医療情報ほっと

 

新しい風疹対策が始まります

2019/7/6 土曜日

 

 風疹にかかると発熱、発疹、リンパ節の腫れがみられ、その感染力は、患者1人から免疫のない5~7人に感染するほど強いとされています(ちなみにインフルエンザは患者1人から2~3人に感染します)。以前は症状から診断することが多かったのですが、2018年1月から保健所への届け出、ウイルス遺伝子検査の実施により、より正確な診断ができるようになりました。
 予防対策としての風疹予防接種は1977年に開始されましたが、無料で接種できる対象が限られた時期があり、1962年4月以前に生まれた女性(57歳以上)と79年4月以前に生まれた男性(40歳以上)は無料で接種できる機会がありませんでした。そのため、この年代では予防接種を受けた人が少なく、特に免疫が無い男性が多いことが現在の風疹流行の原因になっています。2012~13年の大きな流行では、患者1万6730人のうち76%が男性で、その65%は当時30~50歳代でした。
 風疹の大きな流行があると先天性風疹症候群という病気を持つ子どもが生まれます。12~14年には45人の発生が報告されました。先天性風疹症候群とは、妊婦が妊娠初期に風疹にかかりウイルスが胎児に感染して、生まれた子どもに障害が出る病気です。3大症状として先天性心疾患、高度難聴、白内障が多く、他にも網膜症、肝脾(ひ)腫、血小板減少、糖尿病、発育遅延、精神発達遅延など障害は多岐にわたります。しかし、この病気は、全ての人が予防接種を受けて風疹の流行を防ぐことにより、無くすることができます。
 そこで、新しい風疹予防対策として、1962年(昭和37年)4月2日から79年(昭和54年)4月1日の間に生まれた男性を対象に、風疹の免疫があるかどうか血液検査し、免疫がない人に予防接種をするという対策が始まります。どちらも無料です。今年度は、72(昭和47)年4月2日から79(昭和54)年4月1日の間に生まれた男性には無料クーポン券が配布されます。これ以外の期間に生まれた対象の方は市町村にお問い合わせください。対象の方は検査を受けて、免疫の無い方はぜひ予防接種を受けてください。
(かきざき小児科アレルギー科クリニック院長 柿崎良樹)

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「安心カード」について

2019/6/29 土曜日

 

 団塊の世代が後期高齢者になるまであと5年ほど。65歳以上のお年寄りが急速に増える時代がもうすぐそこまで来ています。病気がちなお年寄りがたくさん増えた場合、急変して救急車で輪番の病院に搬送される機会が増える可能性があります。搬送先で、入院の手続きをするのに、身寄りのない1人暮らしの方は、搬送先の病院の事務員やソーシャルワーカーの方が、あちこちに手を回して大変な苦労をされて情報収集しているのが現状だと聞いています。
 このたび、市医師会では切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体制の構築や、在宅患者の救急受診時の対応体制を整備しようと、「安心カード」を作成しました。関東や関西でも似たようなカードがあるようで自治体が無料配布しています。
 「安心カード」は、弘前市介護福祉課や市内7カ所の地域包括支援センターと市医師会がメンバーとなり、計5回の打ち合わせ会議を開いて作り上げました。その後は、輪番病院を担当している院長や市議会厚生常任委員会の方々との懇談会、町会連合会保健衛生委員との懇談会、市医師会役員と報道関係者との懇談会などで話題提供して、「安心カード」について認知していただく努力を重ねてきました。
 「安心カード」の対象は基本的に65歳以上の独居高齢者で、そのほか、事業に関わる実施者が適当と認める方に配布します。配布するのは(1)A4サイズの安心カード(2)保管容器(3)たか丸くんシール2枚―です。シールは玄関の内側に貼り容器は冷蔵庫へ保管します。
 「安心カード」は弘前市役所、地域包括支援センター、市内の医療機関で配布します。記入する内容は氏名、住所などのほか、自分の事をよく知っているキーパーソンの名前、かかりつけ医、病名、飲んでいる薬の情報、居宅介護支援事業所や担当ケアマネなど介護の情報です。医師以外でも記入できるので、皆さん記入をよろしくお願い致します。
(弘前市医師会救急災害対策委員会担当理事・佐藤内科医院長 佐藤博彦)

