社 説

 

本県平均寿命最下位「延び幅向上は確かな成果」

2017/12/15 金曜日

 

 2015年の本県の平均寿命は男性が78・67歳、女性は85・93歳だった。厚生労働省が5年ごとに公表しているもので、男性は1975年から9回連続、女性は00年から4回連続で全国最下位という不本意な結果となってしまった。
 ただ、前回からの延び幅は男性が1・39年で全国3位。高血圧を除く心疾患や自殺の死亡率で大幅な改善が見られた。女性も0・59年で25位となり、着実に延伸している。平均寿命そのものが低いため延び幅が大きくなりやすいとも考えられるが、それよりも「延びしろ」がまだまだあると前向きに捉えたい。
 全国に比べて、本県は40~50代の働き盛りの死亡率が高いほか、三大生活習慣病の死亡割合が高い。生活習慣に関わる喫煙率、多量飲酒者率、肥満者率、健診・検診受診率、スポーツをする人の割合などは軒並み下位に低迷する。食塩摂取量も昔よりは減ってはいるものの、まだまだ高い状況だ。しかし、これも見方を変えれば、課題がはっきりしていると考えられる。
 県は「県基本計画未来を変える挑戦」(14~18年度)で、特に重点的に取り組む三つの戦略プロジェクトの一つに「健康長寿県プロジェクト」を掲げた。戦略プロジェクトを通じ、生活習慣の改善や生活習慣病発症後の適切な治療の継続、スポーツを通じた健康づくりなどに取り組んでいる。
 減塩につなげようと県が14年度から取り組んできた「だし活」も、定着しつつある。今年9月には弘前大学などが、食生活改善推進員を通じて減塩の知識を広める「だし活キッチン」と称した事業をスタート。県内各地でだし活の輪が広がることを期待したい。
 だし活キッチン事業は弘大のCOI(センター・オブ・イノベーション)関連活動の一環。COIは弘大と県、弘前市、民間企業などが連携して認知症・生活習慣病などの早期予兆発見、予防法の開発に取り組むプロジェクト研究で、13年度に全国12拠点の一つとして文部科学省に選ばれた。
 「革新的『健やか力』創造拠点」として、疾病の予兆・予防法確立、県民の意識改革などさまざまな取り組みを展開してきた弘大COIや県が旗振り役となって進めてきた活動が、県内に広がりつつある。その結果として、平均寿命の延び幅が全国平均を上回るという成果が表れたと言えるのではないか。
 平成に入ってから平均寿命のトップ5に入り続けている長野も、かつては脳卒中の死亡率がワーストになるなど、初めから長寿県だったわけではない。長野は脳卒中撲滅に向けた減塩運動をきっかけに生活習慣を改善させ、平均寿命を延伸してきた。本県も県民一人ひとりがもう少し意識を高めれば、そう遠くない時期に最下位から脱出できるはずだ。

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インフル流行期入り「対策徹底し感染拡大防止を」

2017/12/14 木曜日

 

 全国的にインフルエンザの流行期に入った。本県でも県が7日、流行期入りしたと発表した。今年は例年に比べてやや早いため予防対策も早めに心掛け、感染拡大防止に努めたい。
 全国的な流行期入りは、厚生労働省が今月1日に発表した。11月20~26日で1カ所当たり1・47人が受診。例年よりやや早く、流行期入りの目安となる1・00人を今シーズン初めて上回った。
 11月26日までの1週間に定点医療機関を受診した人は7280人。全国の医療機関で約7万人が受診したと推計され、前週から約3万人増えた。年齢層別の患者数は5~9歳が約2万人で、0~4歳と10~14歳、30代、40代でそれぞれ約1万人と推計され、検出されたウイルスは2009年に新型として世界的に流行したA型が最も多く、次いでA香港型とB型が同程度となっている。
 本県の患者数は11月27日~12月3日の1週間で75人となり、1定点医療機関当たり1・15人と、流行開始の目安を上回った。保健所管内別では、東地方・青森市の2・69人が最多で、弘前の1・47人がこれに次いで多く、残り4保健所は1・00人を下回っている。年齢は20歳未満が全体の8割を占めている状況だ。
 インフルエンザの患者数は例年、流行期入りから徐々に増え、厳寒期の1~2月ごろにピークを迎える。万全の備えを心掛け予防と感染拡大防止に努めたい
 というのも、インフルエンザは普通の風邪とは異なる病気だからだ。毎年の予防対策の徹底で、そのことはかなり周知されているように思われるが、改めて強調しておきたい。
 インフルエンザは風邪とは違って症状が重く、特に幼児や高齢者など抵抗力の弱い人が感染すると重症化しやすい。場合によっては死に至るケースもある。
 このためインフルエンザワクチンの予防接種が対策の一つとされている。ウイルス感染しても発症をある程度抑えたり、重症化を防いだりする効果があるとされるからだ。ただ、今年はワクチン供給予定量が昨シーズンの使用量をやや下回っており、全国的に接種の遅れも出ている。弘前市内の一部の医療機関でもワクチン不足から接種を一時止める事態になっている。
 厚労省によると、今月中旬以降に流通が再開する見込みだが、子どものいる母親ら市民からは不安の声も上がっている。できるだけ関係機関が連携して適切な情報提供を行い、流行のピークを迎える前に希望者が接種できるよう努めてほしい。
 これからの時期はできるだけ人混みを避け、外出時のマスク着用、外出後の手洗い、うがいも習慣付けたい。日ごろからバランスの良い食事を心掛け、十分な睡眠をとるなど体力や抵抗力を上げることも感染予防には大切だ。

