候補者走る ’14衆院選

 

2014/12/6 土曜日

 

 14日投開票の衆院選。本県4小選挙区には計12人が出馬し、訴えに熱を入れている。選挙区の動向や各候補者の動きを追った。

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本県4区

 

左から千葉浩規候補、山内崇候補、木村太郎候補

 3日夕。日が暮れ、厳しい冷え込みにもかかわらず、つがる市の陸奥森田駅前に、自民前職木村太郎候補(49)の支持者が詰め掛けた。木村候補は一人ひとりと握手を交わし、演説を終えて選挙カーに乗り込んだ後も「寒い思いをさせました」と繰り返し気遣った。
 突如決まった衆院選だが、先月から合併前の旧市町村ごと、弘前市はさらに小学校区ごとに集会を開き、結束を固めてきた。過去6回、自民党に逆風が吹いた時も常に木村候補を押し上げてきた強固な組織のなせる業だ。
 だが陣営は「今までとは違う」と警戒心を強める。先月、木村候補の地元・藤崎町で開いた集会で、県議会の阿部広悦議長は対抗馬の民主新人山内崇候補(59)が大票田・弘前市を生活や政治活動の基盤としていることを挙げ「大変不安だ。学校が一緒だったからとか、そういう情けの選挙になるような気がする」と危惧、同市への働き掛けを求めた。
 この時期の解散総選挙への反発や米価の下落なども懸念材料。10万票獲得を目標とする陣営は「投票率が下がると厳しくなる」と気を引き締める。
 追う山内候補。5日は党本部から駆け付けた福山哲郎政調会長がつがる市でマイクを握り「自民党を300議席にして誰が歯止めをかけるのか。しっかりお灸(きゅう)を据えるべき。津軽の皆さんも、みんなが自民で良いとは思っていない」と訴えた。
 山内候補は地元の弘前市相馬地区や近隣に広がる支持層に加え、構成員約6000人の連合青森津軽地域協議会の支援を軸に選挙戦を進める。谷川浩二議長は「比例は社民という組合もあるが、選挙区は山内で意思統一ができている」と説明。協力関係にある1区の維新新人升田世喜男候補がつがる市方面に持つ人脈も駆使し、支持層拡大の道を探る。
 ただ党組織や地方議員のネットワーク網という点では木村候補に及ばない。選対幹部は「農家には自民党は駄目だという声も強い。それを山内の票に結び付けられるかだ」と話し、本人の演説の説得力に期待を寄せる。
 維新、社民との連携が「非自民の受け皿」として有権者に浸透するかどうかもカギ。山内候補は「今回の選挙だけでない。その先も見据えた協力体制の構築だ」と意義を語る。
 共産新人の千葉浩規候補(53)は公示日以降、街頭から一心に党の政策を訴え続けている。安倍政権は「庶民の声を聞こうとしていない」、民主や第三極などの野党も「自民との対決軸を持っていない」と双方を批判し、「共産党が大きく躍進することが安倍政権の暴走政治にストップをかける」と強調する。
 同党は昨年の参院選比例代表で票を増やしており、政権に批判的な層の選択肢として存在感を増している。今回の衆院選も民主をはじめとする野党が一時期の勢いを欠く中「共産躍進のチャンス」と捉えて、自共の対決軸を鮮明に。4区だけでなく、比例代表東北ブロックに出馬した前職高橋千鶴子候補の当選も強く意識している。
 一方、陣営には「今回は投票に行かないという人が随分多い。投票率が低いのではと心配している」という声も。選対本部長の越明男弘前市議は「まだ投票先を決めていない人が3割、4割もいるとされている。選挙はこれからが本番。第2弾の政策チラシを届ける準備もしている」と後半戦を見据える。

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本県1区

2014/12/7 日曜日

 

