'15知事選 暮らしと争点

 

2015/5/26 火曜日

 

 6月7日に投開票される知事選。県民の生活の場から選挙戦の争点を探った。

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雇用=1

 

「契約社員は不安。生活の安定のため正社員になりたい」と訴える若者。スマートフォンで求人を探す日々が続く

 全国的な景気回復に伴い2010年に0・35倍だった県内の有効求人倍率は、14年には0・80倍まで上昇するなど改善傾向が続く。一方で、正社員の割合は有効求人数全体の3割にとどまる。14年の国の賃金構造基本統計調査によると、正社員を中心にしたフルタイム労働者の賃金は月平均30万円。都道府県別に見た場合、本県は最下位の22・7万円で、首位東京の6割程度の水準だ。雇用をめぐり生まれてくる地域格差や貧困も大きな課題となっている。
 3年前、家庭の事情で、東京から青森に戻ってきた青森市の女性(33)は今年3月、1年間勤めた会社の契約を打ち切られ、現在も職を探している。
 大学卒業後、東京で民間企業の営業職に就いた。「大卒時は就職氷河期で、就職浪人だけは避けようと県外に出た」と当時の心境を語った。Uターン後、青森市で就職活動に励んだが、正社員でなかったり製造や建設、介護など技術や体力のいるものが多く、「求人はあるが希望と一致しない」という。
 女性は正社員を諦め、契約社員の道を選んだが、年収は東京時代の半分以下の200万円以下。「契約社員は来年この会社にいられるのかといつも不安」と語り「安定や権利、保障を考えるとやはり正社員を探したい」と携帯で求人情報を探す日々が続く。
 本県でリーマンショック後4万人を超えていた有効求職者数は、14年8月に3万人を切った。だが有効求人数のうち正社員の割合は12年度、13年度はともに32・3%、14年度は34・2%と30%台で推移しており、正社員になりにくい状況は依然続く。わずかな上昇傾向について青森労働局は「医療や福祉といった充足しない業種は、パートや期間を定めない正社員での求人に切り替えているようだ」と説明するが、そうした動きはまだ一部の業種に限定している。
 弘前市で契約社員の求人を出した会社を経営する男性(60)は「会社の体力がない。すぐに辞めさせることのできない正社員を雇うのは厳しい」と苦しい胸の内を明かす。
 13年4月施行の改正労働契約法により、契約社員ら有期労働者が同じ会社で5年を超えて働いた場合、本人が希望すれば、企業は期間を限定しない「無期雇用」への転換を義務付けられた。法改正に合わせ、男性の会社では、契約期間をあらかじめ示し、更新しないことを明記した。
「大きな産業や企業がなく、景気変動による求人倍率の変化も小さいのが青森。期間を区切っても若者は求職に訪れるし、会社の現状を守るので必死」と深刻な表情を浮かべる。
 全国的な景気回復の恩恵を受けにくく格差が広がる本県で、全体のほとんどを占める中小零細企業の努力には限界がある。若者は働きたい職場、安定した収入をどう手に入れたらいいのか。県内のハローワークを訪れていた弘前市の契約社員男性(35)は「昇格もなく、モチベーションは上がらない。病気で有給を取ると契約を更新してもらえない同僚もいた。自立できるほどの給料はないし、転職したいと求人を見ている。将来に希望などない」とため息ばかりついていた。

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