社 説

 

子どものネット利用「大人側で見守る態勢づくりを」

2017/11/24 金曜日

 

 自分専用のスマートフォン、携帯電話の所持率は小学生が約3割、中学2年以上では5割を超える。この数字を多いと思うか、少ないと思うかは個々人の意識でだいぶ違うと思うが、子どもたちの世界でもインターネットがこれほどまでに深く浸透しているということだけは、共通の認識として持つことができるのではないか。
 スマホ、携帯電話の所持率は弘前市教育委員会が小学4年~中学3年を対象に行ったネット利用に関するアンケートの結果によるものだ。
 所持率を全国的に見ると、今年の小学高学年のスマホ所持率は6割、中学生は8割超というデータが、民間会社の調査結果として公表されている。単純比較はできないものの、弘前市の小・中学生の所持率は全国に比べると少ないようだ。だが、弘前市内でも小学4年以外の学年の所持率が16年度よりも増加しており、市教委は所持率の増加、低年齢化が今後も進むことを予想している。全国の動向を見ればこの予想は大いにうなずける
 言うまでもないが、ネットは便利なものだ。これまで知り得なかった情報が簡単に手に入り、国内はおろか世界中、どんなに遠い場所にいる人とでもネットを介してつながることができる。ネットがもたらす恩恵は大きいが、それゆえにネット特有の犯罪やトラブルも後を絶たない。大人でも利用には十分な注意が必要であり、社会などでの経験が未熟な小・中学生ならなおさらだろう。
 特にネット交流サイト(SNS)などではいじめを助長したり、犯罪につながったりするケースが近年、とみに目立つ。事の是非はともかく子どもたちへのスマホ・携帯電話の普及拡大が不可避な状況とすれば、便利ではあるが危険性も高い、ネットへの接し方や情報モラルの教育は大人の責任で成さねばならない課題だろう。
 アンケートでは、ネットで「嫌な思い」をした経験を問う項目があるが、無料通信アプリ「LINE(ライン)」での経験を挙げた人数が中学生で特に多く見られた。トラブルが起きた際の相談相手を聞いた項目では、小中全ての学年で「保護者」とした割合が最も高かった一方、「誰にも相談しない」と答えた児童生徒が3~5%だったという。
 相談しない割合が低いのが救いではあるものの、市教委の担当者が指摘するように、深刻な事案が隠れている可能性も大いにある。普段の学校生活以外でも子どもたちがネットの中でどのような交流関係を築いているかを知り、見守る態勢を大人の側でつくることが肝要だ。小・中学生がネットを使う際のルールを家庭で定めることも犯罪・トラブル抑止に効果があるだろう。家庭と学校、地域社会が連携しながら、子どもをネットに絡む問題から守りたい。

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核のごみ説明会「危機意識を持って運営方法改善を」

2017/11/23 木曜日

 

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の“適性”を示す「科学的特性マップ」をめぐる意見交換会で、謝礼などを約束して学生を募集していたことが判明した。緒に就いた議論を阻害するものであり、繰り返されてきた「やらせ体質」を彷彿(ほうふつ)させる問題である。政府は危機意識を持って事実関係を明らかにし、意見交換会の運営方法の見直しも検討すべきだ。
 最終処分場の建設事業を担う原子力発電環境整備機構によると、さいたま市で行った意見交換会の参加者を募集する際、委託先の業者が一部学生に「参加すれば1万円の謝礼金を支払う」と伝えていたという。
 機構側は、実際には謝礼金は支払われなかったと説明。謝礼金を支払う形での参加者募集は行わないことを委託先に周知していたが、この業者の社内管理が不徹底だったとしている。
 しかし、この業者は東京など4会場で行われた意見交換会に際しても、学生サークルに対し会議室の提供や印刷代行など活動支援を見返りに参加を呼び掛け、計27人の学生が参加した。
 このニュースに接して思い起こされるのは、2011年に発覚した九州電力・玄海原発の再稼働をめぐる「やらせメール」問題だ。
 九電が再稼働を容認する意見を投稿するよう子会社などにメールで依頼していたもので、当時の佐賀県知事の責任問題にまで発展。結果的に九電社長は辞任に追い込まれた。
 この問題を受けた調査では北海道、中部、四国の各電力会社でも、相次いでやらせが発覚。経済産業省資源エネルギー庁や自治体の担当者による動員や、やらせ発言の要請なども明らかになり、国、自治体、電気事業者ぐるみの意図的な世論操作に対し、国民の不信が一気に高まった。
 マップが公表された今年7月、世耕弘成経済産業相は、マップの説明会が国民的な議論のきっかけになればとの期待感を示した。そもそも機構の設立は、不信を増大させた事業者任せではなく、国が前面に立って議論を促進させることが目的だった。
 機構側は、意見交換会は核のごみの最終処分事業への理解を求める目的で行っており、幹部は「活動の公正性について不信感を招きかねない」として謝罪した。世耕経済産業相も機構に対し、事実関係の徹底究明や再発防止を指示した。
 専門家らによる議論を積み重ね、ようやくマップを公表する段階に至ったにもかかわらず、今回の問題で議論が後退する懸念もある。
 政府は危機意識を持って早急に事実関係を明らかにし、再発防止策は当然ながら、従来通り機構に説明会の運営を任せていいのか、改めて議論すべきだ。

