社 説

 

深浦の中学校統合「保護者の思いをくみ方向性を」

2019/3/9 土曜日

 

 将来的な生徒数減少が見込まれる深浦町の深浦、大戸瀬、岩崎3中学校の統合を含めた将来的な在り方について、町教育委員会が町内の児童、生徒と保育園児の保護者を対象にしたアンケートの結果を明らかにした。それによると、全体の75%が「統合に賛成」との考えを示した。統合する場合、町中心部の深浦と町南部の岩崎という2校、これに大戸瀬を加えた3校でのパターンがそれぞれ考えられるが、町北部の大戸瀬は「3校での統合に反対」とする意見が過半数の65%を占めており、「3校での統合が良い」が過半数となった他2中学校の保護者らとの見解に温度差があることも明らかになった。
 こうした結果を受けて、吉田満町長と町教委でつくる総合教育会議は2019年度の早期に「(仮称)町立中学校のあり方検討委員会」を設置した上で、統合の方向性を協議することを決定した。協議結果の答申を受けた吉田町長が最終的に決断するが、おそらく統合は避けられない。通学時間や手段などを含め、生徒や保護者にとって最も良い形は何なのか検討を重ねてほしい。
 3中学校の生徒数の合計は今年度(18年5月現在)が169人だが、28年度には89人にまで減少する見通しだ。中でも岩崎中の状況が深刻で、今年度(同)の35人に対し、28年度は13人となるもよう。その他2校も岩崎中ほどではないまでも、生徒数の減少は避けられない状態となっている。
 アンケートによると、「3校での統合が良い」とする回答が全体の52%を占めた。ただ、学区別に見た場合、この意見は深浦、岩崎が過半数であるのに対し、大戸瀬は35%にとどまり、逆に3校統合に反対する意見が過半数を占める結果となっている。これは、大戸瀬地区が鯵ケ沢町と隣接し、同地区北部から深浦町中心部へ車両で移動する場合、30分前後を見込む。このため合併後の存続校を深浦中とした場合、スクールバス対応になるとはいえ、通学時間が長時間化することに懸念があると思われる。
 中心部に中学校を一つ配置すれば、どの地域からでも通学しやすい自治体とは異なり、南北に長い深浦町。通学時間が長くなることは岩崎地区も同様だが、温度差が生まれることの背景には何があるのか、今後考えていく必要があるのではないか。
 町や町教委は学校統合の理由の一つに、将来的な進学や就職に向け、早期から多人数での集団生活に慣れてもらうことを挙げる。小中学校とも同じ同級生の間で過ごす児童生徒が、それ以外の環境に置かれた場合にうまく対応できるようにとの配慮もある。一方で、一部保護者の複雑な思いや懸念があることも事実だ。検討委では、そうした声をくみ取った上で将来的な方向性を示してほしい。

∆ページの先頭へ

北ミサイル動向「あらゆるケース想定し備えを」

2019/3/8 金曜日

 

 事実上の決裂に終わった米朝首脳会談から1週間。韓国の情報機関、国家情報院が、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)製造拠点である研究施設に動きを把握したと、韓国各紙が報じた。制裁解除に失敗した北朝鮮が、ICBM製造をちらつかせて、米国の譲歩を引き出す狙いが見える。
 報道によると、平壌郊外の山陰洞にあるミサイル研究施設に活発な物資移動の動きがあることが把握され、このことは国会に非公開で報告されたという。米シンクタンクの戦略国際問題研究所も、東倉里のミサイル発射場で、撤去した施設の復旧が進んでいると分析している。
 研究施設は米本土を射程に収めるというミサイル「火星15」を製造したことで知られる。両施設を実際に稼働させようとしているのか、それとも監視されているのを逆手に取って製造・発射準備を進めているように装っているのか。どちらにしても金正恩朝鮮労働党委員長が、大国である米国と対等な立場であることをアピールして自身の求心力を強めると同時に、米国に揺さぶりを掛けることは可能だ。
 報道を受け、トランプ米大統領は「もしそうなら、非常に失望する」と表明した。昨年6月の初会談は朝鮮半島の非核化を進め、平和と繁栄を目指すことで合意。先月27、28日の第2回会談は合意や共同宣言を導き出すことはできず、予定された昼食会もキャンセルするなど物別れに終わったが、正恩氏から核・ミサイル実験しないことを確認した。正恩氏が「新年の辞」で「われわれは既に、これ以上核兵器を製造したり、試験したりせず、使用も移転もしないと内外に宣言し、さまざまな実践的措置を取ってきた」と強調したことを考えると当然の結果ではあるが、改めて念押しできたのは会談の成果と言えるだろう。
 それなのに、新年の辞から約2カ月、2回目の首脳会談から1週間で、ミサイル関連施設復旧に着手した。常識的に見て理解に苦しむ。トランプ氏は「まだ初期段階のリポートだ」と、北朝鮮側の真意を見極める必要があるとしたが、対話を重視してきただけに、裏切りのような行為に心中は穏やかではないだろう。
 もしミサイル関連施設が全面復旧し、発射可能になったなら、日本も人ごとでなくなる。列島上空を通過し米本土へ発射したり、日本海に向けて試射したりしたらどうなるか。国土防衛を強化するとされる陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」配備計画は、当初の政府説明額より膨らみ、配備予定地の秋田、山口両県内に反発もあるなど、不透明感が漂う。米国の対応が第一だが、核・ミサイルの危機に加え拉致問題を抱えるわが国も、米国と緊密に連携して動向を注視しつつ、あらゆるケースを想定して備えを万全にする必要がある。

