社 説

 

夏の高校野球開幕「球児の全力プレーに期待」

2017/7/14 金曜日

 

 第99回全国高校野球選手権青森大会が13日、開幕した。開会式で五所川原の小田桐圭吾主将は「私たちの勝利への執念は奇跡を起こすことができる。甲子園出場を目指して正々堂々、熱戦を繰り広げる」と選手宣誓。26日の決勝までに、数多くの奇跡やドラマがきっと生まれることだろう。
 今大会には連合2チームを含む63チームが出場。優勝争いの中心は、昨大会優勝の光星、春季県大会を制した青森山田、準優勝の聖愛、強豪の八工大一の私立4強となろう。昨秋の県大会で3位となった弘前東の躍進にも期待したい。
 県内では長い間、私立4強の強さが際立っているが、一昨年の大会では公立の三沢商が下馬評を覆して優勝を果たした。私立4強に対抗心を燃やす公立も多く、白熱した戦いが繰り広げられそうだ。
 サッカーやバスケットボール、ラグビーなどの人気も県内では高まっているが、球技の中ではやはり野球はまだまだ特別な存在のようだ。そのことを再認識させられたのが、6月28日に行われたプロ野球1軍戦だ。
 弘前市のはるか夢球場には1万3000人を超えるファンが訪れ、想像をはるかに上回る盛り上がりを見せた。29年ぶりの1軍戦だったということを差し引いても、市民、県民の野球に対する情熱が高いことをうかがわせた。
 そのはるか夢球場で、今大会は準々決勝以降が行われる。おそらく大勢の人が訪れることだろう。願わくば、来年以降も同球場で決勝が行われ、県内高校球児の「聖地」となってもらいたい。
 一方で高校野球を取り巻く環境は厳しさを増していると言えよう。人口減少、少子化の進行に伴い、野球部員も減少し、各大会で連合チームでの出場が増えてきている。今大会では、鯵ケ沢と木造深浦校舎、金木の3高校が連合で出場する。3校連合は大会初だ。
 さまざまなハンディキャップがあっても、大会出場に向かって努力するのは、仲間や支えてくれた保護者、母校への思いがあるからなのだろう。3年生にとっては「最後の夏」でもある。金木の宮越詞也主将は「最後の夏の1勝は格別」、木村千一郎監督は「最後の大会の勝利は重みが違う」と口をそろえる。
 3校とも、夏の勝利からは遠ざかっているだけに思い入れは強い。連合チームで勝利すれば、それは1勝以上の価値になることだろう。勝利を目指して最後まで諦めず、悔いのないよう全力でプレーしてもらいたい。
 3校以外もそれぞれの目標を持って大会に臨む。甲子園出場、そして日本一を目指すチームがあれば、まずはベスト4、初戦必勝を掲げるチームもある。それぞれの夢に向かって、仲間と力を合わせて戦い抜いてほしいと願う。

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ヒアリ対策「万一に備え、継続的な対応を」

2017/7/13 木曜日

 

 強い毒を持つ特定外来生物のアリ「ヒアリ」が国内各地で見つかったことを受けて、政府はヒアリが生息する国と定期コンテナ航路がある、本県の八戸港(八戸市)など国内68港で大規模な防除作業を実施する方針を決めた。全国で計数万から数十万個の殺虫餌の設置を検討しているという。
 本県で唯一、定期コンテナ航路がある八戸港では、神戸市でヒアリが見つかった直後の6月20日以降、継続的に目視調査を行っており、幸いにも発見の報告はない。県は、コンテナ取り扱いはないものの本県の重要港湾である青森港(青森市)、むつ小川原港(六ケ所村)の各管理所に対しても注意喚起を行った。しかし、気を緩めず万一の時に備えて、調査の継続はもちろん、通報や殺処分といった対応に抜かりがないよう取り組んでもらいたい。
 ヒアリは南米原産で、体長は2・5ミリ程度。輸入や飼育を規制する「特定外来生物」に指定されている。腹部の末端に毒針を持ち、刺されると息苦しさやめまいを起こす場合があるほか、海外では死亡例がある。国内では今年5月、兵庫県尼崎市で中国から運ばれたコンテナ内で初めて確認。その後、東京都、愛知県などで相次いで確認された。
 防除作業は来週以降、巣に持ち帰らせて巣の中のアリを全滅させるタイプの殺虫餌を月末までに、1港当たり数千個置き、目視調査も行う。中国からの貨物取扱量が多い場所に殺虫餌を多く置くなど、生息が疑われる場所で重点的な対策を講じるという。こうした港湾での対応方針に加え、国土交通省は国際線が就航する本県の青森空港など、国内29空港に対し粘着剤が付いた捕獲用トラップの設置と緊急点検を要請した。
 県港湾空港課によると、八戸港ではヒアリが運ばれた中国・南沙港からのコンテナ取り扱いはない。しかし、国内でヒアリが見つかった他の場所でも、当然ながら発見は想定していなかったと思われる。本県は発生確認がないとはいえ、継続的な調査と有事の体制整備は不可欠であろう。八戸港の2016年中のコンテナ取扱量は5万8972TEU(コンテナ貨物の容量を示す単位。1TEUは2・5メートル×2・5メートル×6メートルの20フィートコンテナを指す)にも及ぶ。それだけにヒアリに限らず、他の特定外来生物の本県侵入がないよう努めることが必要だ。
 同港では2007年に樹木の葉を食い荒らすドクガの一種「マイマイガ(アジア型)」が発見され、当時北米航路(休止中)を利用していたアメリカ、カナダが同港を、マイマイガがいないことの証明を求める「不在証明要求港」に指定した経緯がある。それだけに今回のヒアリ発見のような事態への対応は想定しているだろうが、継続的な対策は欠かさぬよう求めたい。