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プール熱とヘルパンギーナ

2019/6/22 土曜日

 

 咽頭結膜熱(プール熱)は、子どもの夏風邪の一つで、発熱、咽頭炎、結膜炎を主な症状とするアデノウイルスが原因の病気です。幼児から学童の間に流行します。プールで感染することがありプール熱ともいわれますが、プール以外でも感染します。
 39~40度の高熱が数日続き、喉が痛く、目が赤くなり目やにが出ます。さらに、首のリンパ腺が腫れることもあります。症状から診断しますが、アデノウイルスの迅速診断法もあります。
 病院では、症状に合わせて、熱や喉の痛みを和らげる薬を処方します。家庭での注意点は、高熱が続くので不安になるでしょうが、解熱剤は6~8時間ごとに1日3回を目安にして、使いすぎないようにしましょう。
 高熱と喉の痛みのため、食欲がなくなるので、食べ物はプリン、ゼリー、アイスクリーム、冷めたおじや、豆腐などにして、水分は十分に飲ませてください。高熱や元気がない時以外は入浴してもかまいません。学校・保育所・幼稚園は、熱が下がって喉の痛みがなくなり、結膜炎がよくなった後2日間は、登校(園)停止になります。
 ヘルパンギーナも子どもの夏風邪の一つです。前回紹介した手足口病と同じようなウイルスが原因で、7月を中心に夏に、4歳以下の乳幼児に流行します。突然の発熱(39度以上)と喉の痛みが出て、喉の奥に赤い発疹と小さい水ぶくれがみられます。病院では、熱や喉の痛みを和らげる薬を処方します。1~2日ぐらいで熱は下がり、喉の痛みも数日以内になくなります。保育所・幼稚園は、熱が下がって水分が取れるようになるまで休ませましょう。
 咽頭結膜熱とヘルパンギーナのどちらも、高熱が3日以上続くとき、喉の痛みが強くて水分を飲めないとき、元気がなくてぐったりしているときなどには、病院を受診するようにしましょう。また、症状がなくなった後も喉から1~2週間、便へ数週間ウイルスの排出が続きます。感染予防として、排便やおむつ交換の後の手洗いが大切です。
(かきざき小児科アレルギー科クリニック院長 柿﨑良樹)

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手足口病

2019/6/15 土曜日

 

 手足口病は、主に乳幼児の間で流行するウイルス性の夏風邪の一つです。毎年、7月を中心に夏に流行します。病名のように、小さな発疹(水ぶくれ)が手のひら、足の裏、口の中にできる病気です。膝からお尻にも出ることが多いです。まれに、指の爪がはがれることもあります。熱はあまり高くはならないことが多く、1~3日で解熱します。髄膜炎や脳炎を起こし、重症になることもありますが、国内で重症例はそれほど多くありません。
 原因となるウイルスが数種類あることから、一度かかったことがあっても、またうつることがあります。国内では、予防のためのワクチンはありません。
 手足の発疹はほとんど痛みませんが、数日間口の中が痛くて水分も取れなくなることがあります。口の中が痛い間は、しみない食べ物を食べさせてください。熱いもの、塩味や酸味の強いもの、硬いものは控えた方が良いでしょう。入浴は、熱がなく、元気があるようなら構いません。
 有効な治療薬はなく、自然に治る場合がほとんどです。病院では、症状に合わせて熱や口の中の痛みを和らげる薬を処方します。口の中が痛くて水分を飲めないとき、高い熱が続くとき、吐いてぐったりしているときは、もう一度病院で診察を受けましょう。
 保育所・幼稚園は、発疹が出ていても熱がなく元気があれば行っても構いません。感染した子どもからは、症状がなくなっても、唾液からは1~2週間、便からは数週間以上の長期間ウイルスの排出が続きます。そのため、他の子どもにうつるという理由で登園を停止することは有効性が低く、ウイルスの排出期間が長いことから現実的ではありません。流行予防のためには、排便やおむつ交換の後に手洗いをすることが大切です。
(かきざき小児科アレルギー科クリニック院長 柿﨑良樹)

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  弘前市医師会(今村憲市会長)の協力により、市民の健康生活に役立つ医療・介護の最新情報を毎週土曜日に連載します。

 

 

 

 

 

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