奥津軽トレイル体験記~運動不足でも歩けました~

 

歩き疲れ癒す七ツ滝=3

2016/5/10 火曜日

 

森林鉄道が走っていた時代、水力発電にも利用されていた七ツ滝

 4月中旬ながら、山中にはところどころ雪が残り、山奥に逃げ込む白ウサギの後ろ姿を目撃する場面もあった。少し息を弾ませながら坂道を越えると林道はなだらかとなる。未舗装だが歩きやすい。
 一同は森林鉄道が使われていた時代、山で働く人のための作業所に電力を供給していた、水力発電所跡に案内される。七ツ滝と呼ばれる滝の落差を利用したもので、作業所での明かりがランプから電灯に変わり、ラジオも聴くことができるようになったという。
 滝そのものが見ていて気持ちがよく、歩き疲れを癒やすように見入る参加者が多かった。さらにこの滝の近くには、モリアオガエルの繁殖地もあった。
 モリアオガエルは水中に白い泡状の巣を作り、産卵するのが特徴。金木町喜良市地区ではモリアオガエルの卵塊で稲作の豊凶を占う風習があり、卵塊が多いほど豊作とされたという。ツアー日は水中に複数の卵塊が浮かび、水中を泳ぐサンショウウオも見ることができた。
 またヒバとスギの葉の違いを説明されたり、高級な楊枝(ようじ)に使われるクロモジが自生する様子を教えられたりする。歩くだけではなく、自然観察を楽しめるのがトレッキングの魅力と知った。

∆ページの先頭へ

森林鉄道運行の“形見”

2016/5/11 水曜日

 

こけむした姿ながらも今も残る、青森ヒバで造られた森林鉄道の木橋跡

 休憩を何度か挟みながら歩き続け、時折川沿いに残る森林鉄道が走っていた木橋跡を目にした。森林鉄道は1909年に本線開通し、67年に廃止された。今も一部残る木製の橋を、50年近くたっても見ることができるのは、青森ヒバの耐久性によるところが大きいという。
 一同は当時の姿をかなり残しているという木橋跡に向かう。奥へ行くほど道は残雪に覆われ、ザラメ状の雪を踏んで歩くのは初心者にとって少々つらい。
 一方で雪や深い水たまりを歩いても中まで水が染みてこない上、歩き疲れを軽減するトレッキングシューズの威力を実感。当初自分がうっかりスニーカーで来るつもりだったことを思い返し、その場合の悲劇を想像してぞっとしたのだった。
 歩き続ける一同は次第に無口になるが、道が開けた先に見える木橋跡に、「すごい」「立派」という声が上がった。伊藤さんは「以前はもっと形が残っていたが、崩壊が進んでいる」と指摘。修理する必要のない木橋跡だが残したい―という思いが、奥津軽トレイル関係者にある。
 「使われた時代をかなり過ぎても、頑張って残っている木橋跡に感動した」という参加者の言葉が印象的だった。

∆ページの先頭へ

ツアー最大の見どころ=5・完

2016/5/12 木曜日

 

地元で「山の神」とされる神木「十二本ヤス」の大きさに感嘆する参加者

 奥津軽トレイルツアーに5月以降、組み込まれるのが、津軽らしい食材を使い胃に負担とならない「トレ弁」だ。身欠きニシンや漬物、金木出身の作家・太宰治も好んだ若生おにぎりなどで、適度に塩分補給もできる。
 ちなみにコース内はトイレが1カ所設置されていたが、残念ながら冬期間扱いでまだ使用できなかった。今後のツアーについても、山などで使用する簡易トイレを持参するのがベストだろう。
 昼食後はこの日のツアー最大の見どころである、樹齢800年以上とされる青森ヒバの神木「十二本ヤス」へ。現地では今も山の神として崇敬される。参加者は元気倶楽部が持参したシートを背に横になり、静かな山中で巨大な十二本ヤスをしばし仰ぎ見ながら、山の中ならではの癒やしの時を堪能した。
 運動不足の記者は当日、生まれたての小鹿のごときおぼつかない足取りで帰宅したが、盛大な筋肉痛に悩まされたわけでもなく「奥津軽トレイルは運動不足でも挑戦できる」と実感した。できれば次回も挑戦したい。
 ※奥津軽トレイルは11月まで毎月1回開催予定。問い合わせはNPO法人かなぎ元気倶楽部の奥津軽トレイル事務局(電話0173―54―1616)へ。

∆ページの先頭へ

Page: 1 2

当サイトでは一部、Adobe Flash・PDFファイルを使用しております。閲覧にはAdobe Flash Player・Adobe Acrobat Readerが必要です。最新のプラグインはアドビ社のサイトより無料でダウンロード可能です。

  • Adobe Flash Player ダウンロードセンター
  • Adobe - Adobe Reader ダウンロード