社 説

 

ストーカー等被害「根絶へ早期の警察相談を」

2017/4/8 土曜日

 

 警察庁のまとめによると、全国の警察が2016年に把握したストーカー被害は4年連続で2万件超となる2万2737件(前年比3・5%増)に上ったことが分かった。配偶者らに対するドメスティックバイオレンス(DV)被害も6万9908件(前年比10・7%増)と最多を更新。元交際相手らの裸の画像をインターネットで公開する、いわゆる「リベンジポルノ」に関して寄せられた相談件数は1063件(同7・0%減)だった。本県のストーカー被害は96件(同2件減)、DV被害は491件(同17件増)と5年連続で400件超となった。
 まとめによると、ストーカー、DVともに被害者の9割弱が女性。日常生活の安全を脅かし、時には死にまで至らしめる行為である。「減少に向けて」ではなく、根絶に向けて関係者一丸となって取り組まねばなるまい。
 警察庁によると、ストーカー事案の被害者と加害者の関係は「配偶者・交際相手」が半数を超える一方で、面識がなかったり関係が不明であるものが約1割を占めた。検挙件数は刑法・特別法犯が1919件、ストーカー規制法違反769件であり、ともに法施行以後最多だった。DVに関しては、04年以降13年連続で件数が増加しており、被害者と加害者の関係は婚姻関係が8割を占める一方、それ以外の内縁関係などは2割。刑法犯・特別法犯の検挙件数も8291件で、一貫して増加している。本県の被害件数を警察署別にみると、ストーカーは青森が最多の23件弘前19件黒石12件など。DVは青森121件、弘前69件だった。
 ストーカーに関しては、その行為の多様さに驚かされる。警察庁ホームページによると、代表的な行為は「つきまとい・待ち伏せなど」だが、他には「監視していると告げる行為」「面会・交際の要求」「無言電話・連続電話・メール」などが並ぶ。こうした行為にさらされる側の恐怖はいかばかりだろうか。
 件数が増加している現状も憂慮せねばなるまい。以前より、多くの人々が「何かがあってからでは遅すぎる」と訴えている。言うまでもないが、命が失われた、もしくは加害行為により一生残るような傷害を負った場合は取り返しがつかないからだ。実際、過去5年では15年こそゼロだが、16年を含めストーカー行為に絡む殺人は毎年発生、傷害や暴行も100~200件台で推移している。
 警察側の対応には被害者への防犯指導、加害者への指導警告、被害防止交渉に関する助言などがある。ただ、未然防止策の対応を行っても、抑制や減少に至っていないのが現状だ。県警生活安全部の担当者は「不安を抱えているのであれば、一人で悩まず、早めに警察に相談してほしい」と呼び掛ける。理不尽な行為をなくするため、被害者はまず相談を心掛けてほしい。

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春の交通安全運動「ルール順守で死傷事故根絶を」

2017/4/7 金曜日

 

 春の全国交通安全運動が6日からスタートした。各地で交通安全を呼び掛けるイベントが展開されている。
 入学シーズンを迎え、慣れない通学路を学校まで歩いて通う新入学児童らの姿を見掛けるようになった。また、自転車の往来も増えた。一方で自動車はこの時期、雪解け後の開放感もあってスピードを出しがちになる。
 春の行楽シーズンも迎え、これからの季節は交通量も増すことだろう。それだけに、ほんのわずかな油断が悲惨な大事故につながりかねないということを常に忘れてはならない。自らの命と子どもやお年寄りらを交通事故から守るため、自動車のドライバーはもちろん、自転車の利用者や歩行者も交通ルールをしっかり順守し、交通安全に努めたい。
 県警がまとめた2016年中の県内の交通事故発生状況によると、発生件数、負傷者数はいずれも15年連続で減少した一方、死者数は53人で前年に比べ13人増加した。死者の約半数が65歳以上の高齢者で、高齢ドライバーが第1当事者となった交通事故の死者数が全体の約3割を占め、高齢者が関係する死亡事故が目立ったのが大きな特徴だ。
 自動車乗車中の死者も増加し、この半数以上がシートベルト非着用であったというまとめも出ている。シートベルトを着用していれば助かる可能性があったケースも少なくないようだ。
 道交法が改正され、08年から後部座席でのシートベルト着用が義務化されたが、警察庁とJAF(日本自動車連盟)が16年10月1~10日に実施した着用状況全国調査によると、本県の一般道路での後部座席の着用率は全国平均36%を下回る27・2%と低い。
 たかがシートベルト、と軽く考えてはならない。着用していれば、万一事故に遭っても助かる可能性が高まるため、自動車に乗る際は着用を心掛けたい。
 一方、警察庁の分析によると、昨年までの過去5年間に起きた交通事故で死傷した歩行者のうち、年齢別で小学1・2年に当たる7歳が全国的に最も多いという。年齢が上がるにつれて歩行中の事故は減る一方で、自転車乗用中の事故が増え、16歳で最多となった。新入学児童や高校通学で自転車利用が増えることに伴って、交通事故に遭うケースも増えているものとみられる。自動車運転中に歩行中の児童らのそばを通る場合は、スピードを緩め、細心の注意を払ってほしい。
 飲酒運転が依然として後を絶たないのも残念なことだ。県内では昨年、飲酒運転による交通事故の発生件数、死者数がともに前年より増えた。新年度の歓迎会や春の行楽シーズンで飲酒の機会が増える時期だが、飲酒運転は重大な交通事故を引き起こす可能性が極めて高い危険な「犯罪」であるということを改めて認識し、根絶を図りたい。

