社 説

 

反社会勢力「体質改善と対策の徹底が急務」

2019/7/26 金曜日

 

 事務所を通さずに活動して報酬をもらう「闇営業」で、反社会的勢力の会合に参加した吉本興業の芸人をめぐる騒動が波紋を広げている。法令順守と説明責任が問われる現代にあって、吉本興業は所属芸人を含め、反社会勢力を近づけない体質への改善が急務だ。
 今回の騒動は、写真週刊誌が、お笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之さんらが特殊詐欺グループや暴力団関係者の会合に参加していたなどと報じたことが発端。宮迫さんら11人は活動休止と謹慎処分となった。
 騒動が大きくなった要因は、発覚後に金銭の授受を否定しながら、後で撤回した宮迫さんの対応がバッシングにつながった。当然、反社会的勢力から金銭を受け取ることは許されない。当初は知らなかったと主張しているが、事実確認をせずに否定したことは不用意だった。
 次に問題視されたのは吉本興業の所属芸人の待遇だ。
 同社には約6000人の芸人が所属しているが、テレビ出演など会社経由の仕事で食べていける人は少なく、若手芸人などは飲食店のイベントや知人の結婚式などに行って報酬を得る、闇営業が貴重な収入源。会社にマージンなどを取られないため実入りのいい仕事とされ、「闇営業がないと生活が成り立たない」と訴える芸人もいる。
 闇営業自体は違法ではない。しかし特殊詐欺グループの会合では、犯罪収益が報酬に充てられた可能性もある。捜査関係者は「詐取金から報酬が支払われたことなどを完全に証明できないと立件は難しい」と指摘するが、会社のチェックがない以上、闇営業が危険性をはらんでいることを認識するしかない。
 吉本興業の岡本昭彦社長は22日の記者会見で「タレントファースト」の実現に全力を挙げる考えを表明した。反社会的勢力との関係を絶つには、会社側の取り組みとともに芸人の待遇改善が課題となる。
 一連の騒動では、吉本興業自身、タレントを派遣したイベントのスポンサーに、反社会勢力の関係企業が含まれていたことを知らなかったと釈明する場面もあった。
 テレビ番組の司会者を務める別の吉本芸人は、この事実について「知らなかったと言うなら、知らずに闇営業に行った芸人と変わらない」と指摘する。
 問われているのは芸能人であれ、企業であれ、反社会的勢力が接近しようとするリスクを認識し、いかに関係を持たないようにするか、対応策を含むルール作りではないか。
 特に吉本興業は、お茶の間に“笑い”を届けることを生業(なりわい)としている。一日も早く吉本の笑いを心から楽しめるよう、企業体質の改善と対策の徹底が求められる。

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津軽圏域DMO「資源アピールする大きな契機」

2019/7/25 木曜日

 

 弘前市など津軽圏域14市町村が地元の観光振興に向け、司令塔組織となる「津軽圏域DMO(仮称)」を設立しようと動いている。今や観光は一大産業に成長し、地域活性化策の大きな柱。DMOの設立を津軽地方の豊かな観光資源をさらにアピールし、有効活用する大きな契機としたい。
 観光庁によると、DMOは「Destination Management/Marketing Organization」の頭文字の略。観光による地域づくりを行うかじ取り役とも言うべき法人で、地域資源を最大限活用して効果的かつ効率的に集客を図り、「稼げる」地域づくりを目指したものという。
 14市町村は、国が示す申請手続きの流れに従い、日本版DMO候補法人の登録を目指している。22日にはその機運を高めるため、弘前市内で「津軽広域観光ネクストステージミーティング」を開催。14市町村の首長らが一堂に会し、決意を新たにした。
 弘前市の櫻田宏市長は、津軽圏域DMOについて「14市町村の素晴らしい魅力を効果的に打ち出すために『本部』の機能を担うのがDMO。来年4月のスタートに向けて頑張りたい」と強い意欲を示した。
 DMOをめぐり櫻田市長は、戦略的にテーマを決めて、構成市町村が共通性を持ちながら知恵を絞り、戦術まで検討していくことができる組織であるべきとの考えを持っているようだ。
 確かに、津軽圏域の観光資源は豊かだ。春は弘前公園などの桜、夏は各地のねぷた、秋は紅葉、冬は雪が誘客に一役買っている。これらの他にもリンゴをはじめとする食べ物など、挙げれば切りがないくらいだ。
 ただ、これらの豊かな資源をより効果的にアピールして誘客につなげるには、相応の方法が求められる。各自治体はこれまでも自慢の資源をアピールし続けてきたし、それらを用いた地域振興に最大限努めてきた。ただ、それぞれの取り組みをうまく組み合わせたり、新たな演出を加えたりすることでより大きな効果を得ることができるのである。
 そこで必要となるのがDMOなのであろう。津軽圏域DMOは、各市町村で取り組みが不足していた観光に関するデータ収集や分析を行い、その結果に基づいてコンテンツを開発して戦略を練るといったことも視野に入れているという。観光庁が重視する科学的アプローチに合致したものでもあろう。
 観光も含めて地域振興をめぐっては、自治体間の連携の必要性が叫ばれ続けてきた。地域間の競争がますます激化する昨今、関係者たちは連携を従来以上に真剣に考えるべきではないか。津軽圏域DMOの設立がその契機となることを願っている。