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まちあるき博覧会「ニーズ把握しさらなる展開を」

2017/7/12 水曜日

 

 弘前市など中南津軽7市町村の街歩きが集結した「中南津軽まちあるき博覧会2017」が展開され、人気を集めている。7月23日まで、期間中のみのスペシャルコースを含む32コンテンツの街歩きを楽しめる内容で、津軽の魅力満載といったプログラムになっている。昨年に続き2回目の開催となる博覧会は、中南津軽7市町村のそれぞれの個性ある街並みや風景、文化、歴史を体感できる。知名度をさらに広げて津軽地方を代表するイベントに成長させていきたい。
 街歩きという新しい観光コンテンツが登場して、それなりの時間が経過したが、すっかり定番の観光商品として定着したように思う。それまでの団体客を中心に名所・旧跡を巡る団体ツアーの形態から、個人・グループ客が中心の観光スタイルに変わるにつれ、その土地の文化や生活をより深く知ることや、体験することを求めるニーズが観光客側から強まってきた。そうした流れに街歩き観光がマッチしたのが、この流行を生んだといえるだろう。
 本紙でも紹介したが、街歩きの中でも古写真や古地図を片手に街の歴史を探る「ヒストリーピン」というコンテンツが人気のようだ。6月下旬に弘前市の下町かいわいを巡った街歩きでは、藤田記念庭園からスタートし、下町周辺を散策。岩木川が昔は二手に分かれていたことを聞きながら、古地図を見比べ、かつての流路などを巡った。参加者は弘前城の外郭の一部だった馬屋町や寺山修司の出生地の紺屋町など下町に残る歴史に触れ、弘前城についても地形などを考察し、要害ぶりを確認したという。
 ヒストリーピンは、より深くその土地を知ることができる体験型観光を実践するものとして、格好の素材と言えそうだ。博覧会では第3弾の企画もあるようで、バリエーションを増やしながら街歩き観光の目玉となるよう創意工夫が図られることを期待したい。
 弘前の街歩きでは、先日、NHKの人気紀行番組「ブラタモリ」が弘前を舞台に放映された。“サムライ”をキーワードに弘前公園の桜の管理やリンゴの生産技術などについて、弘前の独自性を分かりやすく解説していた。観光客が弘前・津軽を訪れた時に興味を持つ部分は何かということを知る上でも良いヒントになった番組だった。
 中南津軽まちあるき博覧会には32のコンテンツが備わっている。「津軽の手しごと『こぎん刺し』体験とレトロ洋館散歩」「白神の恵みと里山暮らし」「まちなか探訪ツアー」など、個性豊かな仕掛けがちりばめられているが、観光客が津軽のどのようなものに興味を持っているのかは、どのコンテンツに人気があるかを見れば、分析できるだろう。観光客のニーズを的確に把握し、さらに津軽の街歩き観光を充実させていきたい。

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熱中症に注意「予防対策と体調管理は万全に」

2017/7/11 火曜日

 

