社 説

 

ドーピング問題「東京五輪へ対策強化を」

2018/2/15 木曜日

 

 平昌五輪で極めて残念な事態が生じてしまった。スピードスケート・ショートトラック男子日本代表選手が、ドーピング検査で禁止薬物の陽性反応が出たため、暫定資格停止処分を受けた。夏季五輪では1984年ロサンゼルス大会でバレーボール男子の日本選手から興奮剤が検出された例があるが、冬季五輪では初めてのケースとなる。
 選手は「ドーピング(違反)を行おうと考えたことはこれまでに一度もありません。アスリートとして絶対にしてはいけないと理解していました」とし、「偶発的に起きた出来事により、禁止薬物が無自覚のまま口に入ったものとしか考えられません」とするコメントを発表。監督も「(選手は)ドーピングに関しても意識は高かった。なぜ陽性が出るのか不思議でならない」と困惑する。
 同じ日本人として選手、監督の言葉を信じたいし、偶発的な事態だと願う。現段階で違反がなかったと反証する証拠はないようだが、ドーピング違反の有無が審議される大会終了後までに経緯が解明されることを期待したい。
 今大会、ロシアは組織的なドーピング問題が発覚したために選手団の派遣が禁じられ、個人資格での出場のみが認められた。ロシアの問題が影を落とす中、最初にドーピングが発覚したことは、海外の日本に対するイメージを悪化させたことは間違いないだろう。
 これまでクリーンなイメージがあった日本だが昨年、薬物違反が競泳、自転車、レスリングなどで頻発。今年1月には、カヌー選手がライバル選手の飲料に禁止薬物を混入するという前代未聞の不祥事も発覚し、海外でも報じられた。
 2年後の東京五輪に向け、傷ついたイメージを回復する取り組みが求められる。国内ではアンチ・ドーピング機構などが中心となり、啓発や教育を軸に反ドーピング活動が進められてきた。今回の事態を受け、スポーツ庁の鈴木大地長官は「啓発活動を繰り返し、しつこいぐらいに話をしていくしかないだろうと思っている」と話した。
 啓発などで選手の良識に頼る部分は多いだろうが、他者の悪意から選手を守る策を講じることも必要だろう。カヌー選手の不祥事を受け、同競技連盟は競技会場で禁止薬物混入を防ぐためのドリンク保管所設置と監視の強化といった再発防止策を取った。こうした対策を加速させていくことも重要だ。
 欧米などに比べ、日本はドーピングに対する取り組みが遅れていることは否めない。それは、日本のスポーツ界が健全だったことの裏返しと言えるかもしれないし、必ずしもネガティブに捉える必要はないだろう。ただ、東京五輪で日本選手がドーピング違反をすれば、日本のイメージ・ブランドは地に落ちるはず。それだけは避けなければならない。

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特殊詐欺の減少「油断せず被害防止策の徹底を」

2018/2/14 水曜日

 

 県警のまとめによると、2017年の県内の特殊詐欺被害は認知件数56件、被害額約7200万円で、ともに前年より減少した。ただ、新たな手口が続々と登場し、被害が相次いでいる状況に変わりはない。油断せずに防止策をこれまで以上に徹底したい。
 認知件数は前年に比べて12件減少。被害額は1億3000万円余りも減った。被害額の大幅減少について、県警生活安全企画課は、金額に上限がある電子マネーを悪用した手口が増え、現金の手渡しや振り込みなどより被害額が少ないケースが目立ってきていることが一因ではないか―と分析している。
 詐欺の手口は多様化・巧妙化し続けている。新たな手口が、警察などの注意呼び掛けなどに伴って沈静化すると、また新たな手口が登場するという、いたちごっこが続く。このような状況を踏まえると、被害額の大幅減少も一時的なことで、さらに新たな手口が登場して急増する恐れは十分あろう。
 電子マネーも金額に上限があるとはいえ、油断はできない。全国では、9000万円近い還付金が配当されるとだまされた60代女性が、保証金の名目で数日にわたって電子マネー約300枚(約770万円分)を購入させられ、それらを使うための番号を犯人に知らせてしまったケースも見受けられる。
 電子マネーを悪用した手口について警察側は、幅広い年齢で被害に遭う恐れがあると警告している。実際、県内の全被害者の年齢を見ると、10代から80代までと幅広く、そのうち40代と50代が各11人で最多だった。従来は高齢者が被害に遭うケースが比較的多く見られたが、状況は次第に変化しており、電子マネーなどが絡む新たな手口が少なからず影響しているのではないだろうか。
 銀行などの口座に振り込ませるといった手口が主流だった時代は、被害の防止に向けて警察と金融機関が密接に連携。行員らが顧客の行動を不審に思った場合、金の使い道を尋ねるなどすることが定着した。近年はコンビニエンスストアでの決済を悪用した手口が増えており、被害の防止策を講じる上でコンビニ各社との連携が不可欠となっている。
 とりわけ、昨年夏以降、全国的にネット通販の商品購入代金などをコンビニ払いで行う「収納代行」を悪用する手口が急増しており、警察は今後も増える恐れがあると警戒を強めている。収納代行は全国で24時間いつでも決済でき、利便性が極めて高い。利用すれば一度に数十万円をだまし取ることも可能という。
 コンビニに設置されたマルチメディア端末を使った手口もあり、県内でも被害が確認されている。認知件数、被害額とも減少しているが、身近なところに危険は潜む―と改めて注意を払い、大切な財産を守りたい。

