’19県議選 票の行方

 

北郡区・当郡区=3

2019/4/11 木曜日

 

激戦を象徴するかのように、選挙期間中は齊藤陣営と相川陣営の選挙カーが鉢合わせする一幕も(北郡区)

 「正直、(序盤は)負けていた」。北郡区の自民現職齊藤直飛人(43)は、3選に沸く事務所で冷静に選挙戦を振り返った。
 無所属新人の相川順子(61)とは今回が3度目の顔合わせだが、一騎打ちは初めて。選挙区を2分する激戦の中、齊藤は若さと実績をアピールしながら選挙区内での声掛けを徹底し、中でも地元板柳町での票固めに全力を挙げた。相川の地元鶴田町での票の掘り起こしにも腐心し、流れ掛けた票をつなぎ止めた。
 知事・三村申吾が2度にわたってマイクを握ったほか、衆院議員の木村次郎ら自民関係者の手厚い支援も勝利を後押しした。
 告示前、相川は過去2回敗れた齊藤と、今回は互角の戦いをすると見込まれていた。
 「過去2回に比べ非常にたくさんの方とごあいさつさせていただいた」と相川が振り返るだけあり、出馬表明以降、標榜(ひょうぼう)する「草の根選挙」に奔走した陣営。主に福祉・子育て支援への取り組みを強くアピールする相川は、若者を含む幅広い世代への浸透を狙いながら支持拡大を図った。
 それでも結果は1303票もの大差。鶴田町では齊藤を上回る票を獲得したものの、及ばなかった。陣営の一人は「現職の壁、自民の壁は厚かった」と振り返った。
 「勝負の場だった平内で負けた」とは東郡区の自民現職神山久志(71)の弁。16年ぶりとなった選挙戦は前今別町議の福士直治(48)との保守分裂の一騎打ちで、大票田・平内町の動向が勝敗を分けた。自民は党県連幹事長の要職を担うベテランを失う大波乱となった。
 同党党員だった福士は出馬表明で除名処分を受け、両氏の支援をめぐり選挙区内4市町村の首長、議員が二分したことなどで、東郡区は注目の選挙区に。選挙戦は白熱し、県全体の投票率が50%を割る中、東郡区は選挙戦となった10選挙区で最高の65・88%。今別町は80・08%と、県内で唯一8割台に乗せた。
 選挙区の有権者は外ケ浜、今別、蓬田の3町村で1万人強、青森市を挟んで東側の平内町が1万人弱。得票数は外ケ浜町が神山、今別町が福士とそれぞれ地元で勝利し、蓬田村では福士がわずかに上回って、3町村では約70票差だった。
 平内町は4町村で最後に得票が確定し、神山が約2400票、福士が約3300票。同町では町長が福士側につき、支援する議員数も神山を上回った。
 有権者は福士の若さや「東郡の変革」という訴えを選択。福士陣営が選挙戦の構図を例えた「アリがゾウを倒す」が現実となった。
 「これが東郡の皆さんの民意」と結果を受け止めた神山だが、重鎮の落選は党県連にとっても大きな痛手。東郡区の結果は、党県連に早急な態勢の見直しを迫ることになった。
(文中敬称略)

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政党=4・完

2019/4/12 金曜日

 

投開票結果に厳しい表情を見せる自民党県連幹部。与野党ともに課題を残した県議選となった=7日午後11時40分ごろ

 「選挙イヤー」序盤戦で、現職4人が落選した自民党。県議会における「1強」は維持したが、落選者には組織の中枢を担う重鎮2人が含まれ、厳しい結果に。参院選など今後の一連の選挙を見据え、早くも組織の立て直しに着手している。
 自民は公認、推薦合わせ34人を擁立、30人が当選した。推薦候補を含めても改選前から1議席を減らし、筆頭副会長成田一憲(五所川原市区)、幹事長神山久志(東郡区)が落選。東郡区の議席を失ったことで、全16選挙区に有していた党の議席に空白区が生じた。
 党県連会長の江渡聡徳は7日の開票後に「厳しい評価が出た」と受け止めを語り、自身の責任にも言及。9日に開いた県選出国会議員団の会合で会長職の辞意を表明した。慰留を受けて参院選までの続投が決まったが、党県連の役員体制は刷新することとなった。
 江渡は今回の結果について今後の一連の選挙にも「それなりの影響が出るだろう」との考えを示しており、選挙態勢の見直しは不可避に。今回選に自民党との連携を強めて臨んだ公明党県本部代表の伊吹信一は「(現職落選は)それぞれ地域事情があった。知事選、参院選に影響が出ないようにするしかない」と気を引き締めた。
 一方の野党は立憲民主党が県議会で初議席を獲得。国民民主党、共産党がそれぞれ現有議席を維持するなど一定の成果を挙げたが、候補者を擁立できた選挙区が限られるなど、今後に課題も残した。
 立憲民主党県連代表の山内崇は結果について「いいスタートが切れた。県民は与党の圧倒的多数という現状に満足していない」と語った。統一地方選後半戦の弘前市議選、参院選にも公認候補を立てており、野党として存在感を示し、選挙戦を通じて党としての地力をつけていく考えだ。
 ただ同党が県議選で候補者を擁立したのは弘前市区のみ。今回は国民民主党と社民党、社民党と立憲民主党が協力態勢を築くなど、これまでにない野党連携の動きを見せたが、非自民の受け皿として十分とは言えない。
 社民党県連代表の三上武志は狙った議席奪還は果たせなかったが「(推薦候補が当選するなど)野党協力が良い形で成立し、一定の成果を生んだと思う」と語り、今回の連携を今後につなげる構え。
 国民民主党県連代表の田名部匡代は各選挙区に公認候補を擁立できなかったことを反省点の一つとして挙げ、「自民勢力に対峙(たいじ)するには幅広い非自民勢力が結集し、一緒に臨むことが重要。選挙ごとの連携や協力が参院選につながっていく」と野党連携の重要性を改めて強調した。
 野党3党とは一線を画し、独自の運動を展開した共産党はむつ市区に擁立した新人は落選したものの、県内3市区に現有3議席を維持。弘前市区では過去30年で最高の得票率15%を確保、八戸市区では最後の議席を自民党と争い、競り勝った。
 党県委員会委員長の畑中孝之は「参院選では地方議員の基盤がものを言う。得票率は議員の有無で大きく差が出る」とし、参院選の統一候補擁立に向けた協議の上でも今回の結果は重要と分析。知事選の候補者の選考作業も再開する構えだ。
(文中敬称略)

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