社 説

 

定期チャーター便「定期路線就航の足掛かりに期待」

2017/1/20 金曜日

 

 中国の奥凱(オーケー)航空(本社北京市)が16日から、青森―天津間を往復する定期チャーター便の運航を開始した。3月中旬まで週4便が運航されることとなり、乗客見込み数5000人に対し、13日現在の予約者数は約4300人、予約率85%という好調さを示す。数カ月の短期間で、まとまった数の中国人観光客が本県に訪れるのは初といい、受け入れ体制の整備が課題になるだろう。幸い本県の行政や商工、観光関係団体などが力を合わせ、万全の体制としているようだ。あとは、いかに本県の魅力を中国人観光客に知ってもらい、帰国後にいかに情報発信してもらえるかに期待がかかる。
 同社は、同区間での定期路線就航を目指しており、今回の定期チャーター便の好調がその実現への足掛かりになるのではと関係者の期待も高い。ただ、中国国内での手続きに時間を要していることから、定期路線就航時期は4月以降の見通しという。そうした中で同社と旅行会社側から定期路線に先駆けたチャーター便運航の打診があったものだ。
 中国では今月末から旧正月「春節」が始まり、その需要を取り込む形であり、乗客は5泊6日もしくは7泊8日の日程で、本県から新幹線や海路を経て北海道を楽しむという形だ。本県へは空路で入り、北海道へは陸・海路で向かい、再び本県に入って空路で帰国するという形は、県が推進する「立体観光」を体現しており、今後の外国人観光客の本県誘致に向けたモデルケースともなろう。本県を起点に北海道や東北他地域に向かうことが可能とアピールするのも良いが、本県への滞在日数をいかに長くするかの取り組みも関係者には示してほしい。
 今後、気になるのは定期路線就航実現の可能性である。中国からの国際定期便は、北京首都航空(本社北京市)が青森―杭州、天津航空(同天津市)が青森―天津の各路線就航をそれぞれ計画しているが、いずれも予定が延期され、現段階で実現に至っていない。また今回、定期チャーター便運航を開始した奥凱航空は昨年12月下旬に函館―西安間で運航開始した定期路線について、搭乗率低迷を理由に2月初旬に運休する。
 こうした不安要素がある中で、本県への定期路線就航について、16日に就航セレモニーに出席した奥凱航空関係者は「当社は天津―青森線を重視している。始発地は天津、西安と異なっており、それぞれの集客は違うので比較はできない。天津からの集客力に期待している」と語った。
 本県への定期路線就航に名乗りを上げた中国航空会社の中では最後発ながら、いち早く定期チャーター便を実現させた同社の言葉だけに期待がかかる。県や関係者は定期路線就航に向けた準備を進めているだろうが、早期実現への取り組みも加速してほしい。

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高齢者事故対策「社会全体で支える仕組みを」

2017/1/19 木曜日

 

 高齢ドライバーによる重大な交通死亡事故が相次ぐ中、警察庁が、2015年に起きた、75歳以上のドライバーによる死亡事故の原因に関する初めての詳細な分析結果を示した。
 同年中の死亡事故は全体で3585件(75歳未満3127件、75歳以上458件)。事故原因のうち、75歳以上で最も割合が高かったのは操作ミス(アクセルとブレーキの踏み間違え、ハンドル操作の誤りなど)で29%を占め、75歳未満(15%)の約2倍だった。
 事故状況では特徴的な傾向として▽単独事故(電柱など工作物への衝突、路外への逸脱など)の割合が39%と多い▽車両同士の事故では高齢になるほど出合い頭や正面衝突の割合が高まる―などが挙げられた。
 75歳以上による死亡事故は年間400件台で横ばいに推移している一方、死亡事故全体は減少傾向にあるため、全体に占める75歳以上の割合が相対的に高くなっているという。
 高齢ドライバーの事故の背景には、認知能力を含む身体機能の低下があるとされる。年齢を問わず、場合によってはハンドルを握らないといった判断が求められるのは当然だが、一般的に事故のリスクが高い高齢者は一層の注意が必要であることを自覚しなければならない。
 一方で、身体機能は個人差が大きい。それは高齢者も同じ。個々の特性に柔軟に対応し得る制度や環境の整備が求められる。「高齢者は危険」といった画一的な意識で、一律に排除するような風潮は避けたい。
 警察庁は、運転免許制度の在り方をはじめとした高齢ドライバーの事故対策を検討する有識者会議を立ち上げた。逆送対策や先進安全技術の普及も検討課題に盛り込まれている。高齢者の生活を社会全体で支える仕組みづくりにつなげてほしい。高齢者の安全は社会全体の安全につながる。
 高齢運転者対策では、運転免許証の自主返納も重要課題の一つに挙げられる。15年の免許返納者は28万5514人で10年前の15倍。うち75歳以上でみると返納者は12万3913人、返納率は2・77%だった。返納率は高い都市部と低い地方の間で格差が大きいという。
 都市部に比べて公共交通機関が整っていない地方では、マイカーは生活に不可欠な存在だ。身体機能に多少の不安を抱えながらも運転せざるを得ない場合もあるだろう。公共交通機関または代替交通網がある程度整備されなければ、免許証は手放せまい。経営が厳しい民間事業者だけでは対応にも限界がある。国や自治体の支援が必要だ。
 75歳以上の免許保有者は毎年約20万~30万人ずつ増加。来年は約533万人になると推計されている。高齢運転者対策は喫緊の課題と言えそうだ。

