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総決起大会で支持者らと固く握手を交わす平山敦士氏(左)=6月9日、五所川原市内 |
4選を目指して五所川原市長選への出馬を表明していた現職平山誠敏氏(77)が健康面の理由で断念し、長男の敦士氏(44)が急きょ出馬を表明したのは告示まで2カ月を切った4月21日。突然の出来事に驚きと戸惑いを隠せない支持者も多く「市長の息子とはいえ、議員や行政経験もなく、知名度はそんなに高くない。大丈夫か」「1周どころか2周、3周くらいの出遅れ」などの声が聞かれた。
マイナスからのスタートだったが、敦士氏は誠敏氏の地盤と後援会を引き継ぎ、誠敏氏の支援市議団19人も全力で敦士氏を応援。自民党県連や公明党県本部の推薦を受けて組織をフル活用するほか、今回は特に、敦士氏の44歳という若さを前面に押し出し、同世代の青年部が中心となって街頭活動などで敦士氏とともに積極的に市内を動き回り、支持を呼び掛けている。
青年部のメンバーは「敦士氏と同じ世代、同じ思いの一仲間として、五所川原を良くしようと動いている。私たちの活動が若い人たちの掘り起こしにつながれば」と話す。
4歳と5歳の子どもを持つ父親、両親の今後を見守る役目の「責任世代」として、子育て支援と福祉の充実を提唱。子どもの医療費無料化について、現在の未就学児までからの範囲拡大や、給食費無料化の段階的な実施のほか、子育て世代が安心して暮らせる環境づくりを訴える。このほか金木総合支所の建て替えに伴う周辺整備など地域振興にも力を入れる構えだ。
敦士氏は街頭活動以外にも自身の考えを伝えるため、青年層や農業者らとミニ集会を行い、対話を通して五所川原市の課題、将来について意見を交換。陣営幹部は「敦士氏の実直さ、真面目さを感じ取ってもらえたと思う」とし「出馬を表明した時と比べると見違えるように成長している。誠敏氏から受け継いだ血がそうさせているのだろう」と話す。
9日の総決起大会には支持者ら約5000人(主催者発表)が集い、結束力の強さをうかがわせた。木村次郎衆院議員をはじめとする自民党の県選出国会議員が激励したほか、小野寺晃彦青森市長が熱いエールを送った。
「出遅れたが、ようやく相手の後ろ姿が見えてきた。最後まで力を抜くことなく相手を抜き去りたい」と話す澤田長二郎後援会長。敦士氏は「市民の声を市政に生かし、若さと実行力で、みんなが大好きな五所川原をもっと良いまちにしたい」と語る。