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ホワイトインパルス「冬の魅力に磨きを」

2017/12/13 水曜日

 

 高い除雪技術を誇る青森空港の除雪隊「ホワイトインパルス」が今冬も活躍している。12月に入って出動式が行われ、青森市内の業者らで構成する約120人の隊員がデモンストレーション走行を行って士気を高めたが、今冬は例年よりも降雪が早く、11月だけで既に出動回数は18回とフル回転。11月の降雪量も過去最多の88センチ(同空港管理事務所調べ)を記録しており、今後も出番は増えそうだ。
 除雪隊が創設されたのは1981年。観光客に親しみを持ってもらおうと、2013年に「ホワイトインパルス」と命名された。民間の旅行会社と提携した同隊の除雪見学ツアーが今冬で3シーズン目を迎えるなど、本県の冬期間の新たな観光資源として期待が高まっている。
 注目されるのは何といっても高い技術力だ。青森空港は全国でも有数の豪雪地帯にある空港。滑走路延長3000メートル、誘導路などを含めて除雪が必要な面積は約55万平方メートル、東京ドーム約12個分となるが、ホワイトインパルスはこの広さを標準約40分で除雪する技術を持つ。隊創設から30年以上が経過しているが、現在に至るまで除雪の遅れによる欠航は1度もないというのだから、驚異的だ。
 滑走路や誘導路の除雪は言うまでもないが、1回やって終わりというものではない。当然ながら雪が降り続けば、発着時間に合わせて1日何度も出動する必要がある。例年の出動は300回程度というから、隊員の奮闘には頭が下がる。
 特殊車両が整然と隊列を組み、走行しながらスピーディーに除雪していく様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」でも紹介されており、19万回近い総再生回数を誇る。メディアで取り上げられることもあるなど注目度は高く、冬の観光資源として期待されるのは当然だろう。
 迫力ある除雪作業を間近で見られる見学ツアーのほか、民間事業者による隊の名前を冠した商品開発などさまざまな動きがあるが、本県の冬の魅力の一つとして今後も機を捉えてアピールしてもらいたい。地道な除雪作業が注目されれば隊員の士気も上がるだろうし、空路での青森への旅を促すことにもなるだろう。
 雪の多い冬は本県の観光の閑散期と言われて久しいが、近年は海外観光客の増加を背景に「雪」や「冬の温泉」などに関心を寄せる層が目立つ。これまでも地吹雪体験や雪かきなどが県外の人たちに喜ばれる事例はあったが、近年は台湾の観光客が自国では見られない雪景色や冬季レジャーに高い関心を示しており、冬の観光の可能性は広がってきている。
 県民は冬の暮らしにマイナスイメージを抱きがちだが、冬ならではの魅力も多い。寒さや雪を楽しむアクティビティーもしかり。極寒の季節だからこそおいしい食もある。県外の人たちに厳しい青森の冬をつかの間体験してもらえるような多彩なメニューの開発を期待したい。

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平昌五輪まで2カ月「日本選手団の活躍に期待」

2017/12/9 土曜日

 