∆ページの先頭へ

リンゴ園基盤整備「作業安全面への取り組み急務」

2019/3/7 木曜日

 

 冬の厳しさもこのごろは緩み、春の到来を実感している。津軽地方の基幹産業であるリンゴ生産は、品質を大きく左右する剪定(せんてい)作業など、春作業が本格化する時期だ。良品生産に向け、生産者の気持ちも高まっていることだろう。
 リンゴ生産は、日々の管理に加え、霜害や台風といった自然災害など、出来秋に向けて気を配らなければならない点が多々ある。その中でも、日常の作業をいかに安全に行うか、その対策は最も配慮されるべき基本的な事柄と言っていい。
 リンゴ生産は剪定、薬剤散布、摘果、着色管理、収穫と年間を通じて多くの作業が必要となる。ただ、こうした作業を行う園地は中山間地域にまで広がるため、場所によっては傾斜地も多く、必ずしも作業に適した環境にあるとは言えない。生産者からは、生産者の高齢化や労働力不足を背景にした作業事故が増えているとの声も聞かれる。将来を見据え、より作業をしやすい環境に園地を整えることが急務となっている。
 農業関連の作業事故として目立つのが、薬剤を散布する際に使う、自走式の噴霧機械・スピードスプレーヤーが関わる事故だ。過去10年間(2008~17年)に起きた事故件数194件のうち、リンゴを含む果樹は73件に上り、死亡者数も105人に対し、果樹が36人となっている。果樹生産では、スピードスプレーヤー事故の比率が高いことが分かる。
 もともと不整地での作業が前提となるため、安全な運転には注意を要するが、急傾斜地となれば、さらに操作は難しくなるだろう。中南地域のリンゴ栽培面積の中で急傾斜とされる傾斜度15度超えの面積は全体の9%近くもある。県内6地域では最大の面積で、こうしたこともあってか、同地域では近年、スピードスプレーヤー絡みの事故が目立つ。
 県はこうした状況に対応するため、急な傾斜地にあるリンゴ園を基盤整備するための設計指針を策定した。指針では、リンゴ樹を切らずに園地を生かした整備が可能で、農作業中に事故が発生しづらい園内道の幅員などの基準値を設定している。国が示すほ場(田畑)整備の指針やスピードスプレーヤーの模擬走行試験の検証結果から、安全作業が可能な園内道の幅員や勾配などの基準値が設定されており、生産者が自ら整備できるようにしているという。
 県は、設計指針の農家向けパンフレットを作成し、農協や中山間地制度に取り組む農家組織にPRして普及していく考えだ。こうした園地整備が進めば、作業環境の安全性が高まるだけでなく、作業の効率化にも役立つことになるだろう。働きやすい環境が園地の整備面からも進めば、新規就農や異業種からの参入にもつながりやすい。リンゴ園地の作業安全面からの取り組みは官民挙げて取り組むべき課題だ。

∆ページの先頭へ

高卒求人3倍超「労働環境改善で人材確保を」

2019/3/6 水曜日

 