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高校野球青森大会「熱戦多く県民を魅了」

2019/7/24 水曜日

 

 9日に開幕した第101回全国高校野球選手権青森大会が、幕を閉じた。23日は聖愛と光星で決勝戦が行われ、光星が県内高校62校の頂点と、夏の甲子園への切符を手に入れた。同校には、本県代表の誇りを胸に、青森球児の名を高校野球の聖地でとどろかせてもらいたい。
 大会には62校、57チームが出場した。出場チーム数が昨大会から二つ減ったのは残念だが、その代わり、県内でもすっかり定着した感のある、連合チームが複数出場。西北(金木、鯵ケ沢、木造深浦)・浪岡、七戸・野辺地、六ケ所・六戸の3チームが、大会に爽やかな風を巻き起こした。
 団体競技である野球は、さまざまな連係やチームプレーが求められるスポーツであり、頻繁に合同練習を行うのが難しい連合チームには、さまざまなハンディが伴うに違いない。それでも、野球がしたい、大会に出たいという球児たちの熱い思いが、こうした障害を乗り越え、この大会でも複数の連合チームの参加という形となって表れているのだろう。これからも少子化や部員不足などを背景に、連合チームの数は、増えていくかもしれない。連合チームは大会に参加する高校球児を一人でも多く増やすための、現実的な方策の一つと言える。そのハンディが少しでも減るよう、関係者には環境整備を図ってもらいたい。
 大会は1回戦から好試合が続いた。3回戦では、長らく本県の高校野球をリードする私立の強豪・青森山田が、ライバル・光星に敗れ、姿を消すなど波乱もあった。こうした中、ベスト8には、弘前勢の3校が名乗りを上げ、地元の高校野球ファンや関係者を喜ばせた。
 特に準決勝まで進んだ東奥義塾の活躍は、素晴らしいものがあった。甲子園の出場経験もある古豪だが、同大会準決勝で戦うのは実に13年ぶり。対戦相手は聖愛と、弘前勢同士の対決となった。試合は壮絶な打撃戦となり、点を取られたら取り返す、手に汗を握る展開。最後まで勝負の行方が見えない緊迫したゲームは、本県の高校野球史上でも語り継がれる熱戦と記憶されることだろう。
 聖愛、東奥義塾と共に8強入りの弘前東も近年の充実ぶりは目を見張るものがある。本県の高校野球は、光星、青森山田に代表される私立強豪が引っ張ってきた感があるが、今回は青森商、三沢商、大湊、三沢が8強に名を連ねるなど、公立校の躍進、活躍も目立った。私立、公立が互いに競い、本県高校野球のレベルをさらに引き上げる―そのような展望を持つことができる大会になったと思う。
 2年連続の同一カードとなった決勝戦は予想以上の大差がついたが、敗れた聖愛も死力を尽くした結果だ。準優勝の成績に胸を張ってもらいたい。そして、優勝の光星には全国の舞台が待っている。今から活躍が楽しみだ。

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参院選「政治への信頼低下に歯止めを」

2019/7/23 火曜日

 

