社 説

 

まちあるき博覧会「ニーズ把握しさらなる展開を」

2017/7/12 水曜日

 

 弘前市など中南津軽7市町村の街歩きが集結した「中南津軽まちあるき博覧会2017」が展開され、人気を集めている。7月23日まで、期間中のみのスペシャルコースを含む32コンテンツの街歩きを楽しめる内容で、津軽の魅力満載といったプログラムになっている。昨年に続き2回目の開催となる博覧会は、中南津軽7市町村のそれぞれの個性ある街並みや風景、文化、歴史を体感できる。知名度をさらに広げて津軽地方を代表するイベントに成長させていきたい。
 街歩きという新しい観光コンテンツが登場して、それなりの時間が経過したが、すっかり定番の観光商品として定着したように思う。それまでの団体客を中心に名所・旧跡を巡る団体ツアーの形態から、個人・グループ客が中心の観光スタイルに変わるにつれ、その土地の文化や生活をより深く知ることや、体験することを求めるニーズが観光客側から強まってきた。そうした流れに街歩き観光がマッチしたのが、この流行を生んだといえるだろう。
 本紙でも紹介したが、街歩きの中でも古写真や古地図を片手に街の歴史を探る「ヒストリーピン」というコンテンツが人気のようだ。6月下旬に弘前市の下町かいわいを巡った街歩きでは、藤田記念庭園からスタートし、下町周辺を散策。岩木川が昔は二手に分かれていたことを聞きながら、古地図を見比べ、かつての流路などを巡った。参加者は弘前城の外郭の一部だった馬屋町や寺山修司の出生地の紺屋町など下町に残る歴史に触れ、弘前城についても地形などを考察し、要害ぶりを確認したという。
 ヒストリーピンは、より深くその土地を知ることができる体験型観光を実践するものとして、格好の素材と言えそうだ。博覧会では第3弾の企画もあるようで、バリエーションを増やしながら街歩き観光の目玉となるよう創意工夫が図られることを期待したい。
 弘前の街歩きでは、先日、NHKの人気紀行番組「ブラタモリ」が弘前を舞台に放映された。“サムライ”をキーワードに弘前公園の桜の管理やリンゴの生産技術などについて、弘前の独自性を分かりやすく解説していた。観光客が弘前・津軽を訪れた時に興味を持つ部分は何かということを知る上でも良いヒントになった番組だった。
 中南津軽まちあるき博覧会には32のコンテンツが備わっている。「津軽の手しごと『こぎん刺し』体験とレトロ洋館散歩」「白神の恵みと里山暮らし」「まちなか探訪ツアー」など、個性豊かな仕掛けがちりばめられているが、観光客が津軽のどのようなものに興味を持っているのかは、どのコンテンツに人気があるかを見れば、分析できるだろう。観光客のニーズを的確に把握し、さらに津軽の街歩き観光を充実させていきたい。

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熱中症に注意「予防対策と体調管理は万全に」

2017/7/11 火曜日

 

 今年は全国的に厳しい暑さに見舞われている。本県もここ数日、急に気温が高くなり、10日には弘前市で最高気温34・0と、今季一番の暑さを記録した。
 急に厳しい暑さが続くと、注意したいのは熱中症だ。消防庁のまとめによると、今年の熱中症による救急搬送者数は昨年同時期を上回って推移している。
 体が暑さに慣れない7月は特に注意が必要だ。厳しい暑さはしばらく続く見通しのため、熱中症に関する正しい知識と対策を頭に入れ、体調管理に万全を期したい。
 青森地方気象台によると、弘前市は6月30日に最高気温30・1度で今年初めて真夏日を記録。県内はその後7月に入ってから軒並み暑い日が続き、三戸、十和田などは7日から4日連続の真夏日となっている。弘前も9日に32・9度、10日は平年を8度以上上回る34・0度まで上がった。気温の上昇に体がついていかない人も多いことだろう。
 消防庁によると、今年の熱中症による救急搬送者数は5月1日~7月2日までの速報値は7993人で、前年同時期より250人ほど多い。週別推移では6月26日~7月2日に約2000人近くに達し、前週の約2倍に増加した。本県も5月1日~6月25日は33人だったが、同26日~7月2日の1週間で23人に上っている。気温が高くなったことが影響しているとみられる。
 5月1日~7月2日に救急搬送された人を年齢別にみると、65歳以上の高齢者が約半数を占め最も多い。次いで成人が32・0%を占めており、体力の過信は禁物だ。発生場所を見ると、住居が約3割を占め最多だ。熱中症といえば、屋外での発症が多いイメージがあるが、意外にも自宅で発症するケースが多いようだ。
 熱中症は温度や湿度が高い中で体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなって体温上昇、めまい、頭痛、ひどい場合は意識障害、運動障害など、さまざまな症状を起こす。救急搬送例を見ても分かるように、家の中でじっとしていても室温や湿度が高い場合は熱中症になるため、注意が必要だ。
 特に高齢者の場合は、体温を下げるための体の調整機能が低下しており、暑さや水分不足に対する感覚機能も低下しているため、自覚がないのに熱中症になる危険がある。体温調節機能が未熟な子どもも注意しなければならない。室内では扇風機やエアコンを使ったり、小まめな換気、遮光カーテン、打ち水などで室温が上がりにくい環境づくりに努めたい。
 仕事中の発症にも注意したい。厚生労働省は今年初めてキャンペーンを展開し、職場における熱中症対策を推進している。県内で昨年、熱中症による労災が目立った建設業や製造業といった各職場での予防対策を徹底したい。津軽地方はリンゴ園など農作業中も注意が必要だ。

