弘前市民参加型まちづくり 1%でやってみよう!活用実践リポート

 

運用から3年=1

2014/11/24 月曜日

 

 市民が実践するまちづくり活動などを支援する、弘前市の公募型補助金制度「市民参加型まちづくり1%システム」。このほどまとまった今年度の実績は、64事業の応募があり、このうち58件、1882万6000円が採択となった。運用が始まった2011年度から年々、採択の件数と総額は増えており、市民にも徐々に制度が浸透してきていると言える。
 1%システムは市民発案の地域活性化事業を支援する制度で、その名の通り、市の住民税の1%(およそ6000万円)を財源とする。1事業に対しての助成は上限50万円。14年は1~2月、4~5月、7~8月と、3次に分けて同年度内に実施する事業を募集した。初年度から振り返ると、11年度は44件の申請のうち23件が採択、約740万円の交付にとどまったが、翌12年度は43事業に約1578万円とほぼ倍増。13年度には50事業に約1557万円となり、今年度も件数、交付額とも上積みした。

1%システムの活用事業。左上から時計回りに堀越子ども見守り隊、津軽ひろさき雪かき検定、弘前城リレーマラソン、津軽森(一部弘前市提供)

 1%システムは弘前市民5人以上で構成する団体で、弘前市内での事業であれば申請可能。町内会組織から学生による任意団体まで、発案される事業も防災防犯、保健、観光、環境、人材育成、文化芸術など多種多様。一例を挙げると、県内初のリレーマラソンとして13年度から弘前公園で開かれている「弘前城リレーマラソン」や、交通量の多い堀越学区で近隣住民がベストを着用して通学児童の交通安全を確保する「堀越子ども見守り隊」、全国各地の作家を集めたクラフトフェア「津軽森」、雪かきをレクリエーションイベントに活用した「津軽ひろさき雪かき検定」などがある(いずれも13年度採択事業)。
 運用開始からの経過について、市民協働政策課の大澤浩明課長は「市民にじわじわと浸透し、確実に根付いていっている」と話す。1%システムは「地域課題は行政だけでは解決できない」という考えに基づく。市が財政出動や職員派遣できないケースに対し、市民が地域活動を実践。交付の可否を決める審査会は、公募で選ばれた市民に有識者を交えた委員で構成する。大澤課長は「選ぶ側と選ばれる側が、地域をより良くしたいという思いで一致している。これからの人口減が進む中での、地域づくりの根底になるものと確信する」と意義を語る。
 制度の要である審査会は、単に事業の是非を判断する運用当初の在り方から、出案者に対して修正案を提示しながら採択に足る事業を検討していく形態へと移行。プレゼンテーションも基本的に申請者本人によるものとしながら、申請額20万円以下の事業は事務局に代理説明を委託できるなど弾力性を高め、利用者の間口を広げるよう改善されている。
 周知拡大と制度改良により年々件数は増加していると言える。しかし年間100件の採択件数目標に対して、達成率は6割に満たないのが現状。そこで記者自身がシステムを利用し、一申請者としての運用例を連載で紹介する。
=随時掲載=

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事業申請へ=2

2014/12/1 月曜日

 

審査会の様子。プレゼンテーションや質疑応答など、審議課程はすべて公開されている

 弘前市の公募型補助金制度「市民参加型まちづくり1%システム」について「役所の制度だから煩雑なのでは?」などの理由で敬遠する市民は少なくないだろう。そもそも、自分には関係のない制度だという受け止め方をしている人が多いと思う。かく言う私もそうであり、自分が申請者になるとは、実際に助言を受けるまで頭にはなかった。その意味でこの連載記事も、誰かの背中を押せるものでありたいと思う。
 個人の立場で今年1、4月に「Primavista(プリマビスタ)」という、多目的音楽イベントを企画した。音楽を軸にファッションやアート、伝統工芸、チャリティーなどの要素を入れ込み、さまざまな人が交流するクラブカルチャーの面白さを多くの人に感じてもらおうとの趣旨で開催。記者の仕事を通じて、弘前にはさまざまな分野で興味深い取り組みをしている方がいると感じ、交流を結んだ人々と共に何かをやりたいという思いから生まれたイベントだった。
 これを足掛かりとして次に何かを、となったときに浮かんだテーマがアニメやゲーム、マンガなどのポップカルチャー。イベントを「うぃっちたいむ!!」と命名して、プリマビスタのように多くの人が楽しめるイベントを作ろうと、有志により始動した。
 企画を進めていくうちに頭をもたげたのは、やはり資金面の問題だった。これまで予算の都合で泣く泣く不採用にしたアイデアは多々あり、今回のイベントについても同様。この時に頂いた助言が、1%システムの活用だった。
 「弘前で面白いことをしたい」との思いは強くあったものの「“お役所”に地域活性化の事業としてお墨付きをもらおうじゃないか」とまでは、さすがに考えていなかった。しかし手弁当でやっていた身として、語弊はあるが上限50万円の補助金は非常に魅力的。なにせ、諦めた数々のアイデアに実現の道筋が立つのだから。
 前回に記したように、補助金の交付には市民・有識者らで構成する審査委員会での審査をパスしなければならない。「自分たちが楽しい」だけでなく「地域にどのような効果を生み出すか」を説明できるようにするには―。その目線から事業を開催する意味を一から見直すと、今まであいまいだったものが、がっしりとした骨格を持って立ち上がってきた。そこに、補助金があれば可能になる「やってみたいこと」という血肉を付け足していくうち、今までの企画案とは見違えるものが生まれると確信した。企画書の制作に向かったのは8月、1%システムの3次募集締め切り直前のことだった。
  審査会はすべて公開され、プレゼンテーションの後に質疑応答、委員間での討議を踏まえ「公益性・必要性・実現性・将来性・費用の妥当性」の審査基準で定めた10の採点項目に沿って可否が判断される。
 委員に対して、そもそも「ポップカルチャーとは何か」という説明からしなければならない部分で苦戦はしたが、自分たちの意図は明確であったので、振り返るとそこを評価していただけたと考える。合否ラインは60点で当事業の採点結果は68点。ギリギリではあったが、ともかく補助金の交付にたどり着くことができた。
=随時掲載=

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