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阪神大震災から22年「自然災害への備え万全に」

2017/1/18 水曜日

 

 6434人が犠牲になった阪神大震災は17日、発生から22年を迎えた。兵庫県内各地では、さまざまな追悼行事が行われ、多くの人たちが犠牲者をしのび、鎮魂の祈りをささげた。
 22年という歳月はとても長いように感じるが、被災者らは震災発生後の一日一日を大変な思いで積み重ねてきたに違いない。「22年前の出来事は歴史で済ますことはできない」と追悼行事で遺族代表は語ったように、何年たっても最愛の家族らを失った人たちの思いは変わることはない。
 記憶を風化させることなく、震災の教訓を継承し、今後に生かしていくことが今後の大きな課題だ。阪神大震災発生の節目に、改めて自然災害への備えの大切さを認識し、対策を怠らないようにしたい。
 阪神大震災は1995年1月17日午前5時46分に発生した。兵庫県淡路島北部を震源とする都市直下型地震で、マグニチュード(M)は7・3、震度は観測史上初の7を記録した。直後の光景をテレビで目にし、横倒しになった高速道路の架橋や倒壊したまちの様子に大きな衝撃を受けたことは今でも記憶に新しい。
 戦後国内で起きた地震では東日本大震災に次ぐ規模で、被害は死者6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人に上った。住宅被害は約64万棟で、被災者は最長7カ月の避難生活を強いられた。
 この震災の教訓を踏まえ、さまざまな対策も進んだ。建物の倒壊による圧迫死が多かったため、国などは震災を機に耐震化に取り組み始めた。全国の市民らが助け合うボランティア活動が活発化したのも大きな特徴で「ボランティア元年」と呼ばれた。現在、市民活動は社会を支える基盤の一つにまで成長している。大規模な災害が発生した時に被害の拡大を防ぐため、地域で協力し合う自主防災組織の存在も注目され、各地で結成が進んでいる。
 阪神大震災以降も国内では大規模な自然災害が後を絶たない。未曽有の被害をもたらした東日本大震災をはじめ、火山災害、台風被害などが相次ぎ、直近では昨年4月に熊本地震が発生した。
 これら災害を経験して蓄積された技術や知識を、災害大国日本が自然の脅威に立ち向かう武器としていかなければならない。そのためにも災害の記憶を風化させず、次世代に引き継ぐことが重要だ。
 日本海中部地震などを経験した本県では、日本海側で最大クラスの地震と津波が発生した場合の被害想定調査結果を県が公表しており、これらを基に、各自治体などが災害対策に取り組んでいる。「想定外」は常に起こり得るものだと認識し、あらゆるケースに対応できるよう、できる限りの備えを日ごろから怠らないようにしたい。

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タイからの誘客「今年は観光需要拡大の好機」

2017/1/17 火曜日

 

