青函新時代 北海道新幹線開業まで半年

 

2015/9/24 木曜日

 

 2016年3月26日北海道新幹線(JR新青森―新函館北斗駅間・全長約149キロ)が開業する1973年に北海道新幹線の整備計画が決まってから実に43年、新幹線はついに津軽海峡を越え、新時代を迎える。新幹線でつながることで関係者は、新たな「青函圏」が誕生し、多くの観光客が訪れ、経済が活性化することを大いに期待している。北海道新幹線開業に寄せる関係者の思いやそれぞれの課題を聞いた。

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津軽海峡越え一つに=1

 

木古内―新函館北斗間を走行する北海道新幹線H5系。新幹線は津軽海峡を越え、新しい時代に入る(JR北海道提供)

 歴史的・文化的なつながりが深い本県と道南地域だが、北海道新幹線の開業により、距離はぐっと縮まる。1908年に運航が始まった青函連絡船で4時間かけて津軽海峡を渡っていた時代から、88年には青函トンネル誕生により半分の約2時間にまで短縮。そして今回の開業で、さらに半分の約1時間(最速57分)となる。人、物さまざまなものの行き来が活発化するだろうが、在来線との共用区間・高速走行の早期実現や、より高い安全性の確保など、求められるものもまた多い。
 開業日が正式に決まったことを受け、三村申吾知事は「北海道新幹線の開業で、津軽海峡はもはや海ではなくなる。“しょっぱい川”を挟み、本県と道南地域が一つとなり青函圏の魅力を大いに発信していきたい」と意気込んだ。本県側で新たに開業する奥津軽いまべつ駅がある今別町の阿部義治町長も「新青森から札幌間のルート公表から17年。正式に開業日が決まり本当にうれしい町県道南と一緒に盛り上げていきたい」と長かった道のりを感慨深げに語る。
 北海道新幹線開業を八戸、新青森に続く「第3の開業」と位置付ける本県にとって、特に観光面での期待は高く、開業ムードが一気に加速してきた。一方で、関係者が懸念する課題もある。その一つが共用区間の高速走行だ。
 青函トンネル(約54キロ)とその前後を含めた約82キロの部分で、新幹線と在来線(貨物列車など)が共用走行する区間となっており、この区間は安全性の観点から、開業時には最高140キロでの走行が決まっている。予定では2020年春に1日1往復の高速走行が実現され、新青森と新函館北斗間が最速39分で結ばれることとなっているが、関係者の間には早期実現を望む声が非常に強い。
 千葉耕悦県新幹線・並行在来線調整監は「共用区間の高速走行実現は大きな課題の一つ。予定通り実現してほしい」と話す。
 安全対策も重要。現在、JR北海道による訓練運転が行われているが、今年4月に青函トンネル内で特急車両から発煙し、乗客が避難した事故は記憶に新しい。徹底した安全性を求める声に対し、JR北海道は8月に青函トンネルで防災訓練を実施。年明けには新幹線を使った訓練も行う予定だ。
 JR北海道鉄道事業本部運輸部の佐藤一朗副部長は「非常時のマニュアル検証も兼ねてしっかり訓練を行いたい」と最善を尽くす構え。安全が確保されてこそ、安心して津軽海峡を越える新幹線の旅を楽しむことができる。残り半年の取り組みがますます重要になるだろう。

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