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若者の県内定着「効果的な情報発信を」

2017/7/8 土曜日

 

 2018年3月卒業予定の高校生に対する企業からの求人票が1日公開され、県内企業が6月に提出し、受理された求人数は3380人(速報値)で、公開前の数値としては統計が残る1994年3月卒以降最多となったことが分かった。
 人口減少が急速に進む中、若い労働力の確保は本県の活気を維持していくため重要な要素。県内就職の促進という面で今シーズンは幸先の良いスタートを切ったと言えるが、企業には今後もさまざまな機会を捉えて若者にアピールし、優秀な人材確保に真剣になってほしい。
 1日の公開前の時点で、県内9公共職業安定所の求人受理状況(速報値)は求人票を提出した事業所数が前年より288社増の810社、求人件数も同410件増の1225件、求人数は同944人増の3380人といずれも増加。職安別で見ても全職安で増加した。求人票の受け付け開始時期が例年の6月20日から、今年は同1日に早まったことも影響しているが、やはり景気回復で企業側の採用意欲が高まっていると言えるだろう。
 職種別でも「生産工程」の求人数が前年より191人増の851人となったことを筆頭に、「販売」は同180人増の474人、「サービス」は144人増の824人、「管理、専門・技術」が同100人増の392人など全て増加。生徒からすれば選択肢が増えたことに加え、公開時期が早まったことから、じっくり検討する余裕ができる。こうした動きを若者の県内定着に確実につなげられるよう取り組みを進める必要があるだろう。
 本県の若者の県内定着率は決して高くはない。15年3月卒の就職状況を都道府県別に見ると、最も県内就職率の高い愛知県が96・8%、次いで大阪府が93・2%と高く、平均でも81%と8割以上が地元に就職している。一方、本県は55・8%と佐賀県と同率でワースト3位タイ。最下位だった鹿児島県の54・2%と比べてもほとんど変わらないほど低い。
 こうした現状を受け、県は6~7月、高校生を対象に本県の暮らしやすさをPRする集中プロモーションを始めた。高校生モデルが登場する冊子を全高校2年生に配布、青い森鉄道の車両をPRポスターで“ジャック”するなどしてアピール。高校生忍者が「青森の暮らしやすさ」という宝を探すというコンセプトで作成、若者の興味を引くよう工夫した。
 冊子では「家賃が安い」「夏季の暮らしやすさ」「水がおいしい」「子どもを預けられる」「通勤時間が短い」など、生活する上で重要な暮らしやすさの指標100項目について、全国でも上位にあることを数値で示し、本県での暮らしを具体的にイメージできるようにした。
 本県の将来を考えると、若者の県内就職率をせめて全国平均に近づけるような取り組みが重要と思う。効果的な情報発信を模索し、継続していくべきだ。

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自民惨敗「首相の求心力低下は不可避」

2017/7/7 金曜日

 

