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胃がん内視鏡検診のすすめ

2022/3/19 土曜日

 

 胃がん検診にはバリウムのX線検診と内視鏡検診があります。X線検査はほぼ胃のみを見る検診ですが、内視鏡検査は胃以外に口腔(こうくう)・舌、咽頭・喉頭、食道、さらには胃の次の十二指腸まで観察できる検査です。
 国立がん研究センターの一昨年(2020年)の全国の部位別がん死亡数(いずれも予測)は、胃がんは男性が2万7200人、女性が1万4800人、食道・咽喉頭・口腔がんの合計は男性1万5300人、女性が4600人で、実に男性では食道・咽喉頭・口腔がんで亡くなる方は胃がんの半分以上になります。
 早期、特に胃内視鏡による治療が可能な胃がんの発見はX線検査より内視鏡検査の方が明らかに勝り、さらに胃以外の食道・咽喉頭・口腔がんの発見もできるとなると、どちらを推奨するかと言えば、断然、内視鏡検査でしょう。ただ、死亡率を減らすというがん検診の有効性でみると、胃がんでは明らかになっていますが、食道などのがんでは証明されていません。これは弘前市を含め全国的に内視鏡検診が始まって日が浅いのが一因と考えられ、いずれ有効性が明らかになるかもしれません。
 胃がんの原因はピロリ菌と萎縮性胃炎であるのは一般にも知られてきましたが、食道・咽頭・口腔のがんの原因が何であるかを知らない方が多いと思います。それはアルコールです。アルコールはいろいろな病気に関係しますが、がんに限ると肝臓以外では、大量飲酒ではもちろん、アルコールに対する体質によっては少量の晩酌でも食道などのがんの原因となり、たばこは一層リスクを高めます。
 がんの死亡数は男女比で、胃がんは男性が女性の1・8倍、食道・咽喉頭・口腔がんでは3・3倍です。過去2年に当院で行った内視鏡検診は女性が多く、男性の1・3倍です。晩酌の習慣は圧倒的に男性が多いと思うのですが、検診を受けるべき男性が女性より少ないのが現状です。ぜひ、心当たりのある方は胃がん内視鏡検診をお考えください。
(いわね内科胃腸科医院院長 岩根覚)

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オミクロン株の特徴

2022/3/12 土曜日

 

 弘前市では今年1月以降、かつてない規模で新型コロナの新規感染者が増加しています。オミクロン感染の特徴について現時点での知見を紹介します。
 ▽発症までの期間
 従来は感染から発症するまで約5日でしたが、オミクロン株では約3日です。99%が感染から7日以内に発症しています。
 ▽典型的な症状
 従来は、咳、息切れ、発熱、筋肉痛・関節痛、嘔吐(おうと)・下痢、嗅覚・味覚異常などがみられ、とくに息切れや嗅覚・味覚障害は新型コロナを疑うきっかけになっていました。しかし、オミクロン株では嗅覚・味覚障害が少なく、のどの痛みや鼻水といった風邪やインフルエンザでよくみられる症状が増えています。
 ▽重症化までの期間
 従来は、発症から約1週間を境に重症化がありましたが、オミクロン株では重症化までの期間が短いことが報告されています。これまで以上に早期診断・早期治療が重要です。
 ▽重症化リスク
 ワクチンの感染予防効果は低下していますが、重症化予防効果は保たれていることから、ワクチン接種者では重症化が少なくなっています。しかし、ワクチン未接種者にとっては、従来株と同程度の病原性と考えられています。また、年齢が高くなるほど入院率が高く、高齢者で重症化しやすいという傾向は変わりません。
 ▽今後の対策
 重症化が少ないとしても、感染者が爆発的に増えれば結果として重症者は増え、実際に全国で医療の逼迫(ひっぱく)が起こっています。また、医療従事者の感染や濃厚接触者が増え病院機能の維持が困難になり、救急搬送の困難事例が増加するなど新型コロナ以外の医療にも影響が出ています。
 現在の状況を改善するためには、感染者を減らすことにつきます。手洗い、3密を避ける、マスク着用などの基本的な対策をこれまで通りしっかりと続けるようにしましょう。誰かと食事をする際は、人数は最小限にし、短時間で済ませ、黙食(もくしょく)・マスク会食を徹底しましょう。まだワクチンを接種していない方はぜひ接種をご検討ください。
(弘前市医師会副会長 かきざき小児科アレルギー科クリニック 柿崎良樹)

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5歳から11歳のワクチン接種

2022/3/5 土曜日

 

