社 説

 

青森空港「利用好調、今期も持続を」

2017/5/13 土曜日

 

 青森空港の利用者が2年連続で100万人を突破した。2016年度は国内、国際両定期路線、チャーター便がともに好調。今年も4~5月の大型連休中が盛況で、臨時増便などの対応をした社もあるなど幸先のいいスタートを切った。
 明るい話題が多いのは国際線だ。ソウル線は15年度の利用者と比べて8・5%増加し、利用率の72・8%も就航以来過去最高だった。同線は青森空港―韓国・仁川空港を結ぶ定期路線だが、仁川空港はアジア屈指のハブ空港で多くの国や都市に就航しており、青森―ソウル線は本県と世界をつなぐ重要なルート。ビジネスや観光振興に果たす役割は大きい。
 国際チャーター便は台湾からの冬季チャーターが増えたこと、天津線の定期チャーター便が新たに就航したことなどから、利用者数が15年度の3倍以上と大幅な伸びを示した。チャーター便の国別の内訳をみると、中国が1万1000人超、台湾が1万人超で、奥凱(オーケー)航空(本社北京市)が今冬運航した青森―天津間の定期チャーター便の盛況が新たな国際定期便就航につながったことは周知の通り。5月7日に青森空港に到着した天津―青森間の第一便は搭乗率97・8%とほぼ満席で、今後に向けた期待が高まる。
 定期チャーター便を利用した中国人観光客には雪景色が好評だったようだが、本県の自然は四季折々それぞれに魅力的。アクセスが便利になることで、2度、3度と訪れてもらうことは十分に可能だ。定期便は青森の認知度向上につながる好機であり、効果的な情報発信とおもてなしでリピーターを確保したい。
 国内線に目を向けると、16年度は東京線の利用者が15年度に比べて4・6%の増となり、2年連続の増加。大阪線は日本航空(JAL)、全日空(ANA)がともに着実に利用者数を増やしており、ダブルトラックとなった14年度以降で利用者数、利用率ともに最高となった。
 名古屋線の利用者は15年度比で11・6%増と大きく増加。同線は就航した11年度を除き、冬季は1日2便の運航が通常だが、16年度は一部3便化したこともあって、利用者が過去最高を記録、就航以来初めての10万人超えを達成した。5月9日には就航からの累計搭乗者数が50万人を超え、同線を運航するフジドリームエアラインズ(FDA)は増便など一層の利便性向上を目指す考えを示した。
 訪日観光客誘致に重要な役割を果たす空港だが、国内観光客、ひいては県民の利用促進、使い勝手の向上という視点も忘れてはいけないだろう。さらなる利便性の向上に知恵を絞ってもらいたい。
 同空港は15年4月にエアポートラウンジを整備、約2倍の広さにするなど拡張したが、今後は旅客ターミナルビルのリニューアルが控える。増加する利用者に対応でき、さらには県民に親しまれる空港として進化することを期待したい。
青森空港「利用好調、今期も持続を」

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韓国大統領に文氏「北朝鮮問題、日米と連携を」

2017/5/12 金曜日

 

 韓国大統領選は革新系最大野党「共に民主党」の文在寅前代表が勝利した。朴槿恵前大統領の罷免に伴う最高指導者不在状態は解消され、ようやく韓国が正常な状態に戻ったといえよう。当面の課題は、緊張が続く北朝鮮の核・ミサイル問題。国際社会と協調した対策が韓国には求められる。
 だが、文氏は北朝鮮への融和路線を貫いた金大中、盧武鉉政権時代の「太陽政策」への回帰を公言。選挙期間中には、北朝鮮への圧力を強めた過去2代の保守政権を厳しく批判し、政策転換の必要性を訴えた。就任宣誓式の演説では、「安全保障の危機を解決する。条件が整えば平壌にも行く」と述べた。
 北朝鮮への接近は、米国との対立の火種となる可能性を秘める。トランプ政権は北朝鮮問題を「最優先の外交課題」とし、核・ミサイル開発阻止に向け、軍事・外交・経済面から強力な圧力をかけている。中国も圧力強化に同調しており、窮地に陥っている北朝鮮は事態打開に向けて南北対話再開への働き掛けを強めるとみられる。北朝鮮が韓国の取り込みを図れば、こうした包囲網に穴があく恐れがある。
 こうした中、文氏はトランプ大統領と電話会談した。韓国大統領府によると、文氏は米韓同盟に基づき、北朝鮮問題の解決に向け、緊密に協力することで一致したという。文氏はトランプ氏に対し、朝鮮半島情勢の不確実性が高まる中、「米韓同盟はいつになく重要。韓国の外交・安保政策の根幹だ」と指摘。トランプ政権が北朝鮮問題を「最優先課題」に位置付けていることを「高く評価する」と述べたという。
 米国との関係を重視する姿勢を示した格好だが、懸念は残る。文氏は最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備に対して慎重な立場を示してきた。THAADの配備に反発する中国は早くも、配備撤回を韓国側へ働き掛けている。習近平国家主席は文氏との電話会談で「韓国の新政府が実際の行動で示すよう望む」と強調した。文氏の対応次第では米国との摩擦が表面化する恐れがある。
 日本との間にも、慰安婦問題という宿題がある。文氏は日韓政府間合意の再交渉を公約に掲げた。安倍晋三首相との電話会談では「慎重な意見を言う人もいる」とした上で「両国の発展のために歴史問題は賢く解決していく必要がある」と語った。慰安婦問題の蒸し返しは、日韓双方にとって有益ではないはずだ。
 北朝鮮の非核化を実現するためには、日米韓を中心とした緊密な連携が不可欠。「まずは文氏のお手並み拝見」などと悠長なことを言っていられるような状況ではない。北朝鮮問題への対応について、日米韓による協議の場を早急に設け、方針を共有すべきではないか。