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訪日外国人「受け入れ側の準備を急げ」

2017/4/6 木曜日

 

 昨年の訪日外国人数は2400万人を超え過去最高を更新した。20年前の1996年には400万人に届いていなかったことを考えれば、急増ぶりに驚くばかりである。人口減少の時代にあって、訪日客の呼び込みは地方にとっても経済の活性化に資する、重要な政策課題となっている。
 2016年は訪日ビザ(査証)の発給要件緩和、格安航空会社(LCC)の路線拡充などを追い風に、特にアジアからの訪日客が増えた。ただ、円高も響き、伸び率は27・8%と前年の47・1%から鈍化した。20年に訪日客を4000万人に引き上げる目標を掲げている政府は「今年が正念場」(観光庁)とし、受け入れ環境の整備を急ぐ考えだ。
 私事ではあるが、今春の異動で20年ぶりに東京勤務となった。支社は銀座の一角にあるが、行き交う外国人の多さに驚いた。高級ブランド店が立ち並ぶ立地環境もあるだろうが、中国圏はもちろん英語やフランス語が聞こえたかと思えば、イスラム教徒特有のスカーフ姿の女性も数多く見掛ける。まさに訪日客の増加を肌で感じている。
 政府の取り組みに合わせ、運輸・観光業界も訪日客の需要取り込みを加速させている。JR各社の豪華観光列車は言うに及ばず、大手航空は新幹線と連携して訪日客の地方誘導に取り組む考えだ。旅行大手も東京や大阪を出発し、地方の観光地を巡る広域バスツアーを企画する。
 県内に目を転じれば、今年1月から3月まで運航された中国・奥凱航空の国際チャーター便は、当初見込みを上回る5700人が利用、本県や北海道を周遊するなどして冬季の魅力を味わった。閑散期の観光振興が長年の課題であるだけに、県や関係機関も手応えを感じているようだ。
 外国人客ばかりではないものの、青森港には先日、今年初めて大型客船が寄港した。年内には過去最多となる23隻の大型客船が寄港を予定しており、万単位の観光客が県内を訪れることになる。
 訪日客の増加と同時に課題となるのが受け入れ側・観光地の対応だ。本紙でも観光ガイドの語学研修、会話シートの作成、免税カウンターの開設といった取り組みを報じているが、政府目標通り数年後に訪日客が倍増する事態となれば、準備期間は極めて短い。
 交通機関や宿泊施設における案内の多言語表記も欠かせない。ホームページも同様で、特に訪日客のニーズが高いインターネット環境の整備などは官民挙げた取り組みが必要だろう。
 何よりも、一度訪れた外国人に「また来たい」「友人や知人にも魅力を伝えたい」と感じてもらうことが肝要だ。海外に向けた魅力発信も重要だが、それと同時に、満足してもらえる受け入れ体制の整備が急務である。

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平川市観光協会「民営化の利点生かし独自策を」

2017/4/5 水曜日

 