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テロ支援国家再指定「米対応に北朝鮮の反発必至か」

2017/11/22 水曜日

 

 トランプ米大統領は北朝鮮をテロ支援国家に再指定すると発表した。2008年に指定解除して以来9年ぶりとなる。
 核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮に「最大限の圧力」をかける戦略の一環とみられ、大規模な追加制裁を実施することも明らかにした。トランプ大統領は「最高レベルの制裁となる」と強調しており、圧力を緩めない姿勢を明確にした格好だ。
 再指定により核放棄に向けた交渉に持ち込みたい狙いだが、北朝鮮の反発は必至とみられ、米朝間の緊張が一段と高まる可能性もある。局面の打開につながるかどうかは極めて不透明と言わざるを得ない。
 それでも、核・ミサイル開発を続け国際社会への挑発を繰り返す北朝鮮に対し毅然(きぜん)とした態度で臨むことが必要だ。圧力強化によって対話の糸口を探り、日本にとっては最重要課題の一つ、日本人拉致問題の打開につなげてもらいたい。
 米国はテロ支援国家に認定した国に対し武器関連の輸出・販売禁止、経済援助禁止、金融規制などの独自制裁を科す。1987年の大韓航空機爆撃事件を受け、88年に北朝鮮をテロ支援国家に指定したが、08年に当時のブッシュ政権が核問題をめぐる6カ国協議の進展を条件に解除した経緯がある。
 米政権が再指定の理由として挙げたのは、2月に金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男氏が殺害されたことを念頭に置いた「禁止された化学兵器を使った北朝鮮国外での暗殺」だ。また、米国人学生が北朝鮮で拘束された後に昏睡状態で帰国し、直後に死亡したことも踏まえ、再指定を支持する考えが強まっていたようだ。
 並行してトランプ政権は水面下で北朝鮮との対話再開の糸口を模索しているともされ、核・ミサイル実験を60日間停止すれば直接対話に向けたシグナルと見なすとの考えを示したとされる。実際、北朝鮮は2カ月以上、核・ミサイル実験など大掛かりな挑発に出ていない。ただ、今回のテロ支援国家再指定を踏まえ、弾道ミサイル試射などで圧力に屈しない姿勢を誇示することも考えられ、予断は許さない。
 北朝鮮は既に複数の核爆弾と長距離弾道ミサイルを保有しているとみられ、対話再開のハードルは08年当時と比較にならないほど高くなっており、今回も取引材料になり得るのかどうかは不透明だ。
 拉致被害者家族からは「帰国に結び付けてほしい」と願う声が上がっている。被害者家族の高齢化が進む中で、進展が見られない拉致問題の現状に焦りをにじませるのは当然のことだ。
 北朝鮮への圧力強化が緊迫したアジア情勢の打開はもちろん、日本政府が「テロ」と見なす日本人拉致問題の解決に少しでも結び付くことを期待したい。

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平川市新本庁舎「市民に親しまれ誇れる施設に」

2017/11/21 火曜日

 