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中泊町長選挙違反「有権者の嘆きに耳を傾けよ」

2017/5/11 木曜日

 

 「またか」との思いだ。4月に行われた中泊町長選をめぐる選挙違反事件は、4人が逮捕、送検となった。言わずもがなであるが、選挙は公正に行われるべきもの。町民からは怒りや困惑の声が上がっているが、当然であろう。
 逮捕者はいずれも落選した候補者の陣営関係者で、中には選対本部長を務めた現職町議、後援会長だった旧中里町収入役も含まれる。本来、町民の模範であるべき人物にあるまじき行為であり、猛省を促したい。
 中泊町長選は過去3回無投票が続き、旧中里町と旧小泊村の合併で中泊町が誕生した2005年以降で初めて選挙戦になった。
 首長選の無投票が全国で目立つ。背景には、人口減少に伴う地域の活力低下などさまざまな事情があり、無投票を一概には批判できない。しかし、地域の課題、将来の方向性などについて候補者たちが議論を戦わせ、有権者が賛同する候補者に投票できる場があるに越したことはない。
 今回の中泊町長選に出馬した2人の候補者も地元の基幹産業である農漁業をはじめ、幅広い分野で自らのビジョンを示したはずだ。久々の選挙戦であり、それが激しいものだったのではあろうが、現金を報酬に自陣営の候補者への投票や票の取りまとめを依頼するのは、有権者を侮辱したことに他ならない。
 このような許されない行為を現職議員が行った場合、どのような結果を招くかは、14年の平川市長選に絡む選挙違反事件などを見れば、明らかなはずだ。同事件では議員20人のうち15人が逮捕され、議会運営に大きな支障をもたらした。他自治体の事件だったとはいえ、今回の選挙違反事件の逮捕者は何も学ばなかったのであろうか。
 5月10日付の本紙では、「非常に残念」「町の名誉を傷つけた」といった中泊町民の嘆きや落胆の声を伝えた。傷つけられた町の名誉を回復するのは容易ではない。さらに心配されるのは、この種の事件がたびたび発生することによって、地域振興への熱意や意欲を失う町民が出てこないかということだ。
 旧中里町長時代から通算5期18年務めた前町長は勇退し、町は新たな町長の下で歩み始めている。中泊町も全国の地方自治体と同様、人口減少などさまざまな問題を抱えている。選挙の結果は結果として、町は一体となって地域の活性化に取り組まなければならないはずだ。
 自陣営の関係者が逮捕された落選候補者は本紙の取材に「みんなと“津軽選挙”と呼ばれる行為は絶対行わないと約束していた」と語った。この言葉が事実だと信じたい。
 あしき“伝統”を受け継ぐ必要はない。有権者の嘆きにしっかり耳を傾け、今回の事件を教訓としたい。

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さくらまつり閉幕「盛況だった100年目の祭り」

2017/5/10 水曜日

 

