指導員
 1988年生まれ、青森市(旧浪岡町)出身。東京でITエンジニアとして働いた後、2017年弘前市岩木地区の地域おこし協力隊員として弘前市へ移住。嶽温泉、百沢温泉など岩木地区をはじめとした津軽エリアの温泉と協力して、入浴法講座やイベント運営など温泉をテーマに活動。岩木山観光協会および嶽温泉旅館組合の公認温泉ソムリエ

 

2月に開いた温泉ファンミーティング
小島旅館にある江戸時代に発行された営業許可書

 私は地域おこし協力隊員として弘前市岩木地区を拠点に、津軽地域の温泉をテーマに活動しています。今年2月には、板柳出身の温泉マニア・沓掛麻里子さんと共同で「津軽の温泉ファンミーティング」というイベントを開催し、約50人の温泉ファンの方々に来場いただきました。今回、「ぶらり津軽の温泉巡り」番外編として、そのイベントで話した内容を踏まえて津軽の温泉について紹介します。
 津軽地域では古くから、人々の生活の中に温泉がありました。中でも歴史が古い浅虫温泉や大鰐温泉は平安~鎌倉時代に開湯したとされており、その後弘前藩主の湯治場としても利用されていました。他にも碇ケ関や温湯、嶽、酸ケ湯など、戦国時代から江戸時代にはすでに津軽の各地に温泉地がありました。連載16回目でも紹介されていた通り、嶽温泉の小島旅館には江戸時代に発行された温泉の営業許可書が現在も掲示されています。
 藩主や藩士以外の人々も温泉を利用してきました。昭和の半ばごろまでは、農家が農閑期に身体を癒やすための湯治として、長期間宿泊していました。土用の丑(うし)の日の頃には多くの湯治客が泊まることから「丑湯まつり」が開催され、露店の出店や民謡などの出し物でにぎわいました。津軽にはこの丑湯まつりや丑湯の神事を続けている温泉が多く残っており、2019年も嶽、大鰐、温湯などで開催されています。
 その後、昭和30年ごろから掘削技術の発展により、人工で源泉を掘り出し動力装置を利用する温泉開発が急増しました。同時期に、現在の平川市を中心に「黒鉱(くろこう)ブーム」と言われる鉱脈を目的とした掘削が進み、鉱脈の代わりに温泉が湧いてそのまま営業を開始する施設も多く見られました。このようにして津軽一円に温泉が増えていき、温泉はますます津軽の生活に身近なものとなりました。
 今は、私が把握しているだけでも津軽地域に約200件の温泉宿、温泉浴場があります。この「ぶらり津軽の温泉巡り」は、そんな津軽の温泉の成り立ちやお薦めの点を学ぶことができるので、私も毎回楽しみに読んでいます。
 中でも、連載19回目「館田温泉」と連載20回目「梅沢温泉」で共通して代表が話していた「地域の名前を広めるため、残すために温泉を続けている」という言葉が強く印象に残っています。単純に浴場の役割を果たしているだけでなく、地域や人々の生活が現れている場所であることが、津軽の温泉の魅力であると思います。
 現在、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、津軽地域でも短縮営業や休業せざるを得ない温泉が増えてきました。外出を控える中で、インターネットのSNS上では「オンライン温泉」というキーワードで、せめてお気に入りの温泉、行ってみたい温泉の写真や動画を共有しようという動きが増えています。もちろん写真や動画で満足しているわけではなく、収束後に行きたい温泉に、満を持して安全に行くことを励みにしている人々です。私自身、今回の事態で、家庭では代替できない温泉の魅力の大きさを思いがけず実感することになりました。津軽の温泉ファンとして、一日も早く事態が収束し、心置きなく温泉に漬かれる日が来ることを望みます。

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やすらぎ温泉(弘前)=26

2020/4/16 木曜日

 

岩木山を眺めながらゆったりと温泉に漬かれる露天風呂
やすらぎ温泉の外観

 弘前市の「やすらぎ温泉」では、岩木山を眺めながらゆったりと露天風呂に漬かるというぜいたくな体験ができる。ほかにも三つの内風呂と岩盤浴を備えており、地元の温泉愛好家らに安らぎのひとときを提供している。
 県道弘前鯵ケ沢線を弘前市中心部から鯵ケ沢町方面へ向かい、浜の町の住宅街を抜け田園地帯に出ると、左手に三角屋根が特徴的のやすらぎ温泉に至る。
 津軽地方で住宅建設やグループホーム経営を行う木村住建工業が経営する。同社の木村利春代表取締役が、黒石市の宝温泉の建物や青森市の仙寿・鶴亀温泉の家族風呂を施工するうち、自らの手で温泉施設を経営したくなり、2005年に開業。岩木山が眺望できる地で誰もがくつろげる空間を提供しており、多くの常連らに親しまれている。
 男女ともに露天風呂と三つの内風呂、サウナが備えられ、浴槽の湯は源泉掛け流し。泉質はナトリウム炭酸水素塩化物泉で少し熱め。神経痛や筋肉痛によく効くとされている。無色透明の湯は芯からじわじわと体を温め、入ってから1分もたつと体が軽くなるようだ。露天風呂から岩木山を眺めていると、日ごろのストレスや疲労が吹き飛ぶこと間違いなしだ。
 また、津軽地方では珍しい岩盤浴もある。湿度65%の室内で40度以上に熱せられた岩盤の上に横たわると、体中から汗が噴き出す。入浴後には心も体も軽くなることだろう。