 官公庁や企業などは3日に事実上の新年度をスタートさせた。このうち平川市観光協会は協会業務を担っていた市から独立し、民間組織に移行した。現在、一般社団法人化に向けた手続きを進めており、民営ならではの柔軟な発想で観光振興を進める方針だ。
 協会は平賀、尾上、碇ケ関の3町村の合併による平川市誕生を受け、2007年に平賀町、尾上、碇ケ関温泉の3観光協会を合併して発足。事務局を市尾上総合支所内の商工観光課に置き、主に市職員が業務を兼任してきた。
 外部から会長、事務局長らを選任してはいるが、行政主導であることは否めず、民間運営のメリットをフルに発揮できる体制整備が必要といった観点で、市と協会が一致。民営化に踏み切ることにした。これで県内10市の観光協会で、民営化されていないのは、つがる市だけとなった。
 民営化に伴い、事務局は同課から移転したが、支所と同じ建物にある生涯学習センター内に設けたことで市との連絡を容易にしており、混乱を回避した。一方で当初考えていた一般社団法人での新体制スタートは手続き上かなわなかったが、早ければ5月、遅くても年度内には移行できる見通しになっている。現在、事務局長ら2人を中心に行っている運営には、5月から地域おこし協力隊員らが戦力として加わる予定だ。
 間もなくおのえ花と植木まつり、志賀坊まつり、白岩まつり―と、春の観光シーズンに突入する。会場を訪れる市民や観光客らに、民営化されたことを示す最初の機会になる。市からの業務引き継ぎなど多忙な時期なのは理解するが、新組織に生まれ変わったことをアピールする絶好の機会ではないか。民営化の意義を印象付ける何かしらの変化がほしい。
 協会側は「これまでの事業をやっていくだけではだめ。一つでも二つでも新規事業を行うほか、既存の祭りの中でも新しいイベントなどを仕掛けたい」とし、会員や一般市民らに募ったアイデアを基に新規事業を増やしていく考えだという。市側も協会の取り組みに期待するとともに「官民の両輪で観光振興を図りたい」としている。それぞれが担うべき役割を把握し、密接な関係を維持、発展させることができれば、観光振興や地域経済活性化につながるはずだ。
 国名勝「盛美園」などの名所、近年注目度が高まっている平川ねぷたまつりといった観光資源のさらなる魅力向上や、増加傾向にある外国人観光客対応など、幅広い施策が求められている。黒石観光協会は15年に黒石市産業会館から弘南鉄道黒石駅前に移転し、観光案内所を開設しており、観光客の反応は良好だという。こうした他市の状況を参考にしつつ、全く新しい独自策が生まれることを期待する。

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弘前市博40周年「市民の厚意が構成した資料群」

2017/4/4 火曜日

 

 弘前市立博物館が1977年4月の開館から40周年を迎えた。今年度は特別企画展を例年より1本増やし、企画展と特別企画展合わせて6本の開催を予定している。
 40周年記念を冠した展覧会の第1弾として、同館の代表的な収蔵品を一挙に紹介する企画展「輝け‼館蔵名品BEST40」が開かれている。あまたの中から、歴史的・美術的価値が高いもの、過去の展覧会で来館者の人気が高かったものからえりすぐった40件(145点)を展示している。
 展示資料は、弘前藩の歴史と、津軽の風土に根差した強烈な個性を表現した美術、高い技術に支えられた工芸を凝縮させた構成。同展は博物館の40年にとどまらず、歴史・美術・工芸の観点から捉えた弘前を中心とする津軽そのものの“ショーケース”と言っていい。
 博物館の収蔵品は、市民らからの寄贈品や寄託品が多くを占めている。同展出品物から一例を挙げれば、「津軽漆塗手板」(県重宝)は津軽家からの寄贈品。江戸後期から明治期にかけて弘前で用いられていた漆塗りの技法の多彩さを今に伝える貴重な資料だ。
 開館当初の収蔵品は事実上、それまで博物館機能を担っていた当時の市立図書館の収蔵品のみ。当初から必ずしも潤沢なわけではなかった。それが「市民共有の財産に」という所有者らの厚意で次第に増え、特徴づけられていったと言っても過言ではない。市民らによる設置要望から20年を経て開館に至った博物館に対する期待の表れであろうし、資料の取り扱いに対する信頼もあったはずだ。
 希少性が高く評価されているこけし群「木村弦三コレクション」も忘れてはなるまい。
 木村氏は音楽家で、民間資料や、こけしをはじめとした郷土玩具の研究・収集家としても知られた人物。コレクションは58年、同市を流れる土淵川の洪水により、ほとんどが流失したとみられていた。後年、同館に寄託されたこけし群は、当時救出されたまま半ば忘れ去られた状態が続き、79年に再発見されたもの。博物館職員らによる洗浄作業を経て公開されたこれらは「幻のこけし」として反響を呼んだ。関係者や職員の熱意の結実とも言えよう。
 同市では来年4月に津軽歴史文化資料展示施設が開館予定。吉野町緑地周辺整備事業で核となる煉(れん)瓦(が)倉庫を活用した美術館は2020年度オープンを目指している。これらの開館後も、市民の身近な歴史・美術との出合いの場として、また観光客が弘前の歴史の変遷に触れられる場としての基本的な役割に変わりはあるまい。日本近代建築の巨匠、前川國男の作品である建物とともに、弘前の歴史と感性と技術、市民らの厚意を長く伝え続けてほしい。

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