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森林鉄道が走っていた時代、水力発電にも利用されていた七ツ滝 |
4月中旬ながら、山中にはところどころ雪が残り、山奥に逃げ込む白ウサギの後ろ姿を目撃する場面もあった。少し息を弾ませながら坂道を越えると林道はなだらかとなる。未舗装だが歩きやすい。
一同は森林鉄道が使われていた時代、山で働く人のための作業所に電力を供給していた、水力発電所跡に案内される。七ツ滝と呼ばれる滝の落差を利用したもので、作業所での明かりがランプから電灯に変わり、ラジオも聴くことができるようになったという。
滝そのものが見ていて気持ちがよく、歩き疲れを癒やすように見入る参加者が多かった。さらにこの滝の近くには、モリアオガエルの繁殖地もあった。
モリアオガエルは水中に白い泡状の巣を作り、産卵するのが特徴。金木町喜良市地区ではモリアオガエルの卵塊で稲作の豊凶を占う風習があり、卵塊が多いほど豊作とされたという。ツアー日は水中に複数の卵塊が浮かび、水中を泳ぐサンショウウオも見ることができた。
またヒバとスギの葉の違いを説明されたり、高級な楊枝(ようじ)に使われるクロモジが自生する様子を教えられたりする。歩くだけではなく、自然観察を楽しめるのがトレッキングの魅力と知った。