 今年は全国的に厳しい暑さに見舞われている。本県もここ数日、急に気温が高くなり、10日には弘前市で最高気温34・0と、今季一番の暑さを記録した。
 急に厳しい暑さが続くと、注意したいのは熱中症だ。消防庁のまとめによると、今年の熱中症による救急搬送者数は昨年同時期を上回って推移している。
 体が暑さに慣れない7月は特に注意が必要だ。厳しい暑さはしばらく続く見通しのため、熱中症に関する正しい知識と対策を頭に入れ、体調管理に万全を期したい。
 青森地方気象台によると、弘前市は6月30日に最高気温30・1度で今年初めて真夏日を記録。県内はその後7月に入ってから軒並み暑い日が続き、三戸、十和田などは7日から4日連続の真夏日となっている。弘前も9日に32・9度、10日は平年を8度以上上回る34・0度まで上がった。気温の上昇に体がついていかない人も多いことだろう。
 消防庁によると、今年の熱中症による救急搬送者数は5月1日~7月2日までの速報値は7993人で、前年同時期より250人ほど多い。週別推移では6月26日~7月2日に約2000人近くに達し、前週の約2倍に増加した。本県も5月1日~6月25日は33人だったが、同26日~7月2日の1週間で23人に上っている。気温が高くなったことが影響しているとみられる。
 5月1日~7月2日に救急搬送された人を年齢別にみると、65歳以上の高齢者が約半数を占め最も多い。次いで成人が32・0%を占めており、体力の過信は禁物だ。発生場所を見ると、住居が約3割を占め最多だ。熱中症といえば、屋外での発症が多いイメージがあるが、意外にも自宅で発症するケースが多いようだ。
 熱中症は温度や湿度が高い中で体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなって体温上昇、めまい、頭痛、ひどい場合は意識障害、運動障害など、さまざまな症状を起こす。救急搬送例を見ても分かるように、家の中でじっとしていても室温や湿度が高い場合は熱中症になるため、注意が必要だ。
 特に高齢者の場合は、体温を下げるための体の調整機能が低下しており、暑さや水分不足に対する感覚機能も低下しているため、自覚がないのに熱中症になる危険がある。体温調節機能が未熟な子どもも注意しなければならない。室内では扇風機やエアコンを使ったり、小まめな換気、遮光カーテン、打ち水などで室温が上がりにくい環境づくりに努めたい。
 仕事中の発症にも注意したい。厚生労働省は今年初めてキャンペーンを展開し、職場における熱中症対策を推進している。県内で昨年、熱中症による労災が目立った建設業や製造業といった各職場での予防対策を徹底したい。津軽地方はリンゴ園など農作業中も注意が必要だ。

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若者の県内定着「効果的な情報発信を」

2017/7/8 土曜日

 

 2018年3月卒業予定の高校生に対する企業からの求人票が1日公開され、県内企業が6月に提出し、受理された求人数は3380人(速報値)で、公開前の数値としては統計が残る1994年3月卒以降最多となったことが分かった。
 人口減少が急速に進む中、若い労働力の確保は本県の活気を維持していくため重要な要素。県内就職の促進という面で今シーズンは幸先の良いスタートを切ったと言えるが、企業には今後もさまざまな機会を捉えて若者にアピールし、優秀な人材確保に真剣になってほしい。
 1日の公開前の時点で、県内9公共職業安定所の求人受理状況(速報値)は求人票を提出した事業所数が前年より288社増の810社、求人件数も同410件増の1225件、求人数は同944人増の3380人といずれも増加。職安別で見ても全職安で増加した。求人票の受け付け開始時期が例年の6月20日から、今年は同1日に早まったことも影響しているが、やはり景気回復で企業側の採用意欲が高まっていると言えるだろう。
 職種別でも「生産工程」の求人数が前年より191人増の851人となったことを筆頭に、「販売」は同180人増の474人、「サービス」は144人増の824人、「管理、専門・技術」が同100人増の392人など全て増加。生徒からすれば選択肢が増えたことに加え、公開時期が早まったことから、じっくり検討する余裕ができる。こうした動きを若者の県内定着に確実につなげられるよう取り組みを進める必要があるだろう。
 本県の若者の県内定着率は決して高くはない。15年3月卒の就職状況を都道府県別に見ると、最も県内就職率の高い愛知県が96・8%、次いで大阪府が93・2%と高く、平均でも81%と8割以上が地元に就職している。一方、本県は55・8%と佐賀県と同率でワースト3位タイ。最下位だった鹿児島県の54・2%と比べてもほとんど変わらないほど低い。
 こうした現状を受け、県は6~7月、高校生を対象に本県の暮らしやすさをPRする集中プロモーションを始めた。高校生モデルが登場する冊子を全高校2年生に配布、青い森鉄道の車両をPRポスターで“ジャック”するなどしてアピール。高校生忍者が「青森の暮らしやすさ」という宝を探すというコンセプトで作成、若者の興味を引くよう工夫した。
 冊子では「家賃が安い」「夏季の暮らしやすさ」「水がおいしい」「子どもを預けられる」「通勤時間が短い」など、生活する上で重要な暮らしやすさの指標100項目について、全国でも上位にあることを数値で示し、本県での暮らしを具体的にイメージできるようにした。
 本県の将来を考えると、若者の県内就職率をせめて全国平均に近づけるような取り組みが重要と思う。効果的な情報発信を模索し、継続していくべきだ。

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