社 説

 

県立高校再編「県一丸の少子化打開策を期待」

2017/4/27 木曜日

 

 2018年度以降の県立高校再編をめぐって県教委は26日、同年度から5年間を計画期間とする県立高校教育改革推進計画第1期実施計画案の内容を明らかにした。津軽地方では、五所川原工業と金木、鶴田、板柳4校の募集を停止した上で統合、五所川原工業に普通科を設置し西北地区統合校とする。このほか、黒石と黒石商業両校の募集を停止、黒石商業2学科を弘前実業に集約した上で中南地区統合校に。弘前実業農業経営科は柏木農業に集約、弘前工業定時制の募集停止といった内容が盛り込まれた。
 一方で、大学進学などに対応した取り組みを行う弘前など6校を「重点校」、職業教育を主とし専門科目の学習拠点となる五所川原農林など6校を「拠点校」とそれぞれ位置付けた。また中里や木造深浦校舎など地理的事情を考慮した6小規模校・校舎を「地域校」とした。
 長い間、地域と共に歩んできた高校がなくなるという事実を突き付けられた地元関係者や卒業生らの複雑な心情は想像できる。しかし、17年度以降10年間で約3100人の生徒数減が見込まれる本県の状況に対応するため、県立高校再編は不可避であることは事実。学級数減といった措置だけでは限界となっていた。
 今後、県教委は計画案について各地で地区懇談会を開き内容を説明、7月にも正式決定する。県教委側、地元側と互いに譲れない部分はもちろんあるだろう。しかし、ともに納得する道を探り出していかねばならない。
 高校再編に関し、04年に決定した計画では小規模校の校舎化、分校の閉校が盛り込まれた。特に不登校生徒の受け皿となり、指導に成果を上げてきた五所川原東(当時)の校舎化と将来的な閉校という措置に対しては、地元関係者が「存続させる会」を発足させ、存続を訴えるまでに至った。さらに04年当時の県教育長は県議会一般質問で、09年度以降の見通しについて触れ「相当規模の統廃合が必要になる」と今に至る現状を予見していたかの答弁を行っていた。
 04年当時生まれた赤ちゃんは、間もなく高校入試を控える年齢となる。状況は当時から変わっておらず、高校の統廃合は進む一方だ。背景にある少子化の事情もまた複雑である。職場がないと若年層は県外に流出し、県内に残っても晩婚化・非婚化が進む。夫婦でも経済的な事情から多くの子どもを持つことを諦めるケースも見られる。
 こうした問題は県教委だけではなく、県全体で取り組むべき課題であったことは分かっていたはずだ。むろん、県も将来的に本県人口が100万人を割ることを見据え、諸施策に取り組んできたが、社会減と自然減を合わせた人口減少には歯止めがかからない現状である。減少の緩和に向け、県一丸となった打開策を期待したい。

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玄海原発再稼働「地元同意在り方再考を」

2017/4/26 水曜日

 

 九州電力玄海原発3、4号機をめぐり、佐賀県知事が再稼働への同意を表明した。県議会のほか、立地する玄海町の町長と町議会も既に容認しており、地元同意の手続きが完了したことになる。
 同原発は、住民の避難計画が必要な半径30キロ圏が福岡、長崎両県にも及ぶ。福岡県知事と同県の糸島市長は再稼働を容認する姿勢を示したが、長崎県では松浦と平戸、壱岐の3市長が再稼働への反対を表明。いずれの市議会も反対の意見書を全会一致で採択している。
 平戸市長は避難計画について「実効性のある計画を作るために、国が具体的にどう関わるかはっきりしていない」とし、再稼働に「賛成とは言い難い」とする。松浦、壱岐両市長はいずれも「住民に反対意見が多い。理解が得られていない」と再稼働に反対を表明。果たしてこれで、地元同意と言えるのだろうか。
 原発の再稼働に関し、国のエネルギー基本計画では「立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう、取り組む」としている。一方で福島第1原発事故を受け、原子力規制委員会は重大事故に備えて避難計画の策定などを義務付ける自治体を半径30キロ圏に拡大した。
 電力事業者は立地市町村と県の二つの自治体の同意をもって、地元同意とする手法を取っている。新規制基準での原発再稼働同意は4例目となるが、この地元同意の範囲に対する反発が立地周辺自治体から相次いでいる。
 今回は市内全域が30キロ圏に含まれる長崎県松浦市で、市議会が「原発周辺地域の現制度の矛盾について国の責任で改正すべきだ」などとする意見書を採択し、現制度への不満を表明した。
 青函圏では、建設中の大間原発をめぐって、30キロ圏の函館市が無期限凍結を求めており、訴訟にまで発展している。政府と事業者はこうした声や不満を重く受け止め、地元同意の在り方について検討すべきではないか。
 避難計画についても問題は残されたまま。政府は自治体に作成を義務付けてはいるが、計画を審査するようなことはなく、丸投げとの批判も根強い。再稼働よりも先に、実効性のある避難計画が作成されるべきだろう。どうしても「再稼働ありき」との印象が拭えない。
 立地自治体が再稼働の是非を判断しているかのような、現在のプロセスにも問題はないか。佐賀県知事は会見で「再生可能エネルギーは安定供給に課題がある。一定程度は原発に頼らざるを得ない」などと説明したが、これは本来、政府や電力事業者が言うべきことだ。政府にはもっと前面に立ってもらいたい。
 反対や不満がくすぶる中、なし崩し的に原発が再稼働されていないだろうか。いったん立ち止まり、国民が納得できるような再稼働のプロセスを再構築すべきではないか。

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弘前駅リニューアル「街の顔を一層活用したい」

2017/4/25 火曜日

 

 県内各地の観光スポットでは桜の花が咲き誇り、大勢の観光客や行楽客が訪れている。100年目を迎えた弘前さくらまつりが開かれている弘前市は、1年で最もにぎわう時期だ。
 その弘前の玄関口であるJR弘前駅を、JR東日本秋田支社がリニューアルした。2004年12月に新しい駅舎となって以降初めてという。地元を代表する祭りが大きな節目を迎えた年に、観光の街「弘前」を改めてアピールする上で大きな意義があろう。
 駅舎2階の改札前壁面に、弘前の四季をイメージした弘前城や桜、冬の岩木山、弘前ねぷたなどを津軽こぎん刺し模様で描き、ホームにつながる階段やエスカレーター付近の壁面、案内板にもこぎん刺し模様を施した。
 駅はまさしくその街の顔だ。初めて弘前を訪れた観光客が抱く印象に少なからず影響する。そういった意味では、壁面の絵にもさまざま工夫が求められるはず。今回描かれたものも関係者が工夫を凝らしたものであろう。目にした観光客には良い印象を持って弘前を巡ってもらえると願いたい。
 訪日外国人客が年々増加する中、全体に占める割合は小さいだろうが、本県を訪れる外国人も確実に増えている。こうした傾向を踏まえ、JR東は東北6県と新潟県にある在来線・新幹線駅の観光案内所を数年かけて標準化する方針を示している。
 施設に掲げるロゴマークを統一するほか、案内所の名称を英語、中国語、韓国語でも掲示。接客力の向上に向け、日本政府観光局の認定制度に定める「カテゴリー1」(英語での対応、地域の情報提供が可能)のレベル以上を基準とし、未認定の場合は認定を目指してもらう。
 JR東によると、県内は弘前、青森、新青森、七戸十和田、八戸の5駅が対象。標準化の狙いは広域の周遊観光ルートをつくることにあり、今回の取り組みを機に弘前駅が東北周遊の一拠点として、うまく機能することを期待する。
 JR東は東日本大震災以降、復興に向けて東北地方を重視する方針を続けているが、訪日外国人客を誘客する上でも東北の潜在力を高く評価し、弘前など津軽地方にも期待を寄せる。期待の大きさは、5月に運行を始める豪華寝台列車「四季島(しきしま)」の運行コースに積極的に含めていることからも分かる。
 ただ、豪華寝台列車の運行にはJR各社が力を注いでおり、利用客確保の競争は激しい。JR九州の「ななつ星in九州」の知名度は既に全国区。6月にはJR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」が登場する。
 こうしてみると、観光振興において駅が果たす役割は小さくない。各自治体、地元の住民が駅の活用をもっと考えてみることも必要なのかもしれない。

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共謀罪審議入り「国民への丁寧な説明が必要」

2017/4/22 土曜日

 

 「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が衆院法務委員会で審議されている。審議初日に安倍晋三首相は「テロ対策は喫緊の課題だ。組織的に行われる重大な犯罪の未然防止に資する」と、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた法整備の必要性を強調し、今国会成立を目指す立場を明確にした。
 世界各国でテロが相次いでおり、世情は不安感が増している。国内での犯罪も複雑、多様化している中、犯罪の未然防止を図るための法整備が必要とされる点についてはある程度、理解ができる。
 だが、今回の改正案にはあいまいな点や問題とされるものが多いと指摘せざるを得ない。
 政府は法改正の目的は、各国が協力して組織犯罪を防ぐ「国際組織犯罪防止条約」を締結するための国内法の整備だと説明している。だが、現在の国内法でも、爆発物取締罰則(陰謀罪)、凶器準備集合罪、銃砲刀剣類所持等取締法など、共謀や予備の段階からの処罰が可能となっている法律は各種あり、改めてテロ等準備罪を新設する必要性についての根拠は薄弱との指摘が、専門家からなされている。
 また政府は、取り締まりの対象について、テロリズム集団と、暴力団、麻薬密売組織などの違法行為を目的とする団体に限られるとし、こうした団体の2人以上が犯罪を計画し、その中の誰かが実行に必要なお金や品物を用意したり現場を下見したりする「準備行為」があった場合に罪になるとしている。そのため「実行準備行為が行われていない段階では強制捜査も任意捜査もできない」との見解を示し、過去に廃案となった「共謀罪法案」との違いを強調している。
 だが、こうした集団の定義はあいまいで、どんな行為が準備に当たるのかも不明確な点が多い。
 処罰対象となる犯罪も全部で277に及ぶ。組織的犯罪などを含む「テロの実行」が110、マネーロンダリング(資金洗浄)など「その他資金源」が101で、覚せい剤密輸などの「薬物」が29といった具合だが、例えば森林法の「保安林での窃盗」や許可なく馬券を売る競馬法違反(無資格競馬)も対象とされるなど、今回の法整備の趣旨と合致するのかどうか首をかしげたくなるものが多いのも正直な感想だ。
 犯罪を準備した段階で処罰することが可能で、犯罪対象もこれまでの法律よりも格段に増えるというのであれば、法律の運用いかんによっては、例えば国にとって都合の悪い活動を行っている団体が対象とされるなど、悪用の危険性もはらむだろう。政府は法律の厳格な運用をうたうが、果たして恣意(しい)的な運用が行われる危険性はないのか、国民に納得のできる説明をしなければならない。

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弘前さくらまつり「100年の歴史と魅力発信を」

2017/4/21 金曜日

 

 弘前さくらまつりが、あす22日に開幕する。今年は祭りが始まってから100年の節目となる。時代を超えて今に息づく弘前公園の桜の美しさを存分に楽しみ、改めて内外にアピールする機会としたい。
 今年は園内のソメイヨシノが18日に開幕し、同じ日に外堀も開花した。中旬の気温が予想以上に高く推移したため、一気に開花が進んだとみられる。このため21日から出店の自主営業が始まり、開幕を前に祭りムードが高まっている。
 桜に対する思いは、長く厳しい冬を乗り越える雪国にとっては格別だ。春の到来と同時に日に日に桜のつぼみが膨らみ、次第に花が咲き始めていくさまを間近で楽しむことができるのは、やはり地元市民らの特権であり、自慢だ。弘前公園の桜の風情は、花の咲き具合はもちろん、天候によってもさまざまだ。
 このように桜に心を弾ませるのは、今も昔も変わらないようだ。今の祭りが始まったのは1918(大正7)年。当時の弘前商業会議所(現弘前商工会議所)の外郭団体である弘前商工会が「第1回観桜会」を開催したのが始まりとなる。
 当時の城下町弘前は封建的で堅苦しい空気が残っていた。しかし、明治以降に植えられた桜が順調に成長し、ハイカラな若者グループが公園に出店を依頼するなどして花見を楽しんだ。これが先駆けとなり、2年後の祭り開催に至ったようだ。
 祭りは特別な“ハレ”の日とされ、男性はスーツにネクタイ、女性は晴れ着の正装で園内に繰り出し、祭りを楽しんだ様子が当時の写真からもうかがえる。園内の出店にはトゲクリガニやガサエビが並び、サーカスのゾウなどに子どもたちは心躍らせた。当時から「弘前の観桜会」は有名で、花や“団子”を求める各地からの観光客でにぎわった。
 100年を経て時代は変わり、祭りの様子も当時とは変わった。それでも、桜の下で杯を交わしたり、軒を連ねる出店を楽しんだり。祭りを楽しみ、桜をめでる人々の思いは変わらない。弘前公園の桜の魅力も今や国内のみならず国外にも知れわたるまでになった。
 祭りに欠かせない桜を支えてきた存在として決して忘れてはならないのは、桜の管理技術を守り伝えてきた人たちだろう。今でこそ「桜守」として全国的に注目されるようになったが、長い間、縁の下の力持ち的な存在として、独自に生み出した「弘前方式」で桜を守り続けてきた。手間暇と、たっぷりの愛情を受けてこその桜の美しさと言える。
 100年目を迎えた弘前公園の桜の物語はまだまだたくさんある。多くの関係者によって守り続けられてきた祭りの歴史をこの節目にいま一度振り返り、祭りを楽しみながら、その魅力を後世へとしっかり伝え続けていく機会としたい。

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