 2日の東京都議選で自民党が歴史的大敗を喫した。告示前の先月末、安倍政権の支持率急落を基に「相当厳しい結果になる」と予想したが、想像を上回る惨敗に驚くと同時に、政権に対する国民の目が厳しさを増していることを実感した。
 ニュースで見たが、選挙戦の最終盤、東京・秋葉原で演説した安倍晋三首相が聴衆からの「首相辞めろ」というやじに対し、感情的に「こんな人たち」と指を指す場面があった。首相らしからぬ、それも1週間ほど前に「つい強い口調で反論してしまう姿勢を深く反省している」と話した当人とは思えぬ行動であり、口先だけの反省だったことを国民に示してしまった。
 敗因は強引な国会運営による「共謀罪」法の成立、「加計学園」問題、元政務官の暴言、防衛相の不適切発言など挙げれば数限りないが、これらは“安倍1強のおごり”の表れだろう。
 首相は「政権に緩みがあるのではないかという厳しい批判があったのだろう」と語った。そうではなく、反対や批判に対する首相や政権の過度な対応、それによって自民党内にさえ漂う「政権に物を言えない空気」を国民が感じ取った結果ではないだろうか。
 当然、首相の求心力低下は避けられない。2018年12月の衆院議員任期満了をにらんだ解散戦略への影響について、自民党内は「解散は遠のいた」との見方が支配的だ。
 さらに首相は18年秋の党総裁3選を前提に、憲法改正案を今年中に国会提出する意向を表明しているが、今後は論議の進め方について国民の目を意識せざるを得ず、自民党や公明党からは慎重な対応を求める声が上がっている。
 また、石破茂前地方創生担当相が都議選について「なぜこのようなことになったのか。分析して改善する努力を早急にやらないといけない」と執行部に総括を要求するなど、自民党内の“物言えぬ空気”も微妙に変わりつつある。
 急落した支持率を回復するためにも、“おごり”と受け取られかねない対応は避けたい。首相不在ながら加計学園の閉会中審査に応じたことは、これまでと違い、腰の引けた政権の姿勢とも取れる。
 話は変わるが、都議選期間中も閣僚や元政務官らの失言や暴言が連日テレビで取り上げられ、惨敗の一因になった。
 麻生太郎副総理兼財務相の新派閥旗揚げ会見では、山東昭子元参院副議長が「言動が政権すら揺るがしかねないことを考え行動する必要がある」、佐藤勉衆院議院運営委員長は「新派閥は礼儀、議員としての矜持(きょうじ)といったものを教育する場になる」と語った。
 自分の感情をコントロールできない首相も問題だが、ベテラン議員が嘆くほど若手の質が下がっていることの裏返しだろう。政界の将来が本当に心配だ。

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メバル膳3年目「人気定着へ一層の取り組みを」

2017/7/6 木曜日

 

 中泊町の「中泊メバルの刺身と煮付け膳」(略称・中泊メバル膳)が、デビューから3年目を迎えた。2015年7月3日の発売から2年間で4万食以上を売り上げ、県内ご当地グルメの代表格にまで成長した。
 同町で水揚げされるメバルはウスメバルという種類で、小泊地区は県内一の水揚げ量を誇る。漁獲したウスメバルは、高級ブランド「津軽海峡メバル」として首都圏などで高値で取引されている。メバル膳は、このような地元の水産資源を最大限生かそうと考え出されたもので、尾頭付きの刺し身、熱々の煮付けが瞬く間に人気を集めた。地元漁港を不漁から救った魚として、「テンカラ(天からの贈り物)」と昔から呼ばれるメバルの価値は一層高まった。
 ウスメバルの旬は刺し網漁最盛期の6~8月ごろとされ、メバル膳を味わうのであれば、今が絶好の時期。町内の関係者は、さらに知名度を向上させようと躍起になっている。その切り札と言えるのが、姉妹品「中泊メバルでチン!」(略称・メバチン)の発売だ。
 メバル膳の献立に含まれ、知られるようになったメバルの煮付けをレトルトにした商品で、常温で約1年間保存できるようになっており、メバルの目玉が見えるユニークなパッケージを採用した。
 メバル膳を食べるために中泊町を訪れた人がメバチンを土産として買って帰り、周囲に配るなどすれば、PR効果は非常に大きい。メバチンを食べたことをきっかけに同町を訪れ、メバル膳を食べる人が現れることも十分考えられる。メバル膳、メバチンで誘客の好循環が生まれることを期待したい。
 改めて言うまでもないことだろうが、地域おこしや観光振興において「食」は必須要素。それ故に、ご当地グルメブームは衰えを知らず、新たな商品が次々と登場している。
 メバルの人気をさらに定着させるには、メバチンのような派生商品をさらに開発することも一つの考え方だろう。商品をシリーズ化することで、町関係者が強調する“メバル効果”をさらに高めることも可能なのではないか。
 欲を言えば、広く知られるようになったメバルがどれほど地域を潤し、住民に親しまれてきたかを消費者に知ってもらう取り組みにも力を入れてはどうか。地元にとって、メバルは生活の糧となる水産資源であるとともに、それを使った料理などは文化の一つでもあろう。
 このようなことを踏まえると、地元の若手漁師らがこれまでに企画した「メバルの網外し体験ツアー」などは非常に有意義と思われる。消費者が漁師と交流し、質の高いメバルを漁獲できる理由、メバルのおいしい食べ方などについて理解を深める。こうして食べるメバルはまた一味違うのではなかろうか。

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