 5歳から11歳の新型コロナウイルスワクチン接種について、接種方法、効果、安全性および弘前市における現時点での接種体制をお知らせします。
 ▽接種方法
 ファイザー社のmRNAワクチンを使用しますが、12歳以上で使用するワクチンとは違うものです。接種量は12歳以上では0・3ミリリットルでしたが、5歳から11歳では0・2ミリリットル注射します。有効成分は12歳以上の場合の3分の1です。通常は12歳以上と同様に肩に筋肉注射しますが、肩の筋肉が少ない場合には太ももに注射することもできます。また、12歳以上と同様に3週間ごとに2回接種します。
 ▽効果
 5歳から11歳における2回目接種後、7日以降の発症予防効果は、90・7%と報告されています。
 ▽安全性
 副反応は、注射部位の痛みが多く、1回目74%、2回目71%で見られます。疲れた感じや発熱は2回目の方が多く見られ、38度以上の発熱は、1回目2・5%、2回目6・5%です。ほとんどが軽度から中等度であり、安全性には問題ありません。12歳から17歳の男子で見られた心筋炎は、5歳から11歳の方が少ないと報告されています。
 また、mRNAは数分から数日といった時間の経過とともに分解されていきます。mRNAからDNAは作られないことから、mRNAを注射することで、その情報が長期に残ったり、精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることはないと考えられています。
 ▽弘前市の接種体制
 弘前市内17医療機関において3月第2週以降接種を開始します。市内対象者8446人に対して、3月に配送されるワクチンは1医療機関当たり100人分のみとなりますが、4月以降に順次ワクチンが供給される予定です。
 3月4日に対象者へ接種券が発送されています。厚生労働省作成の説明書が同封されますので、よくお読みいただいて接種するかどうかご検討ください。なお、医療機関によっては、接種券が届く前でも予約できます。接種を希望する方は、医療機関へ電話予約をお願いします。予約の際は2回目の接種も同時に予約してください。
(弘前市医師会副会長 かきざき小児科アレルギー科クリニック 柿崎良樹)

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たかが脂肪肝されど脂肪肝

2022/2/26 土曜日

 

 新型コロナウイルス感染症の流行で巣ごもり生活が増えた影響かどうかは定かでありませんが、当院では昨年健康診断などをきっかけに脂肪肝が見つかった患者さんが例年以上にいらっしゃいました。ただし新型コロナウイルス感染症が流行する以前から、脂肪肝患者さんの数は増加の一途をたどっており、日本人の約6人に1人(2000万人以上)が飲酒を原因としない非アルコール性脂肪肝だと推定されています。自分はお酒をそんなに飲まないから肝臓は大丈夫だろうと思っている方も多いと思いますが、決してそんなことはありません。
 さて以前は軽視されがちだった非アルコール性脂肪肝ですが、将来的に肝硬変になったり、肝臓がんを併発したりすることがあることも分かってきました。最近では、その予後を左右する因子として、肝臓の線維化の進展が関与していると考えられるようになっています。
 脂肪肝の診断確定や、線維化の程度を正確に把握するためには、肝生検という肝臓の組織を一部採取して顕微鏡で詳しく診る検査が最も適しています。ですが、体の表面から肝臓に針を刺して肝臓の組織を採取する必要があり、合併症が起こる可能性があることや、行える施設が限られていることなどから簡単には行えません。
 このため、最近では血液検査結果を組み合わせて計算したり、腹部超音波やMRIなどの画像検査を行うことによって肝臓の線維化の進行度を調べたりする方法が開発されてきました。こちらもまだまだ一般的には行われてはおらず、保険適応外のものもありますが、非侵襲的で安全に行われることから今後広く普及されてくるものと思われます。
 健康診断で軽度の肝機能異常を指摘されても放置している方、最近太ったなーと感じている方、お酒を飲む習慣が無くても脂肪肝が隠れている可能性がありますので、お近くの医療機関に相談してみてはいかがでしょう。
(山形内科クリニック院長 山形亮)

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心筋梗塞・狭心症

2022/2/19 土曜日

 

 心臓は冠動脈と呼ばれる3本の血管により酸素と栄養分が供給され、心臓の筋肉を絶えず動かしています。この冠動脈の内径が狭くなり血流が低下した病気が狭心症。冠動脈が完全に詰まって血液が流れなくなってしまう病気を心筋梗塞(こうそく)といいます。血流が途絶えてしまうと、その部分の筋肉が動かなくなってしまいます。従って、心筋梗塞のほうがより危険で重篤といえます。
 狭心症では一般的に、坂道や階段を上ったり、重い荷物を持ったりしたときに、突然、胸が痛くなったり、締め付けられるような圧迫感を覚えます。また、狭心症には労作に関係なく深夜や安静時に症状が出るタイプ(冠れんしゅく性狭心症)もあります。
 心筋梗塞では、胸の症状(痛み、締め付け感、圧迫感)が脂汗が出るほどのさらに激しいものになります。痛む場所は、主に胸の中央部から胸全体にかけてですが、時に背中や胃の辺り、まれに左肩、顎や奥歯の痛みを訴える人もいます。
 一方、チクチクする痛みや一瞬の痛みは神経痛など、心臓ではないことが多いようです。
 狭心症では、症状が数分から長くて15分程度と一時的なのに対し、心筋梗塞では、症状が30分以上継続し、しばしば恐怖感や不安感を伴います。心筋梗塞では顔面が蒼白となり、脱力感を覚え、動悸(どうき)やめまい、失神、ショック症状を呈する場合もあります。心筋梗塞の場合、約半数は発症する数カ月以内に胸の症状(痛み、締め付け感、圧迫感)が一過性に見られる人もいますが、残りの半数の方は前兆なしに突然発症します。
 心筋梗塞、狭心症の原因は動脈硬化によることが多く「糖尿病、高血圧症、高脂血症」などの疾患のある方は要注意です。さらに、喫煙、肥満、家族歴などの要因のほか、過度の疲労、精神的・肉体的な強いストレス、急激な温度変化なども引き金になることがあります。胸の違和感や痛み、締め付けられるような圧迫感を繰り返すようなら、大事をとって医療機関を受診しましょう。
(大開ファミリークリニック院長 三尾佳久)

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