この句に出会った時の驚きは今も忘れられない。かつてこのような情景を想像したことは一度もなかったし、傍(そば)に近づいたこともなかった。〈月光〉も〈雪〉も作者の中では神聖なものであろう。精神性が横溢(おういつ)する。これは神の領域の出来事なのである。光生俳句の神髄を極める一句である。句集『福士光生物語』所収。