 平川市が整備する新たな本庁舎の設計業者が決定し、2020年度の完成に向けて本格的に動きだした。全市民にとって使いやすい本庁舎にすることが重要であり、活用方法などを探るワークショップに次代の市を背負うであろう中学生も参加しているのは心強い。市民みんなで考え、親しまれる本庁舎を実現させたい。
 現在の本庁舎は1979年築で、給水設備の老朽化や外壁タイルの剥離などが目立ってきたのに加え、旧平賀町時代の01年度に行った耐震診断で震度6~7の地震で崩れる可能性が指摘されている。万一の際に防災拠点としての機能を喪失する事態に陥ることから、市は早急な対応が必要として、現本庁舎の耐震補強と建て替えを比較検討してきた。
 この結果、耐震補強は初期投資を抑制できるが、業務効率や省エネルギー、ユニバーサルデザインなど長期的視点で考慮してメリットの大きい建て替えにすべきとした。これを受けて20年度までの完成、供用開始を目指すとする基本方針を14年度に固め、基本計画づくりなどを進めてきた。
 今年3月策定の基本計画は(1)市民が親しみ、交流し、賑(にぎ)わいが生まれる庁舎(2)安心・安全の拠点となる庁舎(3)人と環境に優しい庁舎(4)効率的で機能的な庁舎―を基本理念に掲げ、隣接する旧平川診療所跡地を含むエリアに建設することにしている。誰でも安心して利用できるよう工夫し、災害時の一時避難所としての機能も持たせる。完成後に取り壊す現本庁舎跡地は広場などに活用する方針だ。
 市が設置した建設設計業者選定委員会はプロポーザル方式で、東京都新宿区と青森市、仙台市の建築設計事務所の共同企業体を選定。市は今年10月に契約を結んだ。企業体は現本庁舎跡地活用などに市民のアイデアを反映させたいと、市民による4回のワークショップ開催を提案。市民が参画できる場を設けたことを評価する。
 ワークショップに参加した中学生も「未来をみんなと考えるのはすてきなこと」と、好意的に受け止めている。広場などの設計に、自分の意見が盛り込まれることは、市そのものに対する愛着を生むとともに、人材流出の歯止めや市政参加推進のきっかけにもなり得るのではないだろうか。
 本庁舎は市のシンボルであり、少なくとも完成後、数十年にわたって市民に寄り添う存在になる。設計の段階から、工事の進みなど、あらゆる機会を捉えてきめ細かに情報提供し、市民の関心を高めながら他市町村に誇れる本庁舎にしなければならない。06年に平賀、尾上、碇ケ関の3町村が合併して誕生した平川市は、まだ全市民に一体感があるとは言い難い状況。新たな本庁舎が3地区の融和に一役買うことも期待したい。

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実在社名かたる請求「注意喚起に加え自己防衛策を」

2017/11/18 土曜日

 

 実在する大手クレジットカード会社やインターネット通販会社をかたったメールで、カード情報を盗み出そうとし、架空請求詐欺をする行為が頻発しており、消費者庁など関係機関が注意を呼び掛けている。消費者を動揺させて金銭を要求、だまし取るような手口は許されるものではない。身に覚えがない請求には応じない、金銭を要求するメールには返信しないといった対応を心掛けたい。
 県消費生活センターによると、今年4月から17日午前までにあった、はがきや電話、メールを使った架空請求詐欺に関する相談件数は808件に上り、被害額は215万円余。このうち、実在するカード会社をかたったケースは5件で、金銭的な被害は現在のところ確認されていない。
 同センターホームページには、相談内容の一例と対応内容を掲載。それによると、カード会社の社名で「カードご請求予定金額のご案内」という件名のメールがパソコンに届き、指定期日までに万単位の請求金額を口座に準備するよう記載してある。「明細はこちら」と書かれたURLを押しても、画面は変わらない。しかも、メールを受けた人は当該カード会社のカードを持っていない。
 センターは、メール送信には添付のURLにアクセスさせ、ウイルスをダウンロードさせる目的があると推測。ウイルスに感染すると、そのパソコンで次にクレジットカード情報などを入力した際に、その情報を盗み取られる恐れがあるとして(1)宛先に自分以外の複数のアドレスが入っているメールは開かない(2)不明な添付ファイルやURLはクリックしない―といった注意を呼び掛けている。
 ネット通販をかたるケースは、個人の携帯電話機にショートメールサービス(SMS)を使い、料金未納の名目で数万から数十万円の金銭を要求する手口であり、コンビニエンスストアで通販会社のギフト券を購入した上で、その番号を知らせるよう誘導するというもの。国内の被害は少なくとも約400件、計約1億2000万円に上っているという。
 こうした詐欺行為は手口を変えて、しかも巧妙化している。「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」などの名称が付けられ、警察など関係機関も注意喚起はしているが、次々被害が出るのが現状である。まして、実在するカード会社など企業の名前をかたるとなれば、信じ込んでしまう消費者が出てくることは想像に難くない。
 老後の蓄えや子どもの学費など必死に働いて得た金銭を、心ない犯罪者にだまし取られてしまった人たちの悔しい思いは計り知れない。関係機関による注意喚起はもちろんだが、われわれ消費者側も自己防衛のため、常日頃からの情報収集に努め、動じずに対処する冷静さを持ちたい。

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