検証 三村県政3期

 

2015/2/12 木曜日

 

 県知事選に4選出馬を表明している三村知事の3期12年における各分野別の政策、政治姿勢を検証する。

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財政再建=1

 

 「成長と発展を支えていくための財政構造改革を着実に前進させてきた」。三村申吾知事は昨年11月の4選出馬表明で、3期12年における財政再建の成果を強調した。2003年7月の就任以来、公共工事の見直しや人件費の削減など歳出抑制を徹底。元金ベースでのプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化にも努め、基金取り崩し額の圧縮、県債発行抑制を図ってきた。
 県は08年に定めた行財政改革大綱に基づき、職員数の適正化や給料減額などで人件費の抑制を図るとともに、政策経費の選択と集中などの取り組みを推進。当初予算における基金取り崩し額は07年度の198億円をピークに減少に転じ、11年度には9億円まで抑制して実質的な収支均衡予算の編成に成功した。
 東日本大震災からの復旧・復興や地方交付税の削減に伴い、12、13年度の基金取り崩し額は増加したが、14年度は10億円に抑えて再び実質的な収支均衡予算に。県債の新規発行抑制にも努め、県債残高総額は11年度決算で県政史上初めて減少させて以降、3年連続減となっている。
 それでも13年度決算における県債残高総額は1兆3000億円を超える。県債残高を押し上げている臨時財政対策債は国が全額措置を約束しているが、国の借金を膨らませる要因にもなっている。臨財債を除く実質的な県債残高は02年をピークに減少傾向だが、将来負担の不安は拭えない。
 基金残高も13年度決算で292億4000万円と19年ぶりに増加に転じたが、法人関係税収の増加に伴う交付税減額を見込んだもの12年度(268億900万円)から実質的には増えておらず、03年に策定した財政改革プランで目標とした380億円を大きく下回る。
 一方、13年末に改定した行財政改革大綱(14~18年度)では、新たな施設整備について着手への制約を撤廃。八戸市に建設する屋内スケート場は、国の交付金を除く建設費全額を県が補助することで同市と合意し、完成までに約50億円程度が投入される見込みだ。
 移転改築する県営陸上競技場も全体事業費は約165億円に上る見通しで、17年度完成を目指して15年度から工事が本格化する。大型施設建設に伴って財政出動が膨らんでいくことは必至だ。
 社会保障費の増大、人口減少による税収の低下は避けることができず、国の地方財政対策も依然として不透明だ「行財政基盤の安定なくして県政なし」の言葉通り、安定した県政運営には行財政改革の維持が不可欠だ。

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医師確保=2

2015/2/13 金曜日

 

 慢性的な医師不足を抱える本県。課題解消に向けて、県はグランドデザイン「『良医』を育む地域・青森へ」(2005年11月策定)に基づき、医師を目指す高校生の医療施設見学会や学力向上支援のほか、弘前大学の医学生に卒業後一定期間の県内勤務を条件に返還を免除する修学資金貸与など各種施策を展開してきた。
 三村申吾知事が年頭会見で「医学部合格者の大幅増、研修医の増加などの成果が出てきている」と、自己評価したように取り組みは実を結びつつある。
 30~40人台だった本県出身の医学部医学科合格者数は08年度入試で72人に急増すると、13年度には過去最多となる92人を記録。14年度は86人が合格した。
 県内の初期臨床研修医採用者数は12年度が65人、13年度は過去最多の72人、14年度は69人となった。また、今春から89人の医学生が県内で研修に臨むことが内定している。
 一方で初期研修修了後に、県外に流出する医師数が県内に流入する医師数を上回る傾向にあるが、14年度に県内の病院で専門医養成のための後期研修に進んだ医師数は過去最多の54人となるなど、明るい兆しが見られた。
 今後も弘大の地域枠拡大に伴い、本県出身の医学生や県内の研修医の増加が期待されるが、直ちに医師の県内定着につながるものではない。厚生労働省の調査(12年末現在)によると、本県の医療機関に勤務する医師数は人口10万人当たり184・5人。依然として全国平均(226・5人)を下回っており、全国順位はワースト6位。
 県国民健康保険団体連合会の調査によると、県内23自治体病院の常勤医(14年5月現在)は525人で、病院側が施設を運営する上で必要と考える人数を213人も下回るなど、現場の医師不足感も根強い。黒石市の国保黒石病院では小児科常勤医師の退職を理由に、3月末で産婦人科の分娩(ぶんべん)の取り扱いが休止されるなど影響が拡大している。
 いかにして限られた医療資源で地域医療を守るとともに、医師の働きやすい環境を整え、県内定着を進めるか。その方策として、県は「自治体病院機能再編成」を促す。
 昨春、西北五地域保健医療圏域で「つがる総合病院」(五所川原市)が開院した。現在は弘前市など津軽地域の8市町村が再編成に向けた協議を進める。再編成の主体は市町村だが、三村知事が重要視する「命を守る仕組みづくり」を推し進めるために、県の力強いリーダーシップが求められる。

