髙樋市政 任期折り返し

 

2016/7/17 日曜日

 

 髙樋憲黒石市長(58)は18日、1期目の任期折り返しを迎える。無投票当選を果たして以降、前市政を継承した財政再建計画に取り組む他、県内初の“地酒で乾杯条例”制定、6次産業化など観光や農業、福祉など幅広い分野で独自の施策も進めてきた。ただ、公約としてきた15年度決算での全会計黒字化は達成できず、今年度での達成は至上命題。庁舎の耐震対策や小中学校の統廃合など喫緊の課題はまだ山積しており、厳しい財政状況の中、残り2年での手腕が問われる。

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2年間の実績と今後=上

 

黒石市民との対話を重視した、市民参加型の公平・公正な市政運営を心掛けながら施策を進めてきた髙樋市長(中央)

 「無競争での市長は大変重いもの」。今年6月、髙樋市長は黒石市内で高校生を前にそう切り出した。前市政継承で出馬し、無投票当選。“政争なき市長交代”が望ましくないとの思いを抱きながらも「無競争だからこそしがらみがない」と、公平・公正な市政が実現できる環境として捉える。
 その髙樋市政が最重要課題として取り組むのが、前市長時代から引き継いだ財政再建計画だ。15年度予算全会計黒字化は、医師の退職などで黒石病院事業会計で達成できなかったが、今年度予算は職員の給与削減や、予算要求基準目標を前年度比3%減とするなどし、11年度以降続いていた歳出超過を回避。財政調整基金を取り崩さずに編成するなど、健全化に向けて一つ一つ成果を上げている。
 前市政を継承しつつ、髙樋カラーも次々と展開した。公約として掲げた「田園観光産業都市」事業として「地酒による乾杯を推奨する条例」制定や、すし米として有名だった黒石米「ムツニシキ」の復活などを手掛け、雇用促進や地域活性化に向けた施策を推進。健康都市宣言、黒石の玄関先である弘南鉄道黒石駅前への観光案内所設置など、福祉や観光面にも力を入れた。
 今年度は農林商工部を農林部と商工観光部に再編、広報情報システム課を新設するなど庁内の機構改革から始まり、出馬表明時から意欲を示していた植物工場産業の研究会が立ち上がるなど、かねてより構想していた独自の施策が具体的な形になり始めている。
 依然として財政が予断を許さない状況の中、ハード面の課題も残されている。震度6強以上で倒壊・崩壊の恐れがあると診断された市役所本庁舎の耐震対策、小中学校の適正配置、休館中の市民文化会館・黒石公民館の再開、図書館整備―。いずれも大規模な予算確保が必要な事業となるため、予算確保のめどと優先順位を付けた着実な事業実施が求められる。
 「市民が元気で、夢を持て、黒石に誇りと自信を抱いて歩める黒石に」。髙樋市長は黒石市の未来像をこう語る。厳しい財政状況から他の自治体のような大掛かりな事業には着手できないが、黒石の資源を生かし、同時に地元の住民・産業と連携した施策を地道に進め、黒石の地方創生に向けて道を探る。

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市長インタビュー=下・完

2016/7/18 月曜日

 

任期折り返しで、髙樋市政は3年目に突入。2年間の実績や今後の抱負を語る髙樋市長

 18日で任期3年目となった黒石市の髙樋憲市長。前市長の財政再建路線を継承する一方、すし米として有名だった「黒石米」の復活や、6次化産業にバイオマス産業育成を加えた「田園観光産業都市」推進など独自カラーを展開してきた。髙樋市長は陸奥新報社のインタビューに応じ、2年間の自己評価や、今後の方針について語った。
 ―目標としていた2015年度決算の全会計黒字化を達成できなかったが。
 黒石病院のみ赤字になり、謙虚に反省しなければならない。ただ黒石病院は、黒字化を目指した当初の状況と経営環境が変化した経緯もあり、仕方なかった面もある。
 ―財政再建の今後の方針は。
 今年度予算は、市民・職員の理解・協力を得て、基金に手をつけずに組めた。プライマリーバランスを重視した市政運営で、今後も基金を積み上げられる財政運営をしたい。
 ―田園観光産業都市事業の手応えは。
 私の祖父(竹次郎元市長)は「田園観光都市」を目指し、私は「田園観光産業都市」を目指している。バイオ関係の事業が脚光を浴びているため、産業を入れた。黒石もバイオコークス(植物由来の固形燃料)事業を行っており、今年会社操業に向かえる状況。田園観光産業都市を標ぼうすることで、地方創生と一体となり、若い人の定着を目指すために仕事づくりに力を入れる。
 ―10の地区連絡協議会があり、他の自治体とは違う独自の地域コミュニティーを形成している黒石。各協議会を「小さな市役所」と捉える政策について。
 地区防災に踏み込めないでいた地域が動きだすなど、私が目指している黒石像に近づいている。各協議会に事業の実施をお願いできれば、私の目指す「小さな市役所」に第一歩を踏み出せる。
 ―14年の出馬会見で「県議の経験を生かして新たな黒石を模索する」と述べたが自己評価は。
 県議時代に農業問題や環境問題などを勉強し、その具現化に努めている。6次産業化、植物工場、小さな市役所も県議時代に考えていた政策。私自身が目指している政策は、形として見えるようになってきたと感じる。
 ―市の現状は。
 財政的に言えばまだまだ厳しい状況だが地域のコミュニティー(地区連絡協議会)、こみせを核とする古い街並み、温泉郷など観光資源の分野で他にはまねできないところがたくさんある。農業でも、もともとすし米で有名だった黒石米、日本でただ一つのりんご研究所高冷地野菜など競争に勝てるものが多いうまく生かせば黒石の将来は悲観するものではない。同時に、自立した経済力を持った黒石をつくり上げられれば、自立したコンパクトな黒石として発展できる。
 ―抱負は。
 自分が掲げた目標は1期である程度めどを付けたい。それがもし市民に評価してもらえれば、2期目という話も出てくるかもしれないが、まずは1期で自分が考えているものを実現するようにさらに努力したい。

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