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インフル猛威「手洗い、マスクで感染拡大防げ」

2018/2/13 火曜日

 

 インフルエンザが全国的に猛威を振るっている。本県では1月29日から2月4日までの1週間(第5週)に県内65カ所の定点医療機関から報告された患者数が3537人、1定点当たりでは54・42人に上り、過去10年間で最多となった。
 全国では1定点当たりの患者数が54・33人となり、3週連続最多を更新。推計される患者数は約282万人とされ、県内でも全国でも大流行が続いている。例年以上に、体調管理に万全を期したい。
 県内では6保健所管内のうち最も患者数が多い上十三で1定点当たり88・56人。次いでむつが77・50人。三戸地方・八戸市が57・13人、東地方・青森市が53・85人といずれも50人を超過している。
 すべての保健所管内で前週より患者数が増えており、特に上十三は前週より10・34人増、むつは32・67人増、東地方・青森市も19・16人増といずれも患者数が急増。現在、弘前を除く五つの保健所管内で警報発令基準の1定点当たり患者数30人を上回っており、注意報が3週連続で続いている弘前も患者数が28・87人と警報発令が目前。県内全域で警戒が必要な時期がもうしばらく続きそうだ。
 今季はシーズンの始まりもやや早く、県がインフルエンザ流行入りを発表したのは昨年12月7日。例年であれば最初にA型が流行し、それが落ち着いた3月ごろにB型の流行が始まるとされるが、今季はB型が早く、二つの流行期が重なったことが患者数を押し上げる要因の一つとなっているという。昨年の本紙で既報だが、ワクチンが不足し、一部の医療機関で接種を一時止めるなどの事態もあり、不安に思った人も多かっただろう。
 インフルエンザは風邪に比べて症状が重く、子どもや高齢者らは重症化することもあり、十分な注意が必要だ。風邪は比較的ゆっくりと症状が出てくるが、インフルエンザは急激で、高熱を発することが多く、喉や鼻など一部の不調にとどまらず、関節痛や筋肉痛、だるさなど全身に症状が広がることも特徴。疑わしい場合は無理をせずに休んだり、早めに受診するなど、自分の体を守り、他人に感染を広げないような配慮をしたい。
 最新の動向ではB型が全体の約6割とB型の方が多いが、対策は型に関係なく同じ。感染した場合は他人にうつさないようにせきやくしゃみを人に向けない気配りが重要で、予防には外出後の手洗いやうがいなど基本的な対策を真面目にやるしかない。十分な休養や栄養を取るなど日々の生活を健康的なものに見直し、免疫力を高めるのも一つの手だろう。
 インフルエンザのシーズンは例年3月まで。福祉施設や医療機関など重症化のリスクが高い人が集まる場所では気の抜けない日々が続きそうだが、われわれ個人も感染すれば身近な家族や同僚らに影響を及ぼす。個人個人で予防策やかかったときの感染拡大防止を心掛けたい。

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冬季五輪開幕「北朝鮮包囲網の堅持を」

2018/2/10 土曜日

 