 3月で卒業する県内高校生の職業紹介状況(青森労働局まとめ、1月末現在)で、統計が始まった1994年3月卒以降、県内求人倍率が過去最高の3・03倍を記録した。3倍を超えたのは初めてという。
 リーマンショックのあおりを受けて県内求人倍率が0・80倍まで落ち込んだ2010年1月末とは隔世の感がある。3・03倍が、生徒個々の希望や適性にかなった事業所への就職につながる数字であればいい。
 高校生の就職内定率は、県内・県外合わせた全体で94・9%。今回は過去最高を記録した前年をさらに上回る形で推移している。求人倍率の高さは、好調な就職内定率を下支えしていると言っていい。
 求人倍率が高い背景にはまず、近年指摘されている企業の人手不足に伴う求人増が挙げられる。県内でもここ数年求人数の伸びは顕著で、今回は製造業(業務用機械器具製造業など)、建設業、卸売業・小売業、運輸業・郵便業といった分野が目立つ。大学卒業予定者を対象とした採用枠を高校生にも広げた企業もあると聞く。
 もう一つの背景は、県内就職希望者が緩やかな減少傾向にあることだ。少子化の進展や進学志向の生徒の増加により、就職希望者は最少の3156人(うち県内は1709人)だった。
 もっとも、県内就職内定率は91・5%。前年同月を0・2ポイント上回っているが、県外就職内定率99・0%には及ばない。就職内定者に占める県内の割合は52・2%で、前年同月を2・8ポイント下回っている。一方で、県内就職希望でまだ内定を得られていない生徒は146人いる。希望をかなえられる生徒が少しでも多くなるよう、支援が求められる。
 企業側にも、新卒者獲得に向けた労働環境の充実が必要だ。県内の雇用環境の現状は既に「売り手市場」と評して差し支えないだろうが、この傾向のまま推移するならば、人材確保がいっそう困難になるのは目に見えている。
 本県の労働環境は長く、低賃金と長時間労働が指摘されていた。これを改善しないことには始まらない。生徒本人の意向はもちろんだが、低賃金・長時間労働に苦労してきた親ならば、子どもを同じ境遇に置きたくはあるまい。
 賃金や労働時間ばかりではない。休暇の取得、女性ならば産休・育休後の職場復帰など、福利厚生面の充実も欠かせない。
 採用意欲はあってもこれらに対応できなけれは、人材を確保できないばかりか社員の流出も誘発する。人手不足のままでは当然社員に無理が生じ、提供する商品やサービスの質の低下も招く悪循環に陥る。労働環境の向上は、社員のみならず会社自体を守るという意識が必要だ。

∆ページの先頭へ

雇用情勢「柔軟な対応で働き手を増やせ」

2019/3/2 土曜日

 

 本県の1月の有効求人倍率(季節調整値)は1・35倍となり、過去最高となった。前月比で0・04ポイント上昇し、2016年3月から35カ月連続で1倍超が続いている。直近の雇用失業情勢を示す新規求人倍率(同)は1・99倍で、前月を0・20ポイント上回り、こちらも1963年の統計開始以来、過去最高の数値を記録した。
 回復基調にある県内経済を背景に、求人数は堅調に推移しているが、求職者が減っていることが主な要因だという。
 本県の雇用情勢は1960年ごろから長期低迷が続き、0・20倍前後で推移。1981年、82年には過去最低となる0・14倍を記録している。0・14倍では、職探しは相当厳しかったことだろう。その後はバブル経済を追い風にいったんは上昇するものの、2008年のリーマンショックなどで09年には0・29倍まで下降するなど、厳しい時代が長かった。
 本県の1月の全国順位は38位。トップの東京都、福井県は2・12倍で、他都道府県と比べれば決して上位とは言えないし、公共職業安定所別で見ると、弘前、五所川原、黒石などは求人倍率(原数値)は1倍に届かず、地域によってはまだ厳しさが残る。だが、青森、八戸などは1・4倍超。県全体で見れば、雇用情勢は確実に改善を続けていると言える。
 ただそれは言葉を換えれば、人手不足だということだ。求人数は18年の新規求人数では微減だが、全体としては堅調で推移。一方の求職者数は減少が顕著だ。
 有効求職者数(季節調整値)、新規求職申込件数(同)はともに過去最少を記録。新規の求職申込件数(原数値)は7229件で、前年同月に比べて693件(8・7%)減り、在職者や離職者、無業者の別を問わず、事業主都合による離職者も自己都合も減少している。有効求職者数(同)は2010年1月から109カ月連続で、前年同月を下回る状態が続いているという。
 1月は正社員の求人が全体の4割を占め、正社員有効求人倍率(同)も0・96倍で、過去2番目に高かった。正社員の職を求める人には朗報だが、求職者が減り続けている現状では、多様な働き方を示し、フルタイムには適合しない働き手も取り込む工夫が求められるだろう。
 青森労働局は住民に最も身近な市町村との連携を重視。今後、自治体と協定を締結するなど連携してチラシ配布などのPRや、就職面接会を開くなどして、必要な情報を求職者に届けたいとした。同時に事業所には労働時間を区切り、短時間勤務の複数の求人として出すなどの工夫もあっていいのでは、と助言する。
 必要な人員の確保は今後、一層厳しくなることが予想される。就職難の時代は終わり、求職者はより魅力のある職場を選べる。各事業所は従来の働き方にとらわれず、多様な働き手を受け入れられる職場づくりが急務だと認識すべきだ。

∆ページの先頭へ

Page: 1 2 3 4 5 6 ... 112

当サイトでは一部、Adobe Flash・PDFファイルを使用しております。閲覧にはAdobe Flash Player・Adobe Acrobat Readerが必要です。最新のプラグインはアドビ社のサイトより無料でダウンロード可能です。

  • Adobe Flash Player ダウンロードセンター
  • Adobe - Adobe Reader ダウンロード