左から升田世喜男候補、吉俣洋候補、津島淳候補

 公示日と翌日の2日間で、1区の旧14市町村を回った自民党の前職津島淳候補(48)。街頭演説には首長や県議が並び、自民党ならではの圧倒的な組織力で支持固めを図る。
 演説では米価下落対策を含めた農林水産業政策に多くの時間を充て「私は自民党を押し付けない。皆さんの声を政府、自民党にぶつけていく」と2期目への決意をにじませた。
 2年前は5候補が乱立する中で大差をつけたが、選対本部長を務める山崎力参院議員は「(共産党を除き)相手は一人に絞られ、厳しい戦い。1票1票積み上げるしかない」と危機感を募らせる。
 2~4区の自民候補と比べて経験、知名度が不足しているのも事実。街頭でマイクを握った同党県連の神山久志幹事長は「一緒に汗をかいて育てよう」と支持者に訴えかけた。
 「手応えも厳しさも感じている」と序盤戦を振り返った津島候補。「地場産業の底力をつけることが大事。政策を丁寧に訴えていく」と力を込めた。
 2日早朝、共産党の新人吉俣洋候補(40)は青森市内の卸売市場を歩いた。「市場は市内の物流のスタート。実情を聞いて、その思いから始めたい」から。選挙への出馬は5度目で、2度目の2010年参院選から公示日や告示日の恒例だ。
 3日は板柳町、五所川原市、鶴田町へ。5日までに選挙区内ほとんどの市町村で街頭に立った。回数は1日10回以上。農村部では農業問題への対案を強調し、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加の撤回などを訴える。各地の写真や街頭での出来事をツイッターなどに投稿し、市民らとの対話に活用する。
 「安倍政権への対案を示して駆け抜けている」。5日の街頭で話す通り、各地を小まめに回る。6日も雪が降る中、五所川原市、青森市を巡り「消費税増税に頼らない道がある」などと主張。「一緒に政治を変えましょう」と、演説は毎回こう締めくくる。「農家と一緒に政治を変える戦いをやりたい」と選挙戦を折り返す。
 報道各社が世論調査で自民が300議席超を獲得との予測を伝えた4日。「都会と地方の格差が広がった。自民党に勝たせ過ぎは良くない」。青森市油川地区の街頭に立った維新の党の新人升田世喜男候補(57)はそう声を張り上げた。
 短いペースで演説を繰り返し、社会のセーフティーネット拡充などを訴えつつ、民主、社民両党、連合青森との連携に触れて「野党代表として戦う」と「非自民の受け皿」であることを強調した。
 この日は、序盤の情勢として津島候補の優勢も報じられた。街頭で升田候補が「もう少しで勝てるところに来ている。力を貸してほしい」と支持を呼び掛ける一方、選対幹部は「1週間でどれぐらい差を詰められるか」と気を引き締める。
 期待された「非自民」の共闘は先月27日の決定から、まだ日が浅く「有権者に浸透していない」(選対幹部)。大票田・青森市での巻き返しを期して、民主、連合にさらなる協力を求める。

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本県3区

2014/12/9 火曜日

 

左から松橋三夫候補、大島理森候補、田名部匡代候補

 「理不尽な格差を是正し、苦しむ人の声を国政に届けたい」
 衆院選が折り返し地点を迎えた7日、民主党の元職田名部匡代候補(45)は八戸市の八食センター前で声を張り上げ、国政復帰に強い意欲を見せた。「若い人が安定した所得を得て家庭を持ち、社会を支えていける政策を進める」と若者への支援充実を重点に掲げ、「10年、20年先の未来に責任を持てる世代」と他候補に比べての“若さ”もアピール。同センター内で店主や買い物客に次々と駆け寄って握手し、声援に満面の笑みで応えた。
 陣営は「企業や支持者を細かく回って支持を固め、比例票の上積みに向け無党派層への浸透も図る」と、劣勢を伝えられた前半戦からの巻き返しを期す。田名部定男党県連代表は「安倍政権の不満を地道にすくい上げ、民主が非自民の信頼たり得る受け皿であることを示す。奇策はない」と言い切った。
 同日夕、同市の長者公民館で開かれた自民党の前職大島理森候補(68)の個人演説会。当初は他県候補者の応援で不在の本人に代わり、留守を預かる滝沢求参院議員、党所属県議が演説する計画だった。しかし開始から30分後、予定を切り上げた大島候補が登場。100人超の来場者が、拍手喝采で迎えた。
 大島候補はアベノミクスや地方創生の意義を熱っぽく語り「地方の成長のため、国の政治の真ん中に地方を置いた。皆さんが自立した思いと市政を一体として未来の希望をつくり、われわれはそれを全面的にバックアップする」と強調。「いま一度、地方新時代をつくるチャンスだ」と力を込め支持を求めた
 党の重鎮として多忙を極めるスケジュールの中、気遣いと冗談も忘れない。帰り際、来場者に「寒いから足元が滑らないよう気を付けて…」と声を掛けた後で、「選挙中に『滑る』は駄目だな」。
 消費税再増税の中止や原発ゼロの訴えを軸に独自の戦いを挑むのは、6度目の国政挑戦となる共産党の新人松橋三夫候補(65)。4日朝は八戸市庁前でマイクを握り「原発事故が発生した日本でこそ原発ゼロを決断し、市民運動と一緒になって国政を動かそう」と強い口調で呼び掛けた。
 アベノミクスを「格差と景気を悪化させるだけ」と批判。「安倍政権の暴走と対決し、消費税によらず暮らしと財政を支える対案を示す」と意気込み、大企業と富裕層の税の応分負担と、政府による賃上げ助成を訴えた。
 全国的な党への支持拡大を受け「今までになかった人たちから声を掛けられる」と手応えを実感。それでも「短期決戦でどれだけ力を出し切れるか」と厳しい表情を崩さず、「黙っていると自民が何でも決めてしまう。それを懸念する声に応えるためにも、政策を広く訴えていく」と気合を入れ直した。
 田名部候補と大島候補の直接対決は6度目。松橋候補を含めた3候補の顔合わせは5度目となる。
 田名部候補の父・匡省氏の代から続く田名部・大島両陣営の激突は「八戸戦争」とも称されるが、同市の主婦(58)は「盛り上がるのは一部の人だけ。何のための選挙かもよく分からないのに、毎回同じ顔触れで誰に投票しても同じ気がする」と冷めた口調で話した。

