'18市長選 五所川原の現在

 

2018/6/14 木曜日

 

 任期満了に伴う五所川原市長選(17日告示、24日投開票)が間近に迫った。有権者は新たなかじ取りに何を託すのか。市の現状と課題を検証する。

∆ページの先頭へ

金木、市浦一体感遠く=上

 

合併から13年が経過した今も、真の一体感を求める声が住民から強く上がる(写真は5月に開庁した市役所新庁舎)

 五所川原市が市町村合併で新市となってから13年が経過した。西北五医療の拠点となるつがる総合病院が新設されたほか、5月には市政の新たな顔となる市役所新庁舎が開庁した。しかし、合併後、人口は約1万人も減り、市民からは「どんどん(まちに)元気がなくなっている」といった声が上がるほか、旧金木町、旧市浦村の住民からは「こちらにはなかなか手を掛けてくれない」といった不満の声もいまだ根強い。
 五所川原市は、合併した2005年3月当時の人口が6万4539人(五所川原5万106人、金木1万1464人、市浦2969人)だったが、今年5月末現在で5万5139人(五所川原4万4363人、金木8652人、市浦2124人)にまで減少。出生数は、08年は403人だったがほぼ毎年減り続け、17年は304人となっている。
 「金木が1万人を切るとは思わなかった。周りは空き家と高齢者の独り暮らしばかり」と金木地区の住民(63)は嘆く。金木地区では今年、金木総合支所の建て替えが行われるが、住民は「支所を新しくしても地域は活性化しない。店もどんどん閉店しているので、住民が元気になるようなことをやってほしい」と声高に訴える。
 市浦地区の活性化を目的に活動している「なんでもかだるべし~うら」の柏谷祐美子代表も「物事が市の中心部で進められすぎている感じがある。市浦だけではなかなか情報が得られない」と指摘し「市浦にも頑張っている人はたくさんいる。そういう人たちを応援してくれる部署がほしい」と注文を付ける。
 市は人口減少対策として、転入してきた子育て世代の家賃や住宅新築費用を助成しているほか、独身男女の出会いを応援する縁結びサポートセンターを設立。今年度からは若者定住対策として地域おこし協力隊を2人任命し、市の魅力を発信している。
 それでも対策が不十分だと不満を漏らす声は多い。その一例が医療費。同市は現在、未就学児までが無料化されているが、県内では同市以外全ての市町村で対象が小学生以上まで広がっている。
 同市の子育て支援団体所属の40代男性は「五所川原は子育てに興味がないのかなと思ってしまう。中泊町は保育料も無料化されており、引っ越した家族もいる」とし「五所川原の発展のために動きたいという人はたくさんいる。市はそうした方々と積極的に取り組んでほしい」と切望する。

∆ページの先頭へ

地域活性へ着地型観光=下・完

2018/6/15 金曜日

 

2017年に行われた奥津軽トレイルの様子。魅力ある資源を体験してもらう着地型観光が地域発展につながると観光関係者は指摘する

 全国的な人口減少は、五所川原市の観光にも少なからず影響を与えている。同市金木町の太宰治記念館「斜陽館」は、太宰生誕100年の節目だった2009年に16万人の入館者数を記録した。しかし、以降は徐々に減少し、17年は8万人と半減した。
 NPO法人かなぎ元気倶楽部専務理事の伊藤一弘さんは「来年は太宰治生誕110年の節目だが、太宰ファンも高齢化が進み、人口減少で若いファンの急増も見込めない。新たな価値、魅力のある資源を生かした観光を開発しなければいけない」と訴える。
 そんな中で打った新たな一手が、旧金木町などを通っていた津軽森林鉄道の遺構や太宰ゆかりの地などを巡る「奥津軽トレイル」だ。奥津軽トレイル倶楽部の代表も務める伊藤さんは「太宰が生まれ育った風土と津軽森林鉄道の魅力を生かし、ヘルスツーリズムとして人を呼び込みたい」と力説し、着地型観光の推進に努める。
 16年から本格スタートしたが、ここに来て追い風が吹いている。今年5月末、津軽森林鉄道遺構群と関係資料群が林業遺産に選ばれた。伊藤さんは「森林鉄道の機関車を復活させ観光資源に活用している例が全国にある。今回の遺産には含まれなかったが芦野公園にも同様の機関車があるので新たな観光シンボルになるはず。この取り組みで金木に注目を集めたい」と意気込む。
 同じく、着地型観光の取り組みを行っているのが企業組合でる・そーれ。市が本格的に人口減少や移住対策に取り組む前から、同市での暮らしを体験するプログラム「ごしょぐらしツアー」を展開。観光に加え、生活環境プログラムとして移住者との交流や農家民泊、地元食材を使った調理体験などを行い地元の良さを伝えている。
 「観光を地域活性化、交流人口拡大の切り口として、五所川原の良さを伝えている」と話す、でる・そーれ理事の辻悦子さん。1月のツアー参加者が4月に同市に移住した例も挙げながら「田舎暮らしに憧れる人は多い。五所川原に住みたいと思う人が少しでも増えてくれれば」とし「地元の人が普通と思っていた事が、観光客から『すごい』と言われる事は多く、五所川原にはまだまだ魅力がある」と話す。
 着地型観光が人とのつながりを増やし、滞在時間を増やすことで、観光客が減ってもそれ以上の経済効果を生み出すことができる。それによって地域は活性化すると指摘する2人。「私たちの活動には限りがある。市は、五所川原の魅力をもっと率先して全国にPRするセールスマンになってほしい」と求める。

∆ページの先頭へ


当サイトでは一部、Adobe Flash・PDFファイルを使用しております。閲覧にはAdobe Flash Player・Adobe Acrobat Readerが必要です。最新のプラグインはアドビ社のサイトより無料でダウンロード可能です。

  • Adobe Flash Player ダウンロードセンター
  • Adobe - Adobe Reader ダウンロード