'16参院選青森 激戦の末に

 

2016/7/12 火曜日

 

 10日投開票の参院選で本県選挙区は民進党新人の野党統一候補が議席を奪取、衆参本県選挙区議席を独占してきた自民党はその一角を失った。両陣営の表情と県政界への影響を探る。
※文中敬称略

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野党共闘=上

 

当選確実の報に歓喜する民進党県連の幹部ら=10日午後11時55分ごろ

 開票作業が最終盤を迎えた10日午後11時53分、テレビ画面に待ちに待った田名部匡代の当選確実が出た瞬間、「やった!やった!」と事務所内に歓喜の輪が広がった「勝てる候補」として匡代を擁立した、民進県連代表の田名部定男は「劇的勝利だ」と興奮を抑え切れない様子で語った。
 「打倒安倍政権」「安全保障関連法廃止」の旗印の下、社民、共産との野党統一候補となった匡代。自民現職の山崎力と事実上の一騎打ちの構図が実現した。
 2013年参院選で共産候補が5万票弱を獲得していることから、「野党票が割れたら勝てない」と民進県連関係者。野党票や政権批判票の分散を回避することに勝機を求めた。
 民進党本部から連日、大物弁士が本県に入り“空中戦”を仕掛けた一方で、強固な組織を誇る自民に対抗するため、民進はもちろん、匡代を推薦した社民、連合青森に加え、共産が草の根運動を展開。野党支持層を確実に固めていった。
 全国的に見ると、与党が改選過半数を獲得。野党に風が吹かない中、匡代自身はアベノミクスの効果の実感がない不満や、自民1強に対する有権者の「バランス感覚」が働いたことも勝因となったとみる。
 また、地元・八戸市で山崎に2万5346票の大差をつけたことが、最終的に勝敗を左右する形となった。匡代は「有権者も“地元から”という思いを持ってくれたのだろう」との見方を示す。
 勝利は得たが、民主時代から課題とされる民進県連の組織力の弱さが克服されたわけではない。匡代は「地方議員を増やすことや、強固な結束力を示すことが大事」と今後を見据える。
 野党共闘が一定以上の成果を示したが、政党間で憲法観、エネルギー政策などで相違点があり、次期衆院選などでの連携は不透明。定男は「今は参院選に限って。今後はいろいろ協議していきたい」と述べるにとどめる。
 一方、ある民進県連関係者は「全国的には党に対して逆風が吹いている」と指摘。「野党がばらばらだと、届く声も届かない。民意を反映するためには是々非々でやっていくべきだ」と打倒自民に向け、野党共闘に希望を見いだしていた。

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自民=下・完

2016/7/13 水曜日

 

山崎氏(中央)の落選を受け、険しい表情を見せる自民党県連の幹部ら=11日午前0時10分ごろ

 「まだ貯金が足りない」。市町村別の開票結果が事務所内に張り出されるたび、自民・山崎力の陣営幹部は繰り返した。次々と判明する開票結果は山崎の得票が民進新人・田名部匡代を上回るものの、思ったように差が開かない。開票が進むにつれ、事務所内は重い空気に包まれた。
 最後に残ったのは、当初から不利な情勢が伝えられていた田名部の地元八戸市。「2万票離されなければ逃
げ切れる」と踏んでいた陣営だが、蓋を開けてみれば2万5346票の大差。自民県連会長の江渡聡徳は「あそこまで負けると思わなかった」と落胆した。
 最後に勝敗を分けたのは八戸市の得票だが、残る大票田の青森、弘前両市でも敗北。本県有権者の約半数を3市で占めるだけに、ある県連幹部は「3市で負けて勝てるはずがない。特に(山崎の)地元青森で勝てないようでは」と指摘した。
 今回の選挙戦で、党本部は安倍晋三首相をはじめ、閣僚、幹部を続々投入。一方、水面下では「これほど細かく動いたことはない」(江渡)という組織戦を展開し、公明党県本部とも今まで以上に連携しながら票固めに全力を挙げた。
 その結果、得票数は山崎が前回当選した2010年参院選を上回ったが、野党の固定票、無党派層による政権批判票に屈した。県連政調会長の三橋一三は「潜在的な不満を見抜けなかったのかもしれない。農家を含め、地方の批判があることを安倍総理には重く受け止めてもらいたい」と語った。
 県連は12日に緊急役員会を開き、市町村・職域市部ごとに細かく結果を分析し、8月中旬にも総括を行うことを確認した。県連幹事長の神山久志は「選挙の時だけでなく、日ごろの地道な活動を徹底していく」とし、参院選向けに作成した県版政策集をブラッシュアップさせる考えだ。
 野党共闘について「大変な脅威」と危機感を募らせる県連。参院選では組織戦の限界が露呈し、都市部対策などの課題も浮き彫りとなった。役員会後、江渡は組織再編の可能性にも言及。青森市長選や次期衆院選を見据えた立て直しは急務で、県政与党としての存在感を示し続けるために、さらなる組織強化、選挙戦術の見直しを図っていく。

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