社 説

 

平川市新本庁舎「市民に親しまれ誇れる施設に」

2017/11/21 火曜日

 

 平川市が整備する新たな本庁舎の設計業者が決定し、2020年度の完成に向けて本格的に動きだした。全市民にとって使いやすい本庁舎にすることが重要であり、活用方法などを探るワークショップに次代の市を背負うであろう中学生も参加しているのは心強い。市民みんなで考え、親しまれる本庁舎を実現させたい。
 現在の本庁舎は1979年築で、給水設備の老朽化や外壁タイルの剥離などが目立ってきたのに加え、旧平賀町時代の01年度に行った耐震診断で震度6~7の地震で崩れる可能性が指摘されている。万一の際に防災拠点としての機能を喪失する事態に陥ることから、市は早急な対応が必要として、現本庁舎の耐震補強と建て替えを比較検討してきた。
 この結果、耐震補強は初期投資を抑制できるが、業務効率や省エネルギー、ユニバーサルデザインなど長期的視点で考慮してメリットの大きい建て替えにすべきとした。これを受けて20年度までの完成、供用開始を目指すとする基本方針を14年度に固め、基本計画づくりなどを進めてきた。
 今年3月策定の基本計画は(1)市民が親しみ、交流し、賑(にぎ)わいが生まれる庁舎(2)安心・安全の拠点となる庁舎(3)人と環境に優しい庁舎(4)効率的で機能的な庁舎―を基本理念に掲げ、隣接する旧平川診療所跡地を含むエリアに建設することにしている。誰でも安心して利用できるよう工夫し、災害時の一時避難所としての機能も持たせる。完成後に取り壊す現本庁舎跡地は広場などに活用する方針だ。
 市が設置した建設設計業者選定委員会はプロポーザル方式で、東京都新宿区と青森市、仙台市の建築設計事務所の共同企業体を選定。市は今年10月に契約を結んだ。企業体は現本庁舎跡地活用などに市民のアイデアを反映させたいと、市民による4回のワークショップ開催を提案。市民が参画できる場を設けたことを評価する。
 ワークショップに参加した中学生も「未来をみんなと考えるのはすてきなこと」と、好意的に受け止めている。広場などの設計に、自分の意見が盛り込まれることは、市そのものに対する愛着を生むとともに、人材流出の歯止めや市政参加推進のきっかけにもなり得るのではないだろうか。
 本庁舎は市のシンボルであり、少なくとも完成後、数十年にわたって市民に寄り添う存在になる。設計の段階から、工事の進みなど、あらゆる機会を捉えてきめ細かに情報提供し、市民の関心を高めながら他市町村に誇れる本庁舎にしなければならない。06年に平賀、尾上、碇ケ関の3町村が合併して誕生した平川市は、まだ全市民に一体感があるとは言い難い状況。新たな本庁舎が3地区の融和に一役買うことも期待したい。

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実在社名かたる請求「注意喚起に加え自己防衛策を」

2017/11/18 土曜日

 

 実在する大手クレジットカード会社やインターネット通販会社をかたったメールで、カード情報を盗み出そうとし、架空請求詐欺をする行為が頻発しており、消費者庁など関係機関が注意を呼び掛けている。消費者を動揺させて金銭を要求、だまし取るような手口は許されるものではない。身に覚えがない請求には応じない、金銭を要求するメールには返信しないといった対応を心掛けたい。
 県消費生活センターによると、今年4月から17日午前までにあった、はがきや電話、メールを使った架空請求詐欺に関する相談件数は808件に上り、被害額は215万円余。このうち、実在するカード会社をかたったケースは5件で、金銭的な被害は現在のところ確認されていない。
 同センターホームページには、相談内容の一例と対応内容を掲載。それによると、カード会社の社名で「カードご請求予定金額のご案内」という件名のメールがパソコンに届き、指定期日までに万単位の請求金額を口座に準備するよう記載してある。「明細はこちら」と書かれたURLを押しても、画面は変わらない。しかも、メールを受けた人は当該カード会社のカードを持っていない。
 センターは、メール送信には添付のURLにアクセスさせ、ウイルスをダウンロードさせる目的があると推測。ウイルスに感染すると、そのパソコンで次にクレジットカード情報などを入力した際に、その情報を盗み取られる恐れがあるとして(1)宛先に自分以外の複数のアドレスが入っているメールは開かない(2)不明な添付ファイルやURLはクリックしない―といった注意を呼び掛けている。
 ネット通販をかたるケースは、個人の携帯電話機にショートメールサービス(SMS)を使い、料金未納の名目で数万から数十万円の金銭を要求する手口であり、コンビニエンスストアで通販会社のギフト券を購入した上で、その番号を知らせるよう誘導するというもの。国内の被害は少なくとも約400件、計約1億2000万円に上っているという。
 こうした詐欺行為は手口を変えて、しかも巧妙化している。「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」などの名称が付けられ、警察など関係機関も注意喚起はしているが、次々被害が出るのが現状である。まして、実在するカード会社など企業の名前をかたるとなれば、信じ込んでしまう消費者が出てくることは想像に難くない。
 老後の蓄えや子どもの学費など必死に働いて得た金銭を、心ない犯罪者にだまし取られてしまった人たちの悔しい思いは計り知れない。関係機関による注意喚起はもちろんだが、われわれ消費者側も自己防衛のため、常日頃からの情報収集に努め、動じずに対処する冷静さを持ちたい。