 

 ▽メモ
 住所は弘前市石渡字大保55の1。営業時間は午前5時から午後10時まで、年中無休。料金は大人380円、小学生150円、未就学児60円。家族風呂は平日1時間1200円、土日祝日1500円。岩盤浴は90分1200円(いずれも税込み)。電話0172―37―8888。

 

支配人・
高橋敦子
さん

 露天風呂からは晴れた日に岩木山がくっきりと見えます。お湯はぬるめなので、熱めの内風呂で十分に温まってから入ることを推奨します。岩盤浴は大分県で採石した上質な天然鉱石「祖母聖光石」を使用しております。サウナより低い温度ですが、岩盤に横になるだけで汗がにじみ出ます。サウナが苦手な方にお薦めです。
 ロビーの食堂ではみそラーメンやカレーを500~600円で提供しております。

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さるか荘(平川)=25

2020/4/10 金曜日

 

漬かると肌がつるつるになるさるか荘の温泉
「さるか荘」外観

 神社の境内で湯に漬かることができる、県内でも珍しい温泉が平川市尾上農村環境改善センター「さるか荘」にある。地元住民のみならず近隣市町村からも愛好者が訪れ、公園の利用者らも立ち寄る憩いの場となっている。
 1990年に猿賀神社の境内で開業し、大規模改修を経て2018年にリニューアルオープンした。泉質はアルカリ性単純温泉で、子どもからお年寄りまで安心して漬かることができ、肌の古い角質を落とす「美人の湯」でもある。源泉の温度が48・6度と高めのため加水はしているが、源泉掛け流しで湯は清潔さが保たれている。
 温泉内風呂には大浴場と露天風呂がある。大浴場は熱めの湯とぬるめの湯に分かれ、露天風呂も通常の深さと浅めの浴槽に分かれている。浅めの浴槽は子どもたちが漬かったり、寝湯として利用したりしている人もいるという。
 さるか荘には温泉のほか、保養室や食堂(平日午前11時半~午後2時半、休日は午後3時半まで)もある。さるか荘がある猿賀神社と猿賀公園は春は桜、夏は和蓮、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の美しさも楽しむことができる。和蓮が咲く鏡ケ池やボート乗り場がある見晴ケ池を臨む「蓮見の足湯」は4月から11月までの期間、自然の風景を眺めながら足湯を楽しめる場所として人気を集めている。

 

 ▽メモ
 住所は平川市猿賀字池上45の1。営業時間は午前5時半から午後9時半まで(毎月第3水曜日は定休日)。入浴料は大人(中学生以上)400円、小学生150円、小学生未満60円。電話0172―57―5316。

フロント・
相馬祐子
さん

 さるか荘は猿賀神社の境内にあり、四季折々の風景を楽しめます。初めて訪れた人には「こんな場所に温泉があるなんて」と驚かれることもありますが、地元住民や常連客、公園で運動後の汗を流すために利用する人もいる憩いの湯。
 温度は熱めですが、冬場でもなかなか湯冷めしないほど身体が温まり、また女性にとってうれしい「美肌の湯」でもあります。ぜひ一度、景色と温泉を楽しんでもらいたい。

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桜温泉(弘前)=24

2020/4/8 水曜日

 

2種類のお湯が楽しめる内風呂。奧には露天風呂もある
桜温泉の外観

 弘前市岩木地区の市岩木庁舎や商業施設が立ち並ぶ一角に、地元住民らから愛される温泉がある。前田観光タクシーが運営する「桜温泉」だ。子どもからお年寄りまで幅広い入浴客が、熱々の湯を満喫している。
 弘前市中心部から20分ほど車を走らせ、県道弘前岳鯵ケ沢線を岩木山方面へ進行。市岩木庁舎を過ぎ、左手に見える「桜温泉・ニュー桜旅館」と書かれた看板を左折すると、白塗りの2階建てが目印の温泉施設にたどり着く。
 洗車用水を確保しようと敷地内に井戸を掘ったところ、温泉が湧き出たため、入浴施設を開業。以来40年以上にわたり津軽の温泉愛好家や岩木山の登山客らに親しまれている。
 ナトリウム系の泉質で無色透明。神経痛や筋肉痛への効能があり、1週間ほど通えば節々の痛みが消えるとされている。
 内風呂には42度と45度の湯が、二つのひのき風呂になみなみと掛け流されている。ぬるめの42度でも、30秒ほど漬かれば汗がどんどん噴き出してくる。短時間で体中が温まり、湯上がりには手のひらや足先が桜色に染まることだろう。
 宿泊は要予約。月に1度、機械点検のため不定期に休業することもあり、利用前の問い合わせを推奨する。

 

▽メモ
 住所は弘前市賀田2の10の1。日帰り入浴は午前6時から午後10時まで。大人380円、小学生100円、未就学児50円(いずれも税込み)。宿泊は1泊食事なしで4000円、3日湯治(2泊3日7食付き)で1万1000円など。予約、問い合わせ先は電話0172―82―4332。

 

取締役専務
・前田明美
さん

 ナトリウム泉質の湯を掛け流しで提供しております。54度の源泉に加水してますが、それでも42~45度と温度は高めです。熱めのお湯が好みな方はぜひお越しください。
 肩こりや関節痛によく効き、1週間ほど通ったら痛みが取れたというお客さまもいます。ロビーの食堂では、そばやうどんを一杯500~600円で提供しています。湯上がりにおなかがすいたら、おいしいものを堪能していってください。

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