 韓国・平昌冬季五輪は9日開会式が行われ、冬のスポーツの祭典が華やかに開幕した。ただ、今回は北朝鮮による五輪の政治利用が影を落とす。韓国との合同選手団など融和的な動きの半面、開会式前日には軍事パレードを行い、核・ミサイル開発を堅持する意思を示した。国際社会は冷静に事態を見極め、制裁の包囲網を堅持すべきだ。
 北朝鮮選手の五輪参加が特例として認められたことをきっかけに、急展開をみせる“南北融和”の動き。北朝鮮船籍の貨客船を使った芸術楽団の派遣は、韓国の制裁措置の例外として認められた。さらには金正恩朝鮮労働党委員長の妹・与正氏が高官級代表団の一員として派遣されることが発表されるに至った。
 韓国大統領府の報道官は「韓半島の緊張を緩和しようとする北朝鮮の意志がこもっている」と代表団派遣を評価。その上で、「金正恩委員長の妹として党で重要な役割を果たしている。意義は大きい」と与正氏の訪韓を歓迎した。
 融和政策を推し進める韓国の文在寅韓国大統領。北朝鮮の要求を次々と認めているが、韓国国内の反応はどうか。
 芸術楽団の公演を伝えた日本のニュースでは、鑑賞した韓国国民の「統一について考えるきっかけになった」との声が紹介された。韓国の報道機関には警戒感を訴える声もあるようだが、世論が融和を支持し、制裁緩和を求める動きへとつながるのか注視する必要もある。
 日米両政府は北朝鮮の動きについて、国際包囲網の分断を狙っているとして警戒を強めている。安倍晋三首相とペンス米副大統領は7日の会談後、韓国が北朝鮮との安易な対話路線に傾くことに警鐘を鳴らした。
 両者は会見で「日米同盟の強固な絆において、さまざまな課題に対応していきたい」(安倍首相)「北朝鮮の挑発に終止符を打ち、脅威がなくなるまで(日米が)一緒にいることを強調したい」(ペンス副大統領)と同盟関係をアピール、韓国政府をけん制した。
 実際、北朝鮮は8日、首都・平壌で軍事パレードを行った。新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」や日本上空を越えた中距離弾道ミサイル「火星12」などを多数登場させるなど、トランプ米政権を強くけん制した。
 硬軟織り交ぜた揺さぶりで米韓の分断を図ろうとする北朝鮮。国際社会は惑わされることなく、核・ミサイル開発を中止するよう圧力をかけ続けるべきだ。
 一方、今回の五輪で日本勢には過去最多の金メダル獲得の期待がかかる。さらに県勢はアイスホッケー女子日本代表の中村亜実選手=八戸市出身=と、バイアスロン男子日本代表の立崎幹人選手=野辺地高出=が出場する。2人の活躍も大いに期待し、純粋に4年に1度の祭典を楽しみたい。

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弘前城雪燈籠まつり「冬の魅力を存分に発信したい」

2018/2/9 金曜日

 

 第42回弘前城雪燈籠まつりが、きょう9日開幕する。12日までの期間中、会場の弘前公園には市民らが作った雪燈籠や雪だるまなどが立ち並び、冬の古城を情緒たっぷりに演出する。
 今年は地元の企業や学校、有志グループなど62団体が参加し雪燈籠167基、雪だるま53基などを制作した。参加者がへらやのこぎりなどを手に雪を削り取り、丹精込めて作り上げた雪灯籠は祭りの主役だ。
 作り手によって出来栄えもさまざまだが、それぞれの思いを込め、訪れる観光客らに楽しんでもらおうと制作されており、市民主体ならではの温かさを感じられるのが祭りの魅力だろう。
 メインの大雪像は今年、弘前市上白銀町の市役所本庁舎(前川本館・新館)がテーマとなった。この建物は“モダニズム建築の旗手”と呼ばれた建築家・前川國男の作。市内には前川建築が8棟あるが、大雪像のテーマに採用されるのは初めてとなる。
 陸上自衛隊弘前駐屯地協力隊の協力により制作され、今年も細部にまでこだわった繊細かつ迫力十分な仕上がりとなっている。祭り期間中は毎日夕方、大雪像へのプロジェクションマッピングも行われる。
 毎年子どもたちに人気の雪の大滑り台や雪遊び場が設けられる他、約300基のミニかまくら、夏の弘前ねぷたまつりに出陣したねぷた絵を活用した津軽錦絵大回廊など、見どころ満載だ。弘前の冬ならではのイベントを多くの市民や観光客らに楽しんでもらいたい。
 今年は弘前公園外堀で「冬に咲くさくら」と銘打ったライトアップが昨年12月下旬から行われている。雪が積もった桜の枝は、まるで春の夜桜のように見え、凍結した堀は、桜の花びらが敷き詰められた「花筏(はないかだ)」のように見える。冬の城下町で“二度咲き”した桜の名所を楽しめるというわけだ。
 近隣の田舎館村では、冬の田んぼアート2018のイベントが9日から4日間行われ、人の足で雪原を踏み固めて幾何学模様を描き出すスノーアートが楽しめる。今回は、地元の有志団体が真っ白なキャンバスに挑むことになる。
 同時期に弘前市のはるか夢球場でも「冬の球場アート」が実施される。これらは弘南鉄道で巡ることができ、思い思いに両地域を周遊しながら雪が作り出す幻想的な世界を楽しんでもらいたい。
 津軽地域ではこれから各地でさまざまな冬のイベントが開催される。スキーなどのスポーツ、冷えた体をゆっくり癒やす温泉もたくさんあり、この時期ならではの郷土料理や地酒、シードルといった食も豊富だ。最近増え続ける訪日観光客や県内外からの観光客に津軽ならではの多彩な冬季観光をアピールし、誘客促進に結び付けたい。

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