 来年2月9日に韓国で開幕する平昌冬季五輪まで2カ月。ドーピング問題によるロシア選手団の参加禁止、緊迫する朝鮮半島情勢など競技以外のニュースが注目を集めているが、日本勢のメダルラッシュに大いに期待したい。
 平昌五輪の目標メダル数について、日本オリンピック委員会(JOC)は“複数の金”を含む9個としている。その候補としてフィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)と宇野昌磨(トヨタ自動車)、スピードスケート女子の小平奈緒(相沢病院)、ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(クラレ)、複合男子の渡部暁斗(北野建設)らを挙げている。
 日本勢は男女のカーリングやアイスホッケー女子などが既に五輪出場権を獲得しており、スキー、スケートなど個人競技は国内外の大会を通して代表切符争いが佳境に入っている。
 既に枠が確定したフィギュアスケートでは、2枠をめぐる女子の争いに注目が集まる。代表発表は今月下旬の全日本選手権後で、男子と女子は優勝者が1枚目の切符を手にし、残る代表はグランプリ・ファイナルの成績や世界ランキングなどで総合的に判断される。
 男子は羽生が足首負傷の影響が懸念されるものの、宇野とともに代表入りは確実だ。これに対し、女子は10代の若手が代表争いを引っ張る。昨季世界選手権5位の三原舞依(シスメックス)、全日本選手権2年連続2位の樋口新葉(東京・日本橋女学館高)、今季シニアデビューした本田真凜(大阪・関大高)も人気が高い。全日本3連覇の宮原知子(関大)は股関節疲労骨折からの復帰2戦目で優勝し、全日本に照準を合わせている。
 前回のソチ五輪でメダルなしに終わったスピードスケート勢は、複数のメダル獲得へ期待が高まっている。
 女子500メートルでは、昨季からワールドカップ(W杯)13連勝中の小平に金メダルの期待がかかる。女子中長距離のエース、高木美帆(日体大助手)も1500メートルで今季3連勝、団体追い抜きでは世界新記録を更新するなど上り調子で、1500メートルでは小平とのダブル表彰台も夢ではない。
 一方、ジャンプ勢は明暗が分かれる可能性も。女子の高梨は、今季W杯3戦で3位が一度という予想外の展開。海外の若手の成長が著しく、昨季世界ランク1位の王者も優位とはいえない。
 複合男子の渡部は今季W杯の2戦目、前半のジャンプで首位に立つと後半の距離では一度も首位を明け渡さない完勝を飾り、“悲願の金”へ自信を深めた。
 冬季五輪で日本勢が獲得した金メダルは長野の5個が最高だ。来年の平昌五輪では、長野を上回る成績を期待するとともに、選手一人ひとりが悔いの残らないよう万全の状態で臨んでほしい。

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麺類の塩分調査「塩分は程よく摂取、健康維持を」

2017/12/8 金曜日

 

 県は県内飲食店を対象にした、麺類(ラーメン、うどん、そば)の塩分調査を開始した。がんや心臓病、脳卒中など生活習慣病による死亡率が高く、平均寿命が全国最下位の本県だが、生活習慣病と関連が深い塩分摂取について、副菜を取り入れて野菜類を食べ、塩分を体内に取り入れる量を調整するなど、1日の食事の取り方を検討する狙いだ。過度な摂取も不足も身体に影響を及ぼす塩分だけに、適量を心掛けたい。
 調査は今年度内に100店舗で実施。食生活改善推進員が麺類を提供する飲食店を訪れ、塩分濃度計を使ってスープの重量と塩分を計測するというものだ。計測結果は用紙に記録し、協力店に渡すほか、県内全体の計測結果を集計する。
 県がん・生活習慣病対策課によると、県の2016年度県民健康・栄養調査の結果は、成人の1日の食塩摂取量が平均10・5グラム(男性11・3グラム、女性9・7グラム)で、前回10年度調査からほぼ改善されず、日本人の摂取目標である男性8グラム、女性7グラムを達成できなかった。
 一方でスープに塩分が多量に含まれる麺類は県民の食生活には欠かせない存在となっている。県のまとめによると、県庁所在市である青森市を例とした場合、カップ麺購入数量は年間6298グラムで全国トップ、即席麺購入数量は3621グラムで同3位といい、県民が麺類を好む傾向があることが顕著に分かる。
 塩分はその過剰摂取と生活習慣病との関わりが指摘されている。今回の調査対象となった麺類は1食分のスープに1日に必要な、もしくはそれ以上の塩分が含まれるケースが多い。それは麺商品の包装に記載されている塩分量の表記を見れば一目瞭然だ。「スープを飲み干してはいけない」と言われるのはそのためであろう。しかし、庶民の味として親しまれているラーメンなど麺類。6日に調査を受けた飲食店の経営者が「ラーメンは塩分を減らせばおいしくないので、味は変えられない」と語ったのも当然であろう。それだけに、麺類そして塩分との程よい“付き合い方”を考えていかねばならない。
 同日の調査に参加した県食生活改善推進員連絡協議会の山谷詠子会長は、本県のラーメンを食文化と位置付け、絶やさないための健康的な食べ方として、(1)汁は飲み干さない(2)塩分を体の外に出す働きがある野菜を一緒にしたものを食べる―ことを挙げている。
 もちろん、塩分の過剰摂取傾向を麺類だけに転嫁することはできない。炒め物、揚げ物など多くの料理に塩分による味付けは不可欠だからだ。塩分と程よく付き合い、そして健康寿命を伸ばしていくため、県産だしのうま味を活用し、減塩を推進する活動「だし活」を参考とするなど自ら健康と食生活を考えていけるようにしたい。

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