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日馬富士暴行「“またか”の印象拭えぬ不祥事」

2017/11/17 金曜日

 

 大相撲の横綱日馬富士が10月下旬、巡業先の鳥取市内での酒席で、幕内貴ノ岩に暴行を加えていたことが明るみに出た。貴ノ岩の頭部をビール瓶で殴るなどしたとされる。被害届を受理した鳥取県警が、事実関係を確認するため捜査を始めた。大相撲の“顔”である横綱が起こした不祥事。刑事事件として扱われることになれば、厳しい処分となるだろう。監督官庁である文部科学省が何らかの対応に動くことも想定される。
 貴ノ岩は受傷後も公の場に出席したが、今月5~9日に入院していた。右中頭蓋底骨折などで全治2週間程度と診断され、12日からの九州場所は初日から休場した。今後の力士生命に支障が生じななければいい。
 角界ではこれまでも、暴力事件・問題がたびたび起きていた。例えば2007年には時津風部屋の力士が当時の時津風親方らからビール瓶で殴られるなどして死亡、10年には横綱朝青龍が知人男性の顔を殴ったことが発覚し、現役を引退している。
 日本相撲協会は相次いだ不祥事を受け、再発防止に向けて協会員を対象とした研修会を重ねていた。それにもかかわらず起きた今回の件には「またか」との印象は拭えない。特に今回は、他力士の模範となるべき横綱が加害者だった。備わるべき「高い品格」はない。
 酒席はモンゴル出身力士同士による懇親会。日馬富士が貴ノ岩の先輩力士に対する態度を注意していた際、貴ノ岩が鳴り出したスマートフォンを操作したことに激高したという。貴ノ岩の不遜な態度が背景にあったとしても、日馬富士の行為は明らかに行き過ぎであり、許されることではない。
 相撲協会は問題を受け、協会内の危機管理委員会で調査を進め、処分などは場所後の理事会で決めるという。九州場所開催中ではあるが、迅速な事実関係の解明と適切な処分が必要だ。不祥事が重なったかつてと同様、協会の自浄能力が問われている。
 被害届は10月下旬に貴ノ岩側が提出したとされるが、相撲協会がこの問題を把握したのは警察から連絡があった今月2日。その間、協会に情報は伝わらなかったのだろうか。
 相撲協会が調査を進めたのは2日から。水面下で進めたのは、九州場所への影響を懸念したためなのか、それとも当初は貴ノ岩のけがの程度が軽いと判断して穏便に済ませようとしたためなのか。3日に協会が貴ノ岩の師匠の貴乃花親方、日馬富士の師匠の伊勢ケ浜親方に事情を聴いた時は、ともに「よく分からない」などと返答したとされる。一方で、問題が明るみに出てから関係者の対応がにわかに慌ただしくなったように映る。これらを含め、分からないこと、ふに落ちないことはまだ多い。

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菊と紅葉まつり「新旧交えた魅力で活性化を」

2017/11/16 木曜日

 

