’19県議選 選挙区を行く

 

2019/4/3 水曜日

 

  7日投開票の県議選は県内10選挙区で激しい舌戦が展開されている。津軽地方の選挙区の動きを追った。

 

 

 

 

 

 

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弘前市区=上

 

少数激戦の弘前市区。各陣営は支持拡大へしのぎを削る

 「現職であっても前回選で取った票がそのまま取れるとは思わない」「有権者の反応は低調気味で、浮動票も読み切れない」
 県議選弘前市区は現職6、新人1の計7人が6議席を争う少数激戦区。情勢が読みにくい中、各陣営はいずれも危機感を持って支持拡大に奔走する。
 県内初の立憲民主議席獲得を目指し、“オール立憲”で挑むのは新人鶴賀谷貴(56)。「市議選参院選を控えた選挙。市民とともに政治を変える先頭に立たせてほしい」と訴える。党代表代行の長妻昭選対本部長も来弘し「あと一歩」と檄(げき)を飛ばすなど、総力を結集し支持拡大を図る。
 2期目を目指す無所属菊池勲(37)は人口減少対策を最重要課題に挙げ、「政治や行政の仕組みを人口減少に適応させ、地域が報われる社会に」と呼び掛ける。最年少候補の立場から若者世代への浸透を図ろうと、SNS(インターネット交流サイト)を活用した情報発信も積極的だ。
 無所属川村悟(71)は4期目に向け、連日30~40回の街頭をこなす。少数激戦の今回は「経験のないハードルの高さ。何としても勝ち抜き、市民の負託に応えたい」と意欲を示す。「懸命に街頭に立つ正攻法で挑む」とし、地域医療充実、働き方改革などの課題にも全力で取り組む構え。
 2期目を目指す自民谷川政人(49)は「この地域に住み続けられる仕組みをつくり、住み続けて良かったと思える地域に」と訴える。過去に故木村太郎衆院議員の秘書を務めた谷川の応援に、木村次郎衆院議員は松葉づえ姿で駆け付け、「手術よりも谷川候補」と結束の強さを強調した。
 4期目を目指す共産安藤晴美(67)は選挙区唯一の女性候補。「女性の議席を守ってほしいとの声に応えたい」と精力的に街頭に立ち、消費増税反対と国保料負担軽減などを訴える。陣営は「政策を最後まで訴え通す」とし、安藤は「政治を諦めない姿で有権者の支持を得たい」と話す。
 自民岡元行人(54)はリンゴ産業の問題解決に取り組む姿勢を前面に押し出し、5期目に挑む。今回は「地域経済を支えているのはリンゴ」と強調し、選挙カーの看板にリンゴを大きく描くなどしてアピール。前回選同様、市民目線で選挙戦を展開したいと自転車でも街頭を回る。
 自民齊藤爾(48)は3期目に向け、選挙区全域で連呼しながらも、街頭演説よりは小まめに足を使って支持固めに奔走する戦術を展開。「他陣営を気に掛ける余裕はない厳しい選挙」とし、「さまざまな戦い方があるだろうが、自分は地道に1票1票を積み上げるだけ」と話した。
 多くの陣営は当選ラインを前回選よりも高い「1万票以上」とみて、票の上積みに躍起。各陣営の街頭演説などでは次の市議選立候補予定者の姿もみられるなど、続く統一地方選後半戦や参院選も見据えた激しい攻防が展開されている。

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五所川原市区=中

2019/4/4 木曜日

 

五所川原市役所前に設置されている県議選の掲示板。接戦だった市長選などを踏まえ「四者四様」の選挙戦が繰り広げられている

 定数3に対し4人が立候補した五所川原市区は、自民現職3人に非自民の元職1人が挑む構図だが、昨年6月の市長選の影響などもあり「四者四様」の選挙戦を展開。各陣営は「横一線。これまでで一番厳しい戦い」と口をそろえ当選という“メダル獲得”へ向け奔走している。
 中泊町と同市金木、市浦地区が地盤の自民現職成田一憲(80)は、議長経験や8期32年の実績を武器に「農業で食べていける仕組みをつくる」などと訴える。三村申吾知事が街頭演説に立つほか、前回出馬した塚本悦子町議が支援議員団に加わり、陣営は「3番目でも良いので、津軽北部から県議を出さないと」と力を込める。
 しかし懸念もある。小泊地区出身の前衆院議員升田世喜男が国民民主の元職今博(68)を支援していることだ。陣営は「升田さんの存在は大きい。ある程度の票は流れるだろう」と警戒する。
 同選挙区で唯一の非自民系候補となっている今は、野党の集結と銘打って選挙戦を展開している「正直な政治をしないといけない。自民(候補)3人はとても強いが、皆さまの代弁者となって声を届けたい」と、連日同市と中泊町を精力的に駆け回り、声をからす。
 3月30日には国民の玉木雄一郎代表のほか、社民党県連の三上武志代表、升田らが応援に駆け付け「アベノミクスは地方に何も良い影響を与えていない。自民一強でいいのか。今さんに何とかメダルを取らせてほしい」と訴えた。
 自民現職の櫛引ユキ子(65)は「新時代に向けた稼げる農林水産業の振興」などを掲げ支持を呼び掛け。良好な関係にある佐々木孝昌市長のほか、支援する市議会与党会派9人も「佐々木市政になって五所川原は変わろうとしている。それを進めるか元に戻すかの選挙だ」と強調する。
 「圧倒的勝利で当選させないといけない」と陣営はトップ当選を狙うが「(櫛引氏は)前回無所属だったので非自民票もある程度入った。今回はそうはいかず、市長が応援しているからと油断していてはいけない」と気を引き締める。
 前回トップ当選だった自民現職寺田達也(56)は、昨年の市長選で推薦した候補が落選し、良好な関係にあった平山誠敏前市長の死去などもあり、本人も含め陣営は選挙戦前から「相当厳しい戦いになる」と危機感を抱いていた。
 それでも「だからこそ、ただ当選するだけでなく金メダルを取らないといけない」と櫛引への強い対抗意識を見せ、1位通過にこだわる。支援する市議会野党会派の12人も「負けられない」と力を込めるほか、市長選で行動を共にした若い世代が積極的に動いて支持を呼び掛けている。(文中敬称略)