 県は今年からタイをターゲットにした観光PRを加速させる。同国はアジア最大の親日国であり、7000万人規模もの人口を抱えているだけに、大きな魅力を持つ市場である。本県の良さを広く知ってもらい、観光需要を喚起したい。
 大変好都合なことに、ちょうど今年は「日・タイ修好130周年」に当たる。外務省によると、1887(明治20)年9月26日に「日暹(にちせん)修好通商に関する宣言」(日タイ修好宣言)が調印され、日タイ間の外交関係が正式にスタート。以来、両国はさまざまな面で交流を重ねてきた。
 近年の訪日外国人数増加は目覚ましいものがあり、2016年は2400万人を超えた。今のところ中国、韓国、台湾からの客が主流のようだが、今年は修好130周年を迎えたタイからの客もぜひ呼び込みたいものである。
 このような節目の年を観光振興の契機にしようと、同省はロゴマークをつくり両国の機運を盛り上げている。さらに、旅行関係の団体も両国の旅行需要拡大に向けた施策をさまざま展開している。
 16年に仙台市内では、日・タイ修好130周年を記念したタイのテレビドラマ撮影が行われた。東日本大震災後の風評被害に悩む市が、海外からの観光客呼び込みの一環として、同国の制作会社に働き掛けたものだった。
 県によると、タイは13年7月に訪日ビザが緩和され、同年に県内で宿泊したタイ人は1760人に上り、前年までの年間300~500人程度から大幅に増加。15年には5000人を超え、16年は1~10月で5870人が来県している。
 タイ人観光客の本県への関心が次第に高まっていることは、統計からもはっきりと分かる。今年はこの観光需要拡大への流れをより確かなものとしたい。
 具体的な誘客策として県が2月8、12日にタイチャーター便を計4便運航させるほか、同月にはタイテレビ局が情報バラエティー番組のロケを県内で実施。5日間程度の日程で撮影し、3月に放送する予定という。
 夏場の本県にも観光資源はたくさんあるが、タイの人たちにとって雪は憧れの対象であろう。われわれが住む津軽地方には、弘前城雪燈籠まつりをはじめ、地吹雪体験ツアー、ストーブ列車など特徴的なコンテンツがある。これらをぜひアピールしたい。
 さらに県は観光PRと並行し、県産リンゴのタイへの輸出にも一層力を注ぐ考えという。リンゴの最大の輸出先である台湾からは、本県に多くの観光客が訪れており、本県の知名度向上にリンゴが大きな役割を果たしていることが分かる。今後、タイでのリンゴ販売を促進させることで本県をより身近に感じてもらうこともできるだろう。観光において食は重要な要素。しっかりと取り組みたい。

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生前退位と改元「慎重かつ徹底的な議論を」

2017/1/14 土曜日

 

 天皇陛下の退位をめぐり、政府は2019年1月1日に皇太子さまが新天皇に即位し、同日から「平成」に代わる新元号とする検討に入った。国民生活への影響を最小限に抑えるためには改元は元日にするのが望ましいという判断だ。
 今の陛下は18年12月31日に退位し、平成は30年までとなる。菅義偉官房長官は11日の記者会見で、退位に伴う皇位継承と改元の進め方について「現時点において全く考えていない」と述べるにとどめているが、陛下の退位の意思や年齢を考えると、そう遠くない時期の判断が必要となることは自明だろう。陛下は退位の意向をにじませた昨年8月のお言葉で、「2年後には平成30年を迎えます」と述べられ、18年が一つの節目になるとの考えを示唆されていた。同年12月に誕生日を迎えられれば、陛下は満85歳となられる。こうしたことも考慮しての日程ということなのだろう。
 皇位継承に関し、政府は退位と即位に関する諸行事の準備期間を退位が決まってから1年程度と想定している。一方で、皇位継承に伴う改元については、カレンダーや手帳の刷り直し、政府や民間のシステム改修などにより、国民生活が混乱したり、経済的損失が生じたりするのを避けるために年初としたようだ。1989年の平成への改元は1月8日からとなり、大量のカレンダーなどが廃棄されたことが記憶に残る。年初とすればこうした経済活動や行政事務などの対応もしやすくなるだろう。
 生前退位という近代以降の皇室では経験のない事柄ゆえ、皇位継承、改元とも周到な準備が必要となるだろう。不測のことが起こらないようある一定の期間を設けて事前に元号を公表し、周知を図るということは首肯できるものだ。
 ただ、生前退位をどのような形で認めるのかについては、議論が分かれている。天皇陛下の退位をめぐる政府の「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」は、1月23日に論点整理を公表予定だが、既に「将来にわたる退位の制度化は困難」との認識で一致。今の陛下一代に限り退位を認める特例法での対応が望ましいとする安倍政権の意向に沿った見解を打ち出すだろう。
 一方で民進党など一部の野党や複数の専門家は、未来にわたって退位を認めるよう皇室典範を改正する必要があると主張している。
 政府は関連法案を5月の大型連休前後に国会に提出したい考えで、合意形成に向けた議論を促すことにしている。
 国民統合の象徴である天皇制の根幹に関する問題なだけにこの問題をいたずらに政争の具にすることは望ましくない。しかし結論ありきで議論を封じることもまた許されない。今後の日本と皇室において最も良いと思われる方策が見いだされるまで徹底的に議論すればいい。

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