 事実上の与野党一騎打ちだったにもかかわらず、この低投票率はいったいどうしたことか。21日に投開票が行われた参院選本県選挙区(改選数1)の投票率はほぼ同様の構図だった2016年の前回選より12ポイント以上低い42・94%で、本県参院選では過去最低。前回からの下げ幅では全国でもワーストの数字を記録した。
 低投票率は本県だけでなく全国的な傾向。全国の選挙区の投票率は48・80%と低迷。補選を除く国政選挙の投票率で5割を切るのは戦後2回目、1995年の参院選の44・52%に次ぐ数字だという。
 本県選挙区には現職、新人の3氏が立候補したが、事実上、自民党現職で2期目を目指した滝沢求氏と、野党統一候補で立憲民主党新人の小田切達氏の一騎打ち。現状の政治で良しとするか、それとも政策の転換かという両氏の主張は真っ向から対立して分かりやすい。また本県選挙区は自民が「激戦区」、立憲が「重点区」と位置付け、ともに知名度の高い大物弁士を連日のように投入する力の入れようで、構図だけを見れば、過去最低の投票率となる要素は見当たらない。
 今年は統一地方選と参院選、本県ではさらに知事選も重なる12年に1度の「亥(い)年の選挙」で、有権者の選挙疲れの影響も指摘されているが、本県ではそもそも皮切りとなった今春の県議選から過去最低の投票率を記録している。これはやはり政治に対する期待や信頼が失われつつあると受け止めるべきなのではないか。
 本県の街頭演説では自公の関係者が農林水産業の輸出増など安倍政権の実績を強調し、政治の安定による現状の政策の推進を訴えたのに対し、野党は年金問題などでの対応を引き合いに安倍政権の政治姿勢を批判し、現状の政治を変えるべきと主張、有権者に選択を迫った。だが憲法改正などの重要な問題についても、有権者の関心の高い社会保障や消費増税など日々の暮らしに直結する事項についても、議論は深まったとは言えない。
 そうした中での選択だ。投票率は5割を切る低さで、滝沢氏の得票率は51・49%、小田切氏は44・36%。厳しい戦いであったことは確かだ。滝沢氏には期待とともに批判もあることを謙虚に受け止め、地域のさまざまな声に耳を傾けて、2期目の仕事にまい進してもらいたい。
 今回選では「れいわ新選組」や「NHKから国民を守る党」などの政治団体が独自の運動を展開、一定の支持を得た。今後も既存政党とは違った新たな動きが活発になってくることも想定される。
 有権者もそろそろ真剣に考えるべき時ではないか。投票率が低かろうが、妥協した選択だろうが、投票結果によって政治は動く。棄権せずに投票するのは大前提として、例えば投票所が遠いとか、投票先を決めるための情報が足りないなど不備を感じているのなら積極的に声を上げ、改善を求めていくことも重要だ。

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参院選あす投票「1票投じ国政に意思表示を」

2019/7/20 土曜日

 

 4日に公示された第25回参院選は21日に投票が行われ、即日開票される。
 第2次安倍政権の誕生から3度目の参院選だが、日本が直面する課題は山積し、かつてないほど深刻化していると言っていいだろう。人口減少と少子高齢化が進む中で、社会の活力をどう保つのか。また、激動する世界情勢の下で国の針路をどう定めていくのか。安倍晋三首相の政権運営の在り方に評価を下す重要な選挙となる。
 2012年に旧民主党から政権を奪還して以降、国政選挙で首相は連戦連勝の成績を収め「安倍1強」体制を築いた。今回の参院選でも、全都道府県で1倍を超えた有効求人倍率や、堅調な株価などの成果を掲げて「アベノミクス」継続を訴え、「政治の安定」を強調する。
 ただ、地方においては、多くの若者が高賃金など好条件の働き口を求めて県外へ流れ、人手不足に拍車を掛けている。アベノミクスの効果も実感するには至っていない。公示後に行った本紙世論調査では「実感している」が約1割にとどまり、約6割が「実感していない」と回答した。こうした中で10月には消費税率10%への引き上げも予定され、地域経済の冷え込みが懸念される。
 本紙世論調査では、有権者の多くが、重視する政策として「年金、介護、医療など社会保障制度」を挙げた。加速する少子高齢化社会において、公的年金をはじめとした社会保障制度はどうあるべきなのか。子どもからお年寄りまですべての年代に関わる重要な課題であるだけに、活発な議論が望まれるところだ。
 「安倍1強」体制は、学校法人「森友学園」への国有地売却に絡む財務省の決裁文書改ざん問題など、長期政権ゆえの弊害も随所に目立つ。その打破に向け、政権批判を強める立憲民主、国民民主、共産、社民の各党は今回の参院選1人区で候補者を一本化し、与党候補と対峙(たいじ)。
 本県選挙区(改選定数1)においても、自民党現職で再選を目指す滝沢求候補(60)=公明党推薦=と、野党統一候補で立憲民主党新人の小田切達候補(61)=社民党推薦=による事実上の一騎打ちとなっており、激しい競り合いのまま最終盤を迎えている。
 気になるのは投票率だ。県選挙管理委員会がまとめた本県選挙区の14日現在の期日前投票者数は、県全体で6万9804人で、16年の前回選同時期を0・67ポイント下回った。低投票率に終わった統一地方選、知事選を踏まえ、各陣営は前回選を下回ると予想している。
 参院選の結果は、言うまでもなく自分たちの暮らしや将来を左右する。ゆえに決して人任せであってはならない。1票を行使して政治に参画することが、暮らしを変える第一歩であることを改めて肝に銘じ、国政に対してしっかりと意思表示をしてほしい。

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