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本県2区=完

2014/12/11 木曜日

 

左から小笠原良子候補、中野渡詔子候補、江渡聡徳候補

 本県2区の北部・下北半島は多数の核燃サイクル関連施設が立地し「原子力半島」とも称される。原発再稼働が今回総選挙の争点の一つとなる中、原発から出る使用済み核燃料再処理工場が立地する、半島東部の六ケ所村では各候補の演説内容に注目が集まる。そうした同村に公示翌日の3日昼すぎ、2候補が相次いで演説に立った。
 最初に村役場前に到着したのは自民党の前職、江渡聡徳候補(59)だ。防衛相就任後、笑顔を見せる機会は減ったが、この時は再処理工場事業者日本原燃の幹部や地元住民ら数百人を前に表情をほころばせ「お疲れさまです。頑張ります」とそれぞれの手を握り締めた。
 江渡候補は安倍政権の経済政策アベノミクスによる景気浮揚策とその地方波及への道筋、サイクル政策などの取り組みを力説。「日本や世界の中で六ケ所村は核燃サイクルの先端的地域。この世界に誇れる技術をわれわれはしっかり次世代に継承する責務がある」と訴えた。戸田衛村長もマイクを握り、蜜月関係をアピールした。
 長年江渡候補を応援してきた地元の会社役員女性(54)は「経済波及効果は少しずつ出ている。消費税増税でプラスが見えていないだけ」と理解を示した。
 約1時間後、同じ場所に現れた維新の党の元職、中野渡詔子候補(44)だが、急きょ演説を決めた事情もあり、聴衆の姿は見えない。だが本人は笑顔で「いつもニコニコ元気印。中野渡詔子でございます」と大声でアピールした。
 サイクル政策に直接言及しなかった。「村が抱えるさまざまな課題がある。それが国策なら、国がしっかり責任を果たし、道筋を付ける。やらないできたのは誰なのか」と暗に政権与党を批判した後、「増税で生活が苦しくなり、物価が高くなり、事業者は倒産、若者の雇用減。アベノミクス効果は村にあるのか。政治を変える一人ひとりの力を中野渡に託してほしい」と支持を求めた。
 演説後、中野渡候補は物陰から様子を見ていた戸田村長を見つけるや足早に駆け付け、両手を握り締め訴えた。「また一緒にお仕事をさせてください」。
 同日夕、今回の総選挙から区割りが3区から2区に変更となった五戸町中心街では共産党の新人、小笠原良子候補(65)が雪の舞う中、道行く買い物客に手を高く上げて存在感をアピール。「皆さん初めまして。今回の選挙から五戸町は2区となりました。大変すてきな町と感じています」と笑顔であいさつ、存在感を際立たせようと懸命な姿を見せた。
 しかし、演説内容が政権批判に及ぶと、表情を変えて「医療費を上げ、年金を少なくした。介護保険は使いにくい。富裕層と財界、大企業には減税―というとんでもないアベノミクスだ」と訴えた。
 原発政策にも話題は及び、「原発再稼働・推進はとんでもない。自然・再生可能エネルギーへの道は広がっている。さまざまに着手すれば、電気を補える。原発をゼロにしなければいけない」と声に力を込めた。

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