 4月22日に開幕した弘前さくらまつりは、16日間の会期を終え、5月7日に閉幕した。100年目の祭りとなった今年の人出は251万人で昨年を15万人上回り、2011年の東日本大震災発生以降、最多を記録した。
 会期中は好天に恵まれ、低温が続いたことで桜の見頃も長持ちしたことが人出につながったようだ。“主役”の魅力が誘客に結び付いたことはもちろんだが、さらに今年は祭り100年を記念した関係者による仕掛けもさまざまあり、功を奏した結果だろう。
 時代を超えて今に息づく弘前公園の桜の美しさと祭りを存分に楽しみ、内外にアピールする機会となったことは間違いない。来年の100周年への弾みとなったことは大きな成果といえる。
 今年は弘前公園のソメイヨシノが4月18日に開花し、平年(同23日)よりも早咲きとなったものの、その後低温が続いた影響で満開は同25日となり、花の見頃が長持ちした。人出は同30日に会期中最多の34万人を記録し、この前日の29日は30万人を記録した。
 祭り100年目を盛り上げようと、観光人力車、中濠(ぼり)での船頭付き和船運行、弘前さくら桟敷の三つの新企画も行われた。観光人力車は多い日で一日50回運行する盛況ぶりで、観光客がひと味違う人力車からの桜の眺めを楽しんだ。
 船頭付き和船は利用者が計6000人を超え、多い日は100人以上待つことになり、発券を一時中断するほどの人気だった。ワンランク上の上質な花見が楽しめる弘前さくら桟敷は、地元食材を生かした弁当や津軽三味線の生演奏を楽しめるとあって、多くの観光客らが利用した。三つの新企画は軒並み好調で、新たな観光コンテンツとして今後も期待できそうだ。
 このほか、大正~昭和初期当時の祭りで見られた仮装行列を再現したパレードや打ち上げ花火を行った「弘前観桜会記念日」の5月3日には16万人が来場した。ソメイヨシノの見頃が過ぎたGW後半も、こうしたイベントや好天が人出を後押しし、多くの観光客が遅咲きの桜を楽しみながら祭りを満喫した。人出に比例して、出店の売り上げや宿泊関係も好調だったようだ。
 園内では、ちょうど弘前城本丸の石垣解体工事が始まっている。こちらも約100年ぶりで、工事に伴って天守も曳屋(ひきや)されており、世紀の解体作業を一目見ようと訪れた観光客も多いはずだ。
 外国人観光客も例年以上に目立ち、弘前さくらまつりが国内のみならず国外にも発信され、周知されていることがうかがえる機会でもあった。
 100年目の祭りでの手応えを生かして、さらなる集客に向けた施策を企画・展開し、来年の100周年を盛り上げたい。

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英国EU離脱交渉「世界潮流の変化を注視」

2017/5/6 土曜日

 

 英国が欧州連合(EU)からの離脱通告を行ってから1カ月余りが経過した。この間、同国のメイ首相は周囲も予想していなかった前倒し解散・総選挙の実施を宣言。首相は離脱についてEU単一市場からも脱退する「ハード・ブレグジット」(強硬な離脱)を目指しており、この考えが国民の支持を得るか、あるいはより柔軟な路線への揺り戻しがあるのか、英国民の判断が注目される。一方で、EU側は先月末に首脳会談を開き、同国との交渉指針を採択した。指針では英国が早期開始を求める協議内容について後回しを決めるなど、両者の関係性は厳しさを増しているように見える。
 6月上旬に行われる総選挙では、最近の各種世論調査によると、与党・保守党の地滑り的大勝が予想されるという。メイ首相は「保守党への一票一票がEUとの交渉で私を強くする」と述べる。選挙で圧勝して、国内での圧倒的な支持を背景にEUとの交渉を優位に運びたいとの思惑が見て取れる。
 これに対し、昨年のEU離脱を問う国民投票で敗れた野党・労働党を中心とした残留派は、総選挙で離脱賛成派とほぼ拮抗(きっこう)する得票率(48%)を獲得しただけに、こうした勢力を再結集し、メイ首相の「ハード・ブレグジット」を、より柔軟な路線に転換させる好機と考えている。ブレア元首相(労働党)は離脱問題を「メイ首相に対する逆風にできる」と強調するなど、党勢回復に向けても重要な選挙と位置付けている。
 一方、EUは首脳会談で英国との交渉指針を採択したが、英国が早期開始を求めている自由貿易協定(FTA)など将来の関係に関する協議を後回しとした。EUは優先交渉分野での「大幅な進展」をFTA協議に着手する条件と掲げている。英国の未払い分担金などの優先分野での交渉をめぐる英国、EUの駆け引きが始まっている。
 EU内では英国政権党の総選挙での勝利がメイ首相のEUに対する立場を優位にするとの見方に対し、冷ややかな視線が送られている。交渉は総選挙後に本格化するが、これまでの欧州を形づくってきた関係性がゼロから見直される事態となるだけに原則2年の期間内で交渉を完了させるというのは至難の業だろう。
 グローバリゼーションのある意味、行き過ぎた進展による反動が、英国のEU離脱決定を促したと言える。相次ぐ植民地の独立に見舞われた英国がEU結成の道を選び、そして今また離脱の道を選ぼうとしている。日本の近代化、民主主義化の過程に多大な影響を与え続けてきた英国、そして欧州は、今またグローバリゼーションの進展とそれに伴う反グローバリゼーションの台頭という世界の潮流の最先端にいる。近代化と民主主義政治の先輩である彼らの動向を注意深く見ていきたい。

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