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農林水産業=3

2015/2/15 日曜日

 

 12日に青森市で開かれた「あおもり食産業推進フェア」。開会式で三村申吾知事は「素晴らしい素材を皆さんの創意工夫でより良いものに進化させることが、新しい産業やお客さまの評価、青森の元気につながる」と熱弁を振るい、県などの支援を受け開発された加工食品約500点が並ぶブースをくまなく回り出展者を激励した。
 販売を重視し生産・加工・流通に一体的に取り組む「攻めの農林水産業」は、2004年度のスタートから10年。13年の農業産出額は2835億円と10年連続で東北1位を守り、大手量販店2グループとの通常取引額は261億円と前年度を19億円上回った。リンゴ輸出量も東日本大震災後の低迷から年間2万トン台に回復、14年産は過去最多の更新も視野に入るなど着実な成果を上げている。
 ただ、販売重視の方針が全国自治体の流れとなり、消費地での競争は年々激化。三村知事は農商工連携によりヒット商品の開発や販路開拓、6次産業化などを支援し食産業の経営力強化を図るほか、自らもトップセールスで国内外を飛び回る。
 重ね着した県産品のプリントシャツを次々脱ぎ捨てながらのPRは、今や定番のパフォーマンス。「知事がやることではない」と眉をひそめる向きもあるが、県側は「知事がセールス先の幹部と直接面談すれば、相手方の対応も違ってくる。トップ同士の信頼関係や人脈を構築できるのは大きい」と明かす。
 一方、1次産業の所得向上は厳しい道のりだ。生産農業所得は減少傾向にあり、13年は前年比167億円減の936億円。特に稲作経営は14年産米の米価下落で深刻な打撃を受け、再生産が危ぶまれる状況に追い込まれている。県は15年度を「本県稲作農業の正念場」と位置付け、金融支援や複合経営への転換推進などに取り組むほか、県産米新品種「青天の霹靂(へきれき)」のブランド確立に活路を求める。
 19日に発表される日本穀物検定協会のコメ食味ランキングで青天の霹靂が最高評価「特A」を獲得できれば、ブランド化に弾みがつくのは確実。ただ、多くの先行品種との競合や米価低迷のあおりを受け、販売は苦戦が予想される。ある集荷業者は「たとえ特Aの看板が付いてもどのくらいの価格になるか見通せない」と気をもむ。
 リンゴやナガイモなどこれまで本県が圧倒的なブランド力を誇ってきた品目でも産地間競争は高まっている農家の高齢化に伴う労働力不足が進む中品質の維持・向上を求められる生産・販売現場の危機感は強い県農協中央会の岡山時夫会長は「1次産業を重視する知事の姿勢は評価できる」とした上で本県の気候や土壌に合った新品種開発に県がリーダーシップを発揮して取り組んでほしい―と注文を付けた。

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