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北郡・西郡・東郡区=下・完

2019/4/5 金曜日

 

候補者の街頭演説に耳を傾ける町民。1人区の北郡、西郡、東郡はいずれも激戦となっている=鶴田町

 自民党議員が独占してきた1人区の北郡、西郡、東郡。今回は各選挙区に自民系の新人が名乗りを上げ、現職との保守一騎打ちの激戦を繰り広げている。
 【北郡】
 定数1を2人で争う北郡区。板柳町を主な地盤とする自民現職の齊藤直飛人(43)と、鶴田町の無所属相川順子(61)は今回が3度目の顔合わせだが、一騎打ちは初めて。両陣営の多くが激戦と受け止めている。
 齊藤は街頭でも「これまでで一番厳しい戦い」と語り、危機感をあらわにする。演説ではリンゴ黒星病対策やリンゴの国外輸出への取り組みなどを訴え、2期の実績と43歳という若さ、行動力をアピール。告示後には三村申吾知事も2度にわたって街頭でマイクを握り「政治は実際に行動に移すのが大事」と齊藤の実績を強調した。
 一方の相川は「大きな組織の後ろ盾はない。草の根選挙で戦うしかない」と街頭演説を重ね、地道に票を掘り起こす構え。児童養護施設勤務や全国高校PTA連合会長の経験から「日本一子育てしやすい県に」と福祉や教育格差解消への取り組みを強調。聴衆には女性の姿も目立ち「男性の声も、女性の声も届ける」と訴える。
 【西郡】
 「鯵ケ沢町を制した方が勝つ」とされる西郡区。4期16年を務める自民現職工藤兼光(75)は高い知名度と自民の組織力を背景に選挙区内2町で安定した戦いを展開する。ただ、地元の鯵ケ沢町は同じく地盤とする無所属齋藤孝夫(65)と競合、町を二分する様相を呈するだけに、互いに警戒感を見せ、票固めに奔走する。
 深浦町では、工藤の知名度と支援者の数が圧倒的だが、同町での知名度不足を自認する齋藤は人脈がある北部の北金ケ沢地区を中心に追い上げを見せる。
 2人の支援体制はくっきりと分かれた。工藤陣営の応援には吉田満深浦町長と同町議の過半数が顔をそろえる。一方、齋藤陣営は平田衛鯵ケ沢町長と町政与党の町議が多数支持を表明している。
 工藤陣営幹部は1人区で初の選挙戦だけに「手応えは悪くないが、両候補どちらも新人のようなもの。16年の実績を訴えていくだけだ」と語った。齋藤陣営幹部は「接戦までいけると思う。逆に向こう(工藤陣営)が焦っているのでは」と話した。
 【東郡】
 9期目を目指す自民党県連幹事長の現職神山久志(71)に、出馬表明により同党の除名処分を受けた新人福士直治(48)が挑む。16年ぶりの選挙戦は、選挙区内を二つに分ける激戦となっている。
 神山側に外ケ浜、今別両町長、福士側には平内町長、蓬田村長がつき、町村議員も各町村内で二分。元首長らも対応が分かれている。選挙期間の折り返しの2日は終日、両候補とも地元を離れ、飛び地の大票田・平内町で終日奔走した。
 第一声には党の国会議員、三村知事らが駆け付けた神山陣営。2日も神山は、産業振興の実績や太いパイプ、“働き盛り”を強調し「若い首長たちの成長を援護するため、もう1期頑張りたい」と声をからした。
 福士の街頭にも支援する議員らがずらりと並ぶ。福士は1次産業振興や子育て支援を訴え「東郡と青森県は変革を求めている。今までと同じやり方では伸びない」と力を込め、若さとフットワークの軽さも訴えた。両陣営は実績や姿勢をめぐり応酬しており、舌戦は過熱している。
(文中敬称略)

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