 弘前公園内の弘前城植物園を主会場に行われてきた弘前城菊と紅葉まつりが閉幕した。24日間にわたる会期中の人出は40万6000人と、前年を6万8000人上回るまずまずの人出を記録した。期間中には大荒れとなった週末もある中での人出としてはまずまずと言えるものだったのではないだろうか。
 祭りの主役の一つ菊人形は、弘前市の元小学校長・知坂元さん作の歴史漫画「卍の城物語」を題材にしたものだったが今回初めて、弘前ねぷたとコラボし、展示ブースの背景に津軽錦絵作家協会が手掛けたねぷた絵を採用した。ありそうでなかった仕掛けであり、弘前の風物をふんだんに取り入れた展示を新鮮に感じた来場者も多かったのではないか。
 菊人形で言えば、今年の祭りは一つの区切りともなった。菊人形を46年間制作してきた矢吹マネキン人形店の3代目矢吹明さん(76)=東京都江戸川区=が今年の祭りで引退。約半世紀にわたりこの祭りを支え続けてきた“恩人”には運営委員会から感謝状が贈られた。東京都墨田区の江戸東京博物館や札幌市の開拓の村、本県では黒石市の津軽こけし館に展示されるなど、全国で数々の仕事をこなしてきた矢吹さんだが、最も長い付き合いが弘前というから、その縁・恩は浅くない。「最後の作品をぜひ、楽しんでもらいたい。お客さんに『いいね』と言ってもらえるのが何よりうれしいから」と語った矢吹さん。こういった裏方の活躍で伝統あるこの祭りが続いてきたことに市民の一人としても感謝し、その労をねぎらいたい。
 新たな取り組みで言えば、目を引いたのは本丸に展示された巨大モザイク画「リンゴアート」だろう。本物のリンゴ約3万個を使い、東洲斎写楽の浮世絵「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」を題材としたリンゴアートは縦17メートル、横9メートルで日本最大級の大きさだという。「トキ」「ひろさきふじ」「葉とらずつがる」の3種で、着物、肌、髪の毛などを巧みに表現。展望台から見た際にきちんと遠近感が出ているように制作されており、完成度の高いものだった。リンゴ、弘前城天守、岩木山という弘前の名所、名物を一度に堪能できる内容の試みは、弘前さくらまつりや弘前ねぷたまつりに比べて、「目玉」イベントがいま一つ寂しいと言われるこの祭りにおいて、それを補うコンテンツとなり得る可能性を示しただろう。来年以降、さらに精度を増した展示に取り組み、紅葉、菊人形と並ぶ、祭りの主役の一つとして、さらに高みを目指してもらいたいものだ。
 今年はSNS(インターネット交流サイト)で弘前公園の紅葉のライトアップが話題となる機会が多かったようだ。伝統の器に新たな酒を注ぎながら、弘前の秋を代表する祭りとして、弘前城菊と紅葉まつりをさらに発展させたい。

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移動販売車「広げたい買い物弱者支援」

2017/11/15 水曜日

 

 五所川原市の七和地区で、食材や生活用品などを積み込んだ移動販売車の運行がスタートした。人口減少や少子高齢化の進展に伴い、食料品店などが近所にない「買い物弱者」への支援と同時に、独り暮らしの高齢者の見守りをする役割を果たすことが期待される。
 移動販売車は、同地区活性化協議会(三上勝則会長)と青森県民生活協同組合(平野了三理事長)が協定を結んで実現した。県民生協は移動販売車と食材などを提供し、同地区が運行を担う。地区の2コースを週2回巡り、課題を見極め改善しながら年度末まで継続していく。
 同地区は今年1月末現在で、人口1944人のうち4割近くを高齢者が占める。近隣では商店なども減少し、買い物をするためには車で20分ほどかかる同市の中心部や青森市浪岡地区まで行く必要があるという。同様の状況にある地区は県内でも少なくないだろうし、全国の地方共通の課題とも言えよう。
 過疎化などにより商店が減少する一方で、インターネット通販が急速に普及した。通販に限らず、ネットで注文すると商品を届けてくれるサービスを行う小売店なども増えている。だが、高齢者らにとってネットはなじみにくい面が少なくないだろう。特に地方では移動販売車のような取り組みが必要だろうと思う。同様の動きが各地で広がってほしいとも願う。
 移動販売車の運行では国の補助金が活用されているようだが、行政の支援はまだまだ不十分と言わざるを得ない。総務省が全国87自治体に調査したところ、買い物弱者の実態把握に取り組んでいるのは約半数にとどまっていた。さらに移動販売や店舗開設、買い物代行などを行う事業者を調べたところ、193事業のうち約7割が実質的に赤字に陥っていることも判明している。
 一方で、買い物弱者対策を主に担う所管府省は決まっておらず、府省間の連携も深まっていない。買い物弱者の定義も明確ではなく、農林水産省は372万人程度、経済産業省は700万人程度とばらばらに推計しているのが現状だ。
 総務省は買い物弱者の暮らしを支援するため、国と自治体の積極的な関与が必要と強調。自治体による買い物弱者の実態把握と府省間の情報共有が欠かせないとし、国と地方自治体が積極的に対策を講じることが重要だとする通知を7月に関係府省へ出したが、その後どれだけ進展しただろうか。新年度政府予算編成に反映されることを期待したい。
 経産省によると、1996年から2014年の間に、全国の飲食料品小売業は42万店から17万店に減少した。その結果、「買い物に困難を感じる」高齢者の割合は17%に上っているという。行政にはスピード感を持って、買い物弱者支援に当たってもらいたい。

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