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山内代表(左)とともに街頭に立ち、聴衆に支持を訴える小田切候補=7日、弘前市 |
公示日の4日、立憲民主党公認の新人で野党統一候補の小田切達候補(61)=社民党推薦=は鮮やかな青色のシャツ姿で現れた。報道陣の問い掛けに「立憲カラーなんですよ」と照れくさそうに笑う。陣営のスタッフもそろいの“立憲ブルー”に身を包み、17日間の選挙戦をスタートした。
普段は上下きっちりしたスーツ姿だが、公示前からノーネクタイの軽やかなジャケット姿で集会に登場するようになった。弁護士であり、真面目な印象が強い本人のイメージを「少しでも柔らかに」という戦略がある。
街頭では弁護士として弘前市で29年間相談を受ける中、県民の貧困と格差の問題に直面してきたことや、弁護士の仕事では救える人に限りがあり、根本的な問題解決のため、国政への挑戦を決意したことを淡々と語る。
語気を強めたり、大きく声を張り上げたりする場面は少ないが、それも「本人の持ち味」と立憲県連の山内崇代表。語り口は静かだが、候補者の強い思いや人柄がにじみ出るとして「聞き比べてもらえれば(相手候補との違いが)分かる」と自信をうかがわせる。
野党統一候補として県内の野党や連合青森、政策協定を結んだ市民連合あおもりなどからの支援も受けるが、そうした面々にも小田切候補の評判は上々。国民民主党県連代表の田名部匡代参院議員は4日、自身の地元八戸市でマイクを握り「(小田切候補の)話っぷりから、真面目で誠実な人ということがよく伝わったと思う。パフォーマンスにはもう、うんざり。今こそ小田切さんのような政治家が必要だと思う」と聴衆に訴え掛けた。
選挙サンデーの7日には、弘前市相馬地区で、自民党現職で再選を目指す滝沢求候補(60)=公明党推薦=とバッティング。小田切候補はすぐさま駆け寄って滝沢候補と握手を交わし、互いにエールを送り合った。その胸の内を問われた小田切候補は「お互いに同じ目標に向かって走っている同志、という思いだった」と説明した。
陣営が目指すのは候補者と有権者の距離をできるだけ近づけること。通常の街頭演説に加え、各市町村で集会を重ね、有権者にじっくりと候補者の思いや人柄に触れてもらうことを重視している。
笑顔を絶やさず、県内を駆け回り「(アベノミクスの)効果を感じていますか」と聴衆に語り掛ける小田切候補。弘前市内で街頭演説に聴き入っていた農業男性(67)は「地元の候補なので期待している。消費増税もあるし、青森のような地方は